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三菱マテリアル、独H.C. Starckに約5,000万ユーロ投資 タングステンリサイクル能力を増強

H.C. Starckゴスラー工場全景

 

 三菱マテリアルは、連結子会社であるH.C. Starck Tungsten GmbH(本社=ドイツ・ゴスラー市)において、タングステンリサイクル能力の増強を目的に約5,000万ユーロを投資すると発表した。主力拠点であるゴスラー工場のタングステンスクラップ処理能力を、現在の年間約5,000トンから約7,000トンへ拡大する。新設備は2026年内に着工し、2028年中の完成を予定している。

 H.C. Starck は、三菱マテリアルが2024年に連結子会社化したH.C. Starck Holding GmbHの中核事業会社で、100年以上の歴史を持つ世界有数のタングステンメーカー。タングステン粉やタングステンカーバイド粉などの高品質粉末を欧州、北米、中国で製造・販売するほか、日本にも販売網を持つ。また、世界最大級のタングステンリサイクル能力を有し、使用済み超硬工具などから回収したタングステンスクラップを原料として、中間原料や粉末製品の製造・販売までを一貫して手掛けている。

 タングステンは超硬工具をはじめ幅広い産業で使用される重要鉱物である一方、鉱石資源の偏在や地政学リスクの高まりを背景に、安定供給の重要性が一段と高まっている。H.C. Starckでは、ゴスラー工場で使用するタングステン原料の約80%をリサイクル由来原料で賄っている。

 今回の投資により、同工場のタングステンスクラップ処理能力を約7,000トンまで引き上げるとともに、欧州におけるタングステン資源循環基盤を強化する。設備完成後は、工場で使用するタングステン原料のほぼ全量をリサイクル原料で賄える見込みで、一次原料への依存度低減と安定供給体制の強化につなげる。

 三菱マテリアルグループは、中期経営戦略(2026~2028年度)の基本方針として「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」を掲げている。タングステン事業では、2030年度までに欧州、米州、アジア、日本のタングステン製品製造拠点におけるリサイクル原料使用比率100%の実現を目標としており、今回の投資はその中核を担う取り組みとなる。

 H.C. Starck TungstenのHady Seyeda CEOは、「今回の決定は、ゴスラー工場だけでなく、当社全体にとっても大きな節目となるものだ。工場内で使用するタングステン原料のほぼ全量をリサイクル原料で賄えるようになることは、未来に向けた大きな一歩となる。これにより、一次原料の供給環境がますます厳しくなる中でも、その影響を大幅に受けにくくなるとともに、ドイツおよび欧州において、重要鉱物の真の循環型社会を構築することに大きく貢献できると考えている」とコメントしている。
 

オーエスジー アルミ合金用スパイラルタップ「A-SFT-AL」を発売 ~切りくず絡みを抑え加工効率向上~

 

 製造現場では人手不足を背景に自動化や無人運転への取り組みが加速している。一方で、アルミニウム合金のねじ加工では、切りくずが長く伸びて工具へ絡みつき、機械停止や切りくず除去作業が発生することが、生産性や安定稼働を妨げる課題となっている。

 こうした課題に対応するため、オーエスジーはAブランドのタップシリーズに、アルミニウム合金加工用スパイラルタップ「A-SFT-AL」を追加し、このほど販売を開始した。

 新製品は、優れた切りくず排出性により切りくずの絡みつきを抑制し、切りくず除去作業を削減することで加工効率の向上に貢献する。横形マシニングセンタでも安定した切りくず排出を実現し、連続加工を可能にする。

 また、機械停止回数を減らすことで、生産性向上に加え、設備の消費電力抑制にも寄与する。自動化ラインや長時間の連続運転を支える工具として、製造現場の安定稼働に貢献する製品となっている。

■サイズラインナップ
 M2~M12の16アイテム。食付きは、2.5P、1.5P。

 

 

 

 

DMG森精機、国産AI開発のNoetraへ出資 フィジカルAIで製造現場の高度化へ

 DMG森精機はこのほど、国産AI基盤モデルの研究開発を手掛けるNoetraへ出資したと発表した。製造現場におけるAI活用を加速させるとともに、フィジカルAI技術の実用化を通じて、次世代の製造ソリューション創出を目指す。 Noetraは、国産のマルチモーダル基盤モデルやフィジカルAI基盤技術の研究開発を目的に設立された企業。製造業をはじめとする産業現場で蓄積される膨大なデータを活用し、ロボットや機械が実環境を認識し、自律的に判断・行動するフィジカルAIの実現に取り組んでいる。また、研究成果を国内企業や研究機関へ広く提供することで、日本のAI産業や製造業の競争力強化と産業横断的なAIエコシステムの構築を推進している。 DMG森精機は、工作機械、自動化、デジタル技術を融合した「マシニング・トランスフォーメーション(MX)」を推進しており、AIを生産性向上や品質向上、人手不足への対応を支える重要技術と位置付けている。 今回の出資について同社は、安全保障や輸出管理など高い機密性が求められる分野で活用可能な国産AIへの期待に加え、製造現場で培われた熟練技能やノウハウといった暗黙知のデジタル化にも期待を寄せている。また、フィジカルAIの実用化によって、加工条件の最適化や品質向上、省人化などへの貢献を見込む。 同社では今回の出資を通じ、国内産業界におけるAI技術の発展を支援するとともに、製造現場で培った知見をAI開発へ活用し、次世代の製造ソリューション創出につなげていく方針。■Noetra株式会社の概要代表者:代表取締役社長 丹波廣寅氏所在地:東京都渋谷区渋谷2-24-12設 立:2026年1月7日(2026年6月1日に株式会社日本AI基盤モデル開発から社名変更)事業内容:国産マルチモーダル基盤モデルの研究開発、モデル開発用インフラの検討 

フジムラ製作所が切削加工部門を拡充 ~約1億8,000万円を投じ5軸MCや自動旋盤を導入~

導入した最新設備

 

 デジタル板金を展開するフジムラ製作所(社長=藤村智広氏)は、2026年1月に立ち上げた切削加工部門の拡充を目的に、約1億8,000万円を投じて最新設備を導入した。5軸マシニングセンタやCNC自動旋盤、三次元測定機などを新たに導入し、当初計画していた第1段階の設備投資を完了した。

 今回導入した最新設備は、DMG森精機 5軸マシニングセンタ「DMU50 3rd Generation」とパレットハンドリングシステム「PH150」、シチズンマシナリー CNC自動旋盤「BNA-42SY5」、さらにキーエンス製3Dスキャナ型三次元測定機「VL-800」とワンショット3D形状測定機「VR-6000」。

(1)5軸マシニングセンタ「DMU50 3rd Generation+PH150」(DMG森精機)

 120本収納の工具マガジンを搭載したコンパクトな5軸マシニングセンタ。主軸回転速度15,000min⁻¹、早送り速度42m/min(X・Y・Z軸)により、高速・高精度加工を実現する。年内にはパレットハンドリングシステム「PH150」を増設することにより、加工中に次工程の段取りを行えるため、生産性向上が期待される。PH150は最大可搬重量250kg、400mm角パレット6面に対応し、本体操作パネルから運用できる。

(2)主軸台固定型CNC自動旋盤「BNA-42SY5」(シチズンマシナリー)

 2主軸・1タレット構成を採用したバー材加工向けCNC自動旋盤。高剛性の主軸台固定構造に加え、12ステーションのY軸搭載タレット刃物台を備え、豊富な工具レイアウトと左右同時加工、重畳加工に対応することで、高能率加工を実現する。

(3)3Dスキャナ型三次元測定機「VL-800」、ワンショット3D形状測定機「VR-6000」(キーエンス)

 「VL-800」は、AIによる測定支援機能を搭載した3Dスキャナ型三次元測定機。測定結果を自動で再現できる「リプレイ機能」により、個人差のない測定や比較・解析・判定、レポート作成まで対応する。また、図面のない部品も3Dスキャンによるリバースエンジニアリングが可能。

 一方、「VR-6000」は、図面指示寸法をはじめ、形状、うねり、粗さを最短1秒で高精度に三次元測定できるワンショット3D形状測定機。電動回転ユニットを備え、横方向や裏面の測定にも対応し、測定業務の品質向上と効率化に貢献する。

 人員面では、切削加工の経験者2人を新たに採用し、部門発足当初の4人体制から6人体制へ拡充。設備導入と人材確保を両輪で進めることで、切削加工事業の本格展開を加速させる。

加工サンプル

 

2026年6月分工作機械受注総額は2033.8億円 

 日本工作機械工業会(会長=坂元繁友 芝浦機械社長)がこのほどまとめた2026年6月分の受注実績は以下の通り。

 2026年6月分工作機械受注総額は、2033.8億円(前月比+14.9%、前年同期比+52.7%)となった。

 昨年後半から増加基調が鮮明となっていた外需は、一段と勢いを強めたことに加え、内需でも回復感が高まったことから、工作機械受注総額は2,000億円の大台を初めて突破。歴代最高額だった今年3月の1,934億7,000万円を約100億円上回る過去最高を更新した。

 受注総額は4カ月連続で1,700億円を超え、前年同月比の伸び率も6カ月連続で20%以上を記録した。特にアジア市場の好調ぶりが際立つ一方、国内需要やその他の海外市場でも高い受注水準を維持しており、世界的に設備投資の拡大が継続していることが窺えた。このため、同工業会では、工作機械受注は全体として緩やかな回復局面から拡大局面へ移行したとの見方を示した。

 先行きは、内需では政策的支援効果、外需では、AI・ロボット関連需要の活況が国際情勢による不透明感を払拭し、さらなる設備需要の伸長が見込まれる。一方、インフレ懸念が設備投資に影響を及ぼす可能性に留意が必要。

受注額の月別推移 
 


(出所:日本工作機械工業会)

6月分内需580.2億円(前月比+28.0% 前年同月比+45.5%)

 内需は前月比で3カ月ぶりに増加し、前年同月比で6カ月連続増加(+45.5%)の580.2億円となり、好調な回復傾向が続いている。主な需要業種も、期末効果を踏まえても前年より高い水準で推移している。今後の見通しとして政策措置による強い回復の持続に期待したい。

 半導体関連需要が目立って増加しているほか、データセンタ関連の需要も力強く39カ月ぶりに200億円を超えた一般機械や、51カ月ぶりに90億円を超えた電気機械等、それぞれ押し上げた。発電や空圧機器に関しても活発な商談が窺える。また、自動車はモデルチェンジや人気機種の増産対応や老朽化が進んだ生産設備の更新需要が見られ、大型案件の押し上げもあって、87カ月ぶり、7年3カ月ぶりに150億円を上回った。

 ・⼀般機械は、需要が⼀進⼀退で推移も、直近2年よりも高い水準で推移。
 ・産業機械は48カ月ぶりに200億円を超え、そのうち建設機械は2カ月ぶりの10億円超えと、海外向け需要の影響から引き続き堅調に推移。
 ・⾦型は、前月比、前年比ともに減少も半導体製造装置関連では積極的な投資が継続している。
 ・⾃動⾞向けは、前月比で2カ月ぶり、前年比は3カ月連続増加し、87カ月ぶり(2019年3月期ぶり)に150億円を超え、今後持続するか期待。
 ・自動車部品、完成車ともに前年同月比の伸びが大きく、特に完成車が65億円を超えたのは92カ月ぶり(2018年10月期ぶり)と高水準。
 ・一部で大きな受注があり、高いレベルとなった。


(出所:日本工作機械工業会)

6月分外需 1453.6億円(前月比+10.4% 前年同月比+55.8%)


(出所:日本工作機械工業会)

 外需は前年比では21カ月連続の増加、歴代最高額であった2026年3月の受注額(1,430億円)を更新し、過去最高額の1453.6億円(前月比+10.4% 前月比+55.8%)となった。国際情勢が不透明ななか、欧米の投資喚起政策の効果と、アジアでの投資が持続し、高い水準が続いている。

 主な地域別にみると、引き続き航空宇宙分野で大型案件があった北米(406.5億円)、欧州(193.6億円)は200億円を2カ月連続で下回ったものの、5月に減少した分をある程度取り戻した。中国は4カ月連続で500億円を越えるとともに、歴代最高額を更新した。

 ・⼀般機械は、前月比、前年同月比ともに6カ月連続増加、3カ月連続の400億円超え。
 ・⾃動⾞は、前⽉⽐で3カ月ぶりの増加、前年同⽉⽐では17カ⽉連続増加し、4カ⽉連続250億円超え。
 ・電気・精密は、前月比で3カ月ぶり増加、前年同月比では8カ月連続増加で、3カ月連続の高い水準で推移。
 ・航空・造船・輸送⽤機械は、前月比2カ月ぶり増加、前年同月比では4カ月連続増加で、3カ月連続の100億円超えと高い水準で推移。

①  アジア
アジア計は、4カ月連続750億円超え、800億円超えは初めて
 ・東アジアは、8カ⽉連続400億円超え、初めて630億円を超えた(2026年4月期の605億円を更新)。
 ・中国は、8カ⽉連続350億円超え、550億円超えは初めて(2026年4月期の533億円を更新)。
 ・その他アジアは14カ⽉連続の100億円超えで、歴代2番目に高い水準。
 ・インドは3カ⽉ぶりに90億円を超えた。

②  欧州
欧州計は、2カ月連続の200億円割れ
 ・ドイツは、2カ月連続の40億円割れ
 ・イタリアは、4カ月ぶりの25億円超え
③  北米
北米計は、歴代4番目の406.5億円
 ・アメリカは2カ月ぶりに350億円超え、歴代2番目に高い水準。
 ・メキシコは、2カ⽉ぶりに20億円割れ


 


(出所:日本工作機械工業会)

坂元会長コメント

 3カ月前の前回調査の時よりも明確に今後の市場動向が展望していることが分かる。足元の工作機械需要はアジアや北米が主導し、内需もこれに追随して大きな高まりを見せている。以前は自動車産業が牽引役だったが、現段階では、新車の開発方針の見直しを受けて、中国やインド等の一部の国々を除き、まだ力強さが不十分な状況。代わりにAI関連やエネルギー、航空、宇宙といった分野が受注額を強力に押し上げているのが大きな特長となっている。特にAI関連需要は新たな社会インフラを整備する側面を持ち、サイバーセキュリティの観点から、各国、各地域、整備が進み、厚みのある需要が見込まれており、発電や半導体製造装置での需要喚起にも繋がっている。

 航空、宇宙は開発の遅れもあって多くの関連企業が中長期的な設備投資計画をたてており、造船も含めて政策支援が追い風になっているとみている。また、業種を超えた全体的なな傾向では、自動化、高効率化、環境対応の需要は世界的に根強く、日本国内や北米においては、長らく設備投資を抑制してきたユーザーを中心に老朽機更新の必要性が高まっている。

 7月から8月は夏季休暇の時期であり、中東情勢の推移等によっては一時的に設備投資が抑制される可能性もあるが、大きな落ち込みには至らず、秋口以降、再び力強さを発揮するものと期待している。
 

日本機械工具工業会 2026年6月分 会員統計生産額まとまる 

  日本機械工具工業会がこのほどまとめた2026年6月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。■生産額 切削工具 441.9億円(120%)、耐摩耗工具 55.8億円(176%)、総合計 509.9億円(125%)。■ドリル生産額 特殊鋼工具 13.9億円(116%)、超硬工具 54.8億円(134%)、ダイヤ・CBN 1億円(108%)、総合計 69.7億円(129%)。■エンドミル生産額 特殊鋼工具 5.5億円(121%)、超硬工具 45.5億円(118%)、ダイヤ・CBN 1.5億円(96%)、総合計 52.5億円(117%)。■カッタ生産額 特殊鋼工具 1.6億円(99%)、超硬工具 9.7億円(171%)、ダイヤ・CBN 0.4億円(92%)、総合計 11.7億円(152%)。■ギヤカッタ生産額 総合計 6.1億円(100%)。■ブローチ生産額 総合計 8.2億円(107%)。■ねじ加工工具生産額 特殊鋼工具 37.2億円(115%)、超硬工具 4.2億円(118%)、総合計 41.4億円(116%)。■バイト生産額 特殊鋼工具 0.2億円(153%)、超硬工具 9.1億円(98%)、総合計 9.3億円(99%)。■リーマ生産額 特殊鋼工具 1.4億円(114%)、超硬工具 3.1億円(136%)、総合計 4.5億円(128%)。■鋸刃カッタ生産額 特殊鋼工具 1.4億円(111%)、超硬工具 0.6億円(107%)、総合計 2億円(109%)。■インサート生産額 超硬工具 175.9億円(120%)、ダイヤ・CBN 23.2億円(108%)、総合計 199.1億円(118%)。■ボディ関係生産額 総合計 17.1億円(104%)。■超硬合金生産額 切削用 153.8億円(118%)、耐摩耐触用 30.2億円(195%)、総合計 187.8億円(128%)。  

日本ロボット工業会 2026年4~6月期 マニピュレータ ロボット統計 受注・生産・出荷実績まとまる 

 ロボット工業会がこのほどまとめた2026年4月~6月期のマニピュレータ ロボット統計 受注・生産・出荷実績は次のとおり。■業況 2026年4~6月期は、受注額が対前年同期比40.0%の増加、生産額が同24.3%の増加と、それぞれ大幅な増加となった。受注状況をみると、マニピュレーティングロボット、電子部品実装機ともに強い伸びを示し、受注額、生産額は3四半期連続で過去最高値を更新した。 出荷実績をみると、国内向けは前年同期の反動増となったものの勢いに乏しく、自動車製造業を中心に低調に推移した。輸出は電子部品実装用が旺盛な需要を背景に中国やタイ、ベトナムを中心としたアジア向けがけん引し、欧米向けでも大幅増となった。マテハン用や半導体用も堅調で、輸出額、総出荷額は四半期として過去最高となった。 地政学リスクが重層化し、需要環境の不安定さは強まっているものの、世界的な自動化需要やAI関連投資、各種政策等を追い風として、ロボット市場の更なる成長が期待される。 受注・生産・出荷の各状況は以下の通り。■受注 ・受注台数(台) : 57,695(前年同期比+19.3% 【8四半期連続の増加】  ・受注額(億円) : 3,127(同+40.0%) 【8四半期連続の増加】■生産 ・生産台数(台) : 51,437(前年同期比+11.4%) 【6四半期連続の増加】 ・生産額(億円) : 2,520(同+24.3%) 【7四半期連続の増加】■出荷 ・総出荷台数(台) : 50,768(前年同期比+12.2%) 【6四半期連続の増加】 ・総出荷額(億円) :  2,577(同+24.1%) 【6四半期連続の増加】  ―国内出荷台数(台): 7,722(同+7.3%) 【6四半期ぶりの増加】      ―国内出荷額(億円):  383(同+3.7%)  【5四半期ぶりの増加】      ―輸出台数(台) : 43,046(同+13.2%)  【6四半期連続の増加】  ―輸出額(億円)   : 2,194(同+28.5%) 【6四半期連続の増加】■国内出荷内訳電気機械産業向け ・国内出荷台数(台) : 3,277(前年同期比+30.6%) 【5四半期ぶりの増加】 ・国内出荷額(億円) : 139(同+16.3%) 【5四半期ぶりの増加】自動車産業向け ・国内出荷台数(台) : 1,684(前年同期比▲10.9%) 【6四半期連続の減少】 ・国内出荷額(億円) : 82(同▲16.6%) 【5四半期連続の減少】■輸出内訳電子部品実装用 ・輸出台数(台): 5,218(前年同期比+16.8%) 【9四半期連続の増加】 ・輸出額(億円): 1,088(同+40.9%) 【9四半期連続の増加】溶接用・輸出台数(台): 7,124(前年同期比▼14.7%) 【3四半期ぶりの減少】・輸出額(億円): 191(同▼11.4%) 【3四半期ぶりの減少】 

経産省・2026年5月度機械統計 機械工具生産動態調査

経済産業省の2026年5月度 機械工具生産動態調査(機械統計)は以下のとおり。


*機械工具(機械統計)との差はダイヤモンド工具のダイヤモンドドレッサー、グライディングホイール、カッティングソー、セグメント工具、その他ダイヤモンド工具。
 *耐摩工具の一部はその他超硬工具に含まれる。
(表出所:日本機械工具工業会)
 

MOLDINO 「顧客とともに加工の答えをつくる」 ~MOLDINO VISION2026で収益向上への取り組みを示す~

説明する金子社長

 

 MOLDINO(社長=金子善昭氏)は7月15日~22日、オンデマンド配信で「MOLDINO VISION2026」を開催した。今回のテーマは「工場にいけばお客様の役に立つヒントがある」。工場を起点に顧客の課題解決と収益向上に挑む同社の姿勢を示し、外注コストの削減や自動化、納期短縮など、加工現場が抱える課題が多様化するなか、工具にとどまらず、加工全体で価値を生み出すためのヒントを発信した。

 金子社長は、同社の業績と事業環境について説明。それによると、2019年度を100とした場合、2025年度の業績は2019年度比で約112%となった。「円安などの効果もあり、原材料費や労務費の上昇を吸収し、全体として一定の水準を維持した」と振り返った。

 一方、足元の市場環境については、「自動車関連を中心に依然として需要の不透明感は強く、市場全体としても力強さを欠いている。また、地域や分野によって動きに差があり、需要のばらつきが広がっている」との認識を示した。

 2026年度については、タングステンの中間材であるAPT(パラタングステン酸アンモニウム)の価格高騰や調達不安などのリスクを踏まえ、「慎重な前提で計画を策定している」と説明。原材料価格の上昇が続くなか、安定供給を継続するために必要な判断として価格改定に踏み切ったことについても、理解を求めた。

 こうした厳しい事業環境のなかで金子社長が強調したのが、「数量の確保ではなく、成果につながる価値の提供」だ。

 近年の超硬工具業界を取り巻く環境については、原材料価格の変動と調達環境の変化が大きなリスクになっていると指摘。APT価格の急騰の背景には、タングステン生産の地域的な偏在や輸出規制を含む供給側の動きがあるとし、「価格、供給の両面で変動が大きくなっている環境下では、従来通り、必要な時に必要な品質で安定供給すること自体が大きなリスクを伴う状況だが、こうした環境に対してグループとして資源確保と供給の安定を推進している」と述べた。

 さらに、安定調達を支える重要な取り組みとして、タングステンリサイクルの重要性にも言及した。それによると、「タングステンは希少資源であり、供給の偏在が大きいため、安定調達の観点ではリサイクル率の向上が重要である」としたうえで、世界全体のタングステンリサイクル率は25%程度とされるなか、MOLDINOの親会社である三菱マテリアルグループでは、回収網の整備やスクラップの確保、リサイクル強化を推進。この強みを活かしてバージン原料の確保とリサイクル材の活用を両輪とし、「安定的な材料調達と供給体制の構築を進めていく」との考えを示した。

MOLDINOが示す「価値提供」の核心

 

 こうした環境下でMOLDINOが目指す「価値提供」の核心について、金子社長は、「工場を起点とした顧客との共創」を挙げ、「MOLDINOが価値を出すために必要なのは、加工の答えを現場で一緒につくること。例えば、外注している工程を内製化したい、放電加工や磨き工程の人的工数を減らしたい、自動車以外の産業にも挑戦したいなどの課題は、単に工具だけでは解決できない。現場で試し、考え、改善する中で初めて答えが見えてくる。そのための場所が工場であり、工場は製品を作る場所ではなく、課題を持ち込み、技術を検証し、次の一手を開発する場であると考えています」と意気込みを述べた。

 同社では、自動車業界をはじめとする金型加工分野で、XEVの進展や軽量化を背景に大きな変化が起きていることを踏まえ、加工現場で新たに生まれる課題への対応を強化している。その重点領域として掲げるのが、「ダイカスト分野」と「精密加工分野」の2つ。

 ダイカスト分野では、大型金型加工において、粗加工からリブの仕上げ加工まで一貫して対応できる包括的な工具ラインナップの開発を進めている。その一例が、深掘り加工に特化したフリーネックタイプのラインナップ。さらに、高機能材料に対応する高送り工具も開発し、加工現場の生産性向上に貢献していく考えを示した。

 一方、微細加工分野では、「折損」「耐久性」「能率」の3点を主要な課題として挙げた。自動車や電子部品、医療、光学レンズなど幅広い分野で小型化・高精度化が進むなか、微細加工技術への要求は今後さらに高まるとみている。

 こうしたニーズに対し、特定分野に深く入り込み、現場の課題解決に徹底して向き合う体制を構築するため、野洲工場内に「微細加工室」を新設。これにより、微細加工に関する技術検証を加速させ、新製品の開発力を一段と高めていく。

 また、同社が注力する難削材加工分野については、「鏡面加工」「加工時間短縮」「深掘り加工」「微細加工」「難材加工」「環境負荷低減」の6つの領域を設定。これらを「現場で求められる多様な課題に対応する領域」と位置づけ、これまで培ってきた独自技術と提案力を生かしながら、加工現場の生産性向上と、製造業のさらなる進化を支えていく考えだ。

 厳しさを増す市場環境のなかで、今回の「MOLDINO VISION2026」が示したのは、単に工具を提供するだけではないMOLDINOの新たな姿勢である。

 工場に足を運び、現場を知り、技術を試し、顧客とともに答えを導き出す――。そこから生まれるのは、カタログには載らない「次の一手」だ。

 現場の課題に真正面から向き合い、加工の可能性を切り拓いていく。工具メーカーとしての技術力を土台に、顧客とともに「加工の答え」をつくる存在へと、その役割をさらに広げている。

 

YASDAの高精度加工と自動化をリアルに体感! ラポールで『テックショーケース2026』を開催

 

 高精度加工と自動化の実際をユーザー目線で体感できるイベント『テックショーケース2026』が、ラポール(社長=神谷俊裕氏)と安田工業(社長=安田拓人氏)の共同開催により、7月20日(月・祝)から24日(金)までの5日間、ラポール本社(愛知県西尾市)で開催された。このイベントは、YASDAマシンを活用して高精度加工に取り組む一方、YASDAの良さをメーカーとともに伝えるディーラーでもあるラポールが、実機による加工・運用を公開。5軸加工機と自動化システムを組み合わせたリアルな現場を通じて、高精度加工を支える技術と、その先にある自動化の可能性に迫るもの。

 また、技術交流会『YASDAの庭』も開催。安田工業のサービス部門と営業技術部門がラポールに集結し、意見交換や機械の点検方法、高精度加工に必要なノウハウを来場者に提案した。複数のユーザーが成功事例や工具・治具、現場での工夫を紹介する「他社を知る」にてリアル事例セミナーも実施。カタログだけでは分からない「実際の現場はどうしているのか」に踏み込み、これからの加工現場を考えるヒントを提供した。

 20日から22日まで行われた実機見学会では、「YBM Vi40」と「YMC650+RT20」へワークを自動供給するSystem 3R WortPartner 1+」の運用についてなどを説明。来場者には事前に「お品書き」を配布し、個社に沿った内容を提案。

 来場していた総合熱機器メーカーは、「分からないことが多いので、教えて頂きに来ました」と話し、ワークを見ながら放電加工と5軸加工での違いについて相談していたのが印象的だった。

「年々参加者の広がりをみせる」という安田工業 高橋営業部長

 安田工業の高橋営業部長は、「ただ単に機械を見ていただくだけでは、本質的な理解にはつながりません。あらかじめお配りした『お品書き』で課題やポイントを絞って見ていただくことで、お客様が抱える困り事にも具体的にお答えできます」と説明する。

 また、今回のイベントには大阪や長野、さらにはインドネシアからも来場者が訪れるなど、参加者の広がりを見せているという。

説明する安田工業 佐々木氏(左) 大川氏(右)

 安田工業名古屋営業所の佐々木氏と大川氏は、「自動化を進めたいと思っていても、仕組みや運用が十分に理解できず、なかなか一歩を踏み出せないという悩みを持つ方は多い」と話す。

 その上で、「ラポールは以前から自動化に取り組んできたからこそ、そのメリットだけでなく、実際に運用する中で見えてくる課題も熟知しています。現場目線で自動化のリアルを紹介していただけるため、来場者からも『非常に勉強になった』という声を多くいただいており、非常に好評です」と語った。

ラポールとYASDAが架けた『技術の橋』

にしいん文化会館で開かれた『他社を知る』

 23日(木)に開かれた技術交流会『YASDAの庭』では、安田工業本社(岡山県浅口郡里庄町)から担当者が参加し、個別セミナーや意見交換会を行った。マシニングセンタですぐに活用できるテクニックやメンテナンスに関する情報を提供し、参加者と技術的な情報を共有した。

 技術交流会では4つのミニブースを設け、マンツーマンに近い形で参加者に対応。「サービス①」ではYBM Vi40を使用し、サーボガイドの取得デモや「Open Servo Waveform Diagnosis」によるサーボ波形の確認・修正を実演した。「サービス②」ではYBM640Vを使用し、バックラッシュの測定や、主軸衝突時に実施すべき項目についてデモンストレーションを行った。

ラポールの技術・営業担当持田氏はSNSにも注力!

 さらに営業技術のセッションでは、「出す精度より、続く精度のために」をテーマに座学を実施。精度を安定して維持するための19項目以上のポイントについて、参加者との意見交換を行った。〝設備を導入した後、いかにして加工精度を安定させ、長期にわたって維持していくか〟という、現場に直結した技術情報を提供した。

 最終日の24日(金)は、リアル事例セミナー『他社を知る』を、にししん文化会館 茶々っとホール(西尾市山下町)で行い、ラポールを含む複数のユーザーより、現場で使用している切削工具や治具、現場のリアルな運用を紹介。各社のリアルな取り組みを通して「他社はどうしているのか?」を知る内容となった。その後、ラポール本社にてBBQ懇親会が開かれ、参加者は懇親を深めた。

「製造現場をもっと魅力的な場に!」とラポール神谷社長

 今回のイベントについてラポールの神谷社長は、「製造業に携わる人たちが、さまざまな情報を得られる場所をつくりたい。そして、そうした仲間が私たちにも必要だと考えています。商流も関係なくお越しください、という点も特色の一つ。ちいさな世界で牽制しあうのではなくて、もっと競争力が必要な広い世界に向けて日本の製造業は向き合っていかないといけないと考えています。〝製造業はもっと面白いはず、製造現場をもっと魅力的な場に〟がモットーです」との思いを述べた。

BBQ懇親会で参加者は交流を深めた

 ラポールという社名は、フランス語で「橋を架ける」に由来し、「こころの架け橋になる」という思いが込められている。「私たちは人と人、企業と企業をつなぎ、製造業を活性化していきたい」とラポールの神谷社長。今回、安田工業とともに開催したテックショーケース2026では、YASDAの高精度加工技術を軸に、メーカーとユーザー、そしてユーザー同士が交流し、現場の知恵や経験を共有する場を生み出した。技術を見せるだけではなく、そこから新たなつながりを生み出すという、ラポールと安田工業が架けたこの〝技術の橋〟が製造現場の次なる一歩につながった。

(取材・文=那須直美)