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芝浦機械「ULG-100H(H3)」が第56回機械工業デザイン賞IDEAにて日本産業機械工業会賞 ~独自補正で超精密加工の常識に挑む~

 

 芝浦機械の超精密非球面加工機「ULG-100H(H3)」が、日刊工業新聞社主催の「第56回機械工業デザイン賞IDEA」で日本産業機械工業会賞を受賞
した。

「ULG-100H(H3)」は、スマートフォンなどに搭載される高精度な光学レンズ用金型の加工を対象とした超精密加工機。最大の特徴は、機械の案内面に起因する微小なうねりを打ち消す「真直度サーボ補正機能」にある。

 同機は直交する2軸に2自由度リニアエンコーダを採用。案内面の微小なうねりを検出し、ハードウエアとソフトウエアを組み合わせたリアルタイムの相互フィードバックによって、両軸のうねりを遅滞なく補正する。工作機械の「母性原理」に、制御技術で正面から挑んだ格好だ。

 案内機構にはV-V転がり案内を採用し、その剛性と安定性を維持しながら、独自の補正技術によって油静圧案内に匹敵する滑らかさを追求した。加工面の微小なうねりを抑えることで、後工程の研磨時間を大幅に削減するとともに、過剰な研磨による形状崩れや規格外品の発生を防ぐ。

 V-V転がり案内は、油静圧案内と比べて熱変位のリスクが小さく、保守性にも優れる。独自ソフト群を搭載した大型操作盤によって操作性を高めたほか、水平可動扉を備えたフルカバー構造で安全性にも配慮した。

 今回の審査では、企画力・社会性、機能・性能・品質、操作性・安全性・保守性・経済性、造形・造系処理の各面が評価された。機械本体の高剛性や位置決め再現性と、機械的な誤差を補正するソフトウエアを融合させたシステムデザインが受賞につながった。

 超精密加工の世界では、目に見えないほどのわずかなうねりが、最終的な製品精度や後工程を左右する。ULG-100H(H3)は、機械構造だけに頼るのではなく、ハードとソフトの融合によってその壁を越えようとする一台だ。

 機械工業デザイン賞IDEAは、生産財を対象に、外観、機能、性能、安全性などを総合的に評価する顕彰制度。芝浦機械は今後も、機械が持つ構造美を機能美へ昇華させた製品づくりを進めるとしている。
 

超硬工具で「カブトムシ」を加工 三菱マテリアル岐阜製作所、社員家族に製造現場を公開

 

 三菱マテリアル岐阜製作所(岐阜県安八郡神戸町)は、7月30日と8月5日の2日間、社員家族向けの工場見学会を開き、超硬工具を使ってカブトムシの形状を削り出す切削加工の実演を披露した。2日合わせて計33人が参加した。

 実演では、加工機が精密に動きながらカブトムシの形状を作り上げる工程を公開。参加者は、工具が金属を削る様子を間近で見学し、完成した加工サンプルを通じて、超硬工具の加工性能や製造現場の技術力に触れた。

 工場見学では、製作所の概要や超硬工具が完成するまでの流れを紹介した。クイズを交えながら説明するなど、子どもにも分かりやすい内容としたほか、社員食堂や事務所も公開。家族が普段目にする機会の少ない職場環境を知る機会とした。

 参加者からは、「実際の職場を見ることで仕事内容への理解が深まった」との感想や、「家族が働く姿を誇らしく感じた」との声が寄せられた。

超硬工具で加工したカブトムシ形状サンプル

 澁谷祥知所長は、「社員の家族に岐阜製作所のものづくりを実際に見てもらうため、今回は見学コースを拡充した」と説明。工場見学や切削加工の実演が、社員の仕事とそれを支える技術への理解を深め、家族の会話につながることに期待を示した。

 同見学会は、新型コロナウイルス感染症の影響で中断していたが、2025年に7年ぶりに再開した。今回は2年連続の開催となった。

 岐阜製作所は1973年に操業を開始した同社の超硬製品事業の主要拠点。超硬ドリルやカッター、バイトホルダー、超高圧焼結体工具などを製造し、自動車や航空機をはじめとする国内外の金属加工分野に供給している。敷地面積は8万528平方メートル、社員数は469人(2026年6月現在)。
 

DMG森精機 過去最高益更新が射程内!

 DMG森精機(社長:森 雅彦氏)は、2026年12月期の中間期(1~6月)連結決算を発表した。 当中間期における連結業績は、売上収益2,767億円、営業利益93億円、税引前中間利益59億円、親会社の所有者に帰属する中間利益44億円となった。 当中間期の連結受注額は、3,352億円となり、前年同期(2025年1~6月)比34.8%増と非常に好調な環境が続いた。四半期(3カ月)ベースでみても、当1~3月の対前年同期比28.8%増から、4~6月は40.5%増と予想以上に伸長した。5軸加工機、複合加工機などのMX(マシニング・トランスフォーメーション)機、自動化需要の好調に加えBX(ベーシック)機の受注も大きく伸び、両機種バランスよく受注している。機械1台あたりの受注単価は、2025年度平均の79.6百万円から81.8百万円となった。また、MRO(メンテナンス・リペア・オーバーホール)、スペアパーツ、エンジニアリング部門の受注額も737億円と前年度同期比23.3%増となった。半導体需要の高まりを背景に、半導体製造装置向け超高分解能レーザスケールを製造する株式会社マグネスケールや電子モジュール実装基板の自動検査装置を開発・販売する株式会社サキコーポレーションなどのグループ会社の受注も引き続き大きく伸び、連結受注額の増加に寄与した。 地域別受注動向は、全地域とも好調であった。産業別には、航空、宇宙、防衛、発電、エネルギー、船舶、半導体関連、医療向け受注が好調に推移した。これら産業向け受注は、下半期も好調に推移する見込みであり、年度の連結受注見通しを、従来計画の5,800億円から6,300億円(前年度比20.4%増)へと増額修正した。機械本体の受注残高は、2025年12月末の2,400億円から2026年6月末には3,030億円へと増加。この受注残高は、下半期(7~12月)以降の売上収益に寄与する見込みだ。 同社は、工程集約、自動化によりGX(グリーン・トランスフォーメーション)を実現し、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を通じて生産工程を改善するMXの提案が、各国政府による防衛費予算の拡大に加え、AI向け半導体投資を背景とする工作機械需要拡大に合致したことにより、幅広い産業分野で高い評価を得た。このMXの推進を通じた中長期的な競争力強化に向け、先端産業向け技術開発・生産拠点の拡充、製品・ソリューションの強化およびサステナビリティの推進に取り組んでいる。 2026年12月期(1~12月)の連結業績予想については、本年5月1日に公表した数値から、当四半期においてグローバルで受注が好調に推移したことに加え、対ユーロで円安基調が継続し、想定為替レートを見直した結果、売上収益は5,650億円から5,800億円へ、営業利益は280億円から300億円へ、親会社の所有者に帰属する当期利益は150億円から155億円に、それぞれ予想値を上方修正した。なお、為替レートは、米ドルレート154.1円、ユーロレート182.3円を想定している。 

三菱マテリアル キッツメタルワークスに伸銅品の製造技術を供与

 三菱マテリアルは、一部の伸銅品の供給を継続するため、キッツメタルワークスと技術供与契約を締結した。契約締結日は7月31日。 三菱マテリアルは、伸銅品事業における棒製品とエコブラス鍛造品の製造・販売を終了する方針を公表している。一部の製品の供給継続に向けた取り組みを進めるため、対象製品の製造技術をキッツメタルワークスに提供し、同社による生産体制の構築を支援する。 対象は銅棒のほか、ECO BRASS®、耐摩耗性銅合金「UH13」、海面養殖生簀用銅合金「UR30ST」、船舶用高力黄銅「TS1AS」、微細結晶エコブラス用母合金「INIFK」。契約対象外の製品については、グループ会社への生産移管や代替製品の提案を進める。 

サンドビック・コロマント、9月1日から価格改定

 サンドビック・コロマントは、9月1日受注分から全製品の価格を改定する。対象はチップ、ホルダー、カッター、ツーリング製品、ソリッド工具、部品、再研磨品を含む全製品。 平均改定率は、標準品チップが27.0%(20~35%)、ホルダーが9.2%(同7~35%)、ソリッド工具が34.4%(同25~40%)、その他の製品が8.3%となる。 市場環境の不透明感が増し、サプライチェーン全体のコストが高水準で推移していることなどが理由。同社は効率化やコスト削減を進めてきたが、安定した品質とサービスを維持するため、再度の価格改定を決めたとしている。 価格改定実施日は2026年9月1日(火)受注分より。 

三菱マテリアル 「統合報告書2026」を発行 ~中期経営戦略など紹介~

 三菱マテリアルは、「三菱マテリアル統合報告書2026」を発行した。財務・非財務の両面から、同社グループが目指す姿や企業価値向上に向けた取り組みを紹介している。

 同報告書では、2026~2028年度を対象とする中期経営戦略を特集。抜本的な構造改革や財務目標、キャピタルアロケーションのほか、マテリアル領域、プロダクト領域、資源・再生可能エネルギーの各事業戦略を掲載した。

 このほか、人事、開発、生産技術、デジタルの各戦略、気候変動や人権などのサステナビリティ活動、コーポレート・ガバナンス、財務・非財務情報などをまとめている。

 同報告書は、同社のウェブサイト(https://ir.mmc.co.jp/ja/ir/library/annual.html)で公開している。
 

コマツ 熊本地震の被災地に4,000万円相当を支援 建機なども無償貸与

 コマツは、7月28日に発生した令和8年(2026年)熊本地震の被災地支援として、日本赤十字社を通じて2,000万円の義援金を寄付する。 義援金とは別に、被災地からの要請に応じ、2,000万円相当の建設機械、フォークリフト、発電機などを無償で貸与する。 同社は、機材の提供を通じて被災地の早期復旧・復興を支援する。 

日立建機、次世代の建設・採石現場をテーマにスタートアップのアイデア募集

 

 日立建機は、世界のスタートアップ企業を対象とした「LANDCROS Innovation Studios Challenge Europe 2026」の募集を開始した。欧州における次世代の建設・採石現場をテーマとし、応募期限は9月30日。

 募集するのは、①建設・採石現場における自律運転技術、②建設・採石現場データの活用と施工計画の最適化、③ライフサイクルコストの可視化・最適化支援――の3分野。建設機械の安全性や稼働効率の向上、設備投資の適切な判断につながる提案を募る。

 応募企業から各テーマ約3社、最大計10社を選び、12月3日に日立建機(ヨーロッパ)の本社があるオランダ・アムステルダムでピッチイベントを招待する。最終的に各テーマ1社を優勝企業として選定し、日立建機との協業を検討する。

 同プロジェクトは、スタートアップとの連携や新事業の創出を促す「LANDCROS Innovation Studios」の取り組み。2025年に実施した鉱山分野の募集には、世界各国から135社が応募した。
 

三菱マテリアル、独H.C. Starckに約5,000万ユーロ投資 タングステンリサイクル能力を増強

H.C. Starckゴスラー工場全景

 

 三菱マテリアルは、連結子会社であるH.C. Starck Tungsten GmbH(本社=ドイツ・ゴスラー市)において、タングステンリサイクル能力の増強を目的に約5,000万ユーロを投資すると発表した。主力拠点であるゴスラー工場のタングステンスクラップ処理能力を、現在の年間約5,000トンから約7,000トンへ拡大する。新設備は2026年内に着工し、2028年中の完成を予定している。

 H.C. Starck は、三菱マテリアルが2024年に連結子会社化したH.C. Starck Holding GmbHの中核事業会社で、100年以上の歴史を持つ世界有数のタングステンメーカー。タングステン粉やタングステンカーバイド粉などの高品質粉末を欧州、北米、中国で製造・販売するほか、日本にも販売網を持つ。また、世界最大級のタングステンリサイクル能力を有し、使用済み超硬工具などから回収したタングステンスクラップを原料として、中間原料や粉末製品の製造・販売までを一貫して手掛けている。

 タングステンは超硬工具をはじめ幅広い産業で使用される重要鉱物である一方、鉱石資源の偏在や地政学リスクの高まりを背景に、安定供給の重要性が一段と高まっている。H.C. Starckでは、ゴスラー工場で使用するタングステン原料の約80%をリサイクル由来原料で賄っている。

 今回の投資により、同工場のタングステンスクラップ処理能力を約7,000トンまで引き上げるとともに、欧州におけるタングステン資源循環基盤を強化する。設備完成後は、工場で使用するタングステン原料のほぼ全量をリサイクル原料で賄える見込みで、一次原料への依存度低減と安定供給体制の強化につなげる。

 三菱マテリアルグループは、中期経営戦略(2026~2028年度)の基本方針として「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」を掲げている。タングステン事業では、2030年度までに欧州、米州、アジア、日本のタングステン製品製造拠点におけるリサイクル原料使用比率100%の実現を目標としており、今回の投資はその中核を担う取り組みとなる。

 H.C. Starck TungstenのHady Seyeda CEOは、「今回の決定は、ゴスラー工場だけでなく、当社全体にとっても大きな節目となるものだ。工場内で使用するタングステン原料のほぼ全量をリサイクル原料で賄えるようになることは、未来に向けた大きな一歩となる。これにより、一次原料の供給環境がますます厳しくなる中でも、その影響を大幅に受けにくくなるとともに、ドイツおよび欧州において、重要鉱物の真の循環型社会を構築することに大きく貢献できると考えている」とコメントしている。
 

オーエスジー アルミ合金用スパイラルタップ「A-SFT-AL」を発売 ~切りくず絡みを抑え加工効率向上~

 

 製造現場では人手不足を背景に自動化や無人運転への取り組みが加速している。一方で、アルミニウム合金のねじ加工では、切りくずが長く伸びて工具へ絡みつき、機械停止や切りくず除去作業が発生することが、生産性や安定稼働を妨げる課題となっている。

 こうした課題に対応するため、オーエスジーはAブランドのタップシリーズに、アルミニウム合金加工用スパイラルタップ「A-SFT-AL」を追加し、このほど販売を開始した。

 新製品は、優れた切りくず排出性により切りくずの絡みつきを抑制し、切りくず除去作業を削減することで加工効率の向上に貢献する。横形マシニングセンタでも安定した切りくず排出を実現し、連続加工を可能にする。

 また、機械停止回数を減らすことで、生産性向上に加え、設備の消費電力抑制にも寄与する。自動化ラインや長時間の連続運転を支える工具として、製造現場の安定稼働に貢献する製品となっている。

■サイズラインナップ
 M2~M12の16アイテム。食付きは、2.5P、1.5P。