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経産省・2025年8月度機械統計 機械工具生産動態調査
経済産業省の2025年8月度 機械工具生産動態調査(機械統計)は以下のとおり。

*機械工具(機械統計)との差はダイヤモンド工具のダイヤモンドドレッサー、グライディングホイール、カッティングソー、セグメント工具、その他ダイヤモンド工具。
*耐摩工具の一部はその他超硬工具に含まれる。
(表出所:日本機械工具工業会)
日本ロボット工業会 2025年7~9月期 マニピュレータ ロボット統計 受注・生産・出荷実績まとまる
ロボット工業会がこのほどまとめた2025年7~9月期のマニピュレータ ロボット統計 受注・生産・出荷実績は次のとおり。■業況 2025年7~9月期は、受注額が対前年同期比25.9%の増加、生産額が同20.7%の増加となった。受注状況をみると、引き続き電子部品実装機が強い伸びを示したほか、マニピュレーティングロボットも垂直多関節ロボットが堅調で、受注台数、受注額ともに5四半期連続の増加となった。 出荷実績をみると、国内向けは依然として勢いはなく、主要業種、主要用途で減少した。輸出は電子部品実装用が旺盛な需要を背景に、中国やベトナムを中心にアジア地域で大きく増加した。同地域向けでは、半導体用も好調さが継続した一方で、溶接用は急激な減速となった。北米向けはマテハン用を中心に力強い回復が継続した。欧州向けは国や用途で強弱があるものの、トータルとしては9四半期ぶりの増加となった。 世界的な自動化需要により、今後のロボット市場の継続した回復、成長が期待される一方で、地政学的リスクや関税政策等を背景に需要環境は依然として不安定のままで、先行きの不透明感は当面続くとみられる。 受注・生産・出荷の各状況は以下の通り。■受注 ・受注台数(台) : 49,213(前年同期比+20.0 5四半期連続の増加】 ・受注額(億円) : 2,219(同+25.9%) 【5四半期連続の増加】■生産 ・生産台数(台) : 47,525(前年同期比+14.8%) 【3四半期連続の増加】 ・生産額(億円) : 2,073(同+20.7%) 【4四半期連続の増加】■出荷 ・総出荷台数(台) : 47,842(前年同期比+10.5%) 【3四半期連続の増加】 ・総出荷額(億円) : 2,168(同+19.8%) 【3四半期連続の増加】 ―国内出荷台数(台): 7,744(同▲29.1%) 【3四半期連続の減少】 ―国内出荷額(億円): 418(同▲16.7%) 【2四半期連続の減少】 ―輸出台数(台) : 40,098(同+23.9%) 【3四半期連続の増加】 ―輸出額(億円) : 1,750(同+33.8%) 【3四半期連続の増加】■国内出荷内訳電気機械産業向け ・国内出荷台数(台) : 2,509(前年同期比▲25.8%) 【3四半期連続の減少】 ・国内出荷額(億円) : 131(同▲12.5%) 【2四半期連続の減少】自動車産業向け ・国内出荷台数(台) : 2,194(前年同期比▲38.6%) 【3四半期連続の減少】 ・国内出荷額(億円) : 122(同▲25.1%) 【2四半期連続の減少】■輸出内訳電子部品実装用 ・輸出台数(台): 4,214(前年同期比+26.5%) 【6四半期連続の増加】 ・輸出額(億円): 729(同+38.3%) 【6四半期連続の増加】溶接用 ・輸出台数(台): 7,337(前年同期比▲5.7%) 【3四半期ぶりの減少】 ・輸出額(億円): 181(同▲7.2%) 【3四半期ぶりの減少】
「第20回切削加工ドリームコンテスト」受賞作品が決定! ~MECT期間中にDMG森精機ブース内にて応募全作品を展示!~
DMG森精機はこのほど、「第20回切削加工ドリームコンテスト」を開催し、その受賞作品が決定したと発表した。
切削加工ドリームコンテストは、加工業に携わり、切削型工作機械、アディティブ・マニュファクチャリングやレーザ加工機などの先端加工機を使用している企業および学校、研究機関を対象に、技術・技能の研鑽と向上、交流を目的として2004年より開催している。
本年は、審査委員長の広島大学 茨木 創一教授をはじめ、6名の審査委員を迎え、厳正な審査の結果、全応募作品64点の中から、産業部品加工部門より2点、試作・テスト加工部門より8点、芸術造形加工部門より4点、先端加工部門より4点、アカデミック部門より4点を選出した。
表彰式は、11月18日(火)に東京會舘(東京・丸の内)にて開催し、受賞者には賞状と賞金が贈られる。また、10月22日(水)から10月25日(土)に開催されるメカトロテック ジャパン(MECT)2025の期間中、DMG森精機ブース内にて応募作品全64点の展示を行う。表彰式後には、同社の東京グローバルヘッドクォータ (江東区潮見)にて全作品を展示する。
▼ドリームコンテストの概要や歴代の受賞作品はコチラ▼
https://www.dmgmori.co.jp/corporate/dreamcontest/
産業部品加工部門
■金賞 「ミニチュア精密ボールねじ」 ケーエスエス(株)
■銀賞 「UPPER TERMINAL」 (有)湘南オートカット工業

〈審査委員による金賞作品の評価ポイント〉
医療用ロボットの関節部に用いられている小型ボールねじを量産している、加工技術と組立技術を高く評価した。難度の高いナット内径加工や、微細な部品を組立、滑らかな動作を実現していることから精度の高さが分かる。
試作・テスト加工部門
■金 賞 「超極細真鍮hair」TOTO(株)
■銀 賞 「地球の皆さんこんにちは」(株)山之内製作所
■銅 賞 「おろし」京セラ(株)
■銅 賞 「はな」京セラ(株)
■銅 賞 「世界最小の星の砂」サークルアンドスクエア(株)
■銅 賞 「Impossible Ring」(株)新庄
■技能賞 「デンタル インプラント ディスプレイモデル」(株)スズキプレシオン
■技能賞 「ハメアイパズル」MASUYAMA-MFG(株)

〈審査委員による金賞作品の評価ポイント〉
普通旋盤で真鍮をφ0.06mm、長さ45 mmという微細な棒状を加工した点に驚嘆した。切りくずの処理や作品のたわみを考慮し、加工方法に工夫を凝らした点も非常に素晴らしい。
芸術造形加工部門
■金 賞 「メタルフェニックス」(株)キャステム
■銀 賞 「ものづくりは綱渡り」サークルアンドスクエア(株)
■銅 賞 「ぐるぐる」(株)三栄機械
■技能賞 「世界で一番小さい鳥」アスカ工業(株)

〈審査委員による金賞作品の評価ポイント〉
微細で複雑な形状のフェニックスを、高硬度材から削り出した高い技術と芸術性を評価した。羽の先端やつばさの躍動感、目・足・尾の細部まで美しく加工しており素晴らしい。
先端加工部門
■金 賞 「Metal Rose」 静岡県工業技術研究所 浜松工業技術支援センター
■銀 賞 「ノートルダム大聖堂」ティーケーエンジニアリング(株)
■銅 賞 「ドローバー用クーリングノズル」AeroEdge(株)
■技能賞 「Illuminated Hokusai」ニッシン・パーテクチュアル(株)

〈審査委員による金賞作品の評価ポイント〉
生花のばらをX線CTでスキャンし、内部まで3Dモデル化したことで、バラの花びらの薄さや形状、多重的な構造を実現した芸術性の高い作品。3Dモデル生成やサポート材の形状、加工条件、表面処理など多くの工夫を施した点も評価した。
アカデミック部門
■金 賞 「デファレンシャルギヤ」中部大学
■銀 賞 「琥珀インタリオペンダント」岩手大学
■銅 賞 「筒の中の二次元バーコード」神戸高等技術専門学院
■デザイン賞「和の趣をテーマにした四季灯」中国職業能力開発大学校

〈審査委員による金賞作品の評価ポイント〉
モジュール0.1mmの微細なデファレンシャルギヤの加工技術と組立技術を高く評価した。動作も滑らかで精度の高さが分かる。また微細ギヤを加工し、創り上げるという課題は教材として非常に良い。
日本機械工具工業会「令和7年度 日本機械工具工業会賞」決定
日本機械工具工業会(会長:佐橋稔之氏)がこのほど、日本の機械工具産業の発展に貢献した個人や企業、具体的な技術開発や環境活動を表彰する「令和7年度 日本機械工具工業会賞」を下記の通り決定したと発表した。なお、表彰式は10月29日開催の「2025年度春季総会」で行う。■業界功労賞 ・石川則男氏(オーエスジー(株)会長兼CEO)■技術功労賞(社名50音順)(1)技術功績大賞 ・「SCPT-Ni合金」の開発 日本特殊合金(株)(2)技術功績賞 ・溝入れ,突切り用PVD材種PR20シリーズの開発 :京セラ(株) ・チタン合金旋削用新材種AC9115/25Tの開発 :住友電工ハードメタル(株) ・ダイヤコーティングエンドミル「AVIX型」の開発 :住友電工ハードメタル(株) ・高切りくず排出性BTA工具「BSG」の開発:(株)タンガロイ ・二軸押出機用部材「MZⅡ」の開発 :日本タングステン(株) ・EV部品加工用フォーミングラック :(株)不二越 ・ステンレス鋼旋削材種MC/MP71シリーズの開発 :三菱マテリアル(株)(3)技術奨励賞 ・「押圧FSWホルダ」の開発 :富士精工(株)■環境賞 (社名50音順) (1)環境大賞:(株)タンガロイ (2)環境賞 :京セラ(株) (3)環境特別賞(3社):日本新金属(株)、三菱マテリアル(株)、三菱マテリアルハードメタル(株)
サンドビック・コロマント 「CoroMillⓇ MS20」を拡充! 鋼加工用チップ、防振機構付き円筒シャンクホルダの発売を開始

サンドビック・コロマントはこのほど、 CoroMillⓇ MS20の新製品として鋼加工用チップ及び防振機構付き円筒シャンクホルダの販売を開始した。
CoroMill® MS20は、肩削り、正面フライス、溝加工、ランピング、プランジ加工など幅広いフライス加工に対応する高汎用性フライスカッター。革新的デザインコンセプトと製造技術により、多様な切込み量やアップ/ダウンミリングに関わらず、これまでよりも、高い壁面精度と長い工具寿命を達成する。肩削り加工において、高い加工安全性で、顧客の生産性向上とコストダウンを実現する。
今回新たに鋼(ISO-P)用チップがラインナップに加わり、従来のステンレス鋼(ISO M)および耐熱合金(ISO S)加工向けに加えて、加工領域が拡大した。チップは、最適化されたブレーカを備えた片面2コーナ仕様で、優れたパフォーマンスと長寿命を両立。厚みを厚く一定に保つことで欠けを防止し、軸方向の切込み量に左右されない安定した性能を発揮する。
さらに、新たに導入された防振機構付き円筒シャンクホルダは、先端部に軽量なスチール材を使用し、シャンク側には高剛性なカーバイド材で補強されていることにより、質量が後方に集中し、回転軸に対して安定した慣性モーメントが生まれ、振動の抑制効果がさらに高まる。加えて、先端に内蔵された制振機構との相乗効果により、加工時の安定性が向上し、工具寿命や加工精度のさらなる向上が期待できる。
ラインナップは、カッター径φ16~φ84㎜、シャンクは、アーバ取付、円筒シャンク、Coromant Capto、EHカップリング、ねじ式カップリング、防振タイプ円筒シャンクの6種類。チップはノーズR0.2mm~3.1mmまで、鋼(ISO-P)用37品目、ステンレス鋼(ISO M)および耐熱合金(ISO S)用49品目を展開している。
芝浦機械が、LWB Steinl GmbHを買収
芝浦機械がこのほど、同社の100%子会社であるSHIBAURA MACHINE EMEA GmbHを通じてLWB Steinl GmbHの発行済株式総数の80%を取得する株式譲渡契約を締結したと発表した。 これにより欧州における同社の射出成形機事業の生産拠点と販売・サービス力を強化するとともにブランド力を活かしながら、欧州市場参入の強力な足掛かりとし、先に拡張した同社グループのインド工場等のリソースを活用することで、製品コストの削減や、アジア市場向けの拡販にも取り組んでいく。 こうしたシナジー効果の創出を通じて、射出成形機を中心に同社グループの欧州における事業拡大が見込めることから、株式譲渡契約を締結するに至った。なお、新社名は「SHIBAURA MACHINE LWB GmbH」となる予定。
DMG森精機 「NLX 2500 2nd Generation」に心間1250仕様が登場

DMG 森精機はこのほど、2024年9月に発売を開始したNLX 2500 | 700 2nd Generationに加え、心間1250仕様の「NLX 2500 | 1250 2nd Generation」を新たにラインアップに追加した。 これにより、シャフト系の長尺ワークの加工においても、高い加工精度と加工能力を兼ね備えたNLX 2500 2nd GenerationによるMX(マシニング・トランスフォーメーション)を実現できるようになった。
NLX 2500 2nd Generationは、従来のNLX 2500 を活用している顧客の声を反映し、最新技術を活用して設計を最適化したことで、MXを実現する次世代のターニングセンタへと生まれ変わった。従来機に比べ、棒材作業能力はΦ105 mmへ、Y軸移動量は120 mmへと拡大したことに加え、切りくず除去量、並びに加工面精度で40番マシニングセンタと同等のミーリング能力を備えたことにより、さまざまなワークの加工を工程集約することが可能となった。
剛性と振動減衰性を追求したX / Y / Z 軸の摺動面案内構造により、長尺ワークの重切削加工でも安定した加工を実現する。出力を大幅に向上したBMT(ビルトインモータ・タレット)により、パワフルなミーリング能力と12,000 min-1のミーリング主軸の最高回転速度を両立しており、ハードミーリングや難削材加工、スピード重視のアルミ加工などフレキシブルに対応が可能だ。
さらに、設計段階からデジタルツインを活用した構造の最適化や、グループ会社であるマグネスケール社製のMAP補正機能により、C軸の位置決め精度0.001°を実現し、マシニングセンタと同等レベルの真直、直角 加工および輪郭追従性を達成した。C軸の割り出し精度を大幅に改善したことで、主軸と回転工具の同期 精度を必要とするホビングやスカイビングなどのギヤ加工の精度も向上した。
また、機械の動力熱・加工熱・環境温度変化の三要素に対する最適設計により、一日中連続加工した場合でも、径方向の変位を7 μm以下に抑え、クラス最高レベルの安定した加工精度を実現する。
加工3悪(切りくず、クーラント、ミスト)の革新的なソリューションである洗浄システム内蔵の大容量クーラントタンク zero-sludgeCOOLANT (OP)やビルトインミストコレクタ zeroFOG(OP)も備えている。長時間の連続加工に必要な高圧 クーラントユニット(OP)やクーラント冷却装置(OP)、サイクロンフィルタなども1ヵ所に集約し、省スペース化を実現した。
長尺ワークの安定した加工に不可欠な、振れ止め、心押し、右主軸のバリエーションも充実し、さらにワーク質量115 kgまで対応可能なワークハンドリングシステムRobo2Go MAXでの自動化によって、従来は困難であった長尺・重量ワークも無人加工も可能となる。
【工作機械編】「MECT2025」注目企業の見どころはココだ!
「MECT2025」で出展される注目各社の最新工作機械を公開!
(アマダグループ/岡本工作機械製作所/黒田精工/芝浦機械/DMG森精機/ナガセインテグレックス/牧野フライス精機/牧野フライス製作所/三井精機工業/安田工業/ヤマザキマザック/碌々スマートテクノロジー)
労働者不足や熟練技能の継承などに向けたソリューションを展開
●アマダグループ
アマダグループは「 FOR YOUR FUTURE ~自動化との出会いが、モノづくりの未来を変える~」をテーマに、板金、微細溶接、研削盤事業よりマシンを出展。昨今の少子高齢化に伴う労働者不足や熟練技能の継承、脱炭素化に向けたソリューションを紹介する。板金事業からは板金事業からは、9kW高輝度、高品質、高出力ファイバーレーザ発振器を搭載した「VENTIS-3015AJe」など、微細溶接事業からは、 コンパクティング専用システム「 MS-RW1620AZ」、研削盤事業からはデジタル円筒プロファイル研削盤「DPG-R-200」などを展示する。なお、「DPG-R-200」は自動といし交換により、円筒ワークの荒加工から仕上げ加工までを自動化したデモ加工を行う。
「自動化」がテーマ
●岡本工作機械製作所
「自動化」がOKAMOTOのテーマ。注目は「精密内面研削盤IGM15NCⅢ-2B」。出展機すべてに機上計測装置を搭載し、IGM15NCⅢ-2Bは機上計測装置搭載として初披露となる。2軸砥石軸は単独駆動で、段付き穴・端面・テーパ・外周をワンチャッキングで加工可能。文字レス対話ソフトにより直感的操作ができ、内外径・端面加工を集約して、省力化と品質安定に貢献する。HPG500NCLは省力化と省エネ、高精度加工を両立し、メンテナンス性にも優れる。手動式機上計測装置「Quick Touch」は多くのユーザーに活用されき、好評を得ている。UPG64CALiは静圧スライドとリニア駆動で超精密平面研削を実現。MAP研削ソフト併用でエアカット時間を削減し、自動化をさらに推進する。これらの展示を通じ、生産性向上や人手不足解消など、研削加工の効率化・精度向上・省力化への貢献を訴求する。
現代のモノづくりニーズに応える
●黒田精工
2025年に創業100周年を迎えた黒田精工。創業から現在にわたり精密技術で測定器、工作機械、要素機器製品を生み出し、あらゆるものづくりを支えてきた。MECT2025では新製品の精密平面研削盤「GS-65CV」と精密ロータリー研削盤「GSR-600」の2機種に加え、精密油圧治具「ハイドロリックツール」の歯車加工における採用例を展示する。今回の一押し製品は2025年4月に販売を開始した「GS-65CV」。近年ラインアップを拡充している同社の環境対応モデルにおいて、600サイズをカバーする油圧レス平面研削盤として登場した。電動化による省エネ性能の向上に加え、基本設計の最適化によって剛性も高めており、KURODAならではのアップデートを施した、現代のものづくりニーズに応える一台だ。
「モノづくりの羅針盤であり続ける」がテーマ
●芝浦機械
モノづくりの羅針盤であり続ける』をテーマに、流動的に変化するモノづくり現場に対し、各産業の道しるべとなる同社独自の「機械」と「技術」を提案。超精密マシニングセンタ「UVM-450D(5AH)」は超精密加工が要求される車載用照明や半導体精密部品用の金型を主眼にして開発されたマシン。注目は、テーブル形横中ぐりフライス盤「BTD-200QS」で、今回、機械テーブル上へCNCテーブルを追加した「付加軸」仕様で展示する。横中ぐり盤と付加軸を掛け合わせることで、難削材加工における接近性を高められ、加工品質・条件の向上が実現できる。付加軸は取り外して使用することが可能で、3軸機としても運用でき、顧客の仕事の幅を広げるマシンだ。
MACHINING TRABSFORMATION(MX)で魅せる
●DMG森精機
今回は、同社が提唱している「MX(マシニング・トランスフォーメーション)」(以下MX)を展開する同社。これは、「DX」と「GX」をマシニングセンタ中心に生産現場で実現するもので、工程集約や自動化を進め、マシンの稼働状況をデジタルで管理・分析することにより、製造リードタイムや消費電力を削減し、生産性と経済性を向上させる取り組みを指す。注目は、圧倒的な高精度と切削能力で工程集約を実現する「NLX 2500 | 700 2nd Generation with Automation」。また、同社が主催する「第20回 切削加工ドリームコンテスト」全応募作品を同ブースで初披露するのでこちらも注目だ。
業界初! 研削加工中の砥石表面を観察!
●ナガセインテグレックス
今回は、省人化、自動化、非熟練化、超能率化を実現する様々な〝異次元の加工システム〟を提案。なかでも注目したいのは業界初、研削加工中の砥石表面を観察するデモをブース内で初披露すること。また、超精密門形成形平面研削盤「SGX-126α SLS2-Zero3」がAI研削盤仕様、加工中の状態を可視化するシステムNPXスピンドル搭載で展示され、さらにロータリー研削盤の概念を変える超精密ロータリマルチ研削盤「RG-700SLS2-N2」もAI砥面観察システム搭載で展示する。同社では、今回の展示会を、「新たなる〝価値〟の幕開け」として位置付け、来場者に究極の自動化を提案してくれる。
画像認識技術を用いたドリル刃先のホーニング再研削デモも!
●牧野フライス精機
高精密CNC工具研削盤「AGE30FX」に機内自動測定/自動補正が可能な内蔵型マイクロビジョンシステム「monocam2」を搭載、展示会場では画像認識技術を用いたドリル刃先のホーニング再研削加工デモを行う。また、駆動方式に同社初のリニアモータを採用した高精密CNC極小径工具研削盤「DB1」に専用の刃部サポートを搭載し、小径ロングドリルの加工デモも見どころだ。両機種ともに工具研削用ソフトウェア「Tool Creator®」を搭載。小間内にはTool Creator®を操作可能な専用スペースを設置している。その他にも会場ではオプションの「MONITORIST®」を展示しAGE30FXの稼働状況、機械内外の温度、monocam2底刃測定値をモニターに表示する。
幅広いソリューションと最新加工技術を紹介
●牧野フライス製作所
『Find Your Way Together』をテーマに、ものづくり現場の課題に寄り添い、確かな技術力と経験で応え、幅広いソリューションと最新加工技術を紹介する同社。注目の出展製品はアルミ合金から難削材まで幅広く対応する5軸制御横形マシニングセンタ「a500iR」で、複雑形状を高速かつ高精度で加工し、段取り削減と安定稼働で生産効率をアップするマシンだ。他にも長時間でも安定の高精度と加工面品位を実現する立形マシニングセンタ「V300」、丸穴以外の複雑形状も加工可能な細穴放電加工機「EDBV3」を展示する。
20周年を迎えた「Vertex55X」が新たにバージョンⅣとして発表!
●三井精機工業
発売から20周年を迎えたVertex55Xは、代々受け継がれている「高精度」にさらに磨きをかけ、新たにバージョンⅣとして発表。「最小の設置スペースで最大の加工エリア」を実現した初代Vertexの特長はそのままに、精度・剛性にさらに磨きをかけたマシンとなっている。主軸、テーブル、ATC、クーラント装置、APC、加工用途など様々な仕様から選択が可能で、注目は、へッドとテーブルの熱変位対策が更に充実したこと。さらにもう一歩向上させたオプションも用意し、クーラントタンクはメンテナンス性と作業性が向上した。2m×3mの設置スペースで最大φ750mm×高さ525mmのワークが積載可能で自社製の傾斜・回転テーブルを採用。高精度で高速な割出しを実現している。
高い精度と安定した品質を誇るYASDAならではの「自働化」を紹介
●安田工業
「ヤスダでカイケツだ 高精度自動化で人を支え、利益をつくる」をスローガンに掲げ、高い精度と安定した品質を誇るYASDAならではの「自働化」を紹介。同社では、機械に任せることで人手不足を解消し、人がより高付加価値な仕事へと向かうことで人材の活用領域を広げられるよう提案している。また、かじ取りが難しい昨今の製造業界で大切な人材を支え利益を生み出すソリューションも提案し、競争力強化へ導く。今回の目玉は大容量323本マガジン、33面パレットプールを標準搭載する、長時間連続加工・多数個・多品種部品生産に特化した立形5軸マシニングセンタ「PX30i」。低速域での重切削性と高速域での低発熱高精度回転を両立する独自の“プリロード自己調整型スピンドル”を搭載し、安定した加工精度と生産性を実現する。
「工程集約」、「自動化」、「デジタル技術」の3つがキーポイント
●ヤマザキマザック
同社では新製品2台を含む計7台を出展。工程集約、自動化、デジタル技術の3つをキーポイントに工程集約を実現する「INTEGREX」や、自動化装置「MAZATROL DX」コーナを展示し、顧客の生産性向上への寄与、人手不足などの課題などに対してアプローチする。出展機種の中でも特に見どころの一つは、小型CNC旋盤「QRX-50MSY SG」。このマシンは、小径バーワーク・シャフト部品の量産加工に最適であり、上下2タレットを同期させた同時旋削加工や上下同時ミーリング加工、さらに2スピンドル仕様では第1・第2主軸での左右同時加工も可能になり、1タレット2スピンドル仕様機と比較して大幅なサイクルタイムの削減を実現するもので、バーフィーダやワークアンローダなどの自動化システムと組み合わせることで、長時間の連続加工に対応する。
AndroidⅢの製品版が登場!
●碌々スマートテクノロジー
高速加工条件下でも変位量を極限まで抑え、さらなる高精度加工が行えるよう改良し、昨年のJIMTOFにてコンセプト機として展示した「AndroidⅢ」の製品版を展示。このマシンは特殊超精密転がり案内面を採用し、従来機から、X軸のガイド配置を見直しウェービング量を従来比約1/3に低減している。また同機にはより高精度を実現すべく気化熱対策(OP)を実施。切削材の気化熱による加工室内外の温度差を抑制した。また、進化した独自オペレーションシステム「MA-OS2」を搭載したことで、マシニングアーティストの感性を刺激、微細加工に関するソリューションを提案することで加工に関する課題解決など、微細・高精度加工に関する必要要素を加工機中心にトータルで提案する。
ミネベアミツミのルビーボールベアリングが大塚ローテックの腕時計「9号」に採用

ミネベアミツミの製造する特性ルビーボールベアリングと外径1.5mmの世界最小ボールベアリングが9月22日、国産時計ブランド大塚ローテックの複雑機構搭載腕時計「9号」に採用されたと発表した。これに伴い大塚ローテックとミネベアミツミは同日、国立科学博物館 地球館2Fで会見を開いた。
大塚ローテックは、時計界のアカデミー賞と呼ばれているジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ2024のチャレンジ部門(3000スイスフラン以下の時計部門)でグランプリを受賞した現代の名工である片山次朗氏の国産時計ブランドで、今回発表した「9号」片山氏がモジュールだけでなくベースムーブメントから手掛けた自社製ムーブメントを搭載した腕時計。アワーストラインキング、トゥールビヨンなどの複雑機構を、縦44ミリ、横30ミリのスクエアケースに収めている。
時刻表示は文字盤の右半分に配置された畜光ブロックによって下から照らされている。上のディスクが時、下のディスクが分を表し、正時になるとアワーストライキングが作動し、文字盤左のパイプラインのようなゴングをハンマーが叩く仕組み。アワーディスクの中心軸、アワーストライキングのハンマー稼働軸には、ミネベアミツミが「9号」のためだけに開発した特性ルビーボール・ボールベアリングが採用されている。
今回、「9号」に採用された世界最小ボールベアリングと特製ルビーボール・ボールベアリングは、アワーストライキングやトゥールビヨンといった複雑機構の心臓部で、精密で滑らかな動きを支える重要な役割を担っており、特にこの特製ルビーボール・ボールベアリングは、時計の伝統的な部品素材であるルビーと現代の超精密技術を融合させた革新的な部品。
ルビーの輝きはその芸術性に加えて機構のアクセントとなり、ルビー固有の硬度と滑らかさがベアリングの摩耗を極限まで抑制する。また、温度変化にも強く、複雑な機構に長期的な精度と信頼性をもたらすことに成功した。伝統に新たな価値を与える発想と、それを超精密部品として形にするミネベアミツミの技術力が、「9号」の独創性を支えている。

会見の席で片山氏は、「トゥールビヨンはまるごと動くダイナミックさがとても格好良いので搭載した。また、合理的に考えようとするとマスを集中させてコンパクトにし、余計な遠心力がかからないようにするのが高精度とされているが、テンプごと1周動く動きが見られるようなダイナミックなデザインにしたくてこのような機構にした。」と話した。また、今年初めに発表した「5号改」もボールベアリングの魅力を押し出したものだったが、今回もミネベアミツミ製のボールベアリングを採用しており、片山氏は「5号改の時に新規でつくって頂いたものを使わせてもらい、引き続き、すごいベアリングを搭載したいなという話から発展し、今回のルビーボールを開発していただいた。何度も試作をしたり、手間と時間をかけたルビーボールが入ったベアリングが2箇所使われている。」と説明した。
オーエスジー 製品価格の改定を実施
オーエスジーがこのほど、品質維持とサービスの向上、安定供給体制を維持するため、製品価格の改定を実施すると発表した。 対象製品と改定率は以下の通り。 ①タップ(ハイス・SKS・超硬)/+5~7% ②ハイスエンドミル、ハイスドリル/+5% ③超硬エンドミル、超硬ドリル、ダイヤ、CBN/+7% ④ゲージ/+5% ⑤圧造工具/+10%以上 ⑥その他の製品/最大+7% ⑦上記①~⑥の修正品/+7%以上〈価格改定実施日〉 ・計画品:2025年12月1日受注分より ・特殊品:2026年2月2日受注分より
