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2024年2月分工作機械受注総額は1,142.1億円

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2024年₂月分の受注実績は以下の通り。

 2024年2月分工作機械受注総額は、1,142.1億円(前月比+2.9% 前年同月比△8.0%)となった。受注総額は、内外需とも前月比増加も₂カ月連続の1,200億円割れ。内外需とも市場に勢いはないものの底堅い動きが続く。

 内需は325.4億円(前月比+6.3% 前年同月比△16.4%)で、3月の期末前や補助金待ち等で季節的に低調な中、前月比増加も2カ月連続の350億円割れ。

 外需は816.7億円(前月比+1.6% 前年同月比△4.1%)で、欧州と北米で前月比増加し、4カ月連続で800億円超を維持する等外需は総じて底堅い動き。

 2月の受注はこれまで同様、市場が弱含む中にあっても底堅い動き。今後の持ち直しの時期等、動向を注視。

2月分内需

 325.4億円(前月比+6.3% 前年同月比△16.4%)。

 ・2カ月ぶりの350億円割れ。
 ・前月比2カ月ぶり増加。前年同月比18カ月連続減少。
 ・内需は緩やかな減少傾向が続く中、前月比増加し底這い状態。

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(出所:日本工作機械工業会)

2月分外需

 816.7億円(前月比+1.6% 前年同月比△4.1%)

 ・2カ月連続の850億円割れも、4カ月連続の800億円超。
 ・前月比2カ月ぶり増加。前年同月比14カ月連続減少。
 ・主要3極ではアジアのみ減少も中国、インドは前月比増加する等底堅い動き。

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(出所:日本工作機械工業会)

日本機械工具工業会 2024年2月分 会員統計生産額まとまる 

 日本機械工具工業会がこのほどまとめた2024年2月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。

■生産額
 切削工具 341.7億円(98%)、耐摩耗工具 31.5億円(101%)、総合計 382.2億円(98%)。

■ドリル生産額
 特殊鋼工具 14.2億円(93%)、超硬工具 37.4億円(107%)、ダイヤ・CBN 0.9億円(90%)、総合計 52.5億円(102%)。

■エンドミル生産額
 特殊鋼工具 4億円(95%)、超硬工具 34.3億円(85%)、ダイヤ・CBN 1.2億円(109%)、総合計 39.4億円(92%)。

■カッタ生産額
 特殊鋼工具 0.9億円(112%)、超硬工具 4.9億円(96%)、ダイヤ・CBN 0.5億円(124%)、総合計 6.3億円(100%)。

■ギヤカッタ生産額
 総合計 7.2億円(104%)。

■ブローチ生産額
 総合計 7.3億円(104%)。

■ねじ加工工具生産額
 特殊鋼工具 31.6億円(94%)、超硬工具 3.4億円(101%)、総合計 35億円(95%)。

■バイト生産額
 特殊鋼工具 0.1億円(2₂%)、超硬工具 8.6億円(96%)、総合計 8.6億円(93%)。

■リーマ生産額
 特殊鋼工具 1.1億円(76%)、超硬工具 2億円(82%)、総合計 3.1億円(80%)。

■鋸刃カッタ生産額
 特殊鋼工具 1.3億円(97%)、超硬工具 0.5億円(78%)、総合計 1.8億円(91%)。

■インサート生産額
 超硬工具 131.7億円(98%)、ダイヤ・CBN 19.₂億円(113%)、総合計 152.9億円(100%)。

■ボディ関係生産額
 総合計 15.6億円(93%)。

■超硬合金生産額
 切削用 115.3億円(95%)、耐摩耐触用 15.8億円(111%)、総合計 132.8億円(97%)。
 

経産省・2024年1月度機械統計 機械工具生産動態調査

経済産業省の2024年1月度 機械工具生産動態調査(機械統計)は以下のとおり。

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 *機械工具(機械統計)との差はダイヤモンド工具のダイヤモンドドレッサー、グライディングホイール、カッティングソー、セグメント工具、その他ダイヤモンド工具。
 *耐摩工具の一部はその他超硬工具に含まれる。
(表出所:日本機械工具工業会)
 

日本建設機械工業会 2024年2月度の建設機械出荷金額まとまる

 日本建設機械工業会がこのほどまとめた2024年2月度の建設機械出荷金額は次のとおり。

■概要(増減は前年同月比)
 2月の建設機械出荷金額は、内需は5.4%減少の852億円、外需は10.0%減少の1,931億円となった。その結果、内需は2カ月ぶりの減少、外需は3カ月ぶりの減少となった。総合計で8.6%減少の2,784億円となり、40カ月ぶりの減少となった。

■内外需別(同上)
(1)内需
 機種別に見ると、トラクタ46.2%増加の116億円、基礎機械40.1%増加の37億円、油圧ブレーカ・圧砕機10.6%増加の23億円の3機種と補給部品4.2%増加の118億円が増加したものの、他6機種が減少した。

(2)外需
 機種別に見ると、ミニショベル5.2%増加の402億円、道路機械9.9%増加の40億円、基礎機械396.3%増加の5億円の3機種と補給部品0.2%増加の208億円が増加したものの、他6機種が減少した。

 地域別に見ると、北米が7カ月連続で増加、中近東が9カ月連続で増加するなど、全9 地域中3地域で増加したものの、他6地域で減少した。
 

【レポート】三井精機工業「工場見学会2024」で省エネトレンドを発見

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 三井精機工業(社長=川上博之氏 本社:埼玉県比企郡川島町八幡)が、2月8日~9日の2日間、同社本社工場精機棟内で「工場見学会2024」を開いた。プレシジョンセンタ「PJ303X」、プレシジョン・プロファイル・センタ「PJ812」、5軸制御立形マシニングセンタ「Vertex55X Ⅲ」、インバータコンプレッサ「ZV22AX3-R」などが展示され、工場内に足を入れるとレアなマシンがズラリと並ぶ壮観な眺めがあった。川上社長は「お客様に機械作りを間近で見て頂くことで、弊社が一台一台丁寧に機械を作っている理由がお分かりになると思います。」とコメントしており、同社の精度へのこだわりを来場者に見せつけた。
 「工場見学会2024」をレポートする。

これぞ三井精機ならでは! コンプレッサ×工作機械のタッグで省エネ

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「弊社の丁寧な機械作りが理解して頂けると思う。」と川上社長

 まずは受付を済まし、展示会場へ。ここでは同社の一押し製品がズラリと並んでいる。近年、製造業は循環型社会への実現に向けて関連性も深いこともあり、省エネへの改善努力も必要とされるようになった。

 今回、注目すべきはコンプレッサを製造している同社の強みを活かした省エネの提案を行っていたことだ。工作機械とコンプレッサの〝一体型製品〟の開発が展開されていたのだ。

 コンプレッサの小型分散化、低圧化への対応を可能にした提案である。工作機械の加工プログラムを読み込み使用状況に応じたエアー最適制御ができるという。

 コンプレッサ側は低圧圧力化すると省エネになるが、エアーを使用している工作機械側は単に低圧化してしまうと、エアーブローなど大量にエアーを使用するときにエアーダウンを起こしてアラームが鳴るという課題があったが、これを解決するため、同社ではコンプレッサ部隊と工作機械部隊とタッグを組んで解決法を導き出したという。

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トレンドを押さえた展示内容

 工作機械のプログラムでエアーを使用する前に工作機械からコンプレッサに指令を出し、指令を受けてからコンプレッサ側から圧力を上げれば全体的には低圧化して省エネを図るという仕組みである。この工作機械とコンプレッサのコラボレーションで、コンプレッサはインバータによる省エネで約28%(電力)、大型集中から小型分散化で約5%(電力)、工作機械は、エラー消費量低減による省エネ約15%(電力)、工作機械に合わせたコンプレッサの運転最適化と隣接設置での圧力損失低減による省エネ約7%(電力)でカーボンニュートラルに貢献できる。なお、電力はコンプレッサ、工作機械の稼働状況により効果数値は変化する。

 同社では、省エネ提案チームを設置しており、顧客規模に応じた最適な空気圧量(圧)について配管を含めた総合的な提案ができるサービスを提供している点も強みであった。

えっ!? マニアックな旋盤に注目!

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これがV-Fの摺動面だ!

 

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説明する下村氏

 今回、旋盤メーカーではない同社が、旋盤をつくっていたことには驚いた。ちょうど出荷直前なのでカバーも外されていた。この件について、精機販売推進室の下村氏は、「お客様のご要望により旋盤をつくりました。海外のお客様ですが、もう40年ほど同じ機械を使って部品を加工しており、この機械に替わる機械が世の中にはもうないらしく、一般の旋盤ではやっぱり駄目だと。旋盤なので旋盤メーカーに作って頂いても良いとは思うのですが、そのお客様は、弊社の精度に惚れ込んだようで、強い要望がありました。機械は、超高精度マシニングセンタ『Jidic』シリーズのベッドをそのまま使い、エアーベアリングの主軸を搭載しています。おそらくこのようなマニアックな機械はないと思います。お客様のニーズを満たしたこの機械は、すでに複数台の注文を頂いているんですよ。」と話した。X、Z軸摺動面はV-Fきさげ+精密ローラでできている。「とにかくものすごい精度を要求しているので、真直度など、極限まで追い込んでいる。」と説明をしてくれた。

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きさげ加工中

 同社は測定器からスタートし、位置決めの基準となる親ねじやスタンダード・スケールなど多くの〝基準〟を生産してきた歴史を持つことから、顧客のニーズに合わせた高精度工作機械を生産することが可能なことがよく分かる逸話である。

 ところで、きさげといえば、同社の強みのひとつだが、工場内ではキサゲ作業も見学することができた。この作業はセンスを必要とするので、訓練すれば誰もができる作業ではない、難しい作業であるが、若者も多く活躍し、しっかり技能が伝承されている。

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工場内について説明する宮脇氏

 工場内は秘密が多いため撮影が限られているが、歩いていると、完成して納入直前の最終チェックをしているジグ研削盤「J350G」があった。この顧客も要求精度が非常に高いと聞いた。

 

 さて、同社の精機棟はマザーマシンを生み出す恒温組立工場でもある。徹底した温度管理について、営業部の宮脇氏は、「二重構造の天井には穴がたくさんあいており、天井から床面に向けて大量の空調空気を送るために極めて温度の安定性が高いのが特長です。」と説明してくれた。

 

航空機が復活の兆し ~将来大きな市場に化けそうな電動飛行機体にも注目~

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工場内では普段見学できないレアマシンが見られ見学者も興味津々

 

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5軸制御横形マシニングセンタ「HU80A-5X」は、クラストップのA軸、B軸割出し速度で加工時間の短縮を実現!
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 ところで工作機械の販売・開発状況をみれば産業のトレンドが見えてくるものだが、航空機産業は、一時、コロナ禍の影響を受け暗い影を落としていたものの、年率3~4%で旅客需要の増加が見込まれており、伸びしろが期待されている分野だ。

 下村氏は、「アメリカのブーム・スーパーソニック社が開発中の超音速旅客機の商談を開始しました。具体的には2024年に生産を開始、2030年の就航を予定しています。2003年にコンコルドが退役しましたが、超音速旅客機は燃費が悪くて騒音も激しい。飛行機が音速を超えるときは空気の壁を突き破って衝撃波が出るのですが、それがものすごい音で非常に不評だったのです。ですが、現在、技術の進歩により機体の形状など見直されてきました。ブーム社には日本航空が1000万ドルを出資し、優先発注権を20機確保しています。」と最新トレンドを教えてくれた。

240311三井精機8 近年、垂直に離着陸ができる電動の飛行機体〝eVTOL〟(Electronic Vertical Take-Off and Landing aircraft)についても、「空飛ぶクルマ」や「エアタクシー」として認知されているが、下村氏は、「2025年に開催の大阪・関西万博でもエアタクシーとして運用を予定しており、将来大きな市場に成長する可能性もあります。」とし、「現在航空機分野でもカーボン・ニュートラル実現に向け、燃費の良い機体の導入や将来的な省燃費機材への更新が見込まれています。エアバスは2035年までに水素を電力源とする民間機の実証機を飛ばすとしており、いずれもハイブリッド電動推進システムの導入が考えられています。ボーイングはNASAとの共同開発を行っており、2028年に試験飛行をするとしています。」と航空機産業の伸びしろに期待している旨を話した。もちろんこうした分野に同社のマシン群が活躍するとして期待がかかる。

 なお、同社では「三井精機のものづくり」について動画を配信している。


 

MOLDINO 高密着性ダイヤモンドコーティング エポックHDコーティングディープエンドミル「D-EPDB・D-EPDR」を新発売 ~グラファイト電極・高Siアルミニウム合金の加工用エンドミル

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 MOLDINOがこのほど、高密着性ダイヤモンドコーティング エポックHDコーティングディープエンドミル「D-EPDB・D-EPDR」を発売した。

 同社は2008年、従来のダイヤモンドコーティング工具より高能率加工が可能で飛躍的な長寿命化を実現したダイヤモンドコーティング工具「HDコーティングシリーズ」を開発しているが、このほど、同シリーズのエンドミル商品のアイテム数を大幅に拡大して価格体系を一新し、グラファイト電極加⼯や⾼Siアルミニウム合⾦の切削加⼯に最適な「D-EPDB・DEPDR」として発売した。

特長


(1)HDコーティングは⾼純度なダイヤモンドからなる被膜であり、80GPa以上の⾼硬度を達成している。結晶性の良いダイヤモンドを採⽤し、耐摩耗性に優れている。
(2)ダイヤモンドコーティング専⽤超硬⺟材を採⽤しました。密着性を向上させ、優れた耐剥離性を示す。
(3)耐摩耗性と耐剥離性を備えたダイヤモンドコーティングにより、グラファイト電極等の長時間加工に有効。

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〈ボールエンドミルによるグラファイト材加工時例〉
 

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■仕様
 ・D-EPDB(ボール):ボール半径0.2mm〜5mm(44アイテム)
 ・D-EPDR(ラジアス):刃径0.5mm〜10mm(46アイテム)
 

DMG森精機 伊賀事業所 木質バイオマス発電のガス化炉メンテナンスフリー2,000時間連続稼働達成

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バイオマス発電施設の外観


 DMG森精機がこのほど、設備メーカーのGLOCK ecotech GmbH(オーストリア、 以下、GLOCK社)、エンジニアリング担当のテス・エンジニアリングとの3社共同の取り組みにおいて、木質バイオマス発電のガス化炉メンテナンスフリー連続稼働2,000時間を達成したと発表した。

 同社では、持続可能な社会の実現を目指す取り組みの一つとして、2022年5月よりCO2排出量が実質ゼロとなるGLOCK社製の木質バイオマスガス化熱電併給設備を伊賀事業所(三重県)に導入し、運転を開始している。同設備は木質チップ原料を蒸し焼き(ガス化)にすることで、可燃性ガスを取り出し、電気と温水を生み出す。

 電気は、発電施設に隣接する塗装工場の動力・空調・照明用電力の約25%を賄い、温水は塗装工場の洗浄液の温度管理と、燃料チップの乾燥に使用している。焼却灰は、同社の葡萄圃場にて、バイオ炭として有効利用することを計画している。

 また、同プロジェクトは、木質チップ原料を近隣の伊賀・名張地域から 間伐材を調達することで、地域の森林整備と林業振興に寄与することも重要な目的としている。一般的に木質バイオマスガス化熱電併給設備は、蒸し焼きを行なうガス化炉内に付着物が堆積し、閉塞 トラブルが発生するため、安定稼働に向けて適切な予防メンテナンスが必要。日本の木質バイオマスは 灰融点が低いため、この閉塞トラブルが特に発生しやすく、同社ではこれまで約500時間ごとにガス化炉内の メンテナンスを実施していた。

 ガス化炉メンテナンスフリーの時間拡大に向けて、3社で共同し、木質チップの品質改善と、チップ微粉を除去するためのふるい装置の追加、GLOCK社によるガスフィルタの目詰まり解消機能の改良など、検証と実験を繰り返してきた。その結果、これまでの一般的な目安とされる500時間を大きく上回る連続稼働2,000時間を超えることができ、年間稼働率も65%から80%以上まで高めることに成功した。

■設備 概要
 ・メーカー :GLOCK ecotech GmbH(オーストリア)(www.glock-ecotech.com
 ・設備 :木質バイオマスガス化熱電併給設備
 ・定格発電出力 :18kW
 ・定格熱出力 :44kW

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GLOCK ecotech GmbH社製の木質バイオマスガス化熱電併給設備

 

オーエスジー 「環境配慮」に大きく貢献 ~切削工具からできる取り組みを提案~

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 オーエスジーの新製品である「GREEN TAP」が環境配慮に大きく貢献できるタップとして注目を集めている。近年、循環型社会への実現に向けて製造業では省エネへの改善努力も必要とされるているが、〝環境配慮〟の観点から同社では、サステナブルな社会に向けて切削工具からできる取り組みとして〝環境配慮型工具〟を提案している。

▼WEB SHOWROOM
https://www.osg.co.jp/lp/environment/

 また、環境配慮型工具による加工事例集も提供しており、同社のホームページで公開している。

▼環境配慮型工具 加工事例集
https://osg.icata.net/iportal/cv.do?c=3458410000&pg=1&v=OSGDCS01&d=OSGD…
 

「改めて足元を見直す」日本歯車工業会 賀詞交歓会を開く

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あいさつをする植田会長

 日本歯車工業会(会長=植田昌克 植田鉄工所 社長)が去る1月19日、都内のザ・プリンスパークタワー東京(東京都港区芝公園)で賀詞交歓会を開いた。

 1月1日に発生した能登半島地震で亡くなられた方へ黙祷を捧げたあと、植田会長が「平成7年に発生した阪神大震災から29年がたち、被災各地でたくさんの行事が執り行われました。私も被災した身で、今もなお29年前の町の様子が頭にこびりついており、当時の揺れも体は覚えている。神戸市中央区の公園で開催されました1.17のつどいという行事で、たくさんの灯籠がともされ、点灯して〝ともに〟という言葉が浮かび上がった。毎日、能登半島地震の映像を見る限り、やるせない気持ちでいっぱいになるが、共に、という気持ちを大事に、寄り添うことを忘れてはならないという思いでいる。われわれ機械産業を下支えする歯車の業界においても、今年に入り明るい話題は、まだ多く聞こえていないが、このような時だからこそ、こうした心持ちにならなければいけないという言葉で、看脚下という禅の言葉がある。先行きの見えない時だからこそ、慌てずに、しっかり自分の足元を見て一歩一歩進めば道が開けるという意味である。あらためて自分の足元を見直す、そして情報交換により明日への活力を充電できる、本日がそんな場になってもらえれば光栄である。」とあいさつを述べた。

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宮沢 参議院議員 税制調査会会長

 参議院議員の宮沢洋一 税制調査会会長が、「一昨年の暮れに防衛大綱が改定された。まさに国内の防衛産業を強化するという大きな方針が示され、恐らく皆さまが下支えをしていただかなければ、国内の防衛産業の確保は難しいだろうと思っている。ちょうど2年ぐらい前から欧米でも日本でも、トランジション、トランジショナルという言葉が頻繁に使われるようになってきた。恐らく皆さんの業界も、いろんな工夫をする、そしてチャンスをつかむ、いい時代がトランジショナルだと思って、会社の経営にぜひ当たっていただければ大変ありがたいと思っている。」とあいさつをした。

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経済産業省 伊吹 製造産業局長

 続いて経済産業省の伊吹英明 製造産業局長があいさつをした。この中で伊吹局長は、「今年は投資と賃上げを応援させていただき、それが皆さまのビジネスにつながっていければと思っている。また、皆さまは、ギヤカレッジを開講しておられるが、業界を挙げて人材を育成していく活動は、ぜひ末永く、地道に粘り強く、長い期間、ぜひ実行していただきたい。大変素晴らしい取り組みだと思いますので、応援をしていきたい。」と声援を送った。
 
 

「品質を追求しながら磨きをかけていきたい」日本金型工業会東部支部が新年懇親会を開く

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あいさつする鈴木東部支部長

 日本金型工業会(会長=小出 悟 小出製作所社長)の 東部支部(支部長=鈴木教義 鈴木社長)が、去る1月19日に都内の上野精養軒(東京都台東区上野公園)で新年懇親会を開いた。

 特別講演会に日本ソムリエ協会認定のワインエキスパート、山下美帆氏を講師に迎え、「仕事に活かす経営者のためのワイン知識 ~ワインは人と人をつなぐ最高のツール~」をテーマに講演会が行われたあと、新年懇親会が開かれた。

 新年懇親会であいさつに立った鈴木支部長は、「昨年、コロナが5類に変わり、普段の生活に戻ったようだ。景気の先行きについては、まだまだ明るいという話にはならないというのが現実じゃないか。」と景況感について触れたあと、「金型は精度を求めらる。金型に何か自分たちの技術をプラスアルファして生き残りを懸けていかなければ、ものづくりとしても大変な時期に来ている中で、われわれも今まで以上に皆さんと技術的な交流を通して品質を追求しながら磨きをかけていきたい。」と意気込みを示した。

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日本金型工業会 小出会長

 続いて日本金型工業会を代表して小出会長が、「一年の計は元旦にありというが、突然の出来事が起こることもある。こういう時こそ備えが必要であり、その時に自分たちが何も考えておらず備えを全く取っていなかったならば、うろたえて途方に暮れてしまうこともあるだろう。何も起こってない時にこそ、対応策が必要であるというのが、賢い者たちの立場ではないのかなと感じている。」と述べた。

 続いて黄綬褒章受章者に記念品が贈呈されたあと、新入会員の紹介があった。

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経済産業省 星野素形材産業室長

 来賓を代表して経済産業省製造産業局の星野昌志 素形材産業室長があいさつをした。この中で星野素形材産業室長は、「日本経済はチャンスの年であり、成長型の経済を目指していくことが大切だと感じている。省人化、材育成・確保も課題である。厳しい人手不足の時代になっている。省人化は昨年、補正予算も通り、使いやすく前向きな省人化、前向きな省人化、投資支援の枠組みを進めている。国内の若い優秀な人材の、目を向けていただけるようなネットワークづくりを精いっぱい皆さんと共に進めていきたい。」と声援を送った。

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牧野フライス製作所 宮崎社長

 賛助会員を代表して牧野フライス製作所の宮崎正太郎社長が、「隣国では、おそらくEV大変革のようなものが起きるだろうと推測されているが、自動運転も現在、センサーあるいはレーザーを含めて実用化に向け、動いている。今年は皆さまの卓越した技術が発揮できるのではないか。私どもも皆さまのお役に立てるよう、さまざまなご要望を伺いながら取り組んでいきたい。」と意気込みを示した。