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コマツ JAXA「宇宙戦略基金事業」(第二期)に採択 ~-立命館大学ほかと月面拠点建設実現に向けた測量・地盤調査技術の確立を目指して~

月面建設機械のイメージ

 

 コマツ(社長=今吉琢也氏)はこのほど、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募する「宇宙戦略基金事業」(第二期)の技術開発テーマ「探査等(月面インフラ構築に資する要素技術)」にて、立命館大学などと共同で提案した課題「月面拠点建設を実現するための測量・地盤調査技術の確立」が採択されたことを受け、代表機関である立命館大学(研究代表者=小林泰三教授)の連携機関として参画すると発表した。

 同課題は、産学連携による技術開発を通じて、将来的な月面活動の基盤となる月面環境の分析および重要技術の早期実証を推進することを目的としている。月面のインフラ構築においては、地球上と同様に「測量」と「地盤調査」が不可欠だが、月面は「レゴリス」と呼ばれる微細な砂が厚く堆積しており、その深さや硬さなどの土質特性は十分に解明されておらず、地形や地質についても不明な点が多く残されている。

 このため同課題では、月面での建設施工や資源開発に必要な高精度の地形データを取得し、レゴリスの土質特性や地層構造を把握するための「測量・地盤調査システム」の開発を目指す。コマツはこのうち、地盤調査システム(土質試験ツール)を月面上の調査地点に展開・設置するためのロボット機構を開発する。このロボット機構は、バケットを用いた整地・転圧・掘削などの一連の地盤工事作業を行う機能を備える予定で、これらの作業で取得する、ロボットアームやモーター・減速機にかかる力、画像などのデータは、地盤モデルの高度化や設計・施工システムへの反映に活用され、将来的な月面建設機械の標準化に向けた基盤技術として展開可能である。

 

 

 同社は2021年に国土交通省と文部科学省による「宇宙無人建設革新技術開発」の選定を受けて以来、月面での無人建設のための月面建設機械の研究開発を進めている。デジタルツイン技術を活用し、月面環境と建設機械をサイバー空間上に再現した掘削シミュレーションを通じて月面建設機械の課題の抽出と抽出された課題の対策に取り組んでいる。

 同社は、これまで培ってきた建設機械の知見に加え、月面環境を再現したシミュレーションや極限条件での技術検証を通じて得られた知見を活かし、今回の取り組みで得られる新たな知見も踏まえ、将来の月面インフラ構築に向けた建設機械や無人建設技術の研究開発を推進していく方針。
 

日立建機 充電用電源が未整備の施工現場におけるバッテリー駆動式ショベルの安定稼働を実証

移動式給電車によるバッテリー駆動式ショベルへの充電

 

 日立建機は、11月10日から14日まで、東京都府中市の施工現場で、バッテリー駆動式ショベルとベルエナジーの移動式給電車を組み合わせた実証試験を行い、最適な充電計画を検証した。

 この結果、充電用電源が未整備の施工現場においてもバッテリー駆動式ショベルと移動式給電車の組み合わせで工事が安定して実施できることを確認し、さらにエネルギーマネジメントを行う上での最適な充電計画を検証できたと発表した。

 昨今、GX建機認定制度の開始など、日本国内でも電動建機の導入機運は高まりつつあるが、日立建機は2024年9月に、バッテリー駆動式ショベル3機種と可搬式充電設備の国内販売を開始。電動建機は排出ガスを出さず静音性に優れている一方、充電インフラの整備や充電時間の確保など運用面での業界共通の課題が存在するため、同社にとっては、施工現場での実証試験を通じて、最適な運用方法を提案することが重要と考えた。

 一方、ベルエナジーは、EVをベースとした移動式給電車「MESTA Gen(メスタ・ジェン)」などを活用して電力供給サービス「電気の宅配便」を提供しており、指定の場所に出向いて建設機械やEVに電力を供給することができる。この移動式給電車は自走して充電ステーションへ赴き、充電することが可能。また、工事の進捗状況に応じて移動できるため、設置場所に縛られず、現場の変化に柔軟に対応することができる。

 同試験は、充電用電源が未整備の施工現場を想定し、日立建機のバッテリー駆動式ショベルZX55U-6EBとベルエナジーの移動式給電車「MESTA Gen(メスタ・ジェン)」1台を組み合わせて実施した。移動式給電車は施工現場近隣の充電ステーションで充電し、施工現場に戻ってバッテリー駆動式ショベルへ1日に複数回、直接給電した。

 今回は、日立建機が施工現場の運用スケジュールやバッテリー駆動式ショベルの稼働状況の予測に基づき、充電の必要性を判断することで給電車の最適配車タイミングを計画し、ベルエナジーがその計画に合わせて給電車を配車する運用を実施した。その結果、充電用電源が未整備の施工現場でもバッテリー駆動式ショベルと移動式給電車の組み合わせにより外構工事を安定して実施できることを確認した。
 

全日本機械工具商連合会「激動の時代を乗り越えろ!! ~掴め! 世界のトレンド~」をテーマに「第45回全国大会 関東大会」開催

 

 全国各地に所在する機械工具販売業者の組合が互いの利益を守り社会的地位の向上を図ることを目的とした団体の全日本機械工具商連合会(以下全機工連)(会長=坂井俊司 NaITO社長)が、去る11月4日、東京国際フォーラム(東京都千代田区丸の内)で「激動の時代を乗り越えろ!! ~掴め! 世界のトレンド~」をテーマに「第45回全国大会 関東大会」を開催した。

 全機工連全国大会は1948年8月に第1回が「丸公価格(物価統制令による公定価格)撤廃を求めて神奈川県箱根町に開催されて以来、今年で77年目を迎えた。なお、今回の幹事組合は、東京都機械工具商業協同組合が担当し、協力組合は、埼玉県機械機器商協同組合、川口機械工具商業協同組合、千葉機工会、東京西部機械工具商業協同組合、神奈川県機械器具機材商業協同組合で、関東一丸で準備を行ったため、大会名を当初の東京大会から〝関東大会〟に変更した。

東京都機械工具商業協同組合 山田理事長

 第一部の式典では、国歌斉唱から始まり、続いて、ホスト組合を代表して東京都機械工具商業協同組合の山田雅英 理事長(山田マシンツール社長)が、「今回は、関東の各組合の惜しみない協力に助けられ、本日に至った。全機工連の大会に際し、個人的に思い入れが深いのは、前回9年前の東京大会で実行委員長を務めさせていただいたこと。当時と比較するとわれわれを取り巻く環境は表現しがたいほどのダイナミックな変化を遂げている。9年前当時、われわれは漠然と大きな変化の予兆を感じていた。皆様は歯を食いしばって勇気をふるい、時代に適合する進化を実現されたからこそ、今日があると確信している。」とあいさつをした。

全日本機械工業連合会 坂井会長

 主催者を代表して、全日本機械工業連合会 坂井会長があいさつをした。このなかで坂井会長は、日頃の感謝の意を述べたあと、「機械工具業界は大きな変化が2点ある。ひとつはものづくりの変化で、自動車業界を代表例として挙げると、電動化の流れは今後加速することが予想され、部品点数の減少により決して小さくない影響が生じると考えられる。もうひとつは商売のあり方の変化であり、従来の機械工具業界では注文をいただき、必要な商品を配達することが当たり前だったが、人手不足により配達が困難になる可能性がある。こうしたことからデジタル技術による業務の効率化が必要不可欠であり、生成AIを活用することで、社内の業務工程削減が可能となる。今回の全国大会が会員の皆様はもとより、賛助会員の皆様ともつながりを深める良い機会となることを願っている。」と声援を送った。


 来賓を代表して、経済産業省 製造産業局の大今宏史 素経済産業室長が、「ものづくりは非常に重要な産業であり、環境が激変している。今回、激動の時代を乗り越えるためのセッションが開催され、非常に頼もしく思っている。」とあいさつをしたあと、赤沢亮正経済産業大臣からの祝辞が読み上げられ、大会に華を添えた。

 続いて功労者表彰(常任理事として4年以上在任)が行われ、札幌機工商業会 前会長、北海商事代表取締役の加藤 誠氏、福岡機械工具商組合 前理事長、柳原機鋼代表取締役の柳原一三氏が表彰された。

 第二部は、講演会が行われ、「機械工具商における生産性向上 ~生成AIがもたらす革新~」をテーマに、ブロードリーフ シニアエバンジェリスト 大岡 明氏、「日本のモノづくりへの期待」をテーマに西川事務所代表、元日産自動車社長兼CEO 西川廣人氏がそれぞれ講演をした。

全機工連顧問 衆議院議員 新藤氏

 第三部は懇親会が開かれた。懇親会の席で、全機工連顧問であり衆議院議員の新藤義孝氏が、「このたびご縁があり全機工連の顧問として仲間に入れて頂いた。私は地元が埼玉の川口ですから、川口の機械工具商様とは長い間お付き合いさせて頂いている。ここにいらっしゃる皆様の気質はよく分かります。人情味があって世話焼きで地域のために様々な責任を果たしながら、自分の本業である本業を全国の仲間とともに盛り上げていくという、地域を支えながら経済を支えているという皆様です。皆様の活動をしっかり政治的に反映したい。」参加者に激励を送った。

 乾杯の発声は東京西部機械工具商業協同組合理事長の中野芳徳 三和工機会長が行い開宴、会員で結成されたバンド演奏が行われ、会場内は大いに盛り上がった。宴もたけなわの頃、散会した。
 

 

 

BIG DAISHOWA 中国地域密着の技術営業体制を強化 合肥事務所を新設

合肥事務所外観

 

  ツーリングでトップシェアを誇るBIG DAISHOWA(社長:仲谷開人氏)が、このほど中国各地域に根差した技術営業拠点の一環として合肥事務所を開設したと発表した。同社では、2004年6月に上海サービスセンターを開設したことを皮切りに、現在まで、広東、瀋陽、成都、武漢、天津の技術営業拠点を順次増やしてきた。

 同社では、「現地法人は単なる営業拠点ではなく、メーカーとして顧客の課題に正面から向き合う技術支援の専門部隊」として捉えており、顧客への技術支援を通じ、ユーザーとの強固な信頼関係を築くことを狙いとしている。販売業務は代理店や特約店、販売店が担う一方で、各拠点を設立後、地域に根ざした活動を行っている。

 今回の合肥事務所開発について同社では、「近年、経済先進地域である華東の上海、浙江省、江蘇省、および華南の広東エリアの人件費、物価高騰に従い、企業は安徽省への工場移転が始まった。自動車産業、特にEV自動車の部品加工業、金型などが急速に発展をしてきている。それにともない、今後、半導体関連、他産業の金属加工工場の進出が進むと思われる。将来的に発展するポテンシャルエリアにいち早く拠点を設け、進出する顧客を支援する目的で合肥事務所を開設するに至った。」とし、数年後にこのエリアの売上倍増を狙う。

 

アマダ 3次元レーザ統合システム「 ALCIS-1008e」ブルーレーザ ・ スキャナーヘッド仕様の正式受注を開始

 アマダがこのほど、3次元レーザ統合システム「 ALCIS-1008e」(アルシスのブルーレーザ発振器・スキャナーヘッド仕様の正式受注を2025年11月より開始した。

 「ALCIS Advanced Laser Cube Integrated System」はブルーレーザとファイバーレーザの2種類のレーザ発振器が搭載可能で、切断、溶接、積層造形といった多様なレーザ加工を、 1台のマシンで可能にした3次元レーザ統合システム。

 今回正式受注を開始したのは、高出力ブルーレーザ発振器を搭載したスキャナーヘッド仕様のマシンで、EV用モーターの平角銅線のヘアピン溶接やバスバーの溶接加工に最適化されたシステム。

 ヘアピン溶接プロセス全体の最適化により、生産性を大幅に改善するとともに、「簡単操作」、「段取りレス」、「不良流出ゼロ」の実現に貢献する。

 近年、e-Mobilityなどに代表されるサステナブルな製品・サービスへのニーズの高まりに伴い、モノづくりにおいても、新たな工法の創造と挑戦が求められている。同社が長年培ってきたレーザ開発の技術と経験を結集し、レーザの活用領域を従来の板金加工のみならず新たな領域へ拡大することを目指し、今回の「ALCIS」開発に至った。

主な特長

(1)高生産性を追求したシステム構成
 「ALCIS-1008e」は、4kWの高出力ブルーレーザ発振器が搭載可能。ブルーレーザは波長が約450nmと短く、銅への吸収率が非常に高いことが最大の特長。この十分なレーザ出力とパワー密度により銅を瞬時に溶融し、溶融金属の安定した湯流れを形成できるため、高速加工と安定したスパッタレス加工を両立した。マシン本体はX、Y、Zの3軸直交駆動で、多関節ロボットと比較し加工ヘッドの高速かつ高精度に軌跡動作を実現。スキャナーヘッドは傾斜軸を有しており、加工テーブルにオプションの2軸ポジショナーテーブルを選択することで、複雑な形状の加工に対応することも可能。スキャナー加工においては、新たに「オンザフライ加工」を開発。軸移動にあわせてスキャナー加工を同期して行うことが可能で、通常のスキャナー加工のように加工範囲ごとの停止と軸移動を繰り返さないため、約3倍の生産性を実現した。

(2)「簡単操作」、「段取りレス」の実現に貢献するソフトウエアとセンシング技術
 最新のCAD CAMソフトウエア「VPSS 4ie MMWELD」を使用することで、オフラインでプログラムを作成できるため、製品ごとのティーチングによるプログラムの作成を不要とした。さらに、新たに開発した「溶接位置センシング」をオプションで搭載可能。センシングでは、スキャナーヘッド横に設置したカメラを用いて、ワークEV用モーター)を自動で撮影。この画像を自社開発の画像処理技術と個別に学習・最適化したAIモデルを併用して 解析することで、平角銅線の座標情報を算出する。算出した情報をもとに、平角銅線1組ごとに最適な照射軌跡や時間などが設定された加工条件を自動で割り当て、ワークの加工プログラムが生成される。これにより、ワークの位置ずれや、銅線間のすき間、ずれといった加工不良につながる加工課題に対応し、 誰でもより簡単に、段取りレスで高品位な加工を実現する。

(3)「不良流出ゼロ」の実現に貢献するモニタリング技術
 自社製のレーザウエルドモニター「MM-L400A」をオプションで搭載可能。「MM-L400A」は溶接部で発生する近赤外光、反射光、可視光の3つの光の強度変化から、溶接の異常を瞬時に判定するモニタリング装置。この「MM-L400A」はマシンのNC装置と連携し、加工中の平角銅線の位置や加工条件に応じて、基準波形と閾値を自動で切り替え、インプロセス で溶接の良否結果をリアルタイムに可視化する。溶接個所ごとの判定結果はマシンのNC装置「AMNC 4ie」に表示されるだけでなく、全測定データがデータベース化されサーバー PCに保存される。これにより、完全なトレーサビリティと後工程への不良流出を防ぐソリューションを構築した。


 

オーエスジー 「第22回 2025年 超モノづくり部品大賞」大賞を受賞

 

 オーエスジーがこのほど、製造業における名誉ある章のひとつ、「第22回 2025年 超モノづくり部品大賞」の大賞を受賞した。受賞した製品は、高性能・低炭素型転造タップ 「GREEN TAP『GRT』」。

 同賞は、日刊工業新聞社とモノづくり日本会議が、わが国のモノづくりを再興し、わが国の産業・社会の発展に貢献することを目的として、光の当たりにくい“縁の下の力持ち”的存在かつ、モノづくり産業のグローバル競争力の源泉である部品に焦点を当てたもので、特に部品にフォーカスした希少な賞である。

 大賞を受賞した、高性能・低炭素型転造タップ「GREEN TAP『GRT』」は、タップを生産する際のCO2排出量を削減するため新しい製造方法により、製造時の消費電力を削減することでCO2排出量の削減を実施した低炭素型製品(従来比35%削減)。工具開発面でもエコを意識した姿勢を押し出した画期的な製品となっている。また、同製品は、バラつきのない、高い耐久性を実現している。

 特長は、①冷却効果を高める特殊なねじ山仕様、②大きな心厚で高剛性、③コンピュータの塑性変形解析による特殊ねじ山仕様。


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古河電工と東京大学 宇宙空間での実証実験衛星「ふなで」打ち上げ

写真左:東京大学 大学院 工学研究科 中須賀教授 右:古河電工 枡谷常務

 

 古河電気工業(社長=森平英也氏 以下古河電工)と東京大学大学院工学系研究科(研究科長:加藤泰浩氏)は、このほど、2023年に同大学内に開設した社会連携講座「小型・超小型衛星におけるビジネスエコシステムの創成」(講座長:中須賀真一 航空宇宙工学専攻教授)を通じて設計開発した実証衛星「ふなで」を2026年10月に打ち上げ、古河電工製人工衛星用コンポーネントの起動実証と、東京大学が県境を進めるフォーメーションフライトの基礎運用実証を行うと発表し、古河電工本社で会見を開いた。

 同社では、「近年、世界の宇宙産業の市場規模は約54兆円に拡大しており、今後も様々な分野や用途での医療に伴う市場拡大が期待されている。人工衛星市場では大型衛星に比べて低コストかつ短期間で開発が可能な小型・超小型衛星の利用拡大が期待されている。」とし、特に地球観測や通信インフラの構築などのミッションで多数の衛星を利用する小型衛星コンステレーションにより、衛星開発数が爆発的に拡大すると見ており、「迅速な設計対応や安定的な製造技術は今後の宇宙産業の重要な競争力の源泉となる。」と述べている。

 古河電工と東京大学は2023年4月に同大学内に社会連携講座を開設し、今後大量に製造が必要になる小型・超小型衛星および搭載する各種コンポーネントの設計・開発を中心とする技術習得、より効果的で付加価値の高い人工衛星製造・供給体制の構築に向けた諸課題の検討に取り組んでいた。

「ふなで」 ネーミングの由来と仕様

 衛星名「ふなで」に込めるコンセプトは、「船出」を想起し、社会連携講座の成果とパートナーシップを示すだけでなく、古河電工の人工衛星初号機として宇宙での実験成功と今後の事業発展を祈念して命名したもので、古河電工のFUrukawa、中須賀デモンストレーションサテライトのNAkasuka DEmonstration satellitesの頭文字をとっている。

 「ふなで」のサイズは、4UCubeSat(110mm×123mm×499mm)。質量は16kg以下。軌道は太陽同期軌道で軌道高度は500km。これを2機、2026年10月にアメリカから飛ばす予定だ。ミッションは次の通り。

(1)    自社開発コンポーネントの起動実証
(2)    超小型衛星の製造技術、運用技術の習得
(3)    フォーメーションフライトの基礎実証

 会見の席で、古河電工の枡谷義雄常務は、自社開発のコンポーネントについて「サーマル技術を用いた『ヒートパイプモジュール』、メタル技術を用いた高耐久性アルミ電線『EFDURAL®』、高周波エレクトロニクス技術で『Sbanndo 送受信機(S-TRAx)』と『On-Boare Computer』の4つを搭載する予定となっている」と説明した。

 今までは宇宙開発分野は公的機関が主導してきたイメージが強かったが、枡谷常務は、「民間企業がイニシアチブを取る形で現在、急速にビジネスとして生まれ変わりつつあると考えている。今や宇宙は特別なものではなく身近な存在である。」と新たな産業の創出が手を伸ばせば届くところに来ていることを示し、方針として、「宇宙を身近な社会インフラにするため、国産小型、超小型衛星の供給力強化と利用機会の促進が重要になる。」との認識を述べた。

 衛星搭載のコンポーネントについては、地上に用いた民生部品を用いて、高信頼性で量産可能なものであるものを搭載し、衛星製造の領域では、高品質かつ大量に製造できる量産製造技術が重要だと考え、地上の社会課題を宇宙から解決するなど新たな価値創造に向け、社会実装をしていく方針。また、小型衛星と超小型衛星の量産供給を整え、地上サービス、要素技術を衛星技術と組み合わせて新たな価値である衛星観測データを用いた社会インフラの維持管理領域にも踏み込み、構築していくことを現在検討中だという。

 東京大学の中須賀教授は会見で、「宇宙産業の新しい潮流と狙い目で、現在、政府を中心に宇宙は非常に大きな産業の伸びる時期にある。それは政府の様々なプロジェクトだけでなく、民間、特にスタートアップや大企業、これまで宇宙産業に参入していない企業がたくさん宇宙に参入し、それらによって新しい宇宙開発利用の世界から産業が展開されようとしている。」と述べたあと日本政府の宇宙開発利用の全体像を説明した。具体的には、「輸送系の基幹ロケットH3は7号機の打ち上げに成功し、測位衛星は、日本版GPSはすでに3センチから4センチほどの精度で位置が分かる。また、地球観測、通信放送、日本が非常に強い宇宙科学探査など、令和7年度も宇宙予算は1兆円近い。政府が宇宙利用の強化と基幹産業化に向け、本気になっている。」と意気込みを示した。

古河電工による人工衛星向けコンポーネントの軌道実証 
 

■ヒートパイプモジュール
 氷点下でも作動し、勝逆作動(トップヒート)条件下でも優れた熱伝導性能を持つヒートパイプモジュール。空気対流による放熱ができない宇宙空間での熱マネジメントに最適。

■Sバンド送受信機(S-TRx)
 超小型衛星にも搭載可能なサイズと重量で、複数の変復調方式に対応し、かつ高速通信可能な高いビットレートを備えたSバンド送受信機。地上からの迅速な指令や高度なミッションの達成に貢献。

■On-Boare Computer(OBC)
 軌道上での書き換えも想定した高い信号・計算処理能力を持つ。多彩な構成・ミッションの衛星の迅速な開発を支援。

■高耐久性アルミ電線『EFDURAL®(エフジュラル)』
 古河電工独自のメタル技術により、微細な結晶粒を持つ新たなアルミニウム合金線材。強度を純アルミニウムの2倍以上、耐振動性・繰り返し屈曲性を100枚以上まで高めつつ、曲げや撚り加工などの成形性を両立。
 

「オーエスジーダイヤモンドツール、コーポレートサイトを全面リニューアル」 ~業界の知を結集し、グローバルに開かれた情報プラットフォームへ~

 

 創業以来、ダイヤモンド切削工具の開発・製造を通じて、自動車、半導体、航空機など多岐にわたる産業の精密加工を支えているオーエスジーダイヤモンドツールが、このほどコーポレートサイトを全面的にリニューアルしたと発表した。


〈リニューアルのポイント〉

 (1)ダイヤモンド切削工具の標準品「N-BRAND」の製品情報をはじめ、多数の加工事例や工具事例を掲載。
 (2)同社が刊行したダイヤモンド切削工具の教科書『The Diamond Basics』に基づく専門的な知識を誰もが見られるよう構成している。
 (3)多言語翻訳機能を導入することで、ダイヤモンド切削工具に携わる世界中の技術者・研究者・製造現場へ国や言語を問わず、製品情報や専門的な知識を幅広く提供できる体制を整えている。

 同社では、「当社の知見と技術を世界に公開し、ダイヤモンド切削業界全体の発展、そして新たな価値創出へとつなげてまいります。」とコメントしている。

■コーポレートサイト
URL:https://osg-diamond.co.jp/ 

 

大澤科学技術振興財団 2025年度研究助成費贈呈式を開く

 

あいさつをする大澤理事長

 大澤科学技術振興財団(理事長=大澤伸朗 オーエスジー社長兼COO)が、11月7日、ホテルアソシア豊橋(愛知県豊橋市花田町)で「2025年度研究助成費贈呈式」を開いた。

 同財団は、オーエスジーの創業者である大澤秀雄氏が「自らの事業を支えた技術発展のために、役立ちたい」という思いのもと公益財団法人として1991年7月に設立したもので、日本のものづくりを担う科学技術振興に寄与することを目的としている。

 今年度は、研究開発助成に33件、国際交流助成に7件の助成を行い、40件に対して総額9,491万円の助成を行った。また、設立来35年間の助成累計は12億5,330万7,000円となった。

 大澤理事長は、あいさつのなかで、「生成AIが株式市場でも社会でも大きな話題となり、
防衛産業やさまざまな分野が一気に脚光を浴びている一方で私たちが取り組む科学技術・基礎研究の未来について、生成AIがどのような影響を与えるのか、改めて深く考えさせられる。今や研究の現場でも、AIを使わない日はないほど浸透し、多くの仕事がAIに置き換わる時代が確実に訪れようとしている。製造業をはじめ、あらゆる業界で〝どうAIを活用するか〟が大きな課題となっている。しかし、閃き、創造性、感性といった人間だけが持つ力は、まだAIが到達できない領域である。だからこそ、これからの研究は人間の知とAIの力をどう融合させ、革新的な挑戦につなげるかが鍵となる。当財団は、未来を切り拓く研究者がその挑戦に踏み出せるよう、これからも積極的に支援していく。」と声援を送った。

 帯川利之選考委員会委員長が選考経過説明を行ったあと、大澤理事長より助成決定書交付が行われ、来賓を代表して、浅野勝人 元内閣官房副長官・同財団顧問が祝辞を述べた。
 

ナガセインテグレックス 新社長に 新藤良太氏

 ナガセインテグレックスが本年10月27日開催の定時株主総会において代表取締役社長COOに新藤良太氏が決定したと発表した。なお、前代表取締役社長である長瀬幸泰氏は代表取締役会長CEOに就任した。