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アマダ 「新しいソリューションで広がる可能性 ~厚板加工の最前線~」をテーマに厚板ソリューションイベントを開催

 

あいさつをするアマダ 田所雅彦専務

 アマダが11月21日(金)~22日(土)の2日間、同社グローバルイノベーションセンター(AGIC)(神奈川県伊勢原市石田)で「新しいソリューションで広がる可能性 ~厚板加工の最前線~」をテーマに厚板ソリューションイベントを開催した。

3名の登壇者により、厚板の加工における作業課題を解決する最新ソリューションが紹介され、その後、場所を移動して実機デモンストレーションが行われた。

 来場者の中には加工する板厚や材質が多岐にわたり、①加工条件の設定などに大幅な時間と労力を使っている、②プラズマ切断やガス溶断で精度が求められる、③厚板加工に対応できる高性能なマシンが限られる――――といった悩みを持つ人も多く、昨今では環境負荷低減や働き方改革といった企業の持続可能性に直結する重要なテーマへの対応も喫緊の課題となっている。今回同社では、これらの課題を解決するためのソリューションを提案するのが狙い。

新製品『VENTIS-6225e』

 新製品の『VENTIS-6225e』は、8‘×20’材に対応した新型レーザマシン。最大加工寸法は6200mm×2580mmで、最新型NC装置は『AMNC4ie』、棚システム『AS6225』とバラシ・仕分けの自動化を担う『TK6225L』で大板市場に見られる機能を多数搭載している。

 今回はひとつのモジュール9㎾出力を実現している。従来の光と比較し、光の品質を高めているのもポイントだ。鋭い光を使って、光の軌跡で丸や八文字を描いたり自由自在に制御する機能を〝LBCテクノロジー〟と呼び、これにより余計な熱を抑えることができ、6㎾では、厚板25mmまでの安定加工が可能になった。

 メーカーの異なる材料を一気に加工もでき、9㎾ではさらに安定加工材料を一気に拡大し32mmまで様々な材質で切断、フルカバーパーティーションの中で粉塵を集塵機で吸引することでクリーンで安全な作業環境を実現する。さらにY方向にコンベアを搭載し、スクラップを自動排出する。

 NCには加工点をかんしできるカメラを搭載し、いつでも加工の様子を拝見できるようになっている。

 最新型NC装置『AMNC4ie』は、カメラによる顔認証システムを採用し、オペレーターごとに使用する言語や作業レベルの切り替えが可能で、モバイルHMI機能搭載では遠隔スタートとストップが可能であり、さらに端材ネスティング機能では、オプションのカメラを選択すると材料の空いたスペースをマシンが自動認識して板取りをすることが可能。他にも従来と比較したCO2排出量の表示など、環境に配慮した経営を支援する。

オペレーターの作業を簡素化するソリューションと自立搬送ロボット『AMTES-500』

 今回、工程間の自動化に貢献する板金工場に対応した自律搬送型ロボット『AMTES-500』も披露された。これはバラシ、片付け後の自動搬送を行うことができるもので、デモンストレーションでは、台車の搬送作業を披露した。マシンと連携して設備内のパレット次工程や、中間棚に自動搬送することもできる。

 搬送対象は1100mm角のプラスチックパレット上に乗った最大500kgのものを搬送することができる。搬送作業を自動化することで、効率的に次工程搬送ができることだけでなく、思わぬ配膳ミスや在庫と所在の管理にも役立つ。

 人手作業を自動化した様子に来場者も興味津々だった。

 高剛性特化仕様ベンディングマシン『HRB350』

 厚板加工では非効率なワーク、多様な金型の選択、高負荷で危険伴うといった課題があるが、同社ではこれらに対し、〝高剛性〟を持って解決するという。それが高剛性特化仕様ベンディングマシン『HRB350』だ。

 このマシンは、加圧能力3500kNのハイパワーを維持しながら、サークサイズは小さく、「マシン設置スペースをコンパクトに押さえたい」というユーザーの声に答えて、競合にはないハイパワーと省スペースの両立を実現したマシンだ。注目は金型の取り付けの自由度が広がり、厚板加工で必須である大型な金型が載せられないといった課題を解決するワイドベッドだ。同社の大型機がテーブル175mmのところ、このマシンは約1.4倍の250mm幅の角テーブルに設計している。これにより金型サイズに制限されることなく、余裕をもって厚板を曲げることができる。

 また、パッケージの強度をアップしている。最も重要な特長は、マシン単体ではなく、中間板、金型を含めトータルで高剛性を設計していること。厚板曲げ加工では、パンチが前後に現れる挙動が発生するが、これをしっかり押さえるため、このマシンでは専用の中間板を装備している。

 

 

日本金型工業会「第52回金型の日」記念式典を開く

 

あいさつする山中会長

 日本金型工業会(会長=山中雅仁 ヤマナカゴーキン社長)が11月25日、「第52回金型の日」記念式典をANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋(愛知県名古屋市中区金山町)で開いた。

 金型の日は昭和32年11月25日に日本金型工業会が設立されたことから、毎年11月25日を金型の日と定め、昭和48年から記念式典を開催している。なお、68年前の創立総会は、東京の八芳園(東京都港区)で開催された。当時は全国から154名の金型経営者の参加を経て設立参加会員数は259社でスタートした。

 最初に金型の日記念式典の運営責任者である山田徹志副会長(日章社長)の開会宣言ではじまり、続いて、会長祝辞として同工業会第11代会長の山中会長があいさつをした。

 山中会長はあいさつのなかで、「日米関税交渉により自動車関税は27.5%から15%に引き下げることで合意したがグローバルの通商環境の変化がもたらす影響により、自動車産業によっては、とってはコスト削減、生産体制の再編、サプライチェーンの再構築などが喫緊の経営課題となっている。業界は生産性向上や付加価値、新商品、新市場、新市場の展開など、複数の下見を想定した経営の舵取りが求められている。金型の日は金型工業の認知度向上と今後のさらさらなる発展を期して制定されたものであり、金型業界は、厳しい環境であっても、ワクワクする、魅力ある防止として持続可能であると確信している。技術革新は、金型つくりを大きく変える可能性があることは言うに及ばず、お客様に課題解決のベストソリューションを導く重要なツールとして生産性向上や新たな価値創造に加え、高齢化、人口減、カーボンニュートラルなどの我々が直面する社会課題の対応に繋ぐものがある。」と金型の重要性を示した。

 永年勤続優良従業員表彰式のあと、国家褒章者への記念贈呈が行われた。

経済産業省 大今素形材室長

 来賓を代表して経済産業省製造産業局素形材産業室の大今宏史室長があいさつをした。この中で大今室長は、「金型の日は、わが国ものづくりの基盤を支える金型産業の認知度向上とさらなる発展を期待して制定された記念日と聞いている。この記念式典に多くの関係者が一堂に集まり、業界の歩みを振り返るとともに、さらなる金型業界の発展につなげていくことを祈念している。」と声援を送った。

 内原康雄 NCネットワーク社長を招き、「金型メーカーの挑戦! ~グローバル化、対応力強化、人材育成~」をテーマに基調講演が行われた。

 場所を移して懇親会が開かれ、宴もたけなわのころ散会した。
 

安田工業 相談役 安田之彦氏「お別れの会」開く

 

 安田工業の相談役を務め、令和7年9月13日に91歳で亡くなった安田之彦氏のお別れの会が、12月5日、福山ニューキャッスルホテル(広島県福山市三の丸町)で開かれた。親交のあった多くの業界関係者などが参列し、遺影に献花を捧げ個人との別れを惜しんだ。

 安田氏は、昭和10年生まれ。昭和35年3月、日本大学工学部機械工学科卒業後、同年4月に安田工業に入社し、取締役生産部長、乗務取締役を経て昭和51年に社長に就任した。

 また、日本工作機械工業会 理事、同 総合企画委員会委員長、同 経済調査委員会委員長、日本工作機械輸出振興会 理事など、長年、業界の発展に尽力してきた。これらの功績がたたえられ、平成6年に黄綬褒章、平成19年に旭日小綬章、令和7年に正六位を追贈された。

 会場内は安田氏の映像と共に、仕事に邁進する姿に加え、家族とプライベートを過ごす様子などが写されたパネルが展示され、参列者は懐かしみながら個人をしのんだ。

追悼の言葉「父 之彦を偲んで」 安田工業 代表取締役社長 安田拓人

 本日はご多用にもかかわらず、父であり、弊社相談役 安田之彦の「お別れの会」にご来臨を賜り、心より厚く御礼申し上げます。

 父は、創業者の意思を受け継ぎ、昭和51年に安田工業の代表取締役社長となり、33年間務め、その後も会長、相談役と最後まで最高の工作機械づくりに情熱を注いで参りました。

 「最大ではなく、最高を目指す。」という精神で、会社を大きくすることよりも、仲間と共に高精度な機械を創り挙げることに心血を注ぎました。

 とにかく機械が好きで、優れた技術や素晴らしい機械があると聞けば、世界のどこへでも自ら足を運びました。そこで出会う人々と技術談義に花を咲かせ、食事を共にし、親交を深めながら、新たな製品の着想や販売の道筋が生まれていきました。

 父は常に「人との良い出会いこそが会社を発展させ、人を豊かにする」と申しておりました。社員を大切にし、成長のためには本物に触れることが何より大事と、一流の設備や環境づくりにもこだわっておりました。

 おかげさまで、YASDAの機械は世界各地で高く評価されるようになり、父はそのことを大変喜びながらも、なお「もっと良いものを」と日々追求を重ねておりました。

 私どもも父の遺志を受け継ぎ、「最高」を追求する、ものづくりに一層の努力を重ねて参る所存です。

 ここに父が生前に皆様から賜りました数々のご厚誼、ご厚情に謹んで感謝申し上げますとともに、今後ともなお一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 

ヤマザキマザック 中径パイプ・形鋼の高精度、高速加工を実現するレーザ加工機「FT-250」を市場投入

「FT-250」外観(オプション仕様を含む)

 

 ヤマザキマザックは、このほどφ254mm 以下のパイプ材および203mmまでの形鋼の高速加工に対応する3次元レーザ加工機「FT-250」を開発し、販売を開始した。

 同社は2019 年に、小径パイプ量産加工向け「FT(エフティー)-150」を発売し、ドリルやタップ加工に加え、搬入・搬出装置による連続加工により、生産リードタイム短縮と省人化を実現してきた。今回開発した「FT-250」は、中径パイプや形鋼に対応領域を拡大したモデル。各地で建設ラッシュが続くデータセンタや物流倉庫などの建築部材をはじめ、物流設備や輸送機器などの幅広い鋼材加工の需要に応える。

 3次元レーザヘッドが材料と並行に移動する軸構成を採用、材料を固定したまま多方向からの加工が可能であり、材料移動に伴う振動を抑えることで切断面の品位と加工精度を高める。またレーザヘッドと材料の移動を同期させることで高速加工も可能。

 材料搬入はパイプ材の量産向けの「バンドル式ローダ」に加え、多品種少量生産向けに形状の異なる材料を収容できる「Vサポートコンベヤ式ローダ」(オプション)を展開している。材料交換による段取り替えの工数を削減し、長時間の連続運転を可能にした。

 回転工具ユニット(オプション)は加工能力を高め、M16(軟鋼はM20)までのタップ加工を実現し、最大13 本の工具収納により多品種少量生産にも柔軟に対応する。

「FT-250」の特長

(1)多種多様なパイプ・形鋼の高速・高品質加工を実現
 回転軸(B軸)を持つ3次元レーザヘッドにより、φ254mmまでのパイプ材に加え、203mmまでのH/I/L 形鋼などの加工にも対応する。3次元レーザヘッドは材料(X軸)と平行方向に移動するU 軸を有し、材料を動かすことなく多方向からの加工が可能。材料移動に伴う振動を抑え、高品位な加工を実現。さらに、X軸とU軸の同時動作による高速加工が可能。

(2)量産のみならず多品種少量生産にも対応可能な搬入仕様
 パイプの連続投入が可能な「バンドル式ローダ」(標準仕様)。ワークサイズと形状に合わせて、材料を本機に自動で搬入する。自動搬入の最大搬入寸法を超えた素材や形鋼、特急で加工したい場合などは、機械前面からの手動搬入で対応可能。

 

 また、多品種少量生産に対応する「Vサポートコンベヤ式ローダ」(オプション)異なる形状のパイプや形鋼などの素材を最大5本ストックすることができる。長尺材にも対応し、異なる材料の自動搬入により生産性向上に寄与する。バンドル式ローダとV サポートコンベヤ式ローダは、顧客の加工や生産形態に合わせて選択でき、両方を付けることも可能。

(3)回転工具の加工能力向上
回転工具ユニット(オプション)は、最大13本の工具を収納することができる。中径材料の加工に対応し、M16(軟鋼はM20)までのタップ加工も可能。

■主な仕様

日本工作機械販売協会 東部地区忘年懇親会を開く

意気込みを示す豊田地区委員長

 日本工作機械販売協会(会長=高田研至 井高社長)東部地区(地区委員長=豊田直樹 兼松KGK専務)が12月9日、KKRホテル東京(東京都千代田区大手町)で忘年懇親会を開いた。

 第一部は、日本プロキャディー協会副代表理事の清水重憲氏を講師に迎え、『「優勝請負人」と呼ばれるプロキャディー』をテーマに講演会が開かれた。

 懇親会であいさつに立った豊田地区委員長は、「昨今、日中関係が過熱した状況になっており、我々のビジネスにどのような影響を与えるか心配な状況だ。本年の日工会(日本工作機械工業会)の数字は内需が弱含みだが、外需に引っ張られ12月を盛り上げて当初の予定を達成するのではないかと見込まれている。最近、中部地区でも自動車関連の設備も動いきたと聞いている。東部地区は半導体関連、電子部品関連、自動車産業が弱含みなので、皆様ご苦労されているとは思うが、皆様のお力をお借りして、なんとか内需を盛り上げていきたい。」と意気込みを述べた。

前向きな姿勢を示す高田会長

 続いて、高田会長が、「10月はメカトロテック、先月は国際ロボット展が開催され、製造業が盛り上がった。本年は外需が約15%アップ、内需は厳しい1年だったと思うなかで、来年は、中部圏内の自動車メーカーが前向きに設備投資計画をされていると聞いている。また、航空宇宙、防衛産業はまだ継続的に良いようで、ここ数年見込めるという話を聞いた。半導体関係の投資などは来年の秋頃には回復してくるということで、間違いなく来年は良い年になるだろうと期待している。」と前向きな姿勢を示した。

 乾杯の発声はオークマの藤井秀樹 営業本部副本部長が行った。宴もたけなわの頃、散会した。

 

 

 

 

 

 

アマダ 富士宮事業所「2025年度 緑化優良工場等経済産業大臣賞」を受賞

 

 アマダの富士宮事業所がこのほど「2025年度 緑化優良工場等経済産業大臣賞」を受賞した。

 日本緑化センターが主催する緑化優良工場等表彰制度(通称:全国みどりの工場大賞)は、工場緑化を積極的に推進し、工場内外の環境向上に顕著な功績が認められた工場、団体および個人を表彰するもので、取り組み状況に応じ、日本緑化センター会長賞、各経済産業局長賞、経済産業大臣賞と段階的に選定される。

 富士宮事業所が有する約40ヘクタールにおよぶ広大な緑地「アマダの森」は、工場設立当初から大切に維持・管理され、多種多様な動植物が生息する環境を保持している。今回の受賞では、この広大な緑地の管理に加え、社員による動植物の継続的なモニタリング、地域の小中学生へのフィールドワーク提供といった地域連携への貢献が高く評価された。さらに、緑地機能向上を目的としたレインガーデンの導入など、環境配慮と生物多様性保全に積極的に尽力している点も認められた。

■ 富士宮事業所の概要 
【所 在 地】静岡県富士宮市北山7020
【敷地面積】約76.2ヘクタール(うち、緑地面積は約44.1ヘクタール)
【業務内容】板金加工機械器具、プレス機械器具の開発・製造/微細溶接機の製造
【受 賞 歴】関東経済産業局長賞(2021年)、日本緑化センター会長賞(2016年)
 

フジムラ製作所 新規事業「切削加工部門」をスタート! ~新規マシン導入検討を開始~

フジムラ製作所第一工場内(ロボドリル)

 

機械加工サンプル

 国内最先端の「デジタル板金」を進めるフジムラ製作所は、このほど2026年1月から新規事業として「切削加工部門」をスタートすると発表した。新規事業部門は「切削加工」を中心としており、これまで中核事業だった板金加工事業とは異なる新しい事業の柱として注力していく。

 切削加工部門はフジムラ製作所第一工場を大幅改装して、年内に手配済みの中古設備の搬入・稼働を完了し、来年早々に新規設備の導入を進めていく。新規導入予定の設備は「中型5軸マシニングセンタ」と「CNC旋盤」の2機種を予定しており、合計6台のマシンで事業をスタートする。

 同社は、2025年12月に創業25周年を迎えたタイミングで、予てより事業拡大のためのマーケティングと検討を進めてきた新規事業をスタートし、人材もすでに確保済みで、切削加工における経験値の高い人材2名と社内から抜擢された人材2名の合計4名体制でスタートする。

 年内は機械加工事業開始のための準備期間とし、主に教育と体制づくりを進めていく予定。今回の金属切削加工事業への投資額は、約1億8,000万円を予定しており、これまで板金加工部品以外の機械加工部品については、外部の協力工場に依頼していた外注加工費が約1億5~6,000万円となっていたため、今後は一貫生産体制の構築により社内工数として取り込むことが可能となった。

 今後は切削加工部門においても、デジタル板金で培ってきた価格と納期の安定化と工程の見える化を進め、工場内の自動化とデジタル化の一体感を高め、一層のDX 化を図ってまいく方針。

■「金属切削加工事業」概要

コマツ JAXA「宇宙戦略基金事業」(第二期)に採択 ~-立命館大学ほかと月面拠点建設実現に向けた測量・地盤調査技術の確立を目指して~

月面建設機械のイメージ

 

 コマツ(社長=今吉琢也氏)はこのほど、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募する「宇宙戦略基金事業」(第二期)の技術開発テーマ「探査等(月面インフラ構築に資する要素技術)」にて、立命館大学などと共同で提案した課題「月面拠点建設を実現するための測量・地盤調査技術の確立」が採択されたことを受け、代表機関である立命館大学(研究代表者=小林泰三教授)の連携機関として参画すると発表した。

 同課題は、産学連携による技術開発を通じて、将来的な月面活動の基盤となる月面環境の分析および重要技術の早期実証を推進することを目的としている。月面のインフラ構築においては、地球上と同様に「測量」と「地盤調査」が不可欠だが、月面は「レゴリス」と呼ばれる微細な砂が厚く堆積しており、その深さや硬さなどの土質特性は十分に解明されておらず、地形や地質についても不明な点が多く残されている。

 このため同課題では、月面での建設施工や資源開発に必要な高精度の地形データを取得し、レゴリスの土質特性や地層構造を把握するための「測量・地盤調査システム」の開発を目指す。コマツはこのうち、地盤調査システム(土質試験ツール)を月面上の調査地点に展開・設置するためのロボット機構を開発する。このロボット機構は、バケットを用いた整地・転圧・掘削などの一連の地盤工事作業を行う機能を備える予定で、これらの作業で取得する、ロボットアームやモーター・減速機にかかる力、画像などのデータは、地盤モデルの高度化や設計・施工システムへの反映に活用され、将来的な月面建設機械の標準化に向けた基盤技術として展開可能である。

 

 

 同社は2021年に国土交通省と文部科学省による「宇宙無人建設革新技術開発」の選定を受けて以来、月面での無人建設のための月面建設機械の研究開発を進めている。デジタルツイン技術を活用し、月面環境と建設機械をサイバー空間上に再現した掘削シミュレーションを通じて月面建設機械の課題の抽出と抽出された課題の対策に取り組んでいる。

 同社は、これまで培ってきた建設機械の知見に加え、月面環境を再現したシミュレーションや極限条件での技術検証を通じて得られた知見を活かし、今回の取り組みで得られる新たな知見も踏まえ、将来の月面インフラ構築に向けた建設機械や無人建設技術の研究開発を推進していく方針。
 

日立建機 充電用電源が未整備の施工現場におけるバッテリー駆動式ショベルの安定稼働を実証

移動式給電車によるバッテリー駆動式ショベルへの充電

 

 日立建機は、11月10日から14日まで、東京都府中市の施工現場で、バッテリー駆動式ショベルとベルエナジーの移動式給電車を組み合わせた実証試験を行い、最適な充電計画を検証した。

 この結果、充電用電源が未整備の施工現場においてもバッテリー駆動式ショベルと移動式給電車の組み合わせで工事が安定して実施できることを確認し、さらにエネルギーマネジメントを行う上での最適な充電計画を検証できたと発表した。

 昨今、GX建機認定制度の開始など、日本国内でも電動建機の導入機運は高まりつつあるが、日立建機は2024年9月に、バッテリー駆動式ショベル3機種と可搬式充電設備の国内販売を開始。電動建機は排出ガスを出さず静音性に優れている一方、充電インフラの整備や充電時間の確保など運用面での業界共通の課題が存在するため、同社にとっては、施工現場での実証試験を通じて、最適な運用方法を提案することが重要と考えた。

 一方、ベルエナジーは、EVをベースとした移動式給電車「MESTA Gen(メスタ・ジェン)」などを活用して電力供給サービス「電気の宅配便」を提供しており、指定の場所に出向いて建設機械やEVに電力を供給することができる。この移動式給電車は自走して充電ステーションへ赴き、充電することが可能。また、工事の進捗状況に応じて移動できるため、設置場所に縛られず、現場の変化に柔軟に対応することができる。

 同試験は、充電用電源が未整備の施工現場を想定し、日立建機のバッテリー駆動式ショベルZX55U-6EBとベルエナジーの移動式給電車「MESTA Gen(メスタ・ジェン)」1台を組み合わせて実施した。移動式給電車は施工現場近隣の充電ステーションで充電し、施工現場に戻ってバッテリー駆動式ショベルへ1日に複数回、直接給電した。

 今回は、日立建機が施工現場の運用スケジュールやバッテリー駆動式ショベルの稼働状況の予測に基づき、充電の必要性を判断することで給電車の最適配車タイミングを計画し、ベルエナジーがその計画に合わせて給電車を配車する運用を実施した。その結果、充電用電源が未整備の施工現場でもバッテリー駆動式ショベルと移動式給電車の組み合わせにより外構工事を安定して実施できることを確認した。
 

全日本機械工具商連合会「激動の時代を乗り越えろ!! ~掴め! 世界のトレンド~」をテーマに「第45回全国大会 関東大会」開催

 

 全国各地に所在する機械工具販売業者の組合が互いの利益を守り社会的地位の向上を図ることを目的とした団体の全日本機械工具商連合会(以下全機工連)(会長=坂井俊司 NaITO社長)が、去る11月4日、東京国際フォーラム(東京都千代田区丸の内)で「激動の時代を乗り越えろ!! ~掴め! 世界のトレンド~」をテーマに「第45回全国大会 関東大会」を開催した。

 全機工連全国大会は1948年8月に第1回が「丸公価格(物価統制令による公定価格)撤廃を求めて神奈川県箱根町に開催されて以来、今年で77年目を迎えた。なお、今回の幹事組合は、東京都機械工具商業協同組合が担当し、協力組合は、埼玉県機械機器商協同組合、川口機械工具商業協同組合、千葉機工会、東京西部機械工具商業協同組合、神奈川県機械器具機材商業協同組合で、関東一丸で準備を行ったため、大会名を当初の東京大会から〝関東大会〟に変更した。

東京都機械工具商業協同組合 山田理事長

 第一部の式典では、国歌斉唱から始まり、続いて、ホスト組合を代表して東京都機械工具商業協同組合の山田雅英 理事長(山田マシンツール社長)が、「今回は、関東の各組合の惜しみない協力に助けられ、本日に至った。全機工連の大会に際し、個人的に思い入れが深いのは、前回9年前の東京大会で実行委員長を務めさせていただいたこと。当時と比較するとわれわれを取り巻く環境は表現しがたいほどのダイナミックな変化を遂げている。9年前当時、われわれは漠然と大きな変化の予兆を感じていた。皆様は歯を食いしばって勇気をふるい、時代に適合する進化を実現されたからこそ、今日があると確信している。」とあいさつをした。

全日本機械工業連合会 坂井会長

 主催者を代表して、全日本機械工業連合会 坂井会長があいさつをした。このなかで坂井会長は、日頃の感謝の意を述べたあと、「機械工具業界は大きな変化が2点ある。ひとつはものづくりの変化で、自動車業界を代表例として挙げると、電動化の流れは今後加速することが予想され、部品点数の減少により決して小さくない影響が生じると考えられる。もうひとつは商売のあり方の変化であり、従来の機械工具業界では注文をいただき、必要な商品を配達することが当たり前だったが、人手不足により配達が困難になる可能性がある。こうしたことからデジタル技術による業務の効率化が必要不可欠であり、生成AIを活用することで、社内の業務工程削減が可能となる。今回の全国大会が会員の皆様はもとより、賛助会員の皆様ともつながりを深める良い機会となることを願っている。」と声援を送った。


 来賓を代表して、経済産業省 製造産業局の大今宏史 素経済産業室長が、「ものづくりは非常に重要な産業であり、環境が激変している。今回、激動の時代を乗り越えるためのセッションが開催され、非常に頼もしく思っている。」とあいさつをしたあと、赤沢亮正経済産業大臣からの祝辞が読み上げられ、大会に華を添えた。

 続いて功労者表彰(常任理事として4年以上在任)が行われ、札幌機工商業会 前会長、北海商事代表取締役の加藤 誠氏、福岡機械工具商組合 前理事長、柳原機鋼代表取締役の柳原一三氏が表彰された。

 第二部は、講演会が行われ、「機械工具商における生産性向上 ~生成AIがもたらす革新~」をテーマに、ブロードリーフ シニアエバンジェリスト 大岡 明氏、「日本のモノづくりへの期待」をテーマに西川事務所代表、元日産自動車社長兼CEO 西川廣人氏がそれぞれ講演をした。

全機工連顧問 衆議院議員 新藤氏

 第三部は懇親会が開かれた。懇親会の席で、全機工連顧問であり衆議院議員の新藤義孝氏が、「このたびご縁があり全機工連の顧問として仲間に入れて頂いた。私は地元が埼玉の川口ですから、川口の機械工具商様とは長い間お付き合いさせて頂いている。ここにいらっしゃる皆様の気質はよく分かります。人情味があって世話焼きで地域のために様々な責任を果たしながら、自分の本業である本業を全国の仲間とともに盛り上げていくという、地域を支えながら経済を支えているという皆様です。皆様の活動をしっかり政治的に反映したい。」参加者に激励を送った。

 乾杯の発声は東京西部機械工具商業協同組合理事長の中野芳徳 三和工機会長が行い開宴、会員で結成されたバンド演奏が行われ、会場内は大いに盛り上がった。宴もたけなわの頃、散会した。