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DMG MORI SAILING TEAMを発足 ~4年に一度の単独・無寄港・無補給の世界一周ヨットレース『Vendée Globe2020』への挑戦~

 DMG森精機(社長=森 雅彦氏)が、10月30日に「DMG MORI SAILING TEAM」を発足し、東京都千代田区内の帝国ホテル東京で会見を開いた。

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(写真左:白石康次郎氏 右:森雅彦 DMG森精機社長)

181118ヴァンデ・グローブ2世界中の社員とともにグローバルワンで楽しみたいと森社長 プロフェッショナル外洋セーリングチーム「DMG MORI SAILING TEAM」は、海洋冒険家の白石 康次郎氏を迎え入れ、世界のトップセーラーが集う、単独・無寄港・無補給の世界一周ヨットレース『Vendée Globe2020(ヴァンデ・グローブ)』へ挑戦する。
 
 『Vendée Globe』は、世界一過酷なヨットレースとして、1989年から4年に一度開催されており、開催地のフランスでは「テニス全仏オープン」、「ツール・ド・フランス」と同じく注目を集めるスポーツ競技であり、欧州各地では高い認知度を誇る。白石康次郎氏は、2016年大会にアジア人として初出場を果たし、完走を目指したものの、マストトラブルにより残念ながらリタイアとなった。2020年11月からスタートする第9回大会では、DMG森精機の一員として約80日間のレースの完走を目指す。

 会見の席で森社長は、「弊社は、世界中のお客様をカバーするため、販売/加工技術/サービス拠点は46カ国で157拠点、工場も世界各国で14箇所あり、46国籍12,400人の社員が在籍している。われわれがVendée Globeを応援するのは、世界をひとつに、皆の共通のスポーツとして、グローバルワンで楽しもうというコンセプトである。世界中に散らばっている社員とダイバーシティの考えのもと、社員の心をひとつにして、世界中のお客様にメッセージを送るには大変良い機会になるので、皆で盛り上がっていこうと思っている。」と、今回「DMG MORI SAILING TEAM」を発足したいきさつを話した。

181118ヴァンデ・グローブ3「最高のパフォーマンスが出来る」と白石氏 白石氏は、「前回は完走できずにいたところ、森社長からご提案いただいた。森社長の掲げるグローバルワン、まさに世界がひとつの方向に向かっていくという考えに大変共感している。われわれは大変仲が良く、ハッピーなチームだ。最高のパフォーマンスが出来ると思う。人生の中でこれ以上のエキサイティングなレースはない。たった独りでこのでっかい地球を相手にするレースはこのVendée Globeだけ。次は必ず完走したい。」と意気込みを示した。

181118ヴァンデグローブ4最先端の船艇で挑む DMG森精機は、長年、航空機、宇宙、自動車、船舶分野をはじめ、あらゆる産業に工作機械とソリューションを届けてきたが、特に、高精度、速さ、耐久性を求められるFIA世界耐久選手権や、FIA世界ラリー選手権等、トップクラスのモータースポーツ分野において、長年テクニカルパートナーとしての経験を培っている。これまでの経験を生かし、あらゆる自然環境にも耐えうる剛性、精度を追求した最先端の船艇で2020年11月に開催される『Vendée Globe2020』に出場し、「DMG MORI SAILING TEAM」の活動を通して、製造業の発展に貢献していくとしている。

タンガロイが経済性に優れる“両面仕様”ポジインサートシリーズ「MiniForce-Turn」 一般外径旋削加工用ホルダを拡充

181118タンガロイ タンガロイ(社長=木下 聡氏)は、このほど新発想両面仕様インサートと独創的なポケット形状により高経済性と安定加工を可能とする「MiniForce-Turn」(ミニフォースターン)に、シャンク角20mmと25mmのオフセット付き一般外径旋削加工用ホルダの発売を開始した。

 発売以来好評の「MiniForce-Turn」は、従来のポジティブタイプインサートと同等の低抵抗化を実現した新発想の両面仕様インサートとなっており、大幅な工具費の削減に寄与する次世代工具シリーズ。

 今回、一般外径旋削加工で多く使用されるシャンク角20mm・25mmを拡充発売することにより、小物部品加工だけでなく一般外径旋削加工においても低抵抗化による高い信頼性と両面仕様インサート形状による工具費低減を実現する。これにより、外径旋削加工では、今回拡充発売する「MiniForce-Turn」に加え、インサート形状CNMG1204サイズやWNMG0804サイズなど一般ISOインサート用ホルダシリーズ「Turning-A」、インサート形状CNMG0904サイズ、WNMG0604サイズなど経済性に優れるエコインサートシリーズ「ISO-EcoTurn」の3つのシリーズを選択することが可能となり、多種多様な加工へ対応することが可能となった。

■主な特長
 ●シャンク角20mm・25mm(WXGU・DXGU・VXGUの3形状に対応するホルダ)を拡充発売
 ●両面仕様インサートでポジタイプインサート並みの低抵抗を実現
 ●インサートの浮き上がりを抑えるダブテール構造を採用し、かつクランプ剛性を向上させ工具寿命を安定化

■主な形番と標準価格
・JSWLXR2020K04:12,500円
・JSWLXR2525M04:14,800円
・JSDJXL2020K07:12,500円
・JSDJXL2525M07:14,800円
・JSVJXR2020K09:12,500円
・JSVJXR2525M09:14,800円
(いずれも税抜価格)

世界初の革新的な「LBC テクノロジー」を搭載したアマダのファイバーレーザマシン「VENTIS-3015AJ」が「EuroBLECH 2018」でMM 賞を受賞!

181118アマダ1 アマダ(社長=磯部任氏)は、去る10 月23 日、ドイツハノーバーで開催された世界最大級の板金加工業界の見本市「EuroBLECH 2018」で、MM 賞を受賞した。

 MM 賞は、ドイツで最も権威のある製造業界誌「MM MaschinenMarkt」が、金属加工業界における先進的、革新的な出展製品に対して表彰するもので、受賞対象は、アマダが世界で初めて確立した、「軌跡ビームコントロール(LBC)[Locus Beam Control の略]テクノロジー」を搭載したファイバーレーザマシン「VENTIS-3015AJ」。

 今回の受賞は、エネルギー密度の高い光を維持したまま、加工する材質や板厚に応じて最適なビーム軌跡を自由自在に制御する新技術「LBCテクノロジー」の開発により、従来機と比較し、切断速度と面質の著しい向上、加工コストの大幅な低減を実現できる点が評価された。

アマダが世界で初めて確立した「軌跡ビームコントロール(LBC)テクノロジー」とは!?

 ファイバーレーザは、板金の切断加工においてCO2 レーザに比べて加工速度が優れる一方で、切断面が粗い、切断時に熱により溶けた物質が素材の下部に付着する“ドロス”が発生するといった加工品質に課題があった。アマダが本年発売した「ENSIS-3015AJ (6kW、9kW)」は、軟鋼中厚板の高速かつ高品位な切断加工を両立させ、高い評価を受けているが、これに伴い、同社の顧客からは、ステンレスやアルミに対しても同様に、高速で高品位な切断加工を求める声が高まっていた。

 これを受けて同社では、ステンレス、アルミの切断加工において、高速かつ高品位切断を可能にするために、素材の溶融を促進させる新たなファイバーレーザ技術の開発を目指してきた。その結果、レーザ光の特性に着目、分析し、同社の強みであるレーザ光の加工技術を進化させた革新的な「軌跡ビームコントロール(LBC)テクノロジー」の確立に成功した。

●「LBC テクノロジー」の特長
 エネルギー密度の高い高効率、高品質なレーザ光を、金属の材質、板厚に応じて最適な
軌跡となるよう制御することで、レーザ切断のカーフ幅(切断幅)を自由自在にコントロールできる革新的なビーム成形技術。この技術は、特殊なコリメーションレンズと2 枚のミラーを高速で振動させる構造(ユニット)で成り立っている(図1)。これにより、加工する材質、板厚に応じて、高速、高品位といった加工ニーズを自在に組み合わせることができる。また、この技術は、高輝度発振器との組み合わせにより、さらに機能を発揮するため、世界最高レベルの高輝度4kW ファイバーレーザ発振器も併せて開発している。
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ダイジェット工業が営業力を集約化するため国内営業拠点を統廃合

 ダイジェット工業(社長=生悦住 歩氏)が、機構改革における営業体制の再構築を行うため、国内営業拠点の統廃合を行う。

 今回の統廃合は営業体制再構築の一環として、国内営業拠点の統廃合によって経営資源の効率化と営業力の集約化を図ることにより、「金型」「自動車」「航空機」産業における、同社の注力商品・得意品目の拡販・伸張、新規ユーザーや新市場の開拓、さらには開発ニーズの収集・提案を効率よく効果的に行える体制を目指すもの。

■統廃合の内容

(1)「東関東営業所」を廃止し、「南関東営業所」へ統合する。併せて「東京支店」を「南関東営業所」へ移転する。
(2)「三河営業所」および「浜松オフィス」を廃止し、「名古屋営業所」へ統合する。
(3)「九州営業所」を廃止し、「広島営業所」へ統合する。

 統合実施日は、平成30年12月1日。

マパールが現状と展望を発表

181115マパール1松田社長 マパール(社長=松田剛一氏)が、「JIMTOF2018」の開催に合わせ、11月2日に東京江東区内のTFTビル東館にて、マパールグループ社長のヨハン・クレス博士、アジアパシフィックディレクターのアーミン・キャスパー氏とともにマパールグループおよびマパールの現状と展望などを発表した。

 本年1月、マパール社長に松田剛一氏が就任。発表の席で、松田社長は、「2001年に日本に戻り、業界で様々な経験を積むことができた。今回はご縁があり、以前から興味のあったマパールで仕事をさせて頂くことになり大変光栄に思っている。マパールの製品はワンランク違う。特殊なものを中心にして全世界の自動車業界に使われて一目置かれている製品だが、実は日本の皆様にまだまだ知られていない製品がある。これをいかに広めていくかが我々のチャレンジになる。」と意気込みを見せた。

1811118マパール2ヨハン・クレス マパールグループ社長 ヨハン・クレス マパールグループ社長が「2017年の昨年はグループにとっても良い年だった。販売も6億1000万ユーロに伸びた。従業員数も増え、中でもインターンの数が2倍に増えた。マパールは技術に特化した会社なので非常にスキルを持った人材が必要である。したがって若い人材に投資をしている。それはドイツだけではなく、世界中で同じことをしている。投資の総額は2000万ユーロのぼり、研究開発における割合は高い。だからこそ皆様にこうして進んだテクノロジーや新製品を紹介できると思っている。売上げは着実に伸びているが、その要因は、5年前にはじめたワンマパールというプロジェクトである。アメリカでも日本でもマパールがあるが、世界中のどこにいてもマパールのサービスや製品にアクセスできること。特にアジアに力を入れており、アジアで伸びを見せている。」と説明をした。

 今後の取り組みについては、日本にTET部門を設立し、工作機械メーカーと現地の自動車産業をサポートするプロジェクトサポート部門を設置し、国内販売ルートを強化すると説明した。また、航空宇宙産業のサポートとして、航空宇宙部門を設立し、全世界のマパール航空中ネットワークの統合を図るとしている。

ロボット統計受注・生産・出荷実績(2018年7~9月期)

業況について
 2017年の年間の集計結果は、国内需要が堅調であったことに加え、輸出はそれ以上の大幅な伸びを示した。会員と非会員を含めた年間受注額は対前年比27.8%増の9,447億円、生産額は同24.8%増の8,777億円と、それぞれ過去最高となった。
 2018年1~3月期、4~6月期は受注・生産・総出荷の各項目において対前年同期比でプラス。
 2018年7~9月期の受注・生産・出荷の各状況は以下の通り。

受注
 受注台数は12四半期ぶりの前年同期比マイナス、受注額はプラスを維持。
 ・受注台数(台) : 51,180(前年同期比▲1.1%) 【12四半期ぶりのマイナス】
 ・受注額(億円) : 1,848(同+3.7%) 【9四半期連続のプラス】

生産
 生産台数、額ともに前年同期比でマイナスとなったが、生産額は過去2番目の値。
 ・生産台数(台) : 53,108(前年同期比▲5.2%) 【21四半期ぶりのマイナス】
 ・生産額(億円) : 1,858(同▲1.7%) 【9四半期ぶりのマイナス】

出荷
 国内出荷台数を除いた各項目において前年同期比でマイナスとなった。
 ・総出荷台数(台) : 51,619(前年同期比▲8.2%) 【21四半期ぶりのマイナス】
 ・総出荷額(億円) : 1,861(同▲5.0%) 【9四半期ぶりのマイナス】
 ・国内出荷台数(台): 11,506(同+9.6%) 【6四半期連続のプラス】
 ・国内出荷額(億円): 480(同▲0.7%) 【20四半期ぶりのマイナス】
 ・輸出台数(台) : 40,113(▲12.3%) 【21四半期ぶりのマイナス】
 ・輸出額(億円) : 1,381(▲6.5%) 【8四半期ぶりのマイナス】

国内出荷内訳
 電気機械産業向けは電子部品実装用が大幅減。自動車産業向けはトータルで横ばい。
 ●電機機械産業向け
 ・国内出荷台数(台) : 3,122(前年同期比+8.7%) 【7四半期連続のプラス】
 ・国内出荷額(億円) : 141(同▲8.8%) 【7四半期ぶりのマイナス】
 ●自動車産業向け
 ・国内出荷台数(台) : 3,980(前年同期比+2.3%) 【5四半期連続のプラス】
 ・国内出荷額(億円) : 160(同▲1.2%) 【6四半期ぶりのマイナス】

輸出内訳
 電子部品実装用は中国向けで大幅な減少となったが他主要国向けが堅調、トータルとして前年同期比微減となった。溶接用は主要輸出先であるアメリカを中心に減少、輸出台数、額ともに前年同期比2桁減となった。
 ●電子部品実装用
 ・輸出台数(台): 3,599(前年同期比▲4.3%) 【9四半期ぶりのマイナス】
 ・輸出額(億円): 575(同▲1.0%) 【8四半期ぶりのマイナス】
 ●溶接用
 ・輸出台数(台): 8,552(前年同期比▲21.3%) 【2四半期連続のマイナス】
 ・輸出額(億円): 217(同▲18.6%) 【2四半期連続のマイナス】

日本機械工具工業会が秋季総会並びに平成30年度日本機械工具工業会賞表彰式を開催

181028機械工具1 日本機械工具工業会(会長=牛島 望 住友電気工業 専務)が、10月3日、名古屋キャッスルプラザで秋季総会並びに平成30度日本機械工具工業会賞表彰式を開催した。

 第一部の総会では、新規入会会員の紹介、平成30年度「日本機械工具工業会賞」の発表、各委員会報告のほか、平成30年度上記収支報告、同機械工具生産額改定見直しなどの報告があったあと、東京電機大学工学部機械工学科 教授 松村 隆氏を講師に迎え、「切削加工の動向と高度化技術」をテーマに記念講演が行われた。

平成30年度日本機械工具工業会賞「業界功労賞」

181028機械工具1
〇太田拓夫氏(元三菱マテリアル(株) 元三菱マテリアル神戸ツールズ(株))
 平成元年 6月~平成 3年6月 超硬工具協会 総務委員長
 平成15年5月~ 平成17年5月 日本工具工業会 副理事
 平成17年5月~ 平成19年6月 同 理事長

企業経歴
 昭和45年4月~平成14年3月 三菱マテリアル(株)
 平成14年4月~平成19年9月 三菱マテリアル神戸ツールズ(株) 代表取締役社長

功績の概要
 氏は、平成15年5月、日本工具工業会副理事に就任、副理事長を1期2年、平成17年からは、日本工具工業会第9代理事長を1期2年務めた。また、超硬工具協会でも平成元年から2年間総務委員長として活躍した。日本工具工業会の4年間の理事長、副理事長の間、フランクな人間性を発揮し、会員同士の融和に取り組み、工業会の活性化に貢献した。


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〇故、木下徳彦氏(冨士ダイス(株))
 平成18年6月~平成19年6月 超硬工具協会 懇親担当常任理事
 平成19年6月~平成21年6月 同      関東地区常任理事
 平成21年6月~平成23年6月 同      副理事長協会賞
 平成23年6月~平成25年6月 同      特許担当常任理事
 平成25年6月~平成27年6月 同      副理事長関東地区
 平成27年6月~平成28年6月 日本機械工具工業会 副会長 コンプライアンス担当

企業経歴
 平成16年 5月 代表取締役社長
 平成27年10月 代表取締役会長
 平成29年11月25日 逝去

功績の概要
 氏は、平成16年、創業者新庄應義氏を後継し社長に就任。平成18年には、超硬工具協会役員として永年中枢で牽引された新庄應義氏から懇親担当常任理事を引き継ぎ、平成19年関東地区、その後、協会賞、特許、2期目の関東地区担当理事を歴任。さらに旧、日本工具工業会との統合後は副会長兼コンプライアンス委員長を担当し、それぞれの団体において主要役員として活躍した。関東地区担当理事時代には全員参加、会員協調の基本理念を具現化し、21、22年度には副理事長兼協会賞選考委員長として、特に中小・中堅会員の応募件数の増加策に腐心、「作業・事務・生産技術等の改善賞」の専攻評価、ノウハウの開示問題など、改善賞の客観性評価の難しさに一石を投じた。また、新庄基金の設立に際しては、「会社の業務は全て重要であり、永年にわたり決して目立った存在ではないが、黙々と業務に励み会社の発展になくてはならない方」を表彰したいとして先代の意向を基に「新庄(陰徳の士)賞」を設けた。

技術功績賞

181028機械工具1
「ワンレボリューションスレッドミル「AT-1」の開発
●オーエスジー(株) 依田智紀氏

新規性
・従来の製品は右刃右ねじれ溝であったため、工具先端側から切削負荷がかかり、倒れやすいという問題点があった。これを右刃左ねじれ溝にすることで、工具の倒れを大幅に減少したことに新規性がある(特許第4553251号)。
 ・スレッドミルは切削負荷によるビビリが発生しやすい工具である。これを不等分割・不等リード溝を採用することでビビリを減少させた点においても新規性がある(特許第4996694号)。


181028位階工具2
「ラジアスカッタ『Do Twist Ball』の開発」
●(株)タンガロイ 雲井春樹氏 及川有宇樹氏 坂内由昌氏

新規性
 ・本製品は、インサート底面をカッタの半径方向に傾かせたこと(ツイストクランプテクノロジー)によって、クランプ剛性を向上させ、切削中のインサートの動きを抑制した。インサートは、角丸長方形の両面4コーナ仕様で、従来製品と比較して、切れ刃-ねじ穴間の断面積が約2倍となり、強度が大幅に向上した。
 ・大きなインクリネーションを持つ切れ刃により、食いつき衝撃の緩和とスムーズな切りくず排出を両立した。カッタには、高送りインサートも搭載可能で、幅広いアプリケーションに対応できる。


181028機械工具3
「鋼用ハイパーバニシングドリルの開発」
●(株)アサヒ工具製作所 福田勝利氏

新規性 
 ・従来のバニシングドリルはアルミ、鋳鉄向けであった。鋼材に対してのバニシング加工は不可能とされてきた。同社既存のバニシング技術を応用し、食い付き部や溝形状を最適化。鋼へのバニシングに対応した超硬ボディー、コーティングは耐摩耗、耐溶着性に優れるものとした。


181028機械工具4
「耐熱合金加工用サイアロン材種『SX3』の開発」
●日本特殊陶業(株) 小村篤史氏 吉川文博氏

新規性
 ・被削材の難削化に伴い更なる長寿命化には耐欠損性と対摩耗性の双方を向上させる必要があった。この課題に対し従来はβサイアロン流新のAl固溶量を増やして耐摩耗性を向上させ、結晶粒の微細化で耐欠損製の低下を抑制していた。本開発品は被削材とβサイアロンの反応による脱粒が摩耗進行のメカニズムであることを解明し、①反応性が低いAl-rich結晶相を見出し、抑制することで耐摩耗性を向上、②新製法によるβサイアロン粒子の強靱化、針状化促進により耐欠損性を向上させた。結果、耐摩耗性と耐欠損性の両立を高次元で成功させた。


181028機械工具5
「高能率加工用多機能カッタ『VPX』の開発
●三菱マテリアル(株) 神原正史氏 北嶋 純氏 坂本千波氏

新規性
 ・切れ刃強度のみを重視した縦刃式インサートを採用したカッタは以前より存在していた。ただこれでは多機能性や切れ味を重要視する日本市場では受け入れられないことは明白である。同社では切れ刃強度を維持しつつ、多機能に使うことができるインサート側面形状、ならびに低抵抗を実現するインサートすくい面形状を発明し製品化に成功した。

環境賞

「環境大賞」
●京セラ(株)
 環境マネジメントシステムに基づく高レベルの組織的な仕組みが構築されており、地球温暖化防止、廃棄物削減等、環境活動に積極的に取組み、改善の推進力も高いと判断できる。いかなる状況下でも継続的省エネ、省資源への取組みを実践し、2015年度選考より4年連続で総合評価第1位。これらの環境活動は、他社の規範と成り、2018年度環境大賞に相応しい。

「環境特別賞」
●レッキス工業(株)

 従来より環境管理活動に継続的な取組みを実施し2014年度実績から4年連続してCo²原単位排出量を削減している。廃棄物対策の取組みについても継続的な活動が顕著にみられゼロエミッションに対する取組みの効果が確認できる。(過去7年再資源化率99%以上)。エネルギー使用量については、生産計画の見直し(効率的な生産)、老朽化した設備の計画的な更新を実施し使用量の削減を図り、現状の高いレベルを維持しながらさらに効果を上げている。

●日本特殊陶業(株)
 廃棄物対策に積極的に取組み、2015年度実績から再資源化率99%以上を3年連続継続し、ゼロエミッションを達成。エネルギーの生産高原単位も2015年度実績から毎年減少し、2017年度実績は2015年比7%向上した。廃棄物、省エネについて現状に満足することなく、改善活動をさらに活性化し、効果を上げている。

「しっかりリサイクル対応を」

181028機械工具zあいさつをする牛島会長 懇親会であいさつに立った牛島会長は日頃の感謝を表したあと、「中国は現在、環境規制が非常に厳しくなっている。タングステンの鉱山については環境監査も厳しくなっている。そういう中にあって原料の生産はされているが、日本でも使用済みの超硬チップ等が中国に流れているという問題があり、超硬工具協会時代には対応策はないのかと考えていたこともあったが、ここへきて中国が超硬でもスクラップを自国に入れないというポリシーをとりはじめている。したがって日本国内で発生するスクラップは、われわれの力でリサイクルができることになるので、皆さんとしっかり対応していきたい。」と述べた。

181028機械工具x玉井経産省産業機械課長 来賓を代表して、玉井優子 経済産業省製造産業局産業機械課長が、「海外で大きなプラントを建てられるのを何度も見てきたが、そのたびに日本のものづくりの凄みを拝見した。海外で日本企業が活躍しているのも、こうした国内におけるものづくり企業があってこそだと強く実感している。経済産業省ではコネクテッドインダストリーズを掲げて企業や業界を超えて“ヒト・モノ・カネ”を結合してビジネスを生みだそうと取り組んでいる。」とあいさつをした。

 乾杯の発声を中村伸一副会長(三菱マテリアル常務 加工事業カンパニープレジデント)が行い開宴した。宴もたけなわのころ、岩田昌尚副会長(イワタツール社長)が中締めを行い散会した。
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イスカルジャパンが「2018年イスカル新製品発表会」を開催

181028イスカル1セミナーの様子 イスカルジャパンが(社長=小宮信幸氏)が、10月12日、豊中市立文化芸術センターで「2018年イスカル新製品発表会」を開催した。

 今回、同社はテーマを「LOGIQ」に一新。11月1日から東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2018」に向けて、高能率、高生産性によりコストダウンを実現する最新工具シリーズを発表した。

 また、この発表会では、イスラエル本社より、ISCAR社CEO及びIMCプレジデントJacob Harpaz氏が来し、世界の機械加工の動向と、高能率、高生産加工により、コストダウンや収益向上を実現するLOGIQ新製品シリーズの紹介をし、会場内は大いに盛り上がりをみせた。

LOGIQセミナーは全世界各国で大きな反響!

181028イスカル2小宮 イスカルジャパン社長 会に先立ち、小宮社長が日頃の感謝の意を表したあと、「LOGIQセミナーは、本年の始めより全世界各国にて開催して大きな反響を呼んでいる。」と反響の大きさを示し、LOGIQ製品について触れた。それによると、「LOGIQ新製品は、5年前に発表したMachining Intelligently 賢い機械加工を実現する IQシリーズを更に進化発展させたもの。また副題はINDUSTRY4.0だが、これはINDUSTRY4.0がIoT、AIを始めとする情報処理の進化を踏まえて、ドイツに於いて官民一体で提唱された生産活動における無駄を無くして生産コストや物流コストを削減するとともに、多様なニーズにも対応しようとするものである。このような考え方は、世界各国でも推進されているが、時代と市場の要望に沿って開発されたのが、LOGIQ工具シリーズである。」と述べた。

181028イスカル2ISCAR社CEO及びIMCプレジデントJacob Harpaz(ジェイコブ・ハルパス)氏 また、イスカル製品のコンセプトは、“FAST METAL REMOVAL高能率加工”だが、小宮社長は、「高能率加工による生産コストの削減を提案してきたが、今回、紹介するLOGIQ製品も、変わりません。改めてユーザー様の生産において高能率加工による生産コストの削減を実現するものと確信している。」と力強く述べ、多くの分野に対応するために、多数の新製品を開発したことを強調した。

 なお、このほど数十点に上る「LOGIQ」製品をリリースしたが、JIMTOF2018では西1ホールW1013にて、LOGIQ新製品の全てが展示される。

第13回切削加工ドリームコンテスト受賞作品が決定

 DMG 森精機(社長=森 雅彦氏)が、「第13 回切削加工ドリームコンテスト」を開催し、このほど受賞作品が決定した。

 このコンテストは、日本国内において切削加工に携わり、切削型工作機械を使用している企業および学校、研究機関を対象に、切削加工業界全体の技術・技能の交流と向上を目的として開催しているもので、今年は審査委員長の東京大学 大学院工学系研究科長 工学部長 光石衛教授をはじめ、審査委員に4 名の大学教授を迎え、厳正な審査の結果、全応募作品の中から、産業部品加工部門より4 点、試作・テスト加工部品部門より5 点、造形加工部門より4 点、アカデミック部門より4 点、DMG 森精機製5 軸加工機を使用して応募があった作品の中から「DMG MORI 5 軸大賞」を選出した。

 なお、「DMG MORI 5 軸大賞」は、国内の5 軸加工機の普及推進を目的とし、今回より新設している。表彰式は、11 月1 日(木)にJIMTOF2018 の同社ブース内(東8 ホール)の特設会場で開催し、受賞者には賞状と賞金が贈呈される。JIMTOF2018 の期間中は、同社ブース内にて応募作品全70 点の展示を行う。

 第13回切削加工ドリームコンテスト受賞作品は以下の通り。

産業部品加工部門

●金賞
「ファイバーノズル」
ツウテック(株)〔愛媛県東温市〕
●銀賞
「バルブ本体」
M.T.s.r.l 〔イタリア マリニャーノ〕
●銅賞
「旋盤で64チタンテーパ部鏡面ラップ」
(株)吉岡精工〔神奈川県横浜市〕
●技能賞
「ステータ」
(株)オンダ精機〔神奈川県横浜市〕

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<応募者アピールポイント>
 ・高融点(2.623℃)材料のモリブデンにノズル穴Φ0.05、深さ1.5 mm(D×30)の加工が高難易度だった。
 ・純モリブデン加工の回転数、送り量等の条件出しに苦労した。

<審査委員による金賞作品の評価ポイント>
 ・モリブデンを超微小先端形状に穴(Φ0.05)を加工している。
 ・ノズル穴が並んでいる部分(画像の突起部分)の形状が複雑であり、高度な加工技術が必要である。

試作・テスト加工部品部門

●金賞
「このねじ、半端ないって」
野田プラスチック精工(株)〔愛知県丹羽郡〕
●銀賞
「くびれねじ」
堀口エンジニアリング(株)〔千葉県成田市〕
●銅賞
「切削品なのに歪みゼロの2.5倍メガネ型ルーペ」
サークルアンドスクエア(株)〔大阪府大阪市〕
●銅賞
「44本の真鍮ノズル」
野田プラスチック精工(株)〔愛知県丹羽郡〕
●技能賞
「ラップレス鏡面電極」
(株)吉岡精工〔神奈川県横浜市〕

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<応募者アピールポイント>
 ・シャープペンシルの芯に雄ねじと雌ねじの加工を施した。ねじが長くなればなるほど、先端と端末のガタツキやスムーズな回転に影響する為、雄ねじと雌ねじのクリアランスの加工条件を出すのに時間を費やした。

<審査委員による金賞作品の評価ポイント>
 ・クリアランスの良さが評価に値する。
 ・雌ねじの加工法に注目した。

造形加工部門

●金賞
「葉脈 before after」
野田プラスチック精工(株)〔愛知県丹羽郡〕
●銀賞
「切削レンチキュラーの明と暗」
サークルアンドスクエア(株)〔大阪府大阪市〕
●銅賞
「連続球」
近藤精密(株)〔愛知県豊田市〕
●銅賞
「二刀流!」
応用電機(株)〔熊本県菊池市〕

181028ドリコン3

<応募者アピールポイント>
 ・葉脈の線径はΦ0.16mm で葉の膜厚は0.08mm。アクリルは補足加工すると非常に脆く、折れ、欠け、割れやすい素材のため加工条件、クランプ方法、取り外し方に苦労した。

<審査委員による金賞作品の評価ポイント>
 ・葉形状が平面でなく曲面(厚み0.08 mm)であり、難しい加工を行っている。
 ・葉脈のみの葉も難しいが、葉の厚みに加工すること自体が難しかったと思う。

アカデミック部門

●金賞
「薄肉・高アスペクト逆さ振り子」
中国職業能力開発大学校〔岡山県倉敷市〕
●銀賞
「2軸回転運動の組合わせた内径ヘリカルポリゴン加工」
東京電機大学〔東京都足立区〕
●銅賞
「高アスペクト比の極薄板加工」
中部大学 工学部 機械工学科〔愛知県春日井市〕
●銅賞
「コーテッドボールバニシング加工」
国立大学法人 福井大学〔福井県福井市〕

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<応募者アピールポイント>
 ・ベース部、軸部、頭部で構成し、軸部は下部から上部にかけて約45°のねじりを加え、頭部の形状は楕円体、立体ハート形状に、軸部は直線的なものと曲がりを加えたものを制作した。大きな特徴は、「揺れる(動く)」ことで、頭部をやさしくはじくと約20 分から30 分間揺れ続ける。

<審査委員による金賞作品の評価ポイント>
 ・石膏を治具、サポート材として使用しているところが面白い。
 ・振動が継続する設計となっている。
 ・高アスペクト比の薄肉加工がすばらしい。

主催者特別賞「DMG MORI 5軸大賞」

「サングラス」
「サングラススタンド」
「羽ならぬ葉根の万年筆」
「思わず手にとってみたくなるタンブラー」
(株)ミズノマシナリー〔富山県富山市〕

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国際ロボット連盟(IFR)が世界ロボット年間統計「World Robotics 2018」を発表

 国際ロボット連盟(IFR:会長=津田純嗣 安川電機会長)が、10月18日、東京ビッグサイトで会見を開き、世界ロボット年感統計「World Robotics 2018」を発表した。

 概要は以下の通り。

過去5年で世界の産業用ロボットの販売台数は2倍に

 ●2021年の予測:世界の販売台数は平均で1年あたり14%増加
 ●日本:ロボット生産台数最多
 ●ヨーロッパ:ロボット密度最大
 ●中国:需要最大、販売台数最多

181028IFR1説明をする津田会長 最新の「World Robotics 2018」によると、2017年に世界の産業用ロボットの出荷台数は過去最高となる381,000台を記録し、前年比30%増となった。これは、産業用ロボットの年間販売台数が過去5年間(2013-2017年)で114%増加したことを意味する。2017年の販売額は2016年から21%増加し、過去最高となる162億米ドルを記録した。

 津田会長は、「産業用ロボットは製造業の進歩に欠かせない重要な役割を担っている。ロボットは、視覚認識やスキル学習、AIを用いた故障予測、マン・マシン・コラボレーションという新たな概念、容易なプログラミングなどの多くの最新テクノロジーとともに進化を遂げている。こうしたテクノロジーは、製造業の生産性の向上と、ロボット応用分野の拡大に寄与するでしょう。IFRの予測では、世界中の工場へのロボットの年間導入台数は2021年に約630,000台に到達することが見込まれている。」と見解を示した。

世界の5大市場について

 世界の5大市場(中国、日本、韓国、アメリカ、ドイツ)では、2017年に総販売台数の73%を占めた。

●中国
 2017年に総販売台数の36%という最大の市場シェアを記録し、トップの地位を大幅に強化した。中国の産業用ロボットの販売台数は、138,000台(59%増、2016-2017年)を記録し、ヨーロッパと南北アメリカの販売台数の合計(112,400台)を上回った。

 海外ロボットメーカーが中国で現地生産したロボットを含めると、外資ロボットメーカーの販売台数は72%増加し、103,200台に到達した。外資ロボットメーカーが現地メーカーよりも高い成長率を記録したのはこれが初となる。2017年の中国ロボットメーカーの市場シェアは2016年の31%から25%に減少した。

●日本
 日本は世界一の産業用ロボット生産国だが、2017年に日本メーカーは世界の販売台数の56%を占めた。輸出比率は45%の増加を記録し(2016-2017年)、輸出先は北米や中国、韓国、ヨーロッパとなった。日本におけるロボットの販売台数は18%増の45,566台となり、過去2番目に高い数字を記録した。なお過去最高は2000年に記録した46,986台。

●韓国
 韓国の製造業は、これまで世界の平均値の8倍という世界最大のロボット密度を誇ってきたが、2017年にロボットの販売台数は4%減少し、39,732台となった。この主な要因は、2017年に、電気/エレクトロニクス産業でのロボット導入台数が18%削減したことによる。その前年の産業用ロボットの導入台数は最高の41,373台に達していた。

●アメリカ
 アメリカにおけるロボット導入台数は7年連続で増加し、2017年に過去最高となる33,192台となった。これは2016年比6%の増加となる。2010年以降、アメリカの製造業全体の成長が促されたのは、国内市場及び海外市場におけるアメリカ産業の競争力を強化するために生産を自動化しようという流れが継続したため。

●ドイツ
 ドイツは世界で5番目であり、ヨーロッパ最大のロボット市場。2017年にロボット販売台数は2016年(20,074台)から7%増加し、過去最高となる21,404台を記録した。2014年から2016年にかけては、産業用ロボットの年間販売台数が20,000台前後で伸び悩んだ。

世界におけるロボットの産業別需要について

181028IFR2市場の産業用ロボットについて説明をするIFR副会長 Steven Wyatt(ABB) 依然として自動車産業が最もロボットを利用している産業である。2017年の総販売台数の33%を自動車産業が占めており、販売台数は22%増加した。乗用車の製造は過去10年でますます複雑なものとなった。現在、製造プロセスの大部分はロボットを利用した自動化ソリューションを必要としている。ハイブリッドカーや電気自動車メーカーも、従来の自動車メーカーと同じように、より幅広いモデルの車に対する需要の高まりに直面している。さらに、2030年に向けた気候目標の達成という課題を達成するためには、最終的により多くの新しい車を低公害車及び無公害車にすることが必要となると思われる。
 
 今後、自動車メーカーは、最終組立や仕上げ作業のための協同ロボットにも投資をするだろうと思われる。ティア2自動車部品メーカーはその大部分が中小企業であり、完全自動化に時間がかかっている。しかし、ロボットがより小さくなり、適応性が高まり、プログラムしやすくなり、資本集約的でなくなるにつれ、この状況は変わることが予測される。

●電気/エレクトロニクス産業
 電気/エレクトロニクス産業は、自動車産業に追いつきつつある。販売台数は33%増加し、過去最高の121,300台を記録した。これは、2017年の総販売台数の32%にあたる。電気製品の需要とバッテリーやチップ、ディスプレーに対するニーズの高まりが販売の増加を促進した。生産自動化の必要性が需要を高める。ロボットは高速でとても小さな部品を非常に高い精度で扱うことができるため、エレクトロニクスメーカーは生産コストを最適化しながらも品質を確保することが可能になる。スマートエンドエフェクタの種類が増え、視覚技術の幅が広がるにつれ、電気製品の製造において、ロボットが行うことのできる作業の幅も広がる。

●金属産業
 金属産業(産業機械産業、金属製品産業、非鉄金属産業を含む)は、上昇傾向にある。2017年には総販売台数の10%が同産業向けで、販売台数は55%の並外れた成長を見せた。アナリストは2018年に金属の需要は全体的に伸び、電気自動車のバッテリーに使用されるコバルトとリチウムの需要の高まりは継続していると予測している。金属・金属製品業界の大手企業は規模の経済から利益を得て、需要の変化に迅速に対応できるようにするために、ロボティクスをはじめとするインダストリー4.0自動化戦略を実施している。

ロボット密度で見る自動化度

 製造業のロボット密度の新たな世界平均は、従業員10,000人あたりのロボットは85台(2016年:74台)で、地域ごとにみると、ヨーロッパの平均ロボット密度は106台、南北アメリカは91台、アジアは75台となっている。

サービスロボットの世界売上高は39%増

181028IFR3Gudrun Litzenberger事務局長 業務用サービスロボットの売上高は39%増加し、66億米ドルに達した。このカテゴリーの総販売台数は85%増加した(2017年)。需要が最も高いのは物流システムで、業務用サービスロボットの総販売台数の63%、総売上高の36%を占めている。サービスロボットは新興企業の主要な参入分野でもあるため、サービスロボットに関する見通しは今後も明るいと考えられる。

 IFRのGudrun Litzenberger事務局長は、「売上高に関しては、2019-2021年の販売予測によると、業務用分野の累計売上高は約460億米ドルになる。これに最も寄与するのが、物流や医療、フィールド向けのサービスロボットだ。」と述べている。

業務用サービスロボット 市場概況

 2017年に69,000の物流システムが導入された。これは、2016年の導入数(26,300)から162%の増加となる。無人搬送車(AGV)が製造分野において6,700台、非製造分野において62,200台導入され、2016年の無人搬送車の販売台数と比較して162%増加しました。物流システムの売上高は、約24億米ドルになると推定されており、これは2016年比138%の増加となる。

 「医療用ロボット」もすでに定着しているサービスロボットであり、極めて大きな成長の可能性を秘めている。医療用ロボットの総売上高は19億米ドルに増加し、2017年の業務用サービスロボットの総売上高の29%を占めた。重要性の高い用途としては、ロボット支援手術/治療と、障害を持つ人々が必要な活動を行う手助けをする、または身体機能または認知機能の改善を目的とした治療を行うリハビリロボットが上げられる。

 搾乳ロボットを中心とする「フィールドロボット」の売上高は、業務用サービスロボットの売上げの約15%を占めている。フィールドロボットのシェアはわずかだが2%減少し、9億6,600万米ドルとなった。2017年のフィールドロボットの総販売台数は6,375台であり、2016年の約5,300台と比べて2%増加した。酪農家の経済的問題により、2016年に売上は減少した。2017年も市場ではいまだにこの影響が見られる。農業用ロボット(大規模農業における作物、野菜・果物の栽培、収穫)は市場に根付きつつある。2017年の販売台数は2016年の190台から増加し、520台となった。

個人/家庭用サービスロボット 市況概要

 また、日々の生活において人間を支援するまたは楽しませる「個人用サービスロボット」の市場は急速に進展している。売上高は27%増加し、21億米ドルに達した。2017年に総販売台数は25%増加し、約850万台となった。掃除機がけや芝刈り、窓掃除などの家事向けのロボットが推定で約610万台販売され、2016年比31%増という目覚ましい増加をみせた。しかし、IFRの調査はこの分野を完全に網羅したものであるとは言えないため、実際の数字は上記よりも大幅に大きいものである可能性がある。売上高は16億米ドルだった。これは2016年比30%の増加となる。

 長年レポートの作成に携わってきたIFRのサービスロボットグループのMartin Hägele氏は、「個人・家庭用用途において、ロボティクスは目覚ましい世界的成長を遂げてきた。床掃除ロボットやロボット芝刈り機、そしてエデュテインメント向けロボット(ソーシャルロボットという呼び名が普及し始めている)は、ますます私たちの生活の一部になってきている。今後の製品開発の方向性は、高齢者支援や家事の手伝い、エンターテインメントのための支援ロボットなど、より精巧な高性能・高付加価値家庭用ロボットの開発を目指すものになる。」との考えを示している。

地域別サービスロボットメーカー

 ヨーロッパのサービスロボットメーカーは、世界市場において重要な役割を担っている。700社強の登録企業のうち約300社がヨーロッパの企業である。メーカー数が25社の北米が2位、130社のアジアが3位となっている。また、サービスロボットサプライヤーの約30%が設立5年以内の新興企業であると考えられ、このことからも、ロボティクスの進歩が目覚ましい新興分野でのダイナミクスが見てとれる。