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日立建機 リオ・ティントと超大型油圧ショベルの遠隔操作技術開発に関する基本合意書を締結

日立建機は、このほど資源大手リオ・ティントの技術開発を担う子会社であるTechnological Resources Pty Limited(本社:オーストラリア連邦メルボルン/テクノロジカル リソースズ社)と、超大型油圧ショベルの遠隔操作技術開発に関する基本合意書を締結したと発表した。合意に基づき、日立建機とリオ・ティントは今後5年間にわたり、超大型油圧ショベルのオペレータの運転支援、遠隔操作、掘削・積み込み作業の半自動運転について、次世代の鉱山運営を支える技術開発における協業を進めていく。
今回の協業では、日立建機は遠隔操作技術の開発を担い、リオ・ティントは西オーストラリア州ピルバラ地域の鉱山現場において、各技術を搭載した超大型油圧ショベルによる掘削作業、稼働データの提供、フィードバックを行う。半自動運転機能では、オペレータが掘削の開始位置とダンプトラックへの積み込みの位置をシステムに指示することで、その後の一連の操作を自動で繰り返すことが可能になる。
日立建機は、2030年までに半自動運転機能を備えた複数の超大型油圧ショベルが鉱山現場で稼働できる、拡張性のあるプラットフォームの構築をめざす方針。
【切削工具・周辺機器編】「MECT2025」注目企業の見どころはココだ!
「MECT2025」で出展される注目各社の最新切削工具・周辺機器を公開!
(イスカルジャパン/イワタツール/オーエスジー/北川鉄工所/住友電気工業/大昭和精機/ダイジェット工業/日進工具/不二越/ブルーム-ノボテスト/三菱マテリアル/MOLDINO/ユキワ精工)
「限りない技術革新に挑戦!」がモットー
●イスカルジャパン
「LOGIQUICK」(ロジクイック)シリーズ新製品を多数展示。「限りない技術革新に挑戦!」をモットーに研究開発を続ける同社が常に変化する市場のニーズを取り込み、製造現場における生産性と収益性の向上を実現するラインナップとなっている。なかでも、両面6コーナ仕様、多機能旋削工具の「QUICK-TURN」(クイックターン)は、旋削・端面旋削・バックターニング・倣い加工など、全方向の旋削加工に対応。トップクランプと、セーフTロック機構の採用により、高剛性を実現。インサートのアプローチ角と切屑の薄肉化により、高送りでの旋削加工を可能とする。また、防振機構搭載の MULTI-MASTERホルダは、長い突出しでのポケット加工における究極のソリューション。シャンク内部に防振機構を搭載し、加工の安定性と仕上げ面粗さを向上するとともに、超硬シャンクに比べて生産性を大幅にアップする。
限界を超えたスピード加工デモやロボットマシニングの実演も!
●イワタツール
今回の目玉となるのは、新製品のヘリカル穴加工エンドミル「ドリルミル」。この製品は、ヘリカル穴加工の性能を大幅に向上させたエンドミルで、特徴的な底刃形状が加工時の抵抗を大幅に削減する。また、ランピング角が通常2~5°のところを最大15°まで向上しており、従来のエンドミルの5~15倍の速さでの加工を実現した。大径のオイルホールにより、切粉を効率よく排出するとともに切削熱を抑制する。今展では、brotherSPEEDIOを使用し、ドリルミルやトグロンマルチチャンファーなどを使用したアルミの高速加工を行う。また、同機械にて鉄系金属の加工も実施。その他にもブース内では、ロボットマシニングや卓上CNCフライスでの実演も常時行われる予定だ。
持続可能なモノづくりの未来へ見据え最新の工具群を展示
●オーエスジー
持続可能なモノづくりの未来を見据え、省人化や高精度加工を可能にする切削工具、環境配慮型の製品を提案する。微細・精密加工、自動車・航空宇宙、金型分野などに対応する最新の切削工具は、難削材から非鉄金属まで、幅広い被削材に対応する製品を取り揃えており、多様化する加工ニーズに応える最先端の技術を紹介する。また、ブースの見どころとして工具管理DX「MONOlithbox」のデモ実演も実施し、来場者に実践的な課題解決策を提案する。注目の製品は、小型超硬ドリル「AD-MICRO」。この製品は、小径穴加工に最適化された切れ刃仕様により外部給油でも安定した切りくず形状を形成し、小径穴の連続加工を可能にするもので、機器や部品の小型化が進む現在、大きな力を発揮する。
「やりたい」を「できる」に WORKHOLDING SOLUTIONSがテーマ
●北川鉄工所
kitagawaの主力製品で、「自動化」・「省人化」・「工程集約」で解決し、顧客の収益向上に貢献する製品群を展示する。今回は、機械導入のハードルを低減し、現場ですぐに使える効果的な施策を提案し、チャックゾーンでは、難削材や異形ワークの把握課題を解決する最新チャックとともに省人化に繋がるソリューションも実演する。NC円テーブル・バイスゾーンでは、多面加工・5軸加工を最大化する組み合わせを提案。特に研磨加工やガラスセラミック加工に最適な、防塵機能を持つグラインディングセンタ仕様NC円テーブルは注目商品となっている。また、ロボットアクセサリーゾーンでは工程間の自動化課題を解決する。
初披露となる新製品も多数展示!
●住友電気工業
今回のテーマは『Technology for a Better Tomorrow』。自動車・EVや精密部品、航空機といった産業別展示コーナーを設け、各種産業向けに同社の様々な製品を展示する。また、MECTでお披露目となる新製品も多数展示。会期中にはステージでのプレゼンも実施予定だ。主な出展品は、インサート交換式ドリル「SumiDrill® GDX型」。特長は、ボディ剛性と切りくず排出性を高次元で両立、最長L/D=7の深穴加工に対応しており、中心刃と外周刃をそれぞれに求められる性質に応じて専用設計化していること。さらに、汎用のG型ブレーカと切りくず処理に優れるL型ブレーカを使い分けることで切りくず排出性を向上させている。一般鋼だけでなく、ステンレス鋼や一般構造用圧延鋼材でも優れた性能を発揮する。
幅広い機械に対応すべくツーリング、切削工具、周辺機器を一堂に展示
●大昭和精機
JIMTOF2024で初披露し、現在好評拡販中のSFハイドロチャック、SWS荒用ボーリングヘッド、アングルヘッド・センタスルータイプを中心に、CNC旋盤からマシニングセンタ、複合加工機に至るまで、幅広い機械に対応すべくツーリング、切削工具、周辺機器を一堂に展示する。SFハイドロチャックは、高精度な金型・5軸加工において、ワークや治具の干渉を最小限に抑えたツールレイアウトが選択でき、加工径に応じた刃先の管理も行える、油圧式ハイドロチャックと焼きばめスリーブのハイブリッドツール。SFスリーブをSFハイドロチャック本体に挿入するだけで突き出し長さが固定。繰り返し振れ精度の優れたハイドロチャックでクランプするため操作性にも優れ、用途に応じた刃先の管理として最適。
加工改善につながる最新MC加工用工具や初公開予定の工具も!
●ダイジェット工業
今回は多様化、難削化する被削材に適応し、加工改善につながる高能率・高性能な最新MC加工用工具(金型加工用工具・ドリル)を中心に出展。注目の製品は、「PNS-Reborn」。この製品は、高能率かつ経済的な平面加工を実現する正面フライスカッタのラインナップ拡充へのニーズに応えるべく開発したもの。インサートに2種類の切れ刃角度を持たせ、切込み量27°の切れ刃では高送り加工が、切込み角45°の切れ刃では高切込み加工と、1つのインサートで2種類の加工が可能となった。また、新材種「DP1コート」「DS2コート」を採用したインサートをラインナップ。幅広い被削材での平面加工にて高能率加工の実現が可能。他にも参考出品として、今後の新製品数点を初公開!
豊富な製品ラインアップを部品・金型向けに分けて展示
●日進工具
同社では豊富な製品ラインアップを部品・金型向けに分けて展示する。部品では特にアルミ・ステンレス向けの高能率・高精度加工、金型では長寿命と高精度・高面品位をテーマに工具や加工サンプルを展示。注目製品は高能率加工を実現する「無限コーティングプレミアム 高能率レンズ形3枚刃エンドミルMLFH330」。レンズ形の底刃Rにより、同じカスプハイトで加工する際には同径ボールエンドミルより大きなピックフィードが設定可能。送り速度向上のため3枚刃を採用し、切りくず除去のため大きなチップポケットも確保した。なお、10月24日(金)13:00からは『「高精度×高能率」の両立へ。最新工具のご紹介。』と題し、新製品の活用方法を一挙に紹介するワークショップも実施する。
CNC自動旋盤用工具「LAシリーズ」が一押し!
●不二越
今回、目玉となるのは、CNC自動旋盤用工具「LAシリーズ」。くし形CNC自動旋盤は、小型部品の加工において高い生産性を実現できることから、幅広い分野で利用されている。刃物台に多数の工具が取り付けられるため、機内の工具取付けスペースが限られており、取付け長さに合った工具を探すのに苦慮しているという声がある。これは、従来の工具が細ければ短い、太ければ長い設計になっていることが原因である。長い工具は機内での干渉により、取り付けができないため、工具を切断して使用しているユーザーも多々いる。この商品はCNC自動旋盤用として工具長を最適化することで、工具選定を容易にできる商品である。さらに、突出しの長さを揃えることで工具交換時の干渉問題を解決し、プログラムの簡素化や設備動作の最適化が可能となることで、ユーザーの生産性向上に貢献する。
「測定をもっとスマートに、品質管理も機上で任せる時代に」がテーマ
●ブルーム-ノボテスト
「測定をもっとスマートに、品質管理も機上で任せる時代に」をテーマに、機上測定を通じた現場の生産性向上を具現化するソリューションを提案する。ブースではマシニングセンタに多様な測定器を搭載し、工具の形状モニタリングやワークの輪郭形状測定などの様々な機上測定デモを実施する。同社の一押し商品は、加工後のワーク形状を自動測定するソフトウエア「FormControl X」だ。この商品は加工後のワーク形状を機上でそのまま測定可能で、NG品は再度芯出し作業をせずに追い込み加工品もできる。対話式で直感的に操作でき、ワーク形状の自動認識によるガイダンスを基に、測定点などを設定できる。最適な測定経路を自動生成するなど、経験やスキルに頼らずに測定するための機能を数多く搭載する。
話題の新製品「DXAS」に注目!
●三菱マテリアル
今回の目玉となるのは10月1日発売されたばかりの話題の新製品「DXAS」だ。ヘッド交換式の超硬ドリルであるとともに、細部までこだわった設計で驚きの長寿命を実現し、ランニングコストが大幅に低減できる。また、締結時に発生するヘッドとホルダの中心軸のずれを極小化させる“パーフェクトセンタリング”により、ソリッドドリルに匹敵する精度・能率が実現。その他、航空機関連部品加工、小物高精度加工、スロットダイなど、総合工具メーカーならではの用途別ソリューションや環境に優しい取り組みも紹介する。更に、ブース内プレゼンテーションコーナーでは人気の実演笑売士、園田ヒカルさんが今年も登場。楽しく、わかりやすいトークで、最新工具や環境対応製品の魅力をたっぷり紹介する。三菱マテリアルのブースでしか得られない製品情報や技術トピックは要チェック!
「MOLDINOが切り拓く未来のものづくり」がテーマ
●MOLDINO
「MOLDINOが切り拓く未来のものづくり」をテーマに、次世代超硬合金を母材に採用した新商品「IXシリーズ」と、微細・精密加工ソリューションをはじめとする最新加工を紹介する。IXエポックディープボール-TH3「IX-EPDB-TH3」は、次世代添加元素を加えた新開発の超々微粒超硬合金を母材に採用したボールエンドミル。耐摩耗性と耐欠損性を高次元で両立する。焼き入れ鋼や高速度鋼(ハイス)など50HRCを超える高硬度鋼の小型精密金型の粗加工から仕上げ加工に適する。特に60HRCクラスの高硬度鋼加工では従来の何倍もの工具寿命を実現できるため、高価な立方晶窒化ホウ素(CBN)工具からの置き換えも期待できる。また、焼きばめホルダーに最適なショートシャンクを採用。外径実測値をラベルに表記することで測定の手間なく実測値をCAMに反映でき、加工精度の向上と段取り工数削減を狙える。
生産現場の課題を一気に解決!
●ユキワ精工
現場が直面する「効率化」・「コストダウン」・「工程集約」・「省エネルギー」・「省資源」、これらを解決するための最適なソリューションとして、ツールホルダーおよびCNC円テーブル、さらにワークハンドリングを提案する。注目は、高精度加工の実現と工具寿命の延長ができる「スーパーG1チャック」。この製品は、刃具の抜けや沈み込みがなく、高能率・重切削加工を安心して行えるうえ、エンドミル加工における切削抵抗での倒れや、ビビリを抑えるもの。切削用工具ホルダーを搬送用途に応用できる「ワークハンドリングホルダー」は、工作機械の主軸がワークの把持・搬送を兼ね、搬送用ロボットが不要になる、無人運転が可能となり夜間稼働などでMCの稼働率向上に貢献するメリットがある。
「メカトロテックジャパン(MECT)2025」過去最高の524社が出展 ~10月22日からポートメッセ名古屋で開催~
ニュースダイジェスト社(社長=八角 秀氏)と愛知県機械工具商業協同組合(理事長=水谷隆彦氏)は、10月22日(木)~25日(土)の4日間、名古屋市港区のポートメッセなごやで工作機械見本市「メカトロテックジャパン(MECT)2025」(以下MECT2025)を開催するにあたり、9月18日、愛知県産業労働センター ウインクあいち(名古屋市中村区名駅)で会見を行った。
今回のテーマは「この発見、激アツ!!!!」。出展社数は加工最高の524社・団体で、そのうち84社が初出展となる。展示規模は過去2番目の2,092小間で、世界27カ国・地域から製品が一堂に会する。
今年国内で開催される工作機械見本市としては最大規模となる。会場内に展示される工作機械および鍛圧・板金機械は大小含めて281台の見込み。また、554点の新製品(1年以内に発表されたもの)が展示される予定。
毎回、世界最先端の技術実演展示に挑戦するコンセプトゾーン(主催者企画展示)では、「医療を支える加工技術-異業種に学ぶ成功のヒント」をテーマに高度な加工技術を培ってきた3社による加工実演を披露する。驚きのスゴ技を持つ企業の加工実演を通じて、技術ニーズに応えるためのヒントを提示するとともに、これからの加工の可能性に迫る。
▼コンセプトゾーン 関連記事はこちら▼
https://seizougenba.com/node/14156
また主催者の企画セミナーではトヨタ自動車やマツダ、ボーイング、インターテスラテクノロジーズ、日立製作所、HILLTOPと各分野に精通した6人の講師が「自動車」、「航空機」「先生の工場」をテーマにものづくりの最先端事例と将来像について講演する。
▼主催者セミナー概要 関連記事はこちら▼
https://seizougenba.com/node/14183
会見の席で主催者のニュースダイジェスト社 八角社長は、「お陰様で過去最多となる524社・団体に出展頂ける運びとなった。これは有数の製造業の集積地である中部地区における期待の大きさが数字として表れたと考えている。工作機械の国内市場は厳しい状況が続いている。関税の問題等を含め、様々な問題があり国内の設備投資が少々停滞している状況ではあるものの、明るい兆しがそろそろ見えるタイミングで今回のメカトロテックジャパンが開催できる。起爆剤となる良い展示会になるよう入念に準備を進めている。」と意気込みを示した。
共催者の愛知県機械工具商業協同組合の水谷理事長は、「前回展が過去最高の出展社数だったが、今回はそれを上回って最高を更新するということで、多くのお客様に来場頂ける期待が持てる展示会になると感じている。ぜひ、皆様には会場に足を運んで頂き、この展示会を楽しんで頂ければと思っている。」と期待を込めた。
MECT事務局長を務める平野清嗣ニュースダイジェスト社取締役は、「今回は新しい取り組みとして〝中小スタートアップゾーン〟コーナーを新設した。また、業界が抱える問題のひとつに人手不足があるが、省人化、自動化に貢献する商品や、環境に配慮したエコ、省エネ商品等も出展者から積極的に提案があると思っている。テーマにあるように、来場者がこの展示会へ来て熱いもの、ヒントになるものを見つけて会場で体感していただければ嬉しい。」と思いを述べた。
MECT2025概要
●会場:ポートメッセなごや
●開催期間:2025年10月22日(水)~10月25日(土)
●開場時間:10:00~17:00(最終日25日(土)は16:00まで)
●主催:ニュースダイジェスト社
●共催:愛知県機械工具商業協同組合
●入場料:大人1,000円、10人以上の団体は1人500円
(事前来場登録車、海外来場者、学生は無料)
●出展対象製品:工作機械、鍛圧・板金加工機、射出成形機、3Dプリンター、機械工具、のこ刃、切削工具、工作機器、測定機器、試験機器、研削砥石、研磨材、油圧・空圧・水圧機器、歯車・歯車装置、環境・安全対策機器装置、CAD/CAM/CAE、制御装置・関連ソフトウエア、産業用ロボット、搬送装置、洗浄機械装置、品質管理・安全・試験認証機関、新素材、マイクロマシン、ナノテクノロジー関連など
イスカルジャパン 「2025UTS」を開催

イスカルジャパン(代表=岡田一成氏)が、9月12日、神戸テクニカルセンターで製造現場の加工ユーザーを対象とした「UTS」(ユーザーテクニカルセミナー)を開催し、全国各地から約100名が参加した。ユーザーが加工改善事例を発表するなど他に類を見ないイスカル独自の同セミナー開催は今回で16回目を数える。
岡田代表は冒頭のあいさつで、「今日の目的はただ1つ。現場の課題を解決すること、その取り組みに関する情報の共有、そして皆様にその気づきをお持ち帰りいただくこと。」と述べ、環境が大きく変化しているなか、国内製造業の生産性と収益性向上にこだわって活動していく会社方針を語った。
営業部からは、トータルコストを見える化し、原価低減に繋げる「TDP」(ツール・ドクター・プログラム)について、具体例を示しながら説明を行った。続いて、今年新たに設立された、プロジェクト/インダストリー部より、設立の経緯と活動内容を説明。その後プロダクトマネージメント部より、イスカルの高付加価値製品及び最新工具について、開発コンセプト並びに、主力製品についての紹介を行った。
続いて、本セミナーのメインイベントとして、参加ユーザーの中から7社が順に登壇し、同社製品によって、ボトルネック工程を改善し、生産性向上とコストダウンに繋がった事例の発表を行った。具体的な数値を交えた発表や同社技術員による解説などに、参加者は熱心に耳を傾けていた。その後、同施設内の工作機械を用いて、事例の発表で採用された工具を含む、独創的・優位性を誇る最新工具のデモ加工を行った。
セミナー後は、ホテルへ会場を移し懇親会を開催。情報交換や交流が積極的に行われた。参加者からは、「ユーザーが改善事例を発表するという、イスカル独自のセミナー形式で、これまで自社に無かった発想や着眼点に気付くことができ、非常に参考になった」との声が多く挙がった。
■UTSとは
イスカル製品による課題解決事例をユーザーの視点で発表するセミナー。イスカル工具を通じた情報交換の場として毎年定期的に行っており、今後も継続する方針。
芝浦機械 LWB Steinl GmbHの子会社化 基本合意書締結
芝浦機械は、2025年9月26日開催の取締役会において、同社の100%子会社であるSHIBAURA MACHINE EMEA GmbHを通じてLWB Steinl GmbHを子会社化することに向け、株主との間で「基本合意書」を締結することを決議したと発表した。 同社グループは、2026年度を最終年度とする中期経営計画「中計2026」に基づき、事業ポートフォリオの変革を中心とした各種施策を遂行しており、その施策の1つとして掲げている欧州市場開拓の取り組みとして、既存のイタリアの子会社に加え、2025年5月にドイツの子会社を設立して射出成形機を中心に拡販を図るとともにM&Aについても欧州事業の拡大に寄与する案件の検討を進めてきた。 ドイツに本社を置くLWB Steinl GmbHは、主にゴム加工用の効率的かつ精密なモジュラー式射出成形機の専門技術を有しており、ゴム・樹脂向け竪型射出成形機の欧州の主要メーカーの一角として、1962年の創業から今日に至るまでの実績とノウハウ、高いブランド力を保有しているが、芝浦機械グループに取り込むことで、欧州における同社の射出成形機事業の生産拠点と販売・サービス力を強化するとともに、同社のブランド力を活かしながら、欧州市場参入の強力な足掛かりとしていく。また、同社のインド工場等のリソースを活用することで、製品コストの削減や、アジア市場向けの拡販にも取り組んでいく。 このようなシナジー効果の創出を通じて、射出成形機を中心に同社グループの欧州における事業拡大が見込めることから、基本合意書を締結のうえ、子会社化に向けた検討を開始することに至った。なお、子会社化の完了後は“SHIBAURA MACHINE LWB GmbH”に社名を変更する予定。
DMG森精機 次世代の自動化システム「MATRIS WPH」を新開発
DMG 森精機がこのほど、ワークとパレットを自在にハンドリングし、柔軟な生産を実現する 次世代の自動化システム「MATRIS WPH」を新たに開発したと発表した。
近年、多品種少量生産の増加により、工程集約や自動化に取り組む方が増えており、多品種少量生産は、ワーク1種あたりの生産数が少なく頻繁に治具交換作業が発生するため、ワークハンドリングの自動化のみでは長時間の無人生産や複数種ワークの無人生産の実現が困難である。また、パレットハンドリングの自動化のみではパレット数に合わせた治具を購入する必要があり経費が増加するなど、効率的な自動化システムの構築にはさまざまな課題があった。
今回新たに開発した「MATRIS WPH」は、これらの課題を解決する新しい自動化パッケージシステム。「MATRIS WPH」は、ワークハンドリングとパレットハンドリングを1つのシステムに集約し、さまざまなワークの変種変量生産に対応することが可能になる。
ロボットの最大可搬質量が70 kgの「MATRIS WPH 70」と、210 kgの「MATRIS WPH 210」の2種類がある。MATRIS WPHの操作は、引き出しストッカ横に設置しているDMG MORI Automation Controllerに集約し、直感的な操作を可能にするユーザーインタフェースにより、ノーコードでロボットの操作や稼働状況の確認などを行うことができる。
その他、多様な種類の治具を収納できる可動棚や作業性の良い段取りステーション、大容量の引き出しストッカなどを備えている。また、迅速なシステム構築を可能にする設計や、タッチプローブを用いた自動ティーチングを採用したことで、システムの立ち上げ日数を既存機のMATRISと比べ50%短縮し、垂直立ち上げも可能になった。
主な特長
(1)顧客の生産に合わせて柔軟にオーダー可能な構造
・1台のロボットでワークとパレットを自在にハンドリング可能
・ロボットの最大可搬質量は70 kgと210 kgを選択可能。多種多様なワークに対応可能
・MATRIS WPH 210ではパレットサイズの組み合わせにより最大38パレット収納可能
・素材や完成品を収納する大容量の引き出しストッカを搭載
(2)長時間の無人生産の実現
・システム内に滴下したクーラントをシステム中央のオイルパンで回収。オイルパンのメンテナンスは工具不要で作業可能
・長時間の無人生産を実現するための、加工三悪(切りくず、クーラント、ミストによるトラブル)の対策ソリューションを搭載
-オペレーターに代わり加工中の切りくずを清掃するAIチップリムーバル
-タンク内に溜まったスラッジを効率的に攪拌・回収するクーラントタンク zero-sludgeCOOLANT
-加工時に発生するミストを効率的に捕集する zeroFOG
(3)幅広い工作機械に連結可能
・5軸加工機DMU / DMCシリーズ、monoBLOCKシリーズ、eVoシリーズやCMXシリーズ、NVXシリーズなど、さまざまな工作機械と連結可能
・工作機械2台との連結したシステム構築も可能
・既存機と比べ、システムの立ち上げ日数を50%短縮、垂直立ち上げが可能
(4)作業性
・MATRIS WPHの操作は引き出しストッカ横に設置しているDMG MORI Automation Controllerに集約。分かりやすい画面構成でジョブの設定や稼働状況の確認が可能
・加工機の正面近くに段取りステーションを設置。段取りステーション内にバキュームユニットを取り付けることで、清掃における作業性が向上
ティアフォー・コマツ・EARTHBRAIN 建設機械の自動運転技術の実用化に向けて協業開始
コマツ(社長=今吉琢也氏)およびコマツの子会社であるEARTHBRAIN(社長=小野寺 昭則氏)は、このほどオープンソースの自動運転ソフトウェアを先導するティアフォー(代表取締役CEO=加藤真平氏)と、建設機械の自動運転技術の実用化にむけた協業を開始したと発表した。
3社は、日本の土木・採石現場向けに当社のアーティキュレートダンプトラックとリジッドダンプトラックの自動運転化を進め、2027年度までに自動運転システムの実用化を目指す。
コマツとEARTHBRAINは、顧客のソリューションパートナーとして、建設現場の無人化施工の実現を目指し、建設機械の自動化・遠隔操作化の技術開発に取り組んでいる。その中で、自動運転用オープンソースソフトウェア「Autoware」の開発を主導するティアフォーのオンロード車両の自動運転技術の実績に着目し、今回の協業に至った。
この協業では、ティアフォーの自動運転技術、コマツの建設機械の車両技術、そしてEARTHBRAINのデジタル技術を活用した建設現場の施工管理という3社の強みを融合し、建設機械向けの自動運転システムと管制システムを開発することで、自動運転技術の実用化を目指す。ティアフォーは、コマツと自動運転システムを開発し、現場オペレーションとの連携や実装を担う。EARTHBRAINは管制システムの開発を担当する。
2025年8月分工作機械受注総額は1,201.7億円
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2025年8月分の受注実績は以下の通り。
2025年8月分工作機械受注総額は、6カ月連続の1,200億円超。1100億円超えは54カ月連続。前年同月比では2カ月連続増加。
内需は319.0億円(前月比△10.0% 前年同月比△0.9%)で3カ月ぶりの350億円割れ。航空・造船・輸送用機械以外が鈍く、基調は横ばい圏内の動きとなっている。
外需は882.8億円(前月比△5.0% 前年同月比+12.3%)で前月比5カ月連続で減少、6カ月ぶり900億円割れも、前年同月比では11カ月連続増加となっている。
工作機械受注の先行きは世界経済の不透明感や、米国関税措置の影響が和らぐなか、内外需の緩やかな動きと下振れリスクへ留意しつつ、年後半に期待したい。
受注額の月別推移

(出所:日本工作機械工業会)
8月分内需 319.0億円(前月比△10.0% 前年同月比△0.9%)
内需総額は、319.0億円(前月比△10.0% 前年同月比△0.9%となった。
3カ月ぶりの350億円割れ。前月比、前年比ともに弱含んでいる。主な需要業種の一般機械、自動車での減少、結果的に内需総額が伸び悩むひとつの要因とみられる。
・⼀般機械は前⽉⽐、前年同月比で2カ⽉連続減少で、2カ月連続140億円割れ。
・建設機械は前月比で5カ⽉ぶりの増加も10億円には届かず、金型とともに堅調な推移。
・特筆すべき懸念事項はないものの、総じて堅調な推移。
・⾃動⾞向けはその内訳で前月比、前年同月比ともに減少している。
自動車関連は、米国の関税措置や電動化対応の方向性が定まらないなか、設備投資は踊り場の状況となっている。

(出所:日本工作機械工業会)
8月分外需(882.8億円 前月比△5.0% 前年同月比+12.3%)
外需総額は、882.3億円(前⽉⽐△5.0% 前年同⽉⽐+12.3.3%)となった。
・前⽉⽐は5カ⽉連続減少も、前年同⽉⽐では11カ⽉連続増加し、12カ⽉連続の800億円超え。
・世界経済の不透明感はあるも、外需総額としては前年平均を超えており堅調な推移。
① アジア
アジア計は、6カ月ぶりの450億円割れ。
・東アジアはここ数ヶ月350~400億円で推移をしていたが、3カ月ぶりの350億円割れ。
・中国は6カ月ぶりの300億割れ。
・その他アジアは4カ月連続の100億円越え。
・インドは3カ月ぶりの50億円割れ。
② 欧州
欧州計は4カ月ぶりの150億円割れ。
・ドイツは前月比、前年同月比で20%近く減少し、8カ月ぶりの30億円割れ。
・イタリアは先月の反動減が、6カ月ぶりの20億円割れ。
③ 北米
北米計は前月比、前年同月比で増加し、7カ月連続の250億円超え。
・アメリカは前月比、前年同月比増加し、今年の平均並みの240億円超え。
・メキシコは前月比、前年同月比ともに減少し、2カ月連続の20億円割れ。

(出所:日本工作機械工業会)

(出所:日本工作機械工業会)
今後の見通し
7月29日にIMF(国際通貨基金)が発表した、2025 年の世界経済全体の成長見通しは3.0%で、4月の前回発表時から0.2pt上方修正された。
一方、日工会が9月上旬に会員企業を対象に実施した、本年10~12月期の受注見通し調査のDI値は+5.8ptと、13四半期ぶりに「増加」超となった。世界経済の先行きについては予断を許さないものの、今後大きな波乱が生じなければ、これまで抑制されてきた設備投資が進み、受注額を押し上げると期待される。
各地域別に展望すると、まず北米は、上期にストックを積み増す動きがあった反動が生じる可能性があるものの、上述したように、相互関税の新税率確定を受けた投資の広がりが期待され、米国での利下げも追い風に働くと見られる。欧州については、最悪期を脱し徐々に改善に向けた動きが見られる中、9月下旬に開催されるEMOハノーファー展での商談が、当面の動向を予測する上で注目される。中国については、自動車関連で有力完成車メーカ系列を中心に続いてきた活発な設備投資がピークアウトし、エレクトロニクス分野での大型受注も若干トーンダウンする可能性があるが、政策支援もあって、市場全体として堅調に推移するとの見方も根強い。インドでは通信機器関連の特需が一旦収束した様子だが、自動車や自動二輪、農業機械等で引き続き高水準での受注が見込まれる。内需(日本)については、自動車関連で老朽化設備の更新投資が広がりつつある他、半導体製造装置でも商談が進み始めた気配があり、秋以降の本格的な改善が期待される。
一方で、世界経済は急減速する可能性こそ和らいだとはいえ、前年との比較では、若干の減速は避けがたく、先行きを過度に楽観できない。外乱によって設備投資が影響を受ける可能性があることに注意が必要である。最新の動向や発表内容を油断なく注視し、世界各国での需要に対応していく。
日本機械工具工業会 2025年8月分 会員統計生産額まとまる
日本機械工具工業会がこのほどまとめた2025年8月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。■生産額 切削工具 316.5億円(98%)、耐摩耗工具 26.5億円(91%)、総合計 350.6億円(97%)。■ドリル生産額 特殊鋼工具 10.9億円(103%)、超硬工具 37.4億円(106%)、ダイヤ・CBN 0.7億円(94%)、総合計 49億円(105%)。■エンドミル生産額 特殊鋼工具 4.3億円(109%)、超硬工具 31.3億円(90%)、ダイヤ・CBN 1.3億円(95%)、総合計 36.9億円(92%)。■カッタ生産額 特殊鋼工具 0.9億円(80%)、超硬工具 4.4億円(99%)、ダイヤ・CBN 0.4億円(131%)、総合計 5.7億円(97%)。■ギヤカッタ生産額 総合計 5.3億円(89%)。■ブローチ生産額 総合計 7.7億円(101%)。■ねじ加工工具生産額 特殊鋼工具 24.9億円(101%)、超硬工具 3.3億円(104%)、総合計 28.1億円(102%)。■バイト生産額 特殊鋼工具 0.1億円(121%)、超硬工具 7.5億円(97%)、総合計 7.6億円(97%)。■リーマ生産額 特殊鋼工具 0.8億円(82%)、超硬工具 2.2億円(116%)、総合計 3.1億円(104%)。■鋸刃カッタ生産額 特殊鋼工具 1.3億円(108%)、超硬工具 0.4億円(89%)、総合計 1.7億円(103%)。■インサート生産額 超硬工具 126億円(97%)、ダイヤ・CBN 19.7億円(98%)、総合計 145.8億円(97%)。■ボディ関係生産額 総合計 14.5億円(95%)。■超硬合金生産額 切削用 108.7億円(104%)、耐摩耐触用 12.8億円(88%)、総合計 122.9億円(102%)。
経産省・2025年7月度機械統計 機械工具生産動態調査
経済産業省の2025年7月度 機械工具生産動態調査(機械統計)は以下のとおり。

*機械工具(機械統計)との差はダイヤモンド工具のダイヤモンドドレッサー、グライディングホイール、カッティングソー、セグメント工具、その他ダイヤモンド工具。
*耐摩工具の一部はその他超硬工具に含まれる。
(表出所:日本機械工具工業会)
