11月17日、東京ビッグサイト会議棟703会議室で、DMG森精機(社長=森 雅彦氏)がテクニカル記者会見を開いた。この日はJIMTOF2016の会期中でもあり、出展者中最大の2160㎡のエリアに、世界初公開を含む20種類の「DMG MORU Technology Cycles」 や、顧客の生産ラインに併せたソリューションを提案する「DMG MORI SYSTEMS」などを出展した。工作機械に取り付けられたセンサにて機械の状態を監視し、「SELOS」を介して社内システムとネットワークでつなぐ「SELOS+Industry4.0 」やIoTによるスマートファクトリーを推進する最新のソリューションも紹介した。
ジェイテクトは人と設備が協調し、人の知恵が働く、人が主役の工場を“スマートファクトリー”と位置付けている。そのため同社では、「人が主役の工場だから、モノだけでなく、人もつなげるという意味でIoT(Internet of Things)ではなく、IoE(Internet of Everything)と言っている。同社では、IoEの導入ステップを ①モノをつなげる(つながるソリューション)、②情報をつなげる(見える化素リュション)、③改善する(バリューソリューション)、④範囲を広げる(チェーンソリューション)と定義し、提案している。
このAdditiveプロセスで採用している方式は、指向性エネルギー堆積(Directed Energy Deposition)。仕組みは、ガスを媒体として積層ポイントに金属粉末が供給され、そこにレーザーを照射して金属粉末を溶融し堆積させる。金属粉末の飛散を防止するため、その周囲にはシールド用のガスが噴射されるといったもの。
ヤマザキマザック株式会社(社長=山崎智久氏)は、このほど、切削技術と金属積層造形技術を融合したハイブリッド複合加工機に、内閣府主導(管理法人:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の国家プロジェクト、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の成果である「マルチレーザー式金属積層 (Multi-Laser Metal Deposition:M-LMD)技術」を実用化した、「INTEGREX i-200S AM (M-LMD仕様)」を開発したと発表した。
これに対して一般的なハイブリッド複合加工機で採用されている従来技術レーザー式金属積層造形(Laser Metal Deposition:LMD)は、加工ヘッド中心からレーザーを照射することにより部品母材表面に溶融池を形成し、そこに金属粉末をレーザービーム周囲から同時に供給することにより、積層造形を可能としている。しかしながら、加工ヘッドを傾斜させて5軸AM加工を行う場合、噴射される金属粉末が微細かつ軽量なため、重力や風圧などの外乱により溶融池に粉末が効率良く供給されず、造形部の不均一性や未溶融粉末による製造コスト増等の課題があった。