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三菱日立ツールが『高能率仕上げ加工次世代高能率仕上げ刃先交換式「異形工具」シリーズ』を発売

 三菱日立ツール(社長=増田照彦氏)が、このほど『高能率仕上げ加工次世代高能率仕上げ刃先交換式「異形工具」シリーズ』を発売した。

 自動車業界をはじめとした大物金型・部品加工の技術動向は、リードタイムの短縮や高品質化を目的として、高精度切削や高速機械を用いた高速切削の取り組みに関心が高まっている。従来より壁部の仕上げ加工においてはボールエンドミルやラジアスエンドミルが多く使用されており、通常カスプハイトを小さく設定するが、それに伴い加工ピッチが小さくなり、更なる高能率加工は困難だった。特に難削材における仕上げ加工は、「面粗さ」と「工具寿命」が密接に関係しており、面粗さ向上の為にピッチを細かく設定すると切削長が伸び、工具の擦過時間が増加する事による工具寿命の低下が生じる。

 このようなユーザー動向を踏まえ、同社は独自の外周刃形の研究、壁部の仕上げ加工において切削長を短くし、面粗さの改善が可能なインサート式異形工具を開発し、このほど販売するに至った。

 この新開発の工具は、従来ボールエンドミルやコーナラジアス工具同径を比較した場合、約3倍以上のピッチで仕上げ加工が行え、経路長は約3分の1となり、「加工時間の短縮」、「高能率」、「長寿命」、且つ「良好な加工面」を実現した工具。また、最近のCAD/CAMソフトウェアーでは、5軸加工での「異形工具」を用いた演算できる機能が増えており、取扱いが難しかった「異形工具」も容易に形状定義が可能になり、今後さらに需要が拡大すると見込んでいる。また、刃先交換式の特長である「工具管理」、「優れた操作性」、「費用対効果の優位性」があり、同社では、これらの機能に対応した工具を発売することで、更なる加工の高精度化・高能率化を望んでいるとしている。

 特長は、①独自の外周刃形により、「壁」部分の高能率仕上げ加工を実現、②同一工具径ボールエンドミルの場合、仕上げ加工ピッチ:約3倍、加工時間短縮:3分。

【価格】
・モジュラータイプホルダー(φ16~φ25):31,500~49,000円
・インサート:1,270円
・モジュラーミル専用超硬シャンクφ16~φ25):41,000~97,500円

 年商は5,000万円を見込んでいる。

ジェイテクトが国内初「モーター用新セラミック玉軸受」を開発・量産

 ジェイテクト(社長=安形哲夫氏)が、転動体である玉に従来よりも熱膨張が内外輪材に近い新材料を採用した「モーター用新セラミック玉軸受」を開発した。これにより、電食対策が必要なモーター用軸受において、従来材である窒化けい素と同等の絶縁性を有しながらも、温度変化による内外輪と玉のすきま変化をより小さくし、幅広い温度環境への対応が可能になった。この新セラミック材を使用した軸受の量産は日本国内初であり、2016 年6 月の開始を予定している。

 電動モーターの特性上、動作中に高周波電流による有害な電圧が発生し、一定量を超えると、転がり接触部分の非常に薄い油膜を通じて、軸受内でスパーク(放電)を起こす。このときに軸受の転動面などが局部的に融解する電食という現象が起こり、これが異音を生じさせ、軸受寿命を低下させる原因となる。そのため、軸受においては絶縁対策が必要となり、最も信頼性が高い絶縁対策は玉材質のセラミック化であり、窒化けい素が通常使用される。

 今回開発品に採用された新セラミック材は、窒化けい素と比べて同等の絶縁性を有することに加え、線膨張係数(温度をセ氏1 度上げたときの物質の長さの増加量)が内外輪素材に使用される金属に近いという特性を有している。この特性により、温度変化による内外輪と玉のすきま変化を従来よりも小さくすることができ、より幅広い温度環境に適応することができる。

 この製品の特長は、従来の玉材料(窒化けい素)と同様の絶縁性、②従来の玉材料(同)に比べてすきま変化が少なく幅広い温度環境に対応する――である。

注目の商品! 栄工舎の超硬ソリッドリーマ「シャンクスルークーラント」

 ニッチな切削工具を製造・販売している栄工舎(社長=安部川洋司氏)の、「超硬ソリッドリーマ シャンクスルークーラント」が注目を集めている。

 この工具はシャンクスルーの採用で高能率加工を実現。秘密はこの形状。溝にそって、クーラントが下に流れるため、被削材にまんべんなくクーラントが行き渡る仕組みである。オイルホールタイプでは狙った箇所に切削油が当たらない場合があるといった現場の声から、生まれた製品だ。切削速度は従来のコーティングリーマの約2.5倍を誇るTiAlNコーティング「CSGR-A」タイプと、高硬度Hv6000以上、耐熱性の向上(耐熱温度550°)、アルミ、非鉄等に抜群の用着性を誇り、薄膜で切削性を損なわない水素フリーDLC「CSGR-DLC」タイプがある。

【注目】ジーベックテクノロジーがバリ取り問題を自分事化して解決できる画期的なサイトにリニューアル!

 バリ取りの自動化を推進するジーベックテクノロジー(社長=住吉慶彦氏)がWEBページを日本語・英語同時にリニューアルした。
 同社では、「バリ取り問題100%解決を目指し、ホームページを訪れてくださる世界中の皆様のバリ取り問題解決の糸口になるようなサイトを目指す」としている。



サイトの見所 ~自分事化できるWEBサイトを目指して~

 今回のWEBリニューアルは、ユーザーが悩んでいるバリ取り・研磨について、ユーザー各自でも解決できると考えてもらえることを最優先している。「10年以上にわたって自動化を提唱し続け、多数の事例をご提案することができるようになった」とのこと。今回は、バリ取り・研磨の自動化事例を50件以上掲載しており、これまで掲載されていた事例も、新たにCGで動画を製作するなど、よりイメージしやすい内容になっている。

 各事例は、目的や業界、バリを発生させる前加工別、採用された設備別など、カテゴリーごとに整理することで、様々な切り口でお客様が悩んでいる内容に近い事例を見つけることができる。
 掲載事例はこれからも追加していき、すべてのユーザーが答えを見つけることができるように進めていくとしており、今回は同社のツールを永らくしているユーザー2社にインタビューを行い、インタビュー記事と事例も掲載している。

 部品が複雑化してきている昨今、バリ発生箇所が多く出てきており、バリ取り工程を見直す必要があったことや、また、手作業での磨きの工程に時間がかかっており、同社の営業担当者と相談を重ねながら自動化を成功させ、作業者の負担が減らせたことなどの具体的な成功事例は見所である。

改善のヒントが見つかるサポートコンテンツが充実! どこよりもバリ取りの相談がしやすいサイトに!

 コンテンツが充実しており、製品ごとに使用方法、使用上のコツなどをまとめ、よりわかりやすく、製品を理解できる設計になっている。
 また、新たに各製品の動画マニュアルを製作し、製品を理解しやすいよう動画マニュアルでは、製品をマシニングセンタに取り付けるところから始まり、摩耗時の管理方法や使用時の注意事項など、使用にあたって必要な情報を網羅している。

 さらに相談しやすい環境を整えるために、バリ取り・研磨相談シート(WEB版)という入力フォームを用意しており、バリ取り・研磨相談シート(WEB版)は、アイコン選択式にすることで、項目を選びやすく、手入力の手間が最小限になった。画像の添付もできるようになり、お伝えいただきたい情報を正確に受け取り、これまで以上に迅速に、かつ最適なツールの提案をすることができるサイトとなっている。個人情報保護のためSSLに対応しており、機密情報が漏れる心配はないので安心だ。

 今回のリニューアルにあたって、製品とスタッフが持つ魅力を伝えるために、魅力を最大限に引き出すカメラマンにそれぞれ撮影を依頼したとのこと。TOPの製品写真は、黒を基調に洗練され佇まいで、工業製品ということを忘れてしまうような仕上がりになっている。写真を通じて、性能以外の製品の魅力を伝える工夫を凝らした画期的なサイトとなった。また、顔写真入りで掲載されたメンバーページにて、様々な強みを持ったスタッフが、バリ取り問題にチーム一丸となって取り組んでいる姿勢を伝えている。

タンガロイが鋳物旋削用CVDコーティング材種『T515』ポジインサート、大型インサート、ワイパーインサートアイテム拡充

 タンガロイ(社長=木下 聡氏)がこのほど鋳物旋削用CVDコーティング材種『T515』のアイテムを拡充し、全国で発売を開始した。

 『T515』は、専用の超硬合金母材及びコーティング膜を採用した鋳物旋削加工に最適な高汎用性材種。超硬合金母材とコーティング膜界面の密着性を向上させたことにより耐チッピング性及び耐剥離性を飛躍的に向上させ、安定した加工を可能とした。さらにアルミナ(Al2O3)被膜を同社従来品よりも1.7倍厚膜化したことにより、高速加工での耐摩耗性を大幅に向上させることに成功、驚異的な長寿命を実現した。

 また、同社独自の特殊表面処理技術であるPremiumTecを採用し、表面平滑性を向上させたことにより抜群の耐チッピング性及び耐溶着性を発揮した。今回、ポジインサートおよび大型インサートを拡充することにより、鋳物旋削加工でのあらゆる切削領域をカバーし、幅広い加工に適用可能となった。さらにワイパーインサートの設定により、高送り加工にも適用可能とし、生産性向上とコストダウンに大きく貢献する。

■主な特長
●超硬合金母材とコーティング膜界面の密着性を向上させ耐チッピング性及び耐剥離性を大幅に向上
 ●アルミナ膜厚を従来よりも厚膜化し、高速加工領域での耐摩耗性を向上
 ●PremiumTecの表面平滑性の向上により、耐チッピング性及び耐溶着性を大幅に改善

■主な形番と標準価格
・CNMG160612 T515 1,890円 (税込み 2,042円)
・CNMG190612 T515 2,400円 (税込み 2,592円)
・CNMG120408-SW T515 850円 (税込み 918円)
・CCMT09T304-CM T515 970円 (税込み 1,048円)
・SCMT120404-CM T515 1,500円 (税込み 1,620円)
 
 全追加アイテム:59形番

 安田工業か家族会社見学会を開く


 安田工業(社長=安田拓人氏)が、4月3日(日)に従業員の家族会社見学会を開催した。
 工場内を見学したり、キサゲも体験できたり、工作機械への理解を深めるよいチャンスとなった。
 なお、同社では人材育成にも力を入れており、技術者の育成や、世代間交流、思考力や創造力アップを目的として地域にも貢献している。

キサゲ体験

Edgecam がバージョン2016 R1をリリース

 エッジキャムが統合CAMソフトウェア「Edgecam」の新バージョンとなる「Edgecam2016R1」をこのほどリリースした。「Edgecam」は年2回のバージョンアップにより、新機能の導入をはじめ、加工機能やインタフェースといった各種機能の拡張を図る事で常に進化し続けている。

 「Edgecam 2016 R1」は、Windowsの新OSであるWindows10に正式対応し、これからの新しいスタンダード環境においても、高いパフォーマンスを発揮させる事が可能で、使い易さという面からは、インタフェースの向上として、従来よりユーザーに定評のあるダイアログ上のパラメータにリンクした画像とツールチップヘルプの表示を、走査線加工、ペンシル加工、正面プライス加工、平坦部仕上げ加工、同心円スキャロップ加工にも搭載し、マニュアルレスの操作性をより多くのコマンドへ拡充させた。 また、“ワイヤ加工で分離検査”オプションの追加により、切り落とし部分の分離検査を可能とした。

 加工面における拡張機能としては、ミリング加工では、面取り加工に、新しく工具径補正、及び工具径補正番号を追加し、機械側での調整を可能にした。また、穴あけ加工では、穴間を移動する際に、治具を避けるように工具を引上げ、指定したイニシャル点に降下するよう機能が拡張され、5軸加工においては、回転引き上げ後の降下の際、従来、全て送り速度にて降下する所を、早送り+送り(新たに追加したオプションの“戻り距離”にて指定した長さ分)に分割できるようにする等、細やかな配慮がなされている。

 旋盤加工では、新たな切削方法として、旋盤荒取り加工に、“斜め”切削を追加し、オプションとしては、旋盤溝仕上げ加工に、“仕上げ前の突き加工”を含むオプションを追加した。

 ワイヤ加工においては、入力図形とコマンドの設定により、2軸、または4軸のどちらを適用する必要があるかを自動認識する、2軸と4軸を統合した“スマートワイヤ加工サイクル”を追加した。

日立建機グループが熊本地震被害地の復興のため総額2000万円を支援

 日立建機グループが、被災者の救援と、被災地の復興に、義援金および被災した地域の復旧に向けて自治体を通じた支援活動に総額2千万円相当の支援を行うと決定した。 また、支援に際しては、グループ会社の従業員による救援募金の寄付も併せて行う予定。

2016年3月分工作機械受注総額は1,161.9億円 日工会 

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2016年3月分の受注実績は以下の通り。 2016年3月分工作機械受注総額は、1,161.9億円(前月比+14.0% 前年同月比Δ21.2%)となった。受注総額は期末高価により4カ月ぶりの1,100億円超。1,000億円超は31カ月連続。 内需は512.6億円(前月比+31.8% 前年同月比△7.8%)で、期末効果により8カ月ぶりの500億円超、様子見感は残るものの、国内需要は堅調。外需は649.3億円(前月比+3.0% 前年同月比△29.3%)、5カ月連続の600億円超。前月から北米で増加したものの、アジア、欧州は減少。 国内需要は政策効果が現れる年後半に期待。一方、国内外の経済動向やEMS特需の動向について今後を注視。

3月分内需

512.6億円(前月比+31.8% 前年同月比△7.8%)。・8カ月ぶりの500億円超。・前月比4カ月ぶり増加。前年同月比は2カ月連続減少。・期末効果により前月から大幅増加。堅調持続。① 一般機械  208.8億円(前月比+51.5% 前年同月比+5.6%)  うち金型   34.3億円(前月比+66.0% 前年同月比+52.1%)② 自動車   152.6億円(前月比+7.4% 前年同月比△29.3%)   うち部品   102.1億円(前月比△1.1% 前年同月比△36.7%)③ 電気・精密 51.1億円(前月比+59.8% 前年同月比+17.3%)④ 航空機・造船・搬送用機械 28.2億円(前月比+11.0% 前年同月比△10.5%) 

3月分外需

649.3億円(前月比+3.0% 前年同月比△29.3%)・5カ月連続の600億円超。・前月比は2カ月連続増加。前年同月比は10カ月連続減少。・主要3極は北米のみ前月比増加。外需全体では横ばい圏内の動きが継続。①ア ジ ア:253.7億円(前月比△0.6% 前年同月比△50.0%)・東アジア:189.9億円(前月比△4.1% 前年同月比△47.9%)〈中 国〉135.5億円(前月比△11.2% 前年同月比△52.9%)・その他アジア63.8億円(前月比+11.5% 前年同月比△55.3%)〈タ  イ〉19.6億円(前月比+42.0% 前年同月比△16.8%)〈ベトナム〉10.9億円(前月比+99.1% 前年同月比△86.0)〈イ ン ド〉18.7億円(前月比△25.7% 前年同月比△16.4%)②欧 州:159.1億円(前月比△5.2% 前年同月比△1.1%)〈ド イ ツ〉37.6億円(前月比△2.1% 前年同月比△20.9%)③北   米:229.3億円(前月比+14.6% 前年同月比△2.4%)〈アメリカ〉200.2億円(前月比+14.2% 前年同月比△3.9%)〈メキシコ〉 17.4億円(前月比+22.9% 前年同月比+8.3%)

ヤマザキマザックが「MAZAK QUICK TURNフェア」を開催 ~IoTに対応した高生産機能を身にまとい、高効率化を推進~

 ヤマザキマザックが、4月8日(金)~9日(土)の2日間、ワールドテクノロジーセンタ・美濃加茂第二製作所・全国テクノロジーセンタ 4か所・テクニカルセンタ 6ヶ所において「MAZAK QUICK TURN フェア」を開催した。

 「QUICK TURN 」は、マザックの代名詞ともいうべきベストセラー機。QUICK TURNシリーズは1981年に世界初の対話式CNC装置「MAZATROL T1」を搭載して発売し、現在までに世界累計販売台数約9万台を記録。業界トップクラスのベストセラー機となっている。この「QUICK TURN」が、このほど最新のCNC装置「MAZATROL Smoothシリーズ」を搭載してIoTに対応した高生産機能を身に纏い、製造現場に新たな高効率化を構築できる機械となって披露された。35年にわたりQUICK TURNとMAZATROL CNCは共に進化している。

プライベートショーかけた思いを説明する中西常務
プライベートショーかけた思いを説明する中西常務
 中西正純常務は、今回のプライベートショーについて、「汎用CNC旋盤QUICK TURN を新たに一新して、基幹産業を支えるお客様に活用していただけるよう工夫した。今回は日本の根幹を支える町工場のお客様が半数以上を占める商品。お客様の用途に合わせた仕様が選択できるようにしている。もうひとつ、QUICK TURN-COMPACTシリーズは、コンパクトでも生産に寄与できるようにした。ミーリング機能付きを主体にデビューさせている。派手さはないが、本当の意味で製造業を支える半数以上の客様が採用していただけるような製品です」と思いを述べた。

 また、「歴史を感じて頂きたくて、35年ほど前に開発した」としている、QUICK TURNに世界初の対話型CNCのMAZATROL T1を搭載した記念すべきQUICK TURNも展示していた。

MAZATROLとQUICK TURNは共に進化

初代MAZATROL T1を搭載したQUICK TURNも展示。
初代MAZATROL T1を搭載したQUICK TURNも展示。
 1980年初期の製造現場で主流の設備というと、汎用旋盤、フライス盤、ボール盤など。NC工作機械への更新が積極的に行われ始めていたのもこの頃だったが、EIA/ISOコードによるプログラミングの難しさ、段取りの煩雑さもあって導入が遅れていたのが現状だった。

 さらにEIAA/ISOプログラムはプログラム作成および、加工までのリードタイムが長く、一方で、選任のオペレータ不足の課題があった。固定サイクル、Gコードなど専門知識が必要でプログラミングが難しかった。これらの問題を一気に解決したのが、世界初の対話方式によるプログラミングが可能な「MAZATROL」だった。マザトロールプラグラムとEIA/ISOプログラム行数を比較すると、EIA/ISOの行数は115行。一方のMAZATROLプログラムは行数20行と約83%も減少している。

さて、新しくなったQUICK TURNの特長だが、回転工具刃物台にはビルトインモータ駆動の回転工具主軸(Smooth Mill Drive)を搭載している。振動を抑えた高精度なミル加工を実現、刃物台内部では発熱による精度変化のないよう冷却対策も万全だ。

 熱変位補正が可能なサーマルシールド・プラスも標準装備されている。これにより、①加工精度に最も有効な熱変位制御機能を強化、安定した加工精度を維持する、②工場環境温度・各軸熱変位補正量・機械温度を見える化し、製造現場の環境に最適な設定が可能になった。

●QT-COMPACTシリーズ

 コストパフォーマンスを追究した複合旋盤のエントリーモデル QT-コンパクトシリーズが誕生したが、このマシンのメリットは“お求めやすい価格でワンランク上の加工を提供する”ということ。新NC「MAZATROL SMOOTH C」を搭載し、インテリジェント機能や工場環境に合わせた熱変位補正が可能なサーマルシールド・プラスももちろん標準装備。また、ビルトイン主軸の採用と全軸ローラーガイドを採用で高精度・高剛性な加工を実現したマシンだ。

 気になる加工能力だが、QT-COMPACT200、300は、切りこみが2~3mmの鍛造品や鋳造品の量産加工に最適で、①中炭素鋼をベースとした鋳鋼、②比較的削りやすいSCM系の鍛造品、③FCまたはFCDの鋳物(難削材のFCD600以上を除く)、④AL鋳物に威力を発揮する。