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ダイジェット工業 10月1日より価格改定を実施

 昨今、超硬原料で有るレアメタルや鋼材等の原材料費の高騰、原油価格等の高騰による電力や副資材のコストも大きく上昇し、世界的な需要回復に加え半導体をはじめとする部品供給不足や物流コストの上昇など懸念材料が続いており、今後も先行き不透明な状況が続くものと予想することから、ダイジェット工業が本年10月1日受注分より製品価格改定を実施する。

 対象製品は以下の通り。

■切削工具
 ・標準品:現行価格+10%
 ・特殊品:現行価格+10%以上

■耐摩工具:現行価格+20%

■合金素材
 ・標準品:現行価格+10%
 ・特殊品:現行価格+15%

■実施期間
 2022年10月1日受注分より
 

2022年6月分工作機械受注総額は1,547.1億円 日工会 

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2022年6月分の受注実績は以下の通り。
2022年6月分工作機械受注総額は、1,547.1億円(前月比+0.9% 前年同月比+17.1%)となった。受注総額は、4カ月連続の1,500円超で単月として過去9番目、6月では2,018年(1,592億円)に次ぐ過去2番目。1,000億円超は17カ月連続。
    
 内需は586.5億円(前月比+18.5% 前年同月比+31.3%)で、半導体関連等を中心とした堅調持続の中、6月は補助金効果もあり3カ月ぶりの550億円超。

 外需は960.6億円(前月比△7.5% 前年同月比+9.9%)で、4カ月ぶりの1,000億円割れも、6月としては2018年(963.1億円)に次ぐ過去2番目となるなど高水準の受注が継続。

 6月の受注は内外需とも好調を維持しながらも、地政学リスクや金利上昇に伴う影響が窺われ、感染再拡大の影響を含め今後の動向を注視。

6月分内需

 586.5億円(前月比+18.5% 前年同月比+31.3%)。

 ・3カ月ぶりの500億円超。前月比3カ月ぶり増加。前年同月比16カ月連続増加。
 ・前月比3カ月ぶり増加。前年同月比16カ月連続増加。
 ・国内需要はこれまでの堅調さに加え、補助金効果も加わり高水準を記録。

220731日工会内需

(出所:日本工作機械工業会)

6月分外需

 960.6億円(前月比△7.5% 前年同月比+9.9%)

 ・4カ月ぶりの1,000億円割れも単月では過去13番目、6月としては過去2番目。
 ・前月比2カ月ぶり減少。前年同月比20カ月連続増加。
 ・欧米では前月から減少したものの、アジアは中国を中心に増加し、概ね堅調持続。

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(出所:日本工作機械工業会)

2022年6月分 機械工具生産額まとまる 日本機械工具工業会

 日本機械工具工業会がこのほどまとめた2022年6月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。

■生産額
 切削工具 394億円(109%)、耐摩耗工具 33.5億円(102%)、総合計 435.9億円(108%)。

■ドリル生産額
 特殊鋼工具 16.7億円(118%)、超硬工具 41.4億円(130%)、ダイヤ・CBN 1.1億円(97%)、総合計 59.2億円(118%)。

■エンドミル生産額
 特殊鋼工具 4.8億円(114%)、超硬工具 41.2億円(106%)、ダイヤ・CBN 1.6億円(124%)、総合計 47.6億円(108%)。

■カッタ生産額
 特殊鋼工具 0.7億円(111%)、超硬工具 6億円(117%)、ダイヤ・CBN 0.6億円(81%)、総合計 7.3億円(113%)。

■ギヤカッタ生産額
 総合計 7.2億円(99%)。

■ブローチ生産額
 総合計 7.1億円(91%)。

■ねじ加工工具生産額
 特殊鋼工具 34.1億円(109%)、超硬工具 3.9億円(124%)、総合計 38億円(110%)。

■バイト生産額
 特殊鋼工具 0.3億円(121%)、超硬工具 9.6億円(110%)、総合計 9.9億円(110%)。

■リーマ生産額
 特殊鋼工具 1.4億円(108%)、超硬工具 2.4億円(89%)、総合計 3.8億円(95%)。

■鋸刃カッタ生産額
 特殊鋼工具 1.3億円(117%)、超硬工具 1億円(158%)、総合計 2.3億円(132%)。

■インサート生産額
 超硬工具 155.9億円(107%)、ダイヤ・CBN 23.1億円(108%)、総合計 179億円(107%)。

■ボディ関係生産額
 総合計 17.2億円(110%)。

■超硬合金生産額
 切削用 157.4億円(104%)、耐摩耐触用 16.7億円(101%)、総合計 177.2億円(105%)。
 

経産省・2022年5月度機械統計 機械工具生産動態調査

経済産業省の2022年5月度 機械工具生産動態調査(機械統計)は以下のとおり。

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(表出所:日本機械工具工業会)
 

日本機械工具工業会 「第8回定時総会」並びに令和4年度「生悦住賞」「新庄(陰徳の士)賞」表彰式を開く

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令和4年度「生悦住賞」「新庄(陰徳の士)賞」受賞者

 

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あいさつする田中会長(三菱マテリアル常務)

 日本機械工具工業会(会長=田中徹也 三菱マテリアル常務)が6月7日、「第8回定時総会」を都内のREVEL XXI 東京會舘でWeb併用のハイブリッド方式で開いた。総会終了後、総務、技術、環境、国際、それぞれの委員会から報告があり、令和4年度「生悦住賞」、「新庄(陰徳の士)賞」の受賞者が紹介され、表彰式が行われた。

 懇親会であいさつに立った田中会長は、今年度の生産額見通しはについて触れ、「保守的にも感じるが、ぜひ皆様の頑張りと各社の積極的な活動で数字を持ち上げていきたい。」と意気込みを示した。また、令和4年度の受賞者に対し、「皆様が業界に対して貢献をしてくださったお陰で今の私たちがある。今後とも業界のために貢献して頂ければありがたい。」と感謝の意を表した。

令和4年度「生悦住賞」

 生悦住賞は、1978年に生悦住貞太郎ダイジェット工業(株)会長が傘寿を迎えたことを機に、超硬工具協会(現日本機械工具工業会)が同年に創立30周年に当たることを記念して協会に多額の寄付をし、この有効活用を目的として「生悦住基金」が設けられ、①会員で草の根的に功労のあった人、②会員内外を問わず業界発展に貢献された人、を表彰するために設定された表彰制度である。

○田島有紀子氏〈(株)不二越〉

略歴
 平成2年6月~27年6月 日本工具工業会機関紙編集委員会主幹
 同19年6月~20年6月 創立60周年記念誌編集委員会委員
 (会社略歴:昭和59年6月 (株)不二越入社 令和3年8月同社退社)

■功績の概要
 氏は、平成2年の旧、日本工具工業会機関紙Myツール創刊時より、Myツール編集委員会の主幹として編集・企画に携わり、超硬工具協会との統合による最終号まで編集委員会のリーダーとして、工業会内外へ情報発信を主導した。所属企業での広告宣伝業務を生かし、会員企業の海外派遣者の苦労や経験談など会員各社でも参考となる内容を常に心がけ、さらに様々な工夫を加え、新鮮味のある紙面づくりに心を砕いた。さらに、長年にわたる取材経験を生かし、平成19年~20年には日本工具工業会60周年記念誌編集委員会の取りまとめリーダーとして最初から制作に携わり、会員企業から愛される記念誌を刊行した。また、工業会の主要行事には取材と同時に様々な場面で側面から事務局業務をバックアップされるなど、工業会役員から各委員会参加者まで幅広く交友され、工業会の基本理念である全員参加に大きく貢献された。

○伊藤章二氏〈元、東芝タンガロイ(株) 現、(株)タンガロイ〉

略歴
 昭和58年6月~62年6月 超硬工具協会技術(特許関係小)委員会委員
 同62年6月~平成元年6月 同特許専門委員会委員長
 平成元年6月~同5年6月 同特許専門委員
 同5年6月~7年6月 同特許委員長
 同7年6月~9年6月 同特許委員
 (会社略歴:昭和53年7月特許部特許担当課長、平成5年4月特許部長、平成11年10月同社定年退職)

■功績の概要
 氏は昭和58年6月、旧、超硬工具協会技術委員会内に設置された特許関係を専門とする特許小委員会に創設メンバーとして参画。昭和62年から特許専門員会委員長に就任した。会社では特許部門一筋に勤め、協会においては特許部門の重要性を協会幹部に説き、技術委員会からの独立、専門委員会から特許委員会へのさらなる昇格などに尽力した。特に平成2年に制作から完成まで4年あまりを要した「特許・実用新案 明細書の書き方」をまとめ、その内容は超硬工具の素材や形状、鉱山土木工具の分野まで幅広く、その年の11月会員企業を集め、明細書の書き方の講習会を開催し、協会関係者の特許出願の一助となった。平成5年6月協会の5番目の委員会として新設された特許委員会では初代委員長として、特許庁と協会のつながりを重視、年一回特許庁の審査官(工作機械と金属部門を1年ごとに交代に)を招いた講演会の実施、審判判例の事例研究を多数取り入れるなど、その後の特許委員会の基盤とその後の活動を方向付けた。

令和4年度 新庄(陰徳の士)賞

 新庄賞は新庄鷹義氏が55年在任された冨士ダイス(株)社長職から会長職へ昇格し、併せて米寿の慶事にあたる年に、同氏から多額の寄付をもとに新庄基金が設けられた。需要資格者は、会員企業(正会員)の〝陰徳の士〟的立場にある人(一般には目立たないながら、会社にとって非常に有用なことを実践している人、パート従業員、派遣社員、ボランティアを含む)で、所属企業からの推薦を受け表彰する制度である。
(社名五十音順11社11名)

 ○岸光昭氏〈MMCリョウテック(株)〉
 ○佐野貴之氏〈オーエスジー(株)〉
 ○保浦正幹氏〈兼房(株)〉
 ○濵崎正夫氏〈(株)共立合金製作所〉
 ○加藤忠夫氏〈(株)田野井製作所〉
 ○荒 光穀氏〈日進工具(株)〉
 ○油井里江氏〈日本特殊陶業(株)〉
 ○石垣充宏氏〈富士精工(株)〉
 ○前田久則氏〈冨士ダイス(株)〉
 ○大森 弘氏〈三菱マテリアル(株)〉
 ○小澤眞二氏〈マパール(株)〉

牧野フライス製作所 「SMART TOOL Rapid Calibrator(ラピッドキャリブレータ)」販売開始

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本体外観

 

 牧野フライス製作所は、このほど新製品の「SMART TOOL Rapid Calibrator(ラピッドキャリブレータ)」の販売を開始した。

 「SMART TOOL」とは、同社が独自に開発した課題解決型製品の総称で、切削工具以外にも機械周辺装置や機能、ソフトウエアなど様々なタイプの製品により、高効率・高品質な生産を実現するもの。

 マシニングセンタで正確な機能測定を行うためには、測定装置であるワーク自動測定装置のキャリブレーション(校正)を定期的に実施する必要があるが、従来では、加工室内で各軸を移動させながら煩雑な作業を長時間行っており、測定機器を使用しての作業では不適切な作業をしたり、軸移動方向を間違えて怪我や機械の損傷に繋がるといった課題があった。

〝正確に〟、〝安全に〟、〝安全に〟――の3ステップで誰もが高精度なキャリブレーション(校正)を行える「SMART TOOL Rapid Calibrator」は、測定精度が安定し、生産性の向上をさせることができる。

製品の特長

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⚫ Rapid Calibrator を使用したキャリブレーションは非常に簡単で、作業者のスキルによる測定誤差は発生しない。

⚫ 3 STEP OPERATIONS
 ① Rapid Calibrator をテーブル上に設置
 ② 基準工具をゲージピンの中心にセット
 ③ 専用マクロプログラムを実行

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使用例

■仕様
 サイズ:φ46×93mm
 重 量:700g
 専用マイクロプログラム付属  

■販売価格(税別)
 国内定価:185,000円
〈販売元〉牧野技術サービスより販売
 

タンガロイ 内径溝入れ加工用工具「AddInternalCut」、ヘッド交換式小径ドリル「AddMeisterDrill」をそれぞれ拡充! 

 タンガロイが、このほど4コーナ仕様インサートで最小加工径φ10.5 mmから対応可能な高精度内径溝入れ加工用工具「AddInternalCut(アド・インターナル・カット)」にTCIG12サイズシリーズを拡充したと同時に、従来のTCIG10サイズに溝幅3 mmを追加した。また、ヘッド交換式小径ドリル「AddMeisterDrill」(アド・マイスター・ドリル)の高精度加工用ヘッドDMC形に工具径φ4.0~φ4.9mmを新たに設定した。

内径溝入れ加工用工具「AddInternalCut」最大溝深さ3mmまで拡充

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 「AddInternalCut」は、ユニークな形状の4コーナ仕様インサートを採用し、最小加工径φ10.5 mmから対応可能な内径溝入れ加工用工具。従来、内径溝入れ加工用工具は、加工径の制約によりインサートを狭いスペースに配置する必要があり、そのため1コーナまたは2コーナ仕様インサートが主流だった。

 最新の「AddInternalCut」の特長は、経済的で高精度な4コーナ仕様インサートを採用し、さらに工具剛性と良好な切りくず排出性を両立させた画期的なクランプシステムで、非常に安定した高精度内径溝入れ加工を実現すること。

 今回は新たに最大溝深さ3mmが可能なTCIG12サイズインサートとホルダを拡充した。溝幅は1.5 mm~3 mmで、最小加工穴径はφ13 mm。

 さらに、発売以降好評を頂いているTCIG10シリーズに溝幅3mmインサートを追加した。既存のホルダに取付け可能で、加工対応範囲がさらに拡大する。

 「AddInternalCut」用TCIG形インサートは、どちらも研削級で精度が高く、切れ味の鋭いブレーカにより切削抵抗が低く抑えられている。この高精度インサートと高剛性クランプによって、不安定になりがちな内径溝加工においても、びびりを抑えた安定した加工が可能となる。

■主な形番と標準価格(税抜き価格)
 ・TCIG10-300-020:2,180円
 ・TCIG12-150-010:2,370円
 ・TCIG12-300-020:2,510円
 ・A16J-STCIR12-D130:35,300円
 ・E16M-STCIL12-D200:81,400円
 計11アイテム

ヘッド交換式小径ドリル「AddMeisterDrill」高精度加工用ヘッドDMC形に工具径φ4.0~φ4.9mmを追加!

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 「AddMeisterDrill」は、φ4.0~φ4.9mmにおいて、超硬ソリッドドリルを超える性能と、刃先交換式の利便性を併せ持つヘッド交換式ドリル。ボディに施した特殊な形状のクーラント穴により吐出量が増加しており、切りくず排出性が向上、安定した加工が実現できる。

 高精度加工用ヘッドDMC形は、独自のクイックセンタリング形状によって、喰付き性が向上しており、精度の高い安定した穴あけ加工を可能にする。材種には穴あけ加工用に最適化された最新PVDコーティング材種AH9130を採用。非常に優れた耐摩耗性で、特に炭素鋼、合金鋼の加工において、驚異的な寿命性能を発揮する。

 同社の開発担当者は、「すでにφ5.0mm以上の『AddMeisterDrill』用DMCヘッドは発売していますが、今回はさらに小径用ということで、切れ刃形状、刃先仕様を見直し、刃立ちと喰付き性を向上させています。さらに、均一なコーティングを実現させるとともに、研削精度も向上させました。これにより小径穴あけ加工における安定加工・長寿命化をさせることが可能となりました。性能と利便性を併せ持つヘッド交換式ドリル『AddMeisterDrill』を、是非一度お試しください。」とコメントしている。

■主な形番と標準価格(税抜き価格)
 ・DMC040 AH9130:8,160円
 ・DMC049 AH9130:8,160円

イスカルジャパン 自動盤用ヘッド交換式旋削工具「ネオスイス」を好評発売中!

220712イスカルジャパン
ホルダー:NQCH-JHP

 

 イスカルジャパンが販売している自動盤用ヘッド交換式旋削工具「ネオスイス」が好評発売中である。

 この製品は、機上で簡単にヘッド交換可能なクイックチェンジシステムを採用していることが特長。ヘッドのクランプはレバーロックの要領で引き込むタイプのため、ヘッド交換も簡単だ。

 ホルダーとヘッドは4点で当たるように設計されており、クランプ剛性が高い。また、ダブテイル形状のヘッドZ方向位置決め部にて刃先位置が決まるため、ヘッド脱着時の繰り返し精度は良好である。

 ヘッド部の幅は20mmであり、一体型ホルダ(ヘッド部の幅:12mm)と比べて大きいためZ方向に対する工具剛性が高く、高負荷加工においてビビりなく安定した加工が可能だ。

 「ネオスイス」は、高い生産性とクイックチェンジを特長とした、自動盤の新たなスタンダードを実現する工具として現在注目されている。

■レパートリー
 ヘッド:豊富なヘッドレパートリーを順次拡大中。詳細は同社営業まで。最新カタログにも掲載している。

↓カタログはこちら↓
https://www.iscar.co.jp/Catalogs/publication-2022/japan-10/2022NewProdu…


 

ダイジェット工業 ミラーボール高硬度材加工用インサート(TS形)サイズ拡張

220712ダイジェット工業

 ダイジェット工業が、このほど高い評価を博している高硬度刃先交換式ボールエンドミル「ミラーボール BNM/MBX形」高硬度材加工用インサート(TS形)のサイズを拡張して、長寿命実現可能なPVDコート「DH102」に統一し、ラインナップした。

 この製品は高精度金型仕上げ加工を実現する刃先交換式ボールエンドミル。高硬度加工用インサート(TS形)の外径Φ6~Φ12インサートをサイズ拡張しラインナップ。好評の外径Φ16~Φ3 0インサートもPVDコート「DH102」に統一し、高硬度材の高速加工において高精度かつ長寿命な仕上げ加工を実現する。

 高硬度焼き入鋼、ダクタイル鋳鉄、鋳鉄など、金型3次元形状の中仕上げ~仕上げ加工に威力を発揮する。

特長

 (1)刃先強度と切れ味を両立した高硬度材加工用インサート。60HRCを超える高硬度材の中仕上げから仕上げ加工において安定した加工が可能。
 (2)強ねじれ刃形により、食付き時の耐衝撃性を向上しつつ、切削抵抗の低減を実現。加工時のびびりを抑制し仕上げ面精度を向上。
 (3)ボールエンドミル中心切れ刃部の切りくずポケットの形状を改良し、切りくず排出性を向上。
 (4)高硬度材・高速加工向けPVD 被膜「DH コート」と高硬度材用微粒子超硬合金の組み合わせによる材種「DH102」を採用。

●サイズ
 ・形番:BNM-TS(インサート材種 DH102)
 ・サイズ:R3(φ6)、R4(φ8)、R5(φ10)、R6φ(12)、R8(φ16)、R10(φ20)、R 12.5(φ 25)、R15(φ30)の計8形番

●標準価格
 5,200円~9,170円(税抜き)
 

DMG森精機 CAMと同社の機械をつなぐソフトウェア「CELOS DYNAMICpost」を開発 ~加工現場のデジタルツインを実現~

220712DMG森精機

 

 DMG森精機は、このほどポストプロセッサ、切削加工シミュレーション、切削力最適化機能を1本で使用できるソフトウェア「CELOS DYNAMICpost(セロスダイナミックポスト)」の販売を開始した。

 近年、製品の多様化により加工ワークの複雑化が進み、複雑形状部品をワンチャッキングで加工できる5軸・複合加工機の需要が増加していることを背景に、加工プログラムの生成にCAMソフトウェアを使用する顧客が増加している。CAMで生成したツールパスはポストプロセッサにより、使用する工作機械の制御装置に適合したNCプログラムに変換する必要がある。

 工作機械やNC装置の詳細な仕様が十分に反映されていないポストプロセッサを実行すると、NCプログラムの多大な修正作業が発生し、また、修正を行わず、そのまま加工すると機械停止や主軸干渉につながる恐れがある。顧客からは、同社の工作機械に適合するポストプロセッサの準備や、高精度な切削加工シミュレーションを効率良く行いたいという要望が多くあった。

 今回同社が開発した「CELOS DYNAMICpost」は、従来、個別に購入が必要であったポストプロセッサ、切削加工シミュレーション、切削力最適化機能の3つの機能を1つに統合したPCソフトウェア。CAMで作成したツールパスをポストプロセッサでNCプログラムに変換後、切削加工シミュレーション機能により加工形状の評価、干渉チェック、加工時間の予測を行い、切削力最適化機能で切削負荷を評価して、加工条件を最適化したNCプログラムを自動で生成する。切削加工シミュレーションには同社のデジタルツイン技術を用いることで、機械構造や軸の加減速、工具交換時間など、同社の工作機械が持つ機能を忠実に再現しており、実際の切削時間や切削力を正確にシミュレーションする。

 工作機械メーカーであるDMG森精機が開発したこの製品は、同社製工作機械固有の機能を標準サポートしており、機械の性能を最大限に発揮させる信頼性の高いNCプログラムを生成できるため、NCプログラムの修正作業を低減し、プログラム作成から加工開始までの時間を大幅に短縮する。また、「CELOS DYNAMICpost」は、試加工をデジタルでシミュレーションすることにより、実機での試加工をゼロにできるため、消費エネルギーの削減にもつながり、持続可能な開発目標(SDGs)にも貢献する製品。

主な特長

(1)ポストプロセッサ、切削加工シミュレーション、切削力最適化機能を1本のソフトウェアで使用可能
 ・ 統一したユーザーインタフェースにより、シームレスなデータ連携と操作を実現
 ・ 保守サポートをDMG森精機がワンストップで対応
 ・ソフトウェア毎の動作確認が不要のため機械納入後すぐに使用可能

(2)工作機械の能力を最大限に発揮する加工を実現
 ・ 同社製の工作機械に適合したNCプログラムを生成する専用ポストプロセッサ

  +専用機能(アプリケーションチューニングサイクル、クイックMコード)に標準対応
   → アプリケーションチューニングサイクル:荒加工時間を20 %短縮
   → クイックMコード:工具交換時間を20 %短縮

  +オペレーターの入力作業を低減する自動入力に対応

(3)正確な生産計画と干渉を回避する安心安全な加工を実現
 ・NCプログラムの正確な切削加工シミュレーション
  +正確なサイクルタイムを予測するタイムスタディ機能

  +加工時の干渉を未然に防止する干渉チェック機能

  +CAMで作成したプログラムだけでなく、MAPPS対話機能のシミュレーションにも対応

  + CADで設計した3Dモデルとシミュレーション切削形状との比較機能

(4)荒加工の切削時間20 %削減*3と工具破損を抑止
 ・加工条件を最適に制御する切削力最適化機能

  +切削力の制御で加工時間を短縮

  +工具への高負荷を抑制し、工具破損を抑止

  +切削力のシミュレーション結果をグラフで確認可能