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「グローバル展開への本気を示す覚悟」 ~オーエスジーダイヤモンドツール 神谷社長に聞く~

オーエスジーダイヤモンドツール(社長=神谷伸顕氏 本社:滋賀県高島市今津町)は1968年に創業以来、ダイヤモンド切削工具メーカーとして製品を開発、製造・販売を手掛け、自動車・電機業界をはじめ、液晶関連・通信関連・光学部品・医療関連等、多岐に渡る産業で貢献している。2024年12月、日新ダイヤモンドから、社名をオーエスジーダイヤモンドツールに変更し、今春にダイヤモンド切削工具の教科書を兼ね備えたカタログ『The Diamond Basics』を刊行し、6月にはデジタルブックにして同社Webサイトに掲載。ダイヤモンド切削工具の敷居の高さと知名度の低さを打開すべく、業界全体の活性化を図っている。
新社名への変更の思いや、教科書を兼ねたカタログ製作の狙いについてお話しを伺った。
― 昨年12月に日新ダイヤモンドから、オーエスジーダイヤモンドツールに社名を変更しました。その理由や心境の変化を教えてください。
神谷 世界で唯一、極小径の単結晶ボールエンドミルを製造できるメーカー、神奈川のマイクロ・ダイヤモンド社の事業継承に加えて、OSGがグループ化したオランダのContour社との協業体制の構築を経て、OSGグループとしてダイヤモンド切削工具事業に本格参入する準備が整いました。その意志を明確に市場へ示すため、グループ名である「OSG」を冠した社名へと変更いたしました。これは、世界に向けたダイヤモンドブランドとしての覚悟と、グローバル展開への本気度を示す象徴です。
― オーエスジーの中期経営計画に微細・精密加工分野の拡大を掲げていました。日新ダイヤモンド社、Contour社、マイクロ・ダイヤモンド社の3社が協業をする、そのシナジー効果について教えてください。
神谷 3社はそれぞれ得意とするジャンルが異なりますので、一般、精密、超微細工具の幅広い分野での製品提供が可能となりました。Contour社は眼鏡や眼内レンズなど各種レンズ向けの単結晶ダイヤモンド工具では世界トップレベルのメーカーですから、医療系レンズの新規分野へ参入することができます。特に日本は高齢化が進んでいますから今後眼内レンズなど医療分野は期待ができると思いますし、現在、半導体製造装置の部品にもダイヤモンドツールは欠かせません。ダイヤモンド切削工具は、すべての工具材料の中で最も高い硬度と優れた耐摩耗性を持ちます。そのため、アルミニウム合金、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、セラミックスなどの難削材に対して、極めて高精度で効率的な加工が可能です。また、工具寿命が長く、工具交換頻度の低減や加工品質の安定にも寄与します。特に超精密加工分野では、表面粗さの向上や微細形状の成形において欠かせない存在です。
カタログ製作に込めた想い
―アイテム数も増加し、総合ダイヤモンド切削工具メーカーとして今春にはダイヤモンド切削工具の教科書を兼ね備えたカタログ『The Diamond Basics』を刊行し、6月にはデジタルブックを同社Webサイトに掲載しましたが、この狙いは。
神谷 社長に就任して以来の5年間、市場を歩きながら痛感したのは、お客様はもちろん、OSGグループ内の関係者においても「ダイヤモンド切削工具」への理解が十分でないという現実でした。そこで、「ダイヤモンド切削工具の教科書」となるような冊子を作りたいと考えました。ダイヤモンド工具に対しては、「価格が高い」「納期が長い」「扱いが難しい」といったイメージを持たれているお客様が多く、実際には超硬工具では対応できない領域で、非常に大きな可能性を秘めていることがあまり知られていません。
― 確かにダイヤモンド工具といえば、非常にマニアックな印象があります。
神谷 本冊子では、ダイヤモンド工具の基礎知識から応用事例までをわかりやすく解説するとともに、すぐにご使用いただける標準在庫品のカタログ情報も充実させ、「手に取りやすく、使いやすい」ダイヤモンド工具としての認知拡大を目指しています。
― カタログは結構なボリュームがあります。商品群はどのくらいになりますか。
神谷 標準品は計28品目。総ページ数は100ページ以上となっています。単なる製品カタログとしてだけでなく、ダイヤモンド切削工具に携わる全ての方々のディファクトスタンダードとなる冊子にするため、随時内容を充実させる所存です。
― ダイヤモンド工具は特注品が多いイメージがありますが、標準品を多く揃えているのも貴社の強みです。積極的に標準品を揃えたのはどうしてですか。
神谷 私は、「売れるモノを標準品にするのではなく、お客様が要求しているものを作るように。」と言い続けていました。このカタログには、ポテンシャルが大きいダイヤモンド工具への理解を深めるため、ダイヤモンドに関する基礎知識の部分や、加工時例までを掲載しています。
― Contour社の製品も標準化しています。
神谷 今回のカタログでは従来の標準品から、17品目の新アイテムを一挙にラインナップしました。中でも注目していただきたいのは、Contour社が得意とする「N-Insert-UP(単結晶ダイヤモンドインサート)」や「N-Precision Bite(単結晶ダイヤモンドバイト)」を標準在庫品としてご提供できるようになったことです。これまで特注対応が主だった高精度工具を、必要なときにすぐ使える体制を整えたことは、業界にとって大きな価値を提供する第一歩となります。同工具を手軽に試してもらい、新市場開拓に繋げていきたいと考えています。
―ありがとうございました。
▼オーエスジーダイヤモンドツールのデジタルブックはコチラ▼
https://osg-diamond.co.jp/
「2025年北海道・東北・上信越ブロック 関東ブロック合同 三菱マテリアル特約店会」開催

三菱マテリアル 加工事業カンパニー(常務 カンパニープレジデント=小原和生氏) が、去る5月29日、東京マリオットホテル北海道・東北・上信越ブロック、関東ブロック合同で三菱マテリアル特約店会を開いた。この日は特約店、代理店合わせて85名が参加した。
小原常務は感謝の意を表したあと、加工事業について説明をした。この中で小原常務は、組織変更についての狙いについて、近年の地政学リスクに触れ、「超硬事業としてタングステン資源とその循環能力をアグレッシブにしていく。また、グローバルなサプライチェーンに精通した強力なビジネス・ドライバーを確保し、さらに生産能力を確保していくため、組織を一部変更し、昨年3月からバイスプレジデントのミルコ・メルロが4月からは営業本部長として兼務し、国内、海外、技術、統括の4つの部門を統括する。」と説明した。
「DIAEDGE」を廃止し「三菱マテリアル」ブランドを前面に
M&A案件については「タングステン原料製造最大手のドイツH.C.Starck HDが昨年12月に、欧州市場向けのサービス店であるイタリアU.F.P.s.r.lを本年4月にそれぞれ買収を完了した。」と報告した。
次に世界を取り巻く情勢から、「変容する可能性が高いサプライチェーンの姿を的確に捉えてすぐ手を打っていくことが大事だ。」と述べ、営業に関しては、「新規顧客、新規のビジネスに対してスピーディに受注獲得していくことを社内でも浸透させていく。今年は多くの新製品を用意することができた。」と力強く述べた。
また、超硬スクラップの回収強化については、「タングステンの鉱石は80%が中国で生産されている。米中摩擦が悪化するに伴ってタングステンの鉱石の輸出が滞った状態であるため、子会社の日本新金属やStarckで原料を確保していくことが急務になっている。スクラップで原料を確保していくためには、超硬スクラップの回収を皆様にご協力をしていただきながら回収を強化していきたいと考えている。」と協力を要請した。
この日、小原常務は、「時代が変化し、グローバル化も進んでいることを受け、従来、DIAEDGEのブランドを前面に出して活動してきたが、このブランドを廃止し、われわれの社名を前面に出した三菱マテリアルの名を前面に出した販売をしていく。」と意気込みを示した。また、Webカタログの刷新や、より積極的に工具の掲載や切削条件、材質に伴い最適な工具を簡単に得られる仕組みの『Tool Assistant』についてや、小物高精度加工用工具などの説明をした。
続いて、ミルコ・メルロバイスプレジデント チーフストラテジーオフィサー(兼)営業本部長が「私が三菱に入社を決めたのかというと、私は常に三菱製品の卓越した性能に感心があった。過去に私がテストで負けた相手の多くが三菱であったため、この会社に特別な敬意を抱くようになった。私にとって日本は常に、信頼性、性能、品質、精密さ、の象徴であり、最終的に私が三菱にたどり着いたのは、ある意味当然のことだった。私はこれまで切削工具の業界で営業、開発、マーケティングから経営に至るまで様々な業務を経験してきた。私の世界での経験とノウハウは必ず当社の成長に寄与できると信じている。」と力強くあいさつした。
続いて24年度北海道・東北・上信越ブロック、関東ブロック合同三菱マテリアル特約店会の年間表彰が行われた。表彰プレゼンターは、萩谷英史 営業本部 国内営業部部長が行った。
表彰に先立ち、萩谷部長は、「わが社製品のブランドをDIAEDGEからスリーダイヤの三菱マテリアルに変更するということに伴い、この特約店会の正式名は〝三菱マテリアル加工事業カンパニーセールスパートナー特約店会〟とし、〝三菱セールスパートナー会〟として4月から改称させていただいた。三菱セールスパートナー会の皆様と新たな1歩を踏み出していきたい。」と意気込みを示した。
その後、国内営業部活動方針についても萩谷部長から説明があった。その中で、25年の方針について、「売り勝ち残る」とし、「売り勝ち残るために変化を的確に捉えて、常に適応しながら新規顧客・新規案件の獲得を図る」と述べた。具体的には、講習会の実施を200回以上とし、ターゲット市場への拡販に自動車・航空機&発電用タービン、半導体装置、ロボット、減速機、金型を挙げ、ターゲット製品の拡販に新材種(P/M/K)、『DVAS』、高精度部品加工用工具に注力すると述べた。
第二部の懇親会は、藤森正志 ナンシン機工社長が乾杯の発声を行った。宴もたけなわのころ、松下幸輝 松下工機社長の中締めで散会した。

日本工作機械工業会 新会長に坂元繁友氏
日本工作機械工業会は去る5月30日、ホテルニューオータニ(東京都千代田区紀尾井町)で開催した第16回定時総会で、新会長に坂元繁友 芝浦機械社長を選出した。前会長の稲葉善治 ファナック会長は相談役に就任した。
会見の席上で坂元新会長は、「大変変化の激しい、不透明、不確実、不安定な時代に会長職を拝命し、身の引き締まる思いである。伝統ある会長職の責任の重さを痛感するとともに、大きな使命感を感じている。この大任を果たし、業界全体の発展を図るために、粉骨砕身努力いたす所存である。工作機械業界を巡る状況は各国の関税政策の動向や、米国の関税政策の動向や世界各地域における地政学的リスクにより、当業界は難しいかじ取りを迫られる局面にあるかと実感している。製造業ではDX、GXを軸とする方向に変化の進化のスピードを早めており、工作機械は少子高齢化時代に適応した周辺装置類と融合した自動化技術も進展している。日本の工作機械産業は、これからの急速な時代の変化に柔軟に対応して、世界の製造業の発展に貢献していかねばならないと考えている。日工会としては、各議会等の前年度活動結果を元に策定いたしました事業計画に沿って、2025年度の事業を4月から間断なく進めている。前期から取り組んでおります、デジタル・グリーン・レジリエンスを中心とした調査研究事業のほかに、国際交流の推進、広報活動など、幅広い事業につきまして、コンプライアンスを重視しながら展開して考えている。」と意気込みを示した。
前会長の稲葉相談役は、「会長として2期4年の間、DX、GXによる技術革新や、需要構造の進化、通称環境の複雑化など、産業界を取り巻く環境は刻々と変動した。米中覇権争い、突然起こった新型コロナのパンデミック、、ロシアのウクライナ侵攻、トランプ大統領が再選し、矢継ぎ早に関税政策が発されて世界中が不透明、不安定な時期に突入した。日工会としては着実にやるべきことをやるべく足元を固めるためにデジタル・グリーン・レジリエンスなどをはじめ実績を上げることができた。ご無理をお願いし、坂元新会長にこれからの舵取りをお願いするが、現時点で非常に厳しい環境にある中だが、これまでの企業経営での経験を活用され、業界を熟知されているので、しっかりと日工会を牽引されていくと確信している。」と声援を送った。

「イノベーションは止まらない」
総会終了後の懇親会で、あいさつに立った坂元会長は、新会長としての意気込みを示したあと、「わが国工作機械産業を巡る環境は世界情勢を見回すと、米国の関税政策の動向や、世界各地における地政学的リスクの顕在化により、不透明感が漂う状況と認識される。製造業は生産拠点やサプライチェーンの再構築を迫られている可能性がある。当業界においては経済安全保障などに関して細心の注意が必要となり、難しいかじ取りを迫られる局面に差し掛かっていると痛感している。世界情勢は今後も不安定な状況が続くと懸念されているが、このような状況での世界の産業においてイノベーションは止まることなく、人材不足や人件費高騰、熟練従事者の減少に対して、生産工程の省人化、自動化、そのほかAI機能の発展も進展している。私たちは技術革新に対応した世界トップレベルの製品とサービスの提供を通じて、今後も世界のものづくりに貢献していきたい。」と意気込みを示した。
国内製造業の課題についても触れ、「保有工作機械のビンテージは10年以上の割合が6割を占めている。諸各国の設備に対して生産性や省エネ性の面で大きく劣ってきているという状況だ。本年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画において、古い、旧式の工作機械をはじめとする生産設備等の省エネ性能の相対的なリスクが、わが国産業競争力強化につながる官民一体となった取り組みの必要性が指摘されている。最新設備への設備更新は日本の製造業の国際競争力を維持、強化させると同時に、社会課題の解決に向けた取り組みと位置づけられている。」と述べた。
来賓を代表して、経済産業省の田中一成大臣官房審議官が、「30年間にわたるデフレ構造から脱却しようとしている。1月には経団連から2030年135兆、2040年に200兆、このような野心的な国内投資の官民目標を表明された。さらに、平均の賃上げ率が2年連続で5%を超えるという高い水準も達成している。この勢いをしっかりと地方の中小企業、小規模事業者の賃上げにもつなげていくため、国内投資を通じて経済成長を実現するとともに、中小企業や賃上げ原資を確保できるよう、価格転嫁、取引適正化に引き続きペースを上げて取り組んでいく。現在アメリカによる関税措置の影響を受け、世界経済の先行き不安定だが、経済産業省では先月対策本部を立ち上げ、全国約1,000カ所以上の特別相談窓口、さらには中小企業向けの資金繰り支援に取り組んでいる。」と声援を送った。
乾杯の発声は前会長の稲葉善治相談役が行った。宴もたけなわの頃、散会した。

三菱マテリアル 超硬ソリッドドリル“TRISTARドリルシリーズ”「DVAS」に最大DC20mmまでカバーするドリルを追加発売

三菱マテリアル 加工事業カンパニーは、このほど超硬ソリッドドリル“TRISTARドリルシリーズ”「DVAS」に工具径3-20mmまでをカバーする合計397アイテムを追加し、うち120アイテムを6月2日より、残る277アイテムを7月1日より発売開始を開始した。
超硬ソリッドドリル“TRISTARドリルシリーズ”「DVAS」は、穴加工の市場において、3つの星(ベネフィット)『高精度』『省工程』『長寿命』を提供すべく、新世代ドリルを“TRISTARドリルシリーズ”として誕生させた超硬ソリッドドリルで、今回は工具径3-20mmをカバーするサイズを追加した。
特長
① 求心性とチゼル強度を高いレベルで兼ね備えた新XRシンニングにより、低抵抗かつ優れた切りくず分断性能を実現。
② 新しい直線切れ刃が局所的な損傷を低減。
③ 進化した独自クーラント穴形状『TRI-Coolingテクノロジー』により、クーラント吐出量が従来の2倍以上を達成。切りくず排出性、切削熱の排熱性が格段に向上。
④ ガイド性に優れたダブルマージン仕様により優れた穴加工壁面と穴径精度を実現。
⑤ 工具径3-20mmをカバーするラインアップを追加。
■標準価格(税抜き価格)
・DVAS0300X03S040 DP1120:13,300円
・DVAS0900X03S090 DP1120:22,300円
・DVAS0900X05S090 DP1120:25,000円
・DVAS2000X05S200 DP1120:76,600円
MOLDINO アルファ高送りラジアスミル「TR4F」にインサートを追加 ~低抵抗「LFブレーカ」と軟鋼用新材種「JS4160」がTR4Fの適用領域を大幅に拡大!
MOLDINOがこのほど、好評のアルファ高送りラジアスミル「TR4F」にインサートを追加し、発売を開始した。
同社は、2020年4月より大荒加工用工具の決定版である高送りラジアスミル「TR4F」を販売しているが、高能率加工用に対応できるメリットが顧客から高い評価を博しており、以降数度のラインナップ追加を経て本日に至っている。一方、高能率加工に対応するためにインサートの刃先強度を高めた設計を採用したことから、機械の主軸負荷が高くなりやすい傾向があった。特に軟鋼や炭素鋼、鋳鉄などの比較的被削性が良い鋼種では競合品に対し切削抵抗が高く、本商品の特徴を発揮しきれないという課題が明らかになったことを受け、同社では、従来品よりも低抵抗な形状を持つ「LFブレーカ」付きインサートと、軟鋼や炭素鋼の切削に優れる新インサート材種JS4160を開発した。金型、金属部品の荒切削加工に威力を発揮する。
商品の特長とメリット
〈TR4F〉
1. 大物金型にも対応する、機械能力を最大限に引き出す高送り工具。
2. 断続切削でも欠け難く、壁際でも擦り難く、切り粉噛み込みリスクを低減する工具設計。
3. 高い切削性能と経済性を両立する片面4コーナインサートを採用している。
〈LFブレーカ〉
1. シャープな刃先とねじれ切れ刃形状を持ち、従来品比で大幅に切削抵抗を低減する。
2. 高能率条件下でも主軸負荷を低減し、長い突き出し量でもビビり振動を抑制する。
3. 快削刃形ながら一般的な断続切削にも対応可能である。
〈材種JS4160〉
1. 靭性と耐熱性のバランスに優れた超硬母材、耐熱性と耐溶着性に優れたコーティング膜の採用により高能率加工時において安定した長寿命を発揮する。
2. SS材、SC材、SCM材など35HRC未満の被削材の不安定加工や高能率加工に適しており、湿式加工にも対応する。
■仕様
LFブレーカ付きインサート:6アイテム
材種JS4160:6アイテム(内2アイテムは重複) 計10アイテム
■価格
¥1,650~¥2,160(消費税別)
サンドビック・コロマント新製品「CoroDrillⓇ DE10」を導入

サンドビック・コロマントがこのほど「CoroDrillⓇ DE10」の発売を開始した。同製品は、ドリルボディの寿命を大幅にアップするとともに、高い送りで安定した穴あけ加工を可能にするヘッド交換式ドリルで、旋盤加工、傾斜面の入り際抜け際、凹凸面、交差穴においても安定した性能を発揮する。
この製品は、特許取得済みのクランピングインターフェースを採用している。このインターフェースでは、ヘッドとボディとのコンタクト面を傾けることで、加工中に発生する力がヘッドを締め付ける方向にかかり、よりクランプ力が安定して維持され、予測可能な長いボディ寿命が期待できる。これにより、ドリル加工で重要な左右のバランスが取りやすい、スクリュー等のスペア部品が必要ない、迅速で簡単にヘッドの取り付け取り外しが可能、トルク管理が必要ない、といった従来のクランプ方式のメリットを持ちながら、課題となっていたドリルボディの寿命の短さや不安定さを解決する。
ヘッドは、中心部の食い付き性、コーナ部の強度を考慮した複数の先端角からなるジオメトリを持ち、求心性が格段に向上した。また、ヘッドコーナ部が強化され、高い切削条件により、コーナ部で溶着や逃げ面摩耗が集中しても、チッピングの発生を抑えることができる。さらに、ツイストクーラントチャネルと、切りくず処理と剛性を考慮したフルート形状により、突出しが長い加工でも切りくず詰まりのない安定した加工が可能である。突出し8Dにおいてもパイロット穴は不要で、サイクルタイムを短縮することが可能となった。
ラインナップは、ドリル径11.00-17.90(0.1mm刻み)、ドリルヘッドM5ジオメトリ、ドリルボディは円筒平取り付きシャンクISO9766準拠 加工深さは3D,5D,8D。2025年秋にドリル径9:00-10.90(0.1mm刻み)のドリルヘッドとドリルボディを導入予定。
三菱マテリアル WEBアプリケーション「Tool Assistant」に新機能追加! AIレコメンド機能を新たに搭載
三菱マテリアル 加工事業カンパニーは、このほどWEBアプリケーション「Tool Assistant(ツールアシスタント)」において、ユーザーの閲覧履歴や選定傾向に基づき、おすすめの工具を自動的に提案するAIレコメンド機能を新たに開発し提供を開始した。 「Tool Assistant 」は、これまで経験や勘に頼ることが多かった工具選定の現場において、誰でもベテランエンジニアのように、実践的かつ最適な工具を選定できるよう支援することを目的に開発されたWebアプリケーション。パソコン・スマートフォンのいずれからでも利用できる利便性に加え、今回のAIレコメンド機能の導入により、さらなる工具選定の効率化と提案品質の向上を実現する。 このAIレコメンド機能は、「加工内容から工具を探す」機能のうち、「ミーリング」加工の一種である「肩削り」に対応している。ユーザーがこれまで選択した工具の特徴をAIが学習し、最適な製品をレコメンドする。これにより、現場担当者はより短時間で、精度の高い工具選定を行うことが可能となる。 サービス開始時は特定の加工形態に限定して提供するが、顧客のニーズに応じて対象を順次拡大し、柔軟にサービスを展開していく方針。↓サイトはコチラ↓https://www.mmc-carbide.com/jp/ta
アマダプレスシステム 13軸制御 極細線用 2ポイント コイリングマシン「WH-2A」販売開始

アマダプレスシステムは、このほど、極小コイリングの高速・高精度加工を実現する13軸制御 極細線用 2ポイント コイリングマシン「WH-2A」の販売を開始した。コイリングマシンは、押しばねを得意とするばね成形機で、テーパー形状などの変形押しばねの成形も可能。
新商品の「WH-2A」は、一般的な極小押しばねだけでなく、2ポイントコイリング機構の4軸と初張力機構の2軸により、コイル外径や初張力を精密に制御できるため、精度が求められる医療用のガイドワイヤ成形にも適している。また、ガイドワイヤ成形に必要な周辺装置もオプションで用意している。
近年、モノづくりの現場では品質や生産性向上の要求のみならず、少子高齢化や熟練技能者の引退などの人手不足を背景に、自動化や段取りの簡易化に対するニーズも高まってることを受け、このような課題に対し同社の「WH-2A」は、独自のばね成形専用プログラム「MNO2」によるプログラム作成の簡易化や情報の見える化、高い再現性による段取り時間の短縮や作業軽減など、高効率生産 をサポートする。
主な特長
(1)高速・高精度加工の実現
2連フィードローラーユニットの採用により、ワイヤにかかるフィード圧の負荷を軽減し、安定したワイヤ送りが可能となった。また、高い分解能のサーボモーター制御により、精密な動作が 可能になり、高精度加工を実現する。さらに、標準搭載の画像計測システム「ZN-1」はカメラセンサーにより、自由長、コイル外径を瞬時に計測し分別する。ばねの加工状態は表やグラフで表示され、各軸の修正が可能である。
(2)段取り時間の短縮による生産性の向上
ロータリーカットとストレートカット、ウェッジピッチは偏心移動のみで、右・左巻きはプログラムのみで切り替えが可能。これにより、スライドの着脱など時間のかかる作業を削減でき、生産性が向上する。
(3)独自開発のプログラムによる作業効率の向上
ばね成形機専用プログラム「MNO2」は、プログラムの流れや各軸の動作状況、入出力、ジャンプ項目などが一目で把握できる。ナビシステム機能とタッチパネル仕様により、操作性が大幅に向上した。簡単にプログラムを作成でき、段取り時間を短縮する。また、IoTの活用により、マシンの稼働状況をスマートフォン・PCなどで監視でき、予防保全機能による定期的なメンテナンスで生産効率の向上に貢献する。
(4)省スペース化
オプションの小型自動線台「MK-1」をマシン後部に搭載可能で、設置面積の省スペース化に貢献する。13軸搭載でありながら、5軸制御極細線用1ポイント コイリングマシン「SF-1A」と同等のマシンサイズを実現した。

DMG MORI Digitalが工学女性プロジェクト「We are Engine.」ゴールドパートナーに協賛
DMG MORI Digitalは、このほど、北海道大学工学部、北海道新聞社、電通北海道が発足する“工学を目指す女性”を増やすプロジェクト「We are Engine.」の趣旨に賛同し、ゴールドパートナーとして協賛すると発表した。 内閣府の「男女共同参画白書(令和6年度版)」によると、日本の大学における工学部の女子学生比率は約16%にとどまっており、理学部(約28%)や農学部(約46%)など、他の理系分野と比較しても依然と低い水準にある。その背景には、女性ロールモデルとの出会いの機会が限られていることから、進路選択の段階で工学の具体的な魅力や将来の活躍イメージを持ちにくいという課題もあると考えらる。同社では、こうした状況に対応するため、「女性工学人材のロールモデルの可視化」に重点を置く本プロジェクトにおいて、同社からもITエンジニア女性のロールモデル社員が参加し、工学の魅力や可能性をより多くの女子生徒に届ける活動を支援していく。
アマダマシナリー 形鋼ドリル・バンドソー複合機「WS-700VP」販売開始

アマダマシナリーは、このほどWSシリーズの新たなラインナップとして、形鋼ドリル・バンドソー複合機「WS-700VP」の販売を開始した。
「WS-700VP」は、穴あけと切断の工程集約による省スペース化・省力化を、ニーズの多 い700サイズでも実現している。H形鋼やチャンネル、アングル、コラムなどの様々な形状のワークに対応し、連続加工と角度切断が可能だ。また、3軸ATC(自動工具交換装置の搭載により、段取り時間を削減する。さらに、従来とは反対のかきあげる方向に切断する、 逆仰角(ぎゃくぎょうかく)切断方式を採用した。バリの発生を大幅に抑制するとともに、切断面精度も向上する。
昨今、建設業界や鋼材業界においても、人手不足という社会課題の影響が顕著に現れ、自動化・システム化のニーズが高まっていることを受け、同社はこのような課題に向けて、穴あけ・切断の工程集約を推進することで、鉄骨一次加工における省力化・省スペース化に貢献する。
主な特長
1. 工程集約による省力化・省スペース化
同マシンは穴あけ・切断の工程を1台のマシンに集約し、作業効率や生産性を大幅に改善した。従来のストレートラインでは、穴あけ・切断それぞれ2台のマシンにオペレーターを配置する必要があったが、同マシンでは複合加工により作業の効率化を実現した。また、設置スペースは従来のストレートラインと比べて約30%減少した。
2. 自動ドリル交換による作業性向上
同マシンでは、V、R、Lの3軸にATC装置を搭載し、これまで手動だったドリル交換を自動化することで段取り時間を削減し作業効率を改善した。穴あけ加工中に待機軸のドリル自動交換も可能となり、加工時間も短縮できる。また3軸のATC装置には、異径ドリル、マーキングツール、タップツール、バリ取りツールなど各8本の工具が格納可能。工具冷却方式は水溶性切削油をミスト状にしてオイルホールより給油するセミドライ加工を採用し、環境面にも配慮している。
3. 切断面精度・品質の向上
逆仰角切断方式を採用し、かき上げる方向に切断することで、製品下面バリの発生を大幅に抑制する。さらに、切粉の巻き込みも抑制され、切断面精度が向上する。また、0°~最大45°の角度切断を自動旋回により行うことが可能である。
4. 送材装置、自動搬入・搬出装置
送材装置は位置決め可能な自走式キャレッジを採用。標準仕様で12000mmストロークをつかみ換えなく送材できるため、加工精度が向上する。また、尾端をクランプするグリップ部は、ワークに合わせ自動で位置決めと旋回が可能である。これにより、様々な種類とサイズのワーク送材に対応できる。さらにオプションの自動搬入・搬出装置により、ワーク搬入から製品仕分けまでを自動化し、稼働率の向上と作業者負担の軽減を実現する。

