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日本工作機器工業会 新会長に北川祐治 北川鉄工所会長
日本工作機器工業会が5月19日、東京會舘(東京都千代田区丸の内)で通常総会を開いた。今年は改選期にあたり、寺町彰博会長(THK会長)の後任に北川祐治 北川鉄工所会長が就任した。なお、18年間、同工業会の会長を務めた寺町前会長は理事顧問に就任した。副会長には黒田浩史 黒田精工社長、宮地茂樹 日本トムソン会長はそれぞれ重任し、新任として長濱明治 日研工作所社長が就任した。
工業会の発展に力を尽くしていく
懇親会であいさつに立った北川会長は、「工業会の発展に力を尽くしていきたい。」と抱負を述べた。
工作機器業界については、「自動車産業への依存度が非常に高く、工作機械業界と比べても成長の伸びが十分とは言えない状況にある」と現状を分析。その上で、「新たな分野への挑戦が重要になる。工業会として勉強会などの活動をさらに充実させ、各社が持つ技術を新たな市場や分野で活用できるよう支援していきたい」と語った。
また、会員企業の多くが地方に製造拠点を構えていることに触れ、「人口減少が進む中、人材の確保と育成は地方企業にとって大きな経営課題となっている。」と指摘。「こうした課題に対しても工業会として取り組みを進め、会員企業とともに業界の発展につなげていきたい」と意気込みを示した。
続いて寺町前会長が、在任期間を振り返りながら会員企業への感謝を述べた。寺町前会長は、「会長就任直後のリーマン・ショックに始まり、2011年の東日本大震災、自動車産業を取り巻くCASEの進展、2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大など、さまざまな環境変化に直面してきた」と回顧。その上で、「2025年には日本の自動車産業が大きな転換点を迎えており、業界を取り巻く環境は一層厳しさを増している。」との認識を示した。
また、新たに就任した北川会長に対して、「会員同士が切磋琢磨しながら学び合える機会を数多く創出してくれることを期待している。」とエールを送り、最後に、「18年間にわたり会長を務めることができたのは会員の皆さまのおかげ」と感謝を述べ、「18年間ありがとうございました。」と締めくくった。
続いて、新任の長濱副会長があいさつに立ち、「日本の工作機械、とりわけマシニングセンタの高精度な性能を加工物へ確実に転写するためには、工具やホルダをはじめとする先端部の動きが極めて重要だ」と強調した。
その上で、「加工システム全体の最適化を支えているのは、まさに機器工業会の会員企業の技術力だと自負している」と述べ、工作機械産業を下支えする周辺機器メーカーの役割の重要性を訴えた。
また、副会長就任にあたり、「工業会全体、さらには業界全体の発展に少しでも貢献できるよう力を尽くしたい」と抱負を語り、今後の活動への意欲を示した。
来賓を代表して経済産業省製造産業局の須賀 産業機械課長があいさつをした。この中で須賀産業機械課長は、「地政学的緊張の高まりや国際秩序の変化により、日本を取り巻く環境の不確実性が一段と増している。」との認識を示し。特に中東情勢については「エネルギーや原材料の安定供給を確保し、国民生活や経済活動への影響を最小限に抑えることは政府にとって最重要課題だ。」と強調。「必要な供給量の確保に向け、G7各国や国際エネルギー機関と連携しながら、国家備蓄や産油国との共同備蓄の活用を進めている。」と説明した。
また、調達先の多角化にも取り組んでおり、「米国をはじめ、サウジアラビアやUAEのホルムズ海峡代替ルートを活用した調達に加え、これまで取引の少なかった中央アジアや中南米諸国からの供給確保も進めている」と述べた。その上で、「あらゆる選択肢を排除することなく、代替調達に全力で取り組んでいる」と語り、エネルギー・資源の安定確保に向けた政府の姿勢を強調した。
乾杯の発声は黒田副会長が行った。縁もたけなわの頃、散会した。

日本金型工業会東部支部「第14回定時総会」開く
日本金型工業会東部支部(支部長=鈴木教義 鈴木社長)が5月15日、上野精養軒(東京都台東区上野公園)で「第14回定時総会」を開いた。
第1号議案「令和7年度事業報告承認の件」、第2号議案「令和7年度決算報告承認の件 同監査報告」、第3号議案「役員改選(案)承認の件」、第4号議案「令和8年度事業計画(案)承認の件」、第5号議案「令和8年度収支予算(案)承認の件」が上程され、それぞれ可決された。
第2部は特別講演会が開かれた。「既存事業の強みを活かし挑んだ継承後の現場改革」をテーマに、ミヨシの杉山耕治社長が講演をした。
第3部は交流会が開かれた。あいさつに立った鈴木支部長は、「無事総会も終了し、新しい期がスタートした。現在、各企業の現状は大変厳しいと感じている。原油の問題で製品が調達できない、他にも超硬の素材などが入りづらいなど、大変舵の取りにくい1年になるのではないかと感じている。また、昨年、下請法から取適法に名称が変わった。これも長年、地道に協力いただいた結果が成果に表れたひとつだと思う。東部支部としてもピンチをチャンスに変えるために取り組んでいきたい。」と力強く述べた。
来賓を代表して、経済産業省の長谷川 素経済産業室総括補佐があいさつをした。この中で長谷川総括補佐は、「世界情勢を俯瞰すると、地政学リスクの高まりより、日本を取り巻く経済環が依然として先行き不透明な状態が続いている。政府も今後経済活動に及ぼす影響を最小限とどめていく。また、エネルギーの安定供給の確保に向けた取り組みは、まず国家備蓄の活用、調達先の多角化、こういった観点からアメリカをはじめとして中東以外の地域からの代替調達を進めている。皆様でもお困り事があれば、遠慮無く経済産業省までご相談いただきたい。」と声援を送った。
乾杯の発声は牧野フライス製作所の宮崎正太郎社長が行った。縁もたけなわの頃散会した。
三菱マテリアル 自動盤・旋削加工向け工具などの新製品を一挙に展開

三菱マテリアル プロダクト領域 超硬製品事業部は、切削加工分野における製品ラインアップを拡充した。自動盤・旋削加工向け工具などの新製品を一斉に発売し、さまざまな加工ニーズに対応する。
新製品ラインアップの概要
① 鋼旋削加工用サーメット材種「MP3115/MX3115」
・サーメット組織の最適化により仕上げ加工を始めとした幅広い切削領域に適用可能。
・表面平滑化を極めたPVDコーティングにより、光沢仕上げ面を長時間維持。
・耐摩耗性と耐チッピング性の向上により、高水準の寸法安定性を実現。
② 非鉄金属旋削加工用DLCコーテッド超硬材種「LC2005」
・高硬度かつ高密着性を実現した薄膜の水素フリーDLCコーティングを採用。
・アルミニウム合金をはじめとする非鉄金属加工において、優れた耐摩耗性と耐溶着性を両立。
・高い加工品位が要求される高精度部品加工に最適。
③ 溝入れ・突切り旋削工具「GYシリーズ」小物高精度加工用ホルダ(新ホルダ追加)
・サブスピンドル対応、大径突切り加工用、内部給油式ホルダを新たに追加。
・補強されたあご構造により剛性が大幅に向上し、びびり振動を抑制。
・干渉を避けるための逃げ形状により、サブスピンドルとメインスピンドルをより近づけて加工可能。
・内部給油によりクーラントを刃先へ直接供給し、工具寿命と加工安定性を向上。
④ くし形刃物台自動旋盤用クイックチェンジシステム「Modular Micro」
・ヘッド部のみ着脱可能なクイックチェンジ構造を採用。
・繰り返し着脱精度5μm以内を実現し、刃先位置ばらつきを抑制。
・段取り時間を大幅に削減し、非加工時間の最小化による生産性向上に寄与。
⑤ 小物部品加工用ソリッドバー「ステッキィプラスシリーズ」
・最小加工径0.5mmから対応する小径内径加工用ソリッドバーをフルラインアップ。
・位置決め機構付き専用ホルダにより、簡便かつ高精度な段取りを実現。
・ボーリング、倣い、溝入れ、ねじ切りなど多様な加工に対応。
⑥ ヘッド交換式旋削工具「XBシリーズ」
・新規ねじ規格対応および溝入れサイズを追加し、加工範囲の拡張。
・ボーリング、バックボーリング、倣い加工用ヘッドを新たにラインアップ
・突出し量を自由に調整可能なフレキシブルホルダと専用スリーブを新規追加。
ダイジェット工業が「SIC-EVO」にロング刃長タイプを新規ラインナップ
ダイジェット工業がこのほど、好評を博している高能率肩削り加工用刃先交換式カッタ「SIC-EVO(SSV形)」に、ロング刃長タイプを追加発売した。
同製品は、高能率かつ安定した肩削り加工を実現する「SIC-EVO」シリーズの特長をさらに進化させ、より高能率な加工ニーズに応えるために開発された。特に、切りくず排出量の大幅な向上を可能にするロング刃長仕様への需要に対応している。
最大の特長は、インサートを強固に固定する完全二面拘束構造を採用したこと。加工時の安定性を高め、高能率加工を実現する。また、全てのポケットにクーラント穴を設け、各インサートへエアーや切削液を確実に供給。切りくずを強制的に排出することで、切りくず詰まりによるトラブルを抑制する。
さらに、シェルタイプの側面には背溝を採用し、切りくずが工具外周と接触することによる擦れを防止。切りくず処理性を向上させることで、安定した加工環境の構築に寄与する。
適用被削材は炭素鋼、工具鋼、プリハードン鋼、50HRC以下の焼入れ鋼、ステンレス鋼、鋳鉄、アルミニウム合金と幅広い。加工用途も平面削り、肩削り、溝削り、曲面加工、ポケット加工、ヘリカル加工など多岐にわたり、さまざまな加工現場での活用が期待される。
■サイズ・価格
【SIC-EVOロング刃長タイプ シェルタイプ】
・形番 SSVL形 ・サイズ φ50 φ63
・標準価格:162,800円、 179,200円(税抜き)
【SIC-EVOロング刃長タイプ シャンクタイプ】
・形番 SSVL-S形 ・サイズ φ32 φ40
・標準価格:72,800円,101,800円(税抜き)
アマダグループがアマダ・グローバルイノベーションセンター(AGIC)にて「AGIC特別イベント」を開催中!

アマダグループは、2026年9月に迎える創業80周年を前に、アマダ・グローバルイノベーションセンター(AGIC)で特別イベントを順次開催中だ。
イベントテーマは「SHAPE GLOBAL FUTURE まだないモノを、アマダとつくる。」。自動化の先にあるモノづくりの未来を見据え、最新ソリューションを集中的に紹介する。
本イベントでは、単なる商品紹介にとどまらず、実機デモンストレーションをはじめ、最新の加工技術や顧客の導入事例などを交えたテーマ別プログラムを実施。生産現場が抱える課題に対し、最新マシンの性能を最大限に引き出す運用方法や、自動化システムの効果的な活用法を提案する。
また、全工程の最適化に貢献する金型ソリューションや、工程改革・収益改善に直結する各種ソリューションも紹介。生産性向上と競争力強化に向けた具体的な取り組みを提案し、製造業の持続的な成長を支援する考えだ。
同社は創業80周年という節目を機に、顧客との共創を通じて次世代のモノづくりの姿を発信し、新たな価値創出につなげていく。
人手不足や技能継承、GX・DXへの対応が求められる中、自動化を超えた『生産革新』の具体像を提示する場として注目を集めそうだ。
主な見どころ


特別イベントスケジュール

なお、同イベントは事前予約制となる。問い合わせはアマダグループ営業所まで。
大垣精工 創業者 会長 上田勝弘氏「お別れの会」を開く

大垣精工、セイコーハイテックの創業者で取締役会長を務め、令和8年3月20日に88歳で亡くなった上田勝弘氏のお別れの会が、5月19日、大垣市内の大垣フォーラムホテルで開かれた。親交のあった多くの業界関係者などが参列し、遺影に献花をして故人との別れを惜しんだ。
上田氏は、1968年、大垣精工を設立、1984年にセイコーハイテックを設立し、2022(令和4)年に取締役会長に就任した。また、日本金型工業会会長、名誉会長、日本金型工業企業年金基金理事長、国立ソウル科学技術大学金型工学科名誉工学博士 教授など、業界の発展に尽力してきた。これらの功績がたたえられ、2019年 大垣市功労章、2013年 旭日中綬章、2005年 韓国大統領表彰受章(人材交流)、公正取引委員長表彰を受章した。
会場内には上田氏の映像とともに仕事に邁進する姿やプライベートを過ごす様子などが写されたパネル、愛用品などが展示され、参列者は懐かしみながら故人を偲んだ。
あいさつ 大垣精工 代表取締役社長 松尾幸雄
本日はご多用のところ、また遠方より特に韓国より30名の方が弊社取締役会長 故上田勝弘お別れの会にご参会賜り誠にありがとうございます。上田は今から58年前の1968年、当時7名とともに金型メーカーである大垣精工を創業し、その16年後には精工ハイテックを立ち上げました。
大垣精工では金型は国際商品だとの信念のもと国内外から積極的に受注し、特に韓国では大手財閥企業との営業に奔走しておりました。金型事業は政治の流れを受けやすく、厳しい局面も多くあり、特に1992年のバブル崩壊時には売り上げが大きく落ち込んでしまい、全くの異業種である体重計の開発にも挑戦しました。大きな成果には至りませんでしたが、それでも前を向き続けた会長の強さと楽観性には経営者として心から敬意を表します。
精工ハイテックではここぞと言うときには、設備投資を積極的に行い、幾度となく訪れた不況の波を乗り越え、大垣本社工場、アニール工場、長崎工場、沖縄工場をはじめとする6拠点を築きあげました。現在では、連結で260名の仲間を抱える企業に発展いたしました。
これもひとえに、長年にわたり、ご支援くださいましたお取引先各位、仕入れ先各位、行政機関各位、金融機関各位、株主の皆様のお力添えの賜です。ここに故人に変わりまして深く感謝申し上げます。
かつての会長は厳しい表情をされることも多く、近寄りがたいほどの威厳を持ち合わせておりましたが、近年は柔和な表情を見せてくださることが多く、その姿に触れるたび、年月の流れを感じております。
晩年は旅行を好み、亡くなる少し前には社員とともに長崎工場や北陸の温泉へ出掛けておりました。叶いませんでしたが、イタリアにも行きたいと話しておりました。
上田にとりまして大垣精工は人生を賭けて作り上げた作品そのものでした。私たちはその作品を受け継ぐものとしてより立派な作品へと作り上げていく所存です。役員、社員一同、上田が大切にしてきた企業理念、「いつの時代でも〝人〟が主役」を守り、さらなる社業の発展に向けて力を尽くして参ります。
ダイジェット工業が冨士ダイスと業務提携の検討開始
ダイジェット工業と冨士ダイスがタングステンとコバルトの使用量の削減を目的とした新合金の開発・販売に関する業務提携の検討を開始した。 両社は長年にわたり世界のものづくりを支えてきたが、超硬合金の主原料であるタングステンを巡る事業環境は大きく変化している。中国政府が2025年2月にタングステンを輸出管理の対象としたことで供給不安が高まり、価格も過去に例のない水準まで高騰している。 こうした状況を受け、同社は原料リサイクルの推進や製品ラインアップの見直しなどを通じ、限られた重要鉱物の有効活用に取り組んできた。また、タングステン代替材料の開発にも注力しており、2010年にはタングステンとコバルトを含まない合金「サーメタル」を開発・販売している。 一方、冨士ダイスもタングステンとコバルトの使用量を削減した新合金の開発を進めており、脱タングステンへの取り組みを業界共通の課題と捉える両社の方針が一致したことから、業務提携の検討に至った。 両社は提携を通じて、それぞれの技術力や経営資源を活用し、地政学的リスクの低減と収益拡大を図るとともに、持続的な成長による企業価値の向上を目指す。また、両社が開発したタングステン・コバルト使用量削減合金について、双方の販売ネットワークを活用した販路拡大の検討も進める方針だ。
アマダグループ 中期経営計画2030「Transform to AMADA 2030」を策定
アマダグループは、2030年度を最終年度とする5カ年経営計画「中期経営計画2030」を策定した。スローガンに「Transform to AMADA 2030 >> For Growth Acceleration ~変革を原動力に、新たな成長ステージへ~」を掲げ、収益構造の高度化と理念体系の再定義を通じて、持続的な成長を実現する企業への進化を目指す。 労働人口の減少やAI技術の進展、GX投資の加速、地政学リスクの高まりなど、製造業を取り巻く環境は大きな転換期を迎えている。こうした状況を踏まえ、同社は新たな長期ビジョンとして「生産革新と先端技術でモノづくりの課題を競争力に変える」を掲げた。顧客が抱える生産現場の課題を競争優位性へと転換し、持続的な成長を支援する姿勢を鮮明にした。 中期経営計画では、2030年度までの5年間を2つのフェーズに分けて展開する。2027年度までの「変革・成長期」では、新たに導入するビジネスユニット(BU)制とマトリクス組織の下で収益責任を明確化し、構造改革や収益力強化を推進する。続く2030年度までの「成長加速期」では、従来の機械販売を中心とした「モノ売り」に加え、AIや稼働監視などを組み合わせた「モノ×コト売り」への転換を加速し、非連続な成長の実現を図る。 投資面では、5年間で累計約1,500億円の成長投資を計画。研究開発の強化をはじめ、M&AやAI・DX関連投資など、競争力向上につながる施策を積極的に進める。また、配当と自己株式取得を合わせた5年間累計2,500億円以上、総還元性向120%程度の株主還元も計画している。 これらの取り組みにより、2030年度には売上高5,200億円、営業利益730億円、ROE10%以上の達成を目指す。 あわせて同社は、こうした変革と目標達成を確実にするため、創業から続くアイデンティティを「新たな価値に挑戦し 人と社会、地球のより良い未来を創る」というミッションとして新たに定義した。さらに、「創造と挑戦」「誠実と公正」「自己成長」の3つをバリューとして掲げ、グループ全体で共有する価値観を明文化。理念体系の再定義を通じて組織文化の強化を図り、変革を支える基盤づくりを進める。
ダイジェット工業 大幅増益!
ダイジェット工業(社長:生悦住 歩氏)がこのほど、2026年3月期(2025年4月1日~2026年3月31日)の連結決算を発表した。 同社グループを取り巻く経営環境は、雇用・所得環境の改善や政府の経済対策等により、ゆるやかな回復基調で推移したものの、中東情勢の緊迫化に伴う資源価格の高騰や米中の通商政策をめぐる動向など、景気の先行き不透明感が一層高まる状況となった。 このような情勢下で同社グループは、「MF-TOKYO2025」や「MECT2025」などの国内展示会に加え、ドイツで開催された欧州最大の国際金属見本市「EMO」にも出展し、国内外で販路の拡大に努めてきた。 切削工具では、主力の金型加工用工具において、アルミ高速加工用エンドミル「アルミジェット」や高送り加工用TA工具「マックスマスターミニ」など新製品の発売やラインナップの拡張を積極的に行った。また、耐摩耗工具については、同社独自の開発材料である高硬度・高抗折力合金素材において、高硬度と高強度の両立を実現し、耐摩耗性・耐衝撃性の両分野での特長を活かして、従来の金型素材では対応しづらい、EVやHEV用電池ケース金型等で成果を挙げ、販路を拡げた。 その結果、連結売上高は前年同期比5.7%増の9,292百万円となった。収益面では、売上高の増加や売上原価率が改善したことなどにより、営業利益は前年同期比195.8%増の648百万円、経常利益は同251.3%増の687百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同281.6%増の783百万円となった。 製品別売上高は、焼肌チップが前年同期比0.7%増の559百万円、切削工具は同5.4%増の7,658百万円、耐摩耗工具が同6.9%減の858百万円となった。 地域別売上高は、国内が前年同期比6.2%増の3,981百万円、北米向けが同3.5%増の1,117百万円、欧州向けが同4.6%増の1,401百万円、アジア向けが同6.6%増の2,761百万円、その他の地域向けが同14.8%減の31百万円で、輸出割合は前年同期に比べ0.2ポイント減少して57.2%となった。 今後の見通しは、長期化するロシア・ウクライナ情勢や中東問題、米中の通商政策をめぐる動向、さらにはこれらに起因する原材料やエネルギー価格の高騰等を注視する必要があり、不透明な経営環境が続くものと予想している。 このような中で同社グループは、EV化がもたらす自動車産業の構造変革に一層注視するとともに、流通チャンネル等を通じて顧客ニーズをつかみ、集めた情報を活かした戦略的な営業活動を行っていく。また、国内外の市場・顧客の新規開拓に向け、海外子会社や国内販売店等との連携も密にし、販売拡大を図るとともに継続的な品質改善、経費削減に向けた取組みを推進し、さらなる収益性の向上に努めるという。 これらにより、次期連結売上高は9,600百万円、営業利益400百万円、経常利益350百万円、親会社株主に帰属する当期純利益300百万円を予想している。為替レートは、1米ドル160円、1ユーロ185円を想定。
2026年4月分工作機械受注総額は1,889.7億円
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2026年4月分の受注実績は以下の通り。
2026年4月分工作機械受注総額は、1,889.7億円となった。受注総額で14カ月連続の1,200億円超え先月の1,934.7億円に次ぐ歴代に番目の高水準。
期末効果の剥落により前月比(▲2.3%)で3カ月ぶりに減少したものの、2カ月連続で1,800億円を超え、3月(1,934億70百万円)に次ぐ歴代2位の受注額となった。前年同月比(+45.1%)の増加率はコロナ禍のペントアップ需要が盛んであった2022年1月以来4年3カ月ぶりに4割以上となり、10カ月連続で増加した。中東情勢が世界経済に影響を及ぼす懸念がある中でも、北米及びアジアでは引き続き需要が旺盛で、若干出遅れ感があった日本及び欧州においても前向きな動きが広がりつつある。
内需は492.9億円(前月比△2.4% 前年同月比43.4%)となった。前月比3カ月ぶりの減少も、前年同月比は4カ月連続で増加。前月比でのマイナスは、年度をまたいだ季節的反動減。
外需は1,396.8億円(前月比△2.3 前年同月比+45.8%)となった。前月比は2カ月ぶり減少、前年同月比では19カ月連続増加。単月外需、1,000億円超えは7カ月連続、先月の1,430.0億円に次ぐ、歴代2番目の高水準。
4月の工作機械受注はいずれも前月比で微減も、前年同月比で+40%超えと高い水準で推移している。先行きは、内需では政策的支援効果、外需ではAI・ロボット関連需要の活況が国際情勢による不透明感を払拭し、さらなる設備需要の伸長が見込まれる。
受注額の月別推移

(出所:日本工作機械工業会)
4月分内需 492.9億円(前月比△2.4% 前年同月+43.4%)
内需総額は、492.9億円(前月比△2.4% 前年同月比+43.4%となった。
内需は、前月比で▲2.4%(3カ月ぶり減少)、前年同月比で+43.4%(4カ月連続増加)の492億86百万円で、昨年下期(364億円)、本年第1四半期(401億円)の平均受注額を大きく上回った。
業種別に見ると、「一般機械」(157億円)や「電気・精密」(78億円)では、データセンターに関連した、予備電源、液冷循環ポンプやバルブ、免振装置、流体軸受等の加工需要が広く見受けられる他、半導体製造装置や各種発電に関連した需要も高まっている。「自動車」(113億円)はモデルチェンジ需要の高まりから13カ月ぶりに100億円を超えた。「航空機・造船・輸送用機械」(38億円)は鉄道関連のスポット受注もあり7カ月ぶりに35億円を超えた。年度の期末明けにも関らず、主要4業種は「一般機械」を除き前月比で揃って増加した。
中小企業のユーザにおいては、年央に採択が予定される省エネ補助金への関心が感じられるが、全体的に繁忙感が高まる中で、補助金を待たず早めに設備投資に踏み切る動きも一部で窺える。
・⼀般機械は、需要が⼀進⼀退で推移も、前年同期比よりやや高い水準。期末効果の剥落が色濃く出た。
・建設機械は先月の期末効果が剥落し、やや減少幅が大きかったが、10億円超を維持。
・⾦型は、2カ⽉ぶりの15億円割れも、13億円は超えており、落ち込み度合いはまずまず。
・⾃動⾞向けは、前月比で3カ月連続増加、前年同月比も2カ月ぶり増加した。
・自動車部品、完成車ともに前年同月比の伸びが大きく、今後に期待。
・ICE関連投資が久しぶりに出現し、25年平均の73億円を一段高いレベルに押し上げている。

(出所:日本工作機械工業会)
4月分外需(1,396.8億円 前月比△2.3% 前年同月比+45.8%)

(出所:日本工作機械工業会)
外需総額は1,396.8億円(前月比△2.3% 前年同月比+45.8%)となった。
外需は、前月比で▲2.3%(2カ月ぶり減少)、前年同月比で+45.8%(19カ月連続増加)の1,396億81百万円となった。外需は昨年12月以降の各月が歴代1~5位を占めるなど歴史的な高水準で推移しており、4月の受注額は2位に相当する。
主な地域別にみると、北米(411億円)は、先月受注が大きく増加した「一般機械」や「商社・代理店」が前月比で下げたものの、航空・宇宙や自動車、電気・精密での好調が持続し、2カ月連続で400億円を上回った(同地域として歴代3位の受注額)。
欧州(203億円)は航空機や商社・現法でのストック増強が堅調で、前月比で3カ月ぶりに減少したものの、2カ月連続で200億円を上回った。
アジア(763億円)は主要市場で唯一、4月も前月比で増加し、2カ月連続で過去最高額を更新した(2カ月連続の750億円超)。中国(533億円)は「一般機械」がはじめて200億円を超える等、主だった業種が引き続き好調で、2カ月連続で500億円を上回った他(過去最高額)、インドも3カ月連続で70億円を超えた。
・⼀般機械は、前月比、前年同月比ともに4カ月連続増加、歴代最高の400億円超え。
・⾃動⾞は、前⽉⽐で2カ月ぶり減少も、前年同⽉⽐では15カ⽉連続増加し、2カ⽉連続250億円超え。
・電気・精密は、2カ月ぶり減少も、前年同月比では6カ月連続増加し、2カ月連続250億円超えと高い水準で推移。
・航空・造船・輸送⽤機械は、前月比、前年同月比2カ月連続増加し、歴代最高の150億円超え。
① アジア
アジア計は、歴代最高の760億円超えとなった。(2026年3月の750.9億円を更新)
・東アジアは、6カ⽉連続400億円超え、過去最高の604.9億円(2026年3月の562.1億円を更新)
・中国は、6カ⽉連続350億円超え、歴代最高の533.3億円(2026年3月の513.5億円を更新)
・その他アジアは12カ⽉連続の100億円超え。
・インドは前月比で大きく減少も、3カ月連続75億円超えと依然高い水準を維持。
② 欧州
欧州計は、2カ月連続の200億円超え。
・ドイツは2カ月連続の40億円超え。
・イタリアは2カ⽉連続の25億円超え。
③ 北米
北米計は歴代3番目の410.6億円
・アメリカは前月比で減少も、歴代2番目の高水準。
・メキシコは2カ月連続の20億円割れ。

(出所:日本工作機械工業会)
今後の見通し
設備投資の周辺環境を見渡すと、恒常的に自動化・高効率化、環境対応に関する需要が見られ、長らく設備投資を抑制してきたユーザを中心に老朽機更新の必要性が高まっている。
その上で、技術革新に対応するための投資、様々な動機から生産拠点を見直す動きが強力なドライバーとなり、これまで抑制されていた反動もあって、設備投資の大きな流れを生み出しつつある。
全体的に見て、データセンターや半導体製造装置に関する需要が、多くの地域で目につく。更に地域別に見ると、北米は、ジョブショップ、エネルギー、建設機械、自動車、航空・宇宙関連等で、引き続きハイレベルな需要の喚起が見込まれる。
欧州はドイツでの受注額がこのところ40億円前後で持続するなど復調しつつあり、イタリアやスペイン等でも設備案件が増加傾向にある。米国やドイツ、イタリア等では思い切った税制措置や利下げも追い風になっているものと思われる。アジアは、中国で引き続き、輸出向け自動車、通信機器、発電、ロボット等で需要の更なる高まり或いは高原状態の持続が予想される他、インドでも自動車・二輪車、農業機械、通信機器等各分野での活発な投資が見込まれている。。内需(日本)は、自動車関連需要が今後も持続的に増加した場合、「一般機械」など他分野での設備投資にも波及していくものと期待される。
中東情勢の影響
中東情勢を受けた発注の見合わせや先送りは今のところ少ない。一方、調達の面では、塗料希釈用のシンナー、潤滑油等各種油脂類の入荷で難儀している会員企業が少なくない。中小企業の外注加工先やユーザの中小企業はより厳しい状況にあると見られる。仮に事態が一段と悪化した場合、旺盛な需要に対してタイムリーに製品供給ができず、中小企業ユーザの老朽機更新の動きも妨げる結果となりかねない。
政府当局の目詰まり対策により、局所的に需給が緩和している様子も窺えるが、今後対策の一段の拡充が図られるよう期待する。
