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加工から変革へ! DMG森精機×東京大学「マシニング・トランスフォーメーション研究センター(MXセンター)」開設 ~MXを加速し、製造業の革新と持続可能な社会を実現~
DMG森精機(社長=森 雅彦氏)と東京大学(総長=藤井輝夫氏)は、製造業の持続的発展と課題解決を目指し、2050年を見据えた高効率化、省エネルギー、人材不足解消に取り組むことで製造業の革新を推進するため、東京大学の大学院工学系研究科(研究科長=加藤泰浩氏)内に、「マシニング・トランスフォーメーション研究センター(以下、MXセンター)」を開設することに伴い、3月9日、東京大学本郷キャンパスの安田講堂にて共同記者会見を開催した。開設は2026年4月1日を予定している。
同センターは、DMG森精機の寄付を原資として東京大学基金内に設置される「マシニング・トランスフォーメーション研究センター基金」を活用し、その運用益等を財源として長期にわたり安定的に運営する「エンダウメント型」研究組織として設計されている。これにより、中長期の視点で研究と人材育成を継続し、学術成果の創出と社会実装を同時に推進する。
工作機械は、高精度かつ高効率に製品を製造することで、人々の日常生活と社会を支えている重要性の高いものだが、DMG森精機は工程集約、自動化によりGXを実現した上で、DXを通じて生産工程を改善する仕組みとして、MX(マシニング・トランスフォーメーション)を推進しており、現在世界中で稼働する約500万台の工作機械を、最先端の工程集約機に置き換えることによって2050年までに100万台程度に集約できるとしている。その実現にはMXを支える継続的な技術革新が不可欠と考えており、こうした産業界の要請に対し、東京大学は基本方針「UTokyo Compass」を掲げ、多様な対話を通じて社会課題を解決する知の開拓を進めている。持続可能な社会の実現に向けたGX(グリーン・トランスフォーメーション)や、デジタル技術による変革にも力を注いでおり、企業の寄付を活用した「エンダウメント型研究組織」の設置など、財務基盤と研究体制の双方を強化してきた。
藤井総長は会見で次世代の研究者が独立し、自由な発想で個性的な研究に取り組める環境の整備について言及、そのための基盤として、大学が自らの裁量で長期的かつ安定的に活用できる基金「エンダウメント」の拡充に注力している現状を説明した。
また、日本の製造業が直面する国際競争力の低下や環境負荷増大等の課題にも触れ、「製造業における技術革新は、単なる生産性向上や効率化にとどまらず、業界が抱える多様な課題の解決が求められている」と述べ、新設されるMXセンターは「技術革新を牽引する拠点になる。学内外の多様な機関と連携し、学術的知見の創出と社会実装を一体的に進めていく。先端的なマシニング技術を駆使し、〝製造業の革新〟を実現することで、製造現場の課題解決、ひいては持続可能な未来社会の構築に貢献していく」として期待を込めた。
森社長は会見のなかで、「現在、我々のエンジニアが修理をしている工作機械は製造されてから25年から30年が経過している一方、現在納品している工作機械も今後25年から30年は確実に稼働し続ける。こうしてみると50年という長い時間軸で稼働している」としたうえで、「MXセンターでは、3〜5年という企業単独の開発サイクルでは難しい〝5年から20年先に使える技術〟を、東京大学とともにじっくり腰を落ち着けて開発していきたい」との思いを述べた。さらにAI研究との連携についても、「制御が複雑かつ精密になるほど、制御される対象にも極めて高い精密さが求められるため、進化し続けるAIの複雑な制御に応える工作機械の構築には一企業で制御しきれないほど膨大な変数が存在する。世界有数のAI研究を行う東京大学との共創により、技術的障壁を突破していきたい」とした。
また、10億円の寄付の背景について、「売り上げが5,000億円規模の企業でも、機を捉えてコミットメントすることで、10年、20年先の研究基盤を担保できる。MXセンターにて優れた研究成果と人材を輩出することで、未来への投資が可能であるという前向きな事例を示したい」と、次世代へ向け、決意を示した。
「産学協創」が本格化 その狙いとは
MXセンターでは学術知を社会に還元する「産学協創」の枠組みを深化させる中で、次世代の製造業を牽引する革新的な技術開発と、高度な専門人材の育成を目指す。
MXセンターは、MXの考え方を基盤に、工作機械の価値を将来にわたり高める研究を行い、技術革新を生み出す拠点となる。工作機械および加工プロセスを核に、機械工学を中心として精密工学、材料工学、制御工学、数理科学、データサイエンス等を横断する研究体制により、学術成果の創出と社会実装を一体で進める。東京大学内の複数の部門との連携に加え、行政・自治体を含む社内外の多様な関係者と連携し、専門知識を横断する研究活動を推進。また、産業界と連携した研究活動や、国内外の大学・研究機関等との協働も進めていく方針。
研究面では、切削・研削・積層造形(AM)等の加工プロセスを対象に、加工現象の可視化・モデル化を進めるとともに、工作機械・加工システム全体の高度化、デジタル技術を活用した設計・制御・運用の高度化に取り組む。さらに、金属加工を中心とする製造領域で得られる学術知見を、エネルギー・発電装置、航空、宇宙、医療、半導体等の成長分野にも展開し、高付加価値製品の供給や新たな産業創出に資する研究へと発展させていくことを目指す。国内外の大学・研究機関・産業界と連携し、研究成果の国際発信と社会実装を同時に進めることで、世界の製造業における標準化にも寄与し、日本の製造業の国際競争力強化に貢献していく。
人材育成では、DMG森精機と東京大学で連携し、ORT(On the Research Training)やセミナー、インターンシップ等を通じて、高度な技術専門性に加え、技術を俯瞰できる力を備えた人材の裾野を広げ、現場で活躍できる高度人材を大規模に育成することで、産業全体を支える基盤形成につなげていく。
DMG森精機と東京大学は、MXセンターを通じて、機械・材料・制御・数理・データ科学を融合した学術的知見の創出と、産学連携した社会実装を一体で推進する「学術と実装の融合」を強力に推進し、研究成果を研究室に留めることなく現場へつなげ、現場の課題を新たな学術の問いとして研究へ還流する循環をつくることで、工程集約・自動化・GXをDXで加速する次世代の製造業の実現に貢献する方針。
【東京大学・DMG森精機 MXセンターの概要】
名 称 :マシニング・トランスフォーメーション研究センター(MXセンター)
開設日 :2026年4月1日
センター長 :東京大学大学院工学系研究科 杉田 直彦 教授
所 属 :約11名
主な研究内容 :切削・研削・積層造形(AM)等の加工プロセスを対象とした加工現象の可視化・モデル化/工作機械・加工システム全体の高度化(精度向上・誤差補正・デジタルツイン等)/デジタル技術を活用した設計・制御・運用の高度化
人材育成 :ORT(On the Research Training)、セミナー、インターンシップ 等
Webサイト :http://www.mtrc.t.u-tokyo.ac.jp
ミネベアミツミ 大塚ローテック製腕時計「8号」に採用
ミネベアミツミが製造する世界最小ボールベアリングを含む極小ボールベアリングが、このほど国産時計ブランド 大塚ローテックの機械式腕時計「5号改」と「9号」に続き「8号」にも採用されたと発表した。
大塚ローテック」は、「時計界のアカデミー賞」と呼ばれているジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)2024のチャレンジ部門(3,000スイスフラン以下の時計部門)でグランプリを受賞した、現代の名工2である片山 次朗氏の国産時計ブランド。
今回、大塚ローテックが発表した機械式腕時計「8号」は、1時間に一度、ガラスの中で様々な動きが共演する独創的な表示機構を備えている。正時になると、アワーチャンネルによって時表示が瞬時に切り替わり、フライホイールと連動した分表示のフェーダーが60分から0分へ巻き戻る。側面はガラスになっており、2階建て構造の文字盤の間を、分を示すフェーダーレバーが通過する様子を見ることができる。また、文字盤上部には、90秒で1回転する秒ディスクが配置されている。
この複雑な動きを実現するため、「8号」の駆動にはMIYOTA製ムーブメントの上に大塚ローテック製モジュールを搭載しており、このモジュールの部品数は62点に及びます。この精緻なモジュールの中に、ミネベアミツミ製の世界最小の外径1.5mmのボールベアリングが1個、外径2.5mmのボールベアリングが2個採用されています。これら計3個の極小ボールベアリングが、複雑な機構の円滑で滑らかな駆動を支えている。
集まれ! 進化形企業! 「第61回機械振興賞」受賞候補者募集 ~令和8年4月1日(水)~5月29日(金)まで~

機械振興協会(会長:釡 和明氏)は、第61回機械振興賞の募集受付を4月1 日(水)から5 月29日(金)の期間で実施する。
募集の概要は以下の通り。
1.表彰対象
① 独創性、革新性および経済性に優れた機械産業技術の開発と実用化を通じて、新製品の創出、製品の品質や性能の改善、生産の合理化等に顕著に寄与した企業等と開発担当者。
② 継続的に行われた支援活動が、中小企業の優れた技術開発に大きく寄与した場合に支援を担当した支援機関やその担当者等。
2.募集の方法
受付期間は、令和8年4月1日(水)から5月29日(金)必着。(電子メールまたはネット便当で送付のこと。
「募集要領」および「応募書類の様式」は下記からダウンロード▼
https://www.jspmi.or.jp/tri/prize/boshu/
3.表彰の方法
(1)表彰対象の①の特に優秀とみとめられるものについて経済産業大臣賞および中小企業長官賞の授与を申請するものとし、機械振興協会会長賞、小規模事業者(中小企業基本法における小規模企業者)を対象とした審査委員長特別賞および奨励賞に対し、会長名の賞状を贈呈する。
(2)表彰対象②について、特に優秀と認められるものについて中小企業基盤整備機構理事長賞の授与を申請するモノとし、奨励賞に対し、会長名の賞状を贈呈する。
(3)経済産業大臣賞、中小企業庁長官賞、中小企業基盤整備機構理事長賞、機械振興協会会長賞、審査委員長特別賞を受賞する企業等に対し、記念盾を贈呈する。
(4)以下の受賞する研究開発担当者に対し、賞金を贈呈する。賞金の額は、経済産業大臣賞は80万円、中小企業庁長官賞は50万円、機械振興協会会長賞は30蔓延、審査委員特別賞は20万円(研究開発担当者が複数である場合も、これらと同額)、また、中小企業基盤整備機構理事長賞は30万円(支援担当者が複数である場合も、これらと同額)とする。
4.選考
機械振興協会会長が委嘱する学識経験者からなる審査委員会により行う。
5.受賞者発表
令和8年12月に発表の予定
6.問い合わせ先
機械振興協会 技術研究所 賞事務局
E-mail:prize@tri.jspmi.or.jp
2026年2月分工作機械受注総額は1,467.4億円
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2026年2月分の受注実績は以下の通り。
2026年2月分工作機械受注総額は、1,467.4億円となった。受注総額は3カ月連続の1,400億円超え、前年同月比では8カ月連続増加。2月単月として2018年の1,552億円に次ぐ2番目に高い受注額。2月の工作機械受注は内外需とも前年比でプラスと堅調に推移。受注の先行きは内需で政策的支援効果が見込まれ、外需の持続的な回復からさらなる設備需要の伸長に期待している。特に年度末の投資効果と外需のさらなる回復基調が景気の好循環につながり、次月も継続的に伸長すると期待。
このうち内需は、前月比で+13.9%(2カ月ぶり増加)、前年同月比は+10.1%(2カ月連続増加)の371億64百万円で、2カ月ぶりに350億円を上回った。昨年1年間の平均受注額(367億円)と同水準であり、外需と比べて力強さに欠けるものの、底堅く横這い基調で推移している。
業種別に見ると、「一般機械」(141億円)や「電気・精密」(58億円)では、AIデータセンターに関連した、予備電源、液冷ポンプ、流体軸受等の加工需要が広く見受けられる他、年明け以降、半導体製造装置や各種発電に関連した需要も徐々に広がりつつある。また、「自動車」(78億円)は月々の受注こそ一進一退ながら、モデルチェンジに関連した設備投資が継続している。
中小企業ユーザにおいては、3月下旬に公募が始まる予定の2025(令和7)年度補正省エネ補助金を見据え、当面の発注を控える様子も窺える。
外需は、前月比で▲3.0%(2カ月連続減少)、前年同月比で+29.8%(17カ月連続増加)の1,095億80百万円となった。昨年12月(1,187億円、歴代1位)、本年1月(1,130億円、歴代2位)より若干低いものの、なお歴代3位の高水準であり、5カ月連続で1,000億円を上回った。昨年の第4四半期以降、北米やアジアを中心に旺盛な状況が続いている。
地域別に見ると、北米(358億円)は、「金属製品」(102億円)が米国をはじめ域内3カ国全てで大きく増加し、はじめて100億円を超えたほか、「一般機械」(84億円)や「航空機・造船・輸送用機械」(50億円)も引き続きまとまった規模での受注が多く、北米全体として3カ月連続で300億円を上回った。
欧州(167億円)は、「商社・代理店」(29億円)にてストックを積み増す動きが窺えた他、「航空機・造船・輸送用機械」が3カ月連続で20億円を上回った。外需他地域との比較では盛り上がりに欠けるが、前年同月比は8カ月連続で増加するなど緩やかな改善が続いている。国別ではイタリアが前年同月比で8カ月連続増加するなど、季節要因にも大きな影響を受けず安定推移している。
アジア(552億円)は、中華圏の春節休みが影響し前月比で▲10.8%となったが、中国は「電気・精密」関連を中心に、連休入り直前まで活発な商談が続き、4カ月連続で370億円を超えた。また、インドも自動車や各種産業機械等での需要が持続し、11カ月ぶりに70億円を上回るなど、中核国が牽引して好調が持続している。
2⽉の⼯作機械受注は内外需とも前年⽐でプラスと堅調に推移している。受注の先⾏きは、内需で政策的⽀援効果が⾒込まれ、外需の持続的な回復から更なる設備需要の伸⻑に期待している。特に年度末の投資効果と外需の更なる回復基調が景気の好循環につながり、次⽉も継続的に伸⻑すると期待している。
受注額の月別推移

(出所:日本工作機械工業会)
2月分内需 371.6億円(前月比+13.9% 前年同月+10.1%)
内需総額は、371.6億円(前月比+13.9% 前年同月比+10.1%となった。
内需総額は前⽉⽐、前年同⽉⽐ともに増加と堅調な推移。主な需要業種は、低調ながらも⼀部に上向き傾向が⾒られる。今後の⾒通しとして、厳しさが続く現状から政策措置による強い回復に期待したい。
・⼀般機械は、需要停滞が続き⼀進⼀退で推移。次⽉以降は政策措置による⽼朽機更新と⽣産性向上の投資の持続化に期待。
・建設機械は3カ⽉連続5億円には届かず、前⽉⽐・前年同⽉⽐ともに減少と低調に推移。
・⾦型は、2カ⽉連続で14億円割れ、前年同⽉⽐も8か⽉ぶりに減少。
・⾃動⾞向けは、2⽉期としてみると依然低い⽔準ではあるが、前⽉⽐、前年同⽉⽐ともに増加している。
・依然低い⽔準ながら、能増投資(含新⾞対応投資)が昨年後半から継続的となり、今後に期待。

(出所:日本工作機械工業会)
2月分外需(1,095.8億円 前月比△3.0% 前年同月比+29.8%)

(出所:日本工作機械工業会)
外需総額は1,095.8億円(前月比△3.0% 前年同月比+29.8%)となった。
前⽉⽐は2カ⽉ぶりの減少も、前年同⽉⽐では17カ⽉連続の増加、5カ⽉連続の1,000億円超えで、2月期としては初めて1,000億円超えと好調な推移。外需は、国際情勢の不透明感が払拭されないなかでも、欧米の投資喚起策効果と、アジアで投資が持続し、増勢は増している。
・⼀般機械は、2カ⽉連続300億円を超え、2025年後半からの堅調な推移が持続。
・⾃動⾞は、前⽉⽐で減少も、前年同⽉⽐では13カ⽉連続増加し、7カ⽉連続200億円超え。
・電気・精密は、前⽉⽐で減少も、前年同⽉⽐では4カ⽉連続増加し、⾼い⽔準で推移。
・航空・造船・輸送⽤機械は、3か⽉ぶりの100億円割れ。
写真4
① アジア
アジア計は、通例春節の影響が色濃い季節であるも、初めて2月期に550億円超えとなった。
・東アジアは、4カ⽉連続400億円超え。(連続して400億円を超えるのは2021年3〜5⽉期以来)
・中国は、4カ⽉連続350億円超え。2⽉期としては初めて350億円超え。(350億円は、2009年〜現在までの⽉平均値)
・その他アジアは10カ⽉連続の100億円超え。
・インドは11カ⽉ぶりの70億円超え。2⽉期に70億円超えは初めて。
② 欧州
欧州計は、6カ月連続150億円超え。
・ドイツは2カ月連続の40億円割れ。
イタリアは3カ⽉連続25億円を下回るも前年同⽉⽐では8カ⽉連続増加と堅調な推移。
③ 北米
北米計は13カ月連続の250億円超。3カ月連続300億円超え。
アメリカは2025年12月期に次ぐ過去2番目の受注額。
・メキシコは2カ月ぶりの20億円超え。2月期の受注額としては過去最高額(2018年2月 20.9億円)

(出所:日本工作機械工業会)
今後の見通し
設備投資の周辺環境を見渡すと、恒常的に自動化・高効率化、環境対応に関する需要が見られ、長らく設備投資を抑制してきたユーザを中心に老朽機更新の必要性が高まっている。各国の通商政策や国際関係、主要業種の需要動向に不確実性がある中、依然として中小企業ユーザを中心に発注のタイミングを測る様子も窺えるが、世界各地で生産拠点の多角化・分散に伴う設備需要の増加も想定される。
米国は、原材料価格の高騰、トランプ政権の関税措置の動向に懸念を残すも、エネルギー、自動車、航空・宇宙関連等での旺盛な需要と、即時償却恒久化措置や利下げの後押しが引き続き高水準での受注持続に寄与すると思われる。
中国は、日本の国会に当たる全人代にて、2026年の経済成長目標が「4.5%~5.0%」と従前より引き下げられる等、厳しい経済状況が続いているものの、工作機械需要に関しては、「電気・精密」関連を中心に前向きに捉える会員が多く、4月に上海で開催されるCCMT展への期待も高まっている。
日本国内は、データセンターや半導体製造装置での需要拡大について前向きな見解を示す会員が増えている。また、自動車や航空・造船分野でも設備需要が窺え、例年同様に、期末の3月での受注増加が見込まれる他、第2四半期以降も受注水準の高まりが期待される。
但し現状においては、中小企業ユーザの多くは資金面の問題から、設備投資に関心があっても踏み出せず、数十年前に設備した老朽機を多く抱えている。日本製工作機械は、耐久性の高い基本設計ときめ細かなアフターサービスにより、中古機であっても一定水準の仕事をこなせるが、最新の工作機械と比較すると、複雑な加工形状への対応、省人化・高効率化、環境対応力等で歴然とした差がある。こうした老朽機を製造業の多くが長年使い続けた場合、最新機を多く導入している海外ユーザに劣後し、ひいては日本全体としての国際競争力の低下が危ぶまれる。
目下、公募開始に向けて準備が進んでいる2025(令和7)年度補正省エネ補助金では、工作機械について「工程集約型加工機」が初めて対象機種に含まれる等、老朽機更新を推進する視点が窺え、政府としても問題意識を共有されているものと認識する。
日工会は今後、補助金等の拡充に加え、税制改正においても継続的に老朽機更新への取り組みが進むよう、政府等関係先への働きかけを強めていく方針。
経産省・2026年1月度機械統計 機械工具生産動態調査
経済産業省の2026年1月度 機械工具生産動態調査(機械統計)は以下のとおり。

*機械工具(機械統計)との差はダイヤモンド工具のダイヤモンドドレッサー、グライディングホイール、カッティングソー、セグメント工具、その他ダイヤモンド工具。
*耐摩工具の一部はその他超硬工具に含まれる。
(表出所:日本機械工具工業会)
JTA環境調和製品が切り拓く、機械工具業界の未来 ~日本機械工具工業会の認定制度~ 『TAS14021:2025 JTA環境調和製品基準(JTA ECO PRODUCT Standard)』
(一社)日本機械工具工業会(以下JTA:Japan Cutting & Wear-resistant Tool Association)は、業界独自のエコラベリング制度として長年にわたり運用してきたJTA環境調和製品の認定基準、申請手続き、評価方法、及び環境ラベルの表示方法等を体系的に整理・定義し、日本機械工具工業会規格(TAS:Tool Association Standard)TAS14021:2024 JTA環境調和製品基準(JTA ECO PRODUCT Standard)の名称で2024年12月6日に制定・業界内外に公表した。その後、2025年11月21日には一部改正が行われ、最新版は「TAS14021:2025」である。TAS14021は、環境視点に基づく最初のTASであると同時に、機械工具カテゴリにおける唯一の環境配慮型製品の認定制度であり、他の主要国においても類例を見ない。本稿では、TAS14021制定の経緯、評価基準の構成、及び今後の制度的展望について概観する。
〈文:(一社)日本機械工業会 環境調和製品基準評価委員会 浅井純(エフ・ピー・ツール(株)〉
環境ラベルの国際的文脈
国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)では1993年に環境マネジメント分野の規格制定を目的として、207技術委員会(TC 207:Technical Committee 207)が組織された。TC 207が所管するISO規格群には14000番台の番号が付与されており、その中でも、「環境ラベルおよび宣言(Environmental labels and declarations)」シリーズには14020番台が割り当てられている。JTAが制定した「TAS14021」の規格番号もこの分類体系に由来している。参考としてISOの標準化で採用されている環境ラベルの種類と性格を表1に示す。なお、JTAは制度運営において独自の評価体制を有しているが、資金面および構成要員の独立性の観点から、ISOに基づく「第三者」には該当しない。
表1-ISO標準化における各種の環境ラベル
制度の履歴
TAS14021は、JTAの前身団体の一つである超硬工具協会(JCTMA:Japan Cemented Carbide Tool Manufacturer's Association)によって創設された「環境調和製品認定制度」を母体としている。2000年代初頭、JCTMA環境委員会では、地球温暖化対策の要請、希少資源の枯渇リスク、新たな化学物質規制への対応など国際的な情勢変化を背景に、業界の持続可能な発展を支える制度の構築が必要であるとの認識を深めていった。そして2004年より本制度の構想が始動した。制度設計に際しては、前述のISO14021を参照しつつも、生産材である機械工具固有の特性を考慮した独自の評価指標が導入された。2007年6月15日には第一回認定会議が開催され、これを皮切りに制度の正式な運用が開始された。
その後、JCTMAは日本工具工業界(JSCTA:Japan Solid Cutting Tools' Association)と統合し、2015年6月3日にJTAが設立された。この組織再編に伴い、当該認定制度はJTA環境委員会に継承され、現在に至るまで定常的に運用されている。すなわち本制度は、構想段階から数えて20年以上の歴史を有しており、JTAへの移行後も10年を経過する中で制度的成熟を遂げてきた。
評価基準および環境ラベル
TAS14021による認定方式は、「製品基準」及び「企業基準」の二層評価に基づくフレームワークを採用し、総得点に応じた認定ランク(環境ラベル)が付与される。評価項目および配点を表2に示し、評価結果に基づくランク区分を表3に示す。また、ランクに応じた環境ラベルを図1に示す。
表2-AS14021の評価項目及び配点

表3-TAS14021の環境マーク評価基準

図1-環境ラベル

設計思想
表2の通り、製品自体の環境負荷低減の特性に着目した「製品基準」に加え、企業の事業活動全般を対象とする「企業基準」の両面からの評価が求められる。これは、機械工具製造業のビジネスモデルに起因する。機械工具製品の環境影響は、顧客の使用段階に限定されるものではなく、原材料の調達、製造工程、物流、さらには廃棄およびリサイクルに至るまで、バリューチェーン全体にわたって発現する。従って、機械工具固有の価値提供と、その背景にある環境外部性との両立を図ることが、製品の地球環境保全への総貢献度を評価する指標となると考えた。さらに、事業活動の各プロセスを「地球環境保全」という視点で有機的に連携させることで、環境調和製品の創出に向けて、各部門が主体的に取り組むべきであるという認識が明瞭になることを意図している。なお、本制度はJTA会員以外の企業でもエントリー可能である。
将来の展望
これまで述べてきた通り、JTA環境調和製品は、機械工具業界における環境配慮の取り組みを制度的に支援するものであり、持続可能な社会への貢献を可視化したものと位置づけられている。しかしながら、環境マーケティングの観点から注目を集めてきたとは言い難い。
その背景には、機械工具は実用本位のカテゴリであることから、化学物質の含有情報など法規制に関わる事項を除けば、環境要素が製品選定の市場メカニズムの中で優先されてこなかった事情がある。とはいえ、ここ数年で情勢は様変わりした。カーボンフットプリント(CFP:Carbon Footprint of Products)やプラスチック製ケースの環境負荷低減など、業界に対する社会からの要求はますます多様化し、JTAでは環境対応がビジネス要件となるのは既定路線として受け止められている。
こうした潮流もあり、JTAでは環境ラベルの認知拡大の一施策として、2023年に環境省(大臣官房環境経済課)が所管するwebサイト「環境ラベル等データベース」にJTA環境調和製品の情報を掲載した。こうした見直しを契機として、認定制度はJTAの内部手順書としての位置づけから、公式に規格化して会員外にも公開する方針へと転換した。情報へのアクセス解放は、市場理解を深める試金石となる。今後は多方面からより多くのフィードバックを把握し、それを制度設計に反映することで、双方向の環境コミュニケーションが促進され、JTA環境調和製品及び環境ラベルの付加価値がさらに高まり、新たなステージへと進化していくと思われる。
サンドビック・コロマント 「CoroMillⓇ MR20」を新発売

サンドビック・コロマントがこのほど、新型ラジアスカッター「CoroMillⓇ MR20」の販売を開始した。この製品は、正面フライス、ポケット、プランジミリングなど多様な加工領域において、独自の最新テクノロジーを採用することで、これまでよりも工具寿命を延伸し、加工中のトラブルを防止する。これにより、顧客の加工部品あたりの加工コスト低減、生産性向上、消費エネルギーおよび工具消費量の削減といった高い持続可能性を提供する。
カッターボディには、チップとの接触面積を拡大し形状を最適化することで、応力集中を40%以上低減する革新的なチップシートを採用した。さらに、チップを簡単かつ確実に位置決めするロック機構を組み合わせることで、加工中のチップの微小な動きを抑制し、工具自体のロバスト性を大幅に向上させたことにより信頼性の高い加工を実現した。また、切れ刃振れ精度も従来品よりも大幅に改善し、工具寿命の予測可能性を高め、計画的で効率的な工具寿命管理に貢献する。
また、高生産性のために切削速度を大幅に上げることが難しいステンレス鋼(ISO-M)、耐熱合金(ISO-S)の加工においては、多刃クロスピッチ設計により優れた加工能率を発揮する。さらに、逃げ面側からクーラントを供給する画期的なアンダークーラント機構(DCX 50~80mm)を搭載し、効率的な冷却性能とクーラント吐出量の増加によって、チップの熱亀裂のリスクを最小化する。
チップは、ステンレス鋼(ISO-M)、耐熱&チタン合金(ISO-S)、鋼(ISO-P)加工向けに最適化された新型低抵抗ブレーカを備えた片面6コーナ仕様。特許取得済みの精密プレス技術「フラッシュライトテクノロジー」により、ダイレクトプレスでありながら研磨級と同等の精度を実現する。さらに、厚肉設計とすることで、耐欠損性と耐久性を強化し、安定した性能を発揮する。
ラインナップは、カッター径φ32~φ125㎜、シャンクは、アーバ取付け、円筒シャンク、Coromant Capto、EHカップリング、ねじ式カップリングの5種類を用意。チップは、12、16mmサイズを展開し、鋼(ISO-P)、ステンレス鋼(ISO-M)、耐熱合金(ISO-S)向けに最適化された30品目を取り揃えている。
ダイジェット工業 「マックスマスターミニ」を新発売

ダイジェット工業がこのほど、好評を博している高能率荒加工用刃先交換式カッタ「マックスマスター(GMX/MXG形)」に、小径多刃仕様の「マックスマスターミニ」本体(MXG-07形)及びインサート(ENMU07形)を新発売した。
この製品は、従来のマックマスターも高能率に荒加工ができることで好評だったが、「より高能率に粗加工を行いたい」、「小径タイプのラインナップの追加を希望」とのニーズを多く受けたことらか、これらを実現するべく開発したもので、炭素鋼、工具鋼、プリハードン鋼、焼き入れ鋼、ステンレス鋼、鋳鉄の平削り、曲面加工、ポケット加工、ヘリカル加工、溝削りに威力を発揮する。特長は以下の通り。
(1)従来品マックスマスター(GMX/MXG形)と比較して、小型インサート採用かつ小径多刃仕様により、さらに加工能率がアップ。
(2)インサートは、両面使用可能な4コーナ仕様で経済的(φ10本体に対応した両面4コーナ仕様のインサートは同社初登場)。
(3)高剛性な本体設計により、ボディの本体剛性は従来品比44%アップ。
(4)細目ねじの採用とクランプねじを太くすることで、ねじの折損を防止。並目ねじよりもかかり量が増加し、ゆるみを防止。
【サイズと価格】
■マックスマスターミニ モジュラーヘッドタイプ
・形番・サイズ:MXG-07形…φ10~φ16 (計4形番)
・標準価格:23,380円~40,440円(税抜き)
■マックスマスターミニ インサート
・形番:ENMU07T207ZER-PM ・材種:JC8118、JC8050
・標準価格:1,320円(税抜き)
アマダ土岐事業所が「ぎふ脱炭素トップランナー表彰」を受賞 ~99.8%のCO₂削減と先進的取り組みが高く評価~
アマダの主要生産拠点である土岐事業所、および同拠点内に所在するアマダツール土岐事業所がこのほど、「ぎふ脱炭素優良事業者」として認定された。その中でもアマダの土岐事業所は、特に優れた取り組みを行う事業者として、岐阜県が新設した「ぎふ脱炭素トップランナー表彰」を受けた。これに伴い、本年、2月20日に岐阜県庁にて表彰式が行われた。
「ぎふ脱炭素トップランナー表彰」は、岐阜県が県内の事業活動に伴う温室効果ガス排出抑制を促進することを目的に、先進的な取り組みを行う事業者を表彰する制度。土岐事業所は、サプライチェーン排出量の算定やカーボン・オフセットの実施に加え、温室効果ガス排出量を令和3年度比で99.8%削減した成果などが高く評価されたことにより、今回の選定となった。
設備面では、安価な深夜電力で蓄えた冷温熱を日中のピーク時に供給する「竪型水蓄熱槽・循環システム」を運用しているほか、事業所内の全照明をLED化し、センサーを用いた照明集中制御システムを導入することで大幅な電力量削減を図っている。さらに、再生可能エネルギーの導入も加速させるため、本年1月よりオンサイトPPAモデルを導入し、従来の300kWの太陽光発電設備に加えて新たに1,875kWを増設した。これにより、展示・商談施設を備えるテクニカルセンター棟においては、年間消費エネルギー量を上回る創エネを行い、自給率111%という高い実績を達成し、自給したクリーンエネルギーで全消費電力を賄うことで、実質的な「カーボンニュートラル」を実現している。
アマダグループは、自社拠点における環境負荷低減を加速させるとともに、製品の省エネ性能向上を通じて、顧客の製造工程における脱炭素化を支援していく方針。
DMG森精機「健康経営銘柄」に3年連続で選定、「健康経営優良法人(大規模法人部門(ホワイト500))」に4年連続で認定

DMG森精機がこのほど、健康経営に優れた上場企業として昨年に続き 経済産業省と東京証券取引所による「健康経営銘柄」に、3年連続で選定された。同銘柄は、社員等の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する健康経営の考え方に基づき、長期的な視点からの企業価値向上が期待される企業を、投資家にとって魅力ある投資対象として紹介されるもの。また、日本健康会議により、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する「健康経営優良法人(大規模法人部門(ホワイト500))」にも4年連続で認定された。
会社の安定した事業運営と持続的な発展成長にとって、社員が心身ともに健康であることは必要不可欠としている同社は、2018年に12時間勤務間インターバルを義務化、2019年に全社員に人間ドック方式の各種がん検診を含めた健康診断を個人負担額なく導入、2020年に敷地内全面禁煙化を実現し、さらに健康管理増進センターを設立している。2021年には「DMG森精機 健康経営宣言」を発表し、順次、社内健康データの見える化、ラインケアのヘルスリテラシー向上を目的とした管理職のためのWebinar研修の開始、要二次健診者の追跡や服薬アドヒアランスの確認、40歳未満有所見者に対する保健指導、運動・栄養教室の開催などを継続して実施している。
同社の健康経営の取り組みは昨年で5年目を迎え、健康施策を系統的かつ、より広い領域へと発展させてきた。有給休暇や育児休業の取得促進はワーク・ライフバランスの向上に寄与し、各種がん検診の負担ゼロなどの定期健康診断は、高い社員満足度を得ている。また、治療や育児・介護と仕事との両立支援や、女性特有の健康課題への理解も進み、職場のストレス対策にもつながっている。
同社では今後も経営理念に掲げる「よく遊び、よく学び、よく働く」を体現する社員の意欲的な働きに期待するとともに、会社をあげて組織的な健康増進施策を推進することにより、社員が高いワーク・エンゲイジメントを持ちながら、健康に個々の能力を発揮できるよう取り組んでいく方針。
