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豊田自動織機と日立建機がホイールローダOEM取引を開始

ジョブファイター
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 豊田自動織機(社長=大西 朗氏)と日立建機(社長=平野耕太郎氏)は、日立建機製ホイールローダのOEM取引契約を締結し、2018年4月より全国40社のトヨタL&F取扱店を通じて順次販売を開始する。

 今回対象となるホイールローダは、運転質量2トンから15トン、バケット容量0.3m3から3.0m3までの小型・中型クラス計10機種となる。各クラス最新の排出ガス基準への適合、低騒音型建設機械指定機であることはもちろんのこと、万が一の転倒事故や落下物からオペレータを保護するためのROPS・FOPSキャビンを選択可能で、安全面に配慮した製品となっている。また、オペレータが広い視野を確保できるよう、ガラス接合部をピラーレス化したワイドパノラマキャビンを採用することで、操作性も向上している。

 豊田自動織機は、これまでも小型ホイールローダをトヨタL&F取扱店を通じて販売していたが、近年の国内ホイールローダ市場が、小型クラスに加えて、土木建設業や産業廃棄物処理業を中心とした中型クラスも増加傾向にあり、今まで以上に幅広い品揃えが求められている状況を踏まえて豊富なラインアップを有する日立建機からOEM供給を受け、小型・中型クラスのラインアップ拡充を図る。

 一方、日立建機グループは、中期経営計画「CONNECT TOGETHER 2019」において、主力製品である油圧ショベルに続く製品として、ホイールローダ事業の強化に取り組んでいる。今回の物流関連の顧客を得意とする豊田自動織機へのOEM供給をはじめ、ホイールローダ事業の安定的かつ持続的な成長をめざしている。

 豊田自動織機と日立建機は、両社で共同開発したモータ一体型のハイブリッドエンジンを、日立建機のハイブリッド油圧ショベルZH200-6(2017年9月1日発売)に搭載し、現在好評販売中である。今回、ホイールローダでも協業し、互いの強みを持つ技術や製品・コンポーネントを相互に提供し合うことで、両社の更なる事業強化を図っていくとしている。

2017年11月分工作機械受注総額は1585.0億円 日工会 

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2017年11月分の受注実績は以下の通り。 2017年11月分工作機械受注総額は、1585.0億円(前月比+12.7% 前年同月比+46.8%)となった。初の1500億円超で過去最高額を2か月ぶりに更新(17年9月1491憶円。国内外の旺盛な需要に加え、大口受注が寄与。1000憶円超は13カ月連続。 内需は543.2億円(前月比△4.2% 前年同月比+20.8%)で、9カ月連続の500億円超。11月の500憶円超はリーマンショック以降で初。自動車や半導体関連など主要業種を中心に堅調。外需は1041.7億円(前月比+24.1% 前年同月比+65.4%)で、初の1000憶円超で過去最高額(従来:14年12月961.0憶円)中国の大口受注が押し上げるも、主要3極とも高水準の受注が継続。 国内外ともに今後も堅調に推移するものと期待。他方、各種海外リスクや、部品調達難に伴う納期の長期化などを注視。

11月分内需

543.2億円(前月比△4.2% 前年同月比+20.8%)。・3カ月ぶりの550億円割れも、9カ月連続の500憶円超。・前月比2カ月連続減少。前年同月比は10カ月連続増加。・11月としてはリーマンショック以降の最高額。国内需要は堅調持続。① 一般機械  227.7億円(前月比△8.6% 前年同月比+37.1%)  うち金型   23.2億円(前月比△9.1% 前年同月比+10.9%)② 自動車   178.6億円(前月比+0.9% 前年同月比+7.2%)  うち部品   127.4億円(前月比+4.2% 前年同月比+18.6%)③ 電気・精密 55.5億円(前月比△1.8% 前年同月比+44.6%)④ 航空機・造船・搬送用機械 15.3億円(前月比+13.9% 前年同月比△28.7%) 

11月分外需

1041.7億円(前月比+24.1% 前年同月比+65.4%)・初の1000憶円超で、過去最高額(従来:14年12月961.0憶円)・前月比2カ月ぶり増加。前年同月比12月連続増加。・アジアは中国の大口受注があり大幅増。欧州も高水準の受注が継続。① ア ジ ア:568.9億円(前月比+49.1% 前年同月比+147.2%)・東アジア:487.4億円(前月比+60.1% 前年同月比+154.6%)〈韓 国〉46.0憶円(前月比+24.4% 前年同月比+95.0%) 〈中 国〉412.1億円(前月比+73.0% 前年同月比+167.3%)・その他アジア81.4億円(前月比+5.6% 前年同月比+110.6%)〈イ ン ド〉24.1億円(前月比△18.9% 前年同月比+151.2%) 欧 州:197.1億円(前月比△18.9% 前年同月比+151.2%)〈ド イ ツ〉57.5億円(前月比+31.8% 前年同月比+24.5%)  〈イタリア〉34.8億円(前月比△9.9% 前年同月比+98.6%) ② 北   米:257.2億円(前月比+12.3% 前年同月比+47.9%)〈アメリカ〉220.9億円(前月比+12.1% 前年同月比+43.8%)〈メキシコ〉 20.6億円(前月比+31.5% 前年同月比+143.3%)

ヤマザキマザックが「TOUCH THE FUTURE 2018」を開催 ~3,200名を超える来場者が足を運ぶ~

 ヤマザキマザックが11月30日(木)から12月2日(土)までの3日間、美濃加茂製作所・ワールドテクノロジーセンタにて、「TOUCH THE FUTURE 2018(TTF2018)」を開催した。

 進化した3D金属積層造形などの付加加工技術や、最先端のIoT技術「Mazak iSMART Factory™」、同社のフラッグシップモデルであるINTEGREXシリーズの中から注目の新製品「INTEGREX i-500」、金型や微細・精密加工に特化した高速・超高精度 同時5軸加工機「UD-400/5X」、航空機部品などの高速・高精度加工を実現する 同時5軸横型マシニングセンタ「HCR-5000S」、多品種少量生産の自動化を一台で実現する 多段式ワークチェンジャー搭載 小型同時5軸加工マシニングセンタ「VARIAXIS i-300 AWC」等、国内初お披露目を含む最新鋭機種を多数展示した。

加工の解決策はここにあり!

中西常務執行役員営業本部長
中西常務執行役員営業本部長
 中西正純常務執行役員営業本部長は工作機械業界の景況について、「日本工作機械工業会が発表した工作機械の受注見通しは年初に想定した1兆3,500億円から1兆5,500億円と上方修正され、2016年実績1兆2,500億円に対して24%増の予想となっている。過去最高だった2007年1兆5,900億円に次ぐ受注レベルだが、1月~10月の累計受注額がすでに1兆3,212億円であり、11月も好調であった。12月もこの調子で推移すれば年間見通しの1兆5,500億円は達成できるか、あるいはそれを超える結果になるだろうと予想される方も多くおられる。」と明るい見通しを示し、受注が好調な要因については、「為替が昨年終盤より円安に推移し、EMS関連特需の発生、車の電子・電動化の加速、好調な半導体産業や欧州市場の好調維持、中国市場の好転などが考えられる。」とした。その一方で、「生産には苦労しているという実情がある。一部の部品が長納期化しており、リニアガイドなどは工作機械だけでなくロボットや半導体など様々な業界で使用されており、しばらくは需要が落ちないと見られることからその影響を危惧している。」と話した。また、2019年の見通しについては、「工作機械の主要部品の調達難による長納期化等リスク要因があるものの、自動車の好調が維持し、建機が復活しそうな雰囲気であり、オイル産業にも動きが見られることを考えると国内外とも好材料が多く、好調が維持すると見ている。」とした。

 今回の「TOUCH THE FUTURE 2018」の開催にあたり、同社では国内初披露となる今年のEMOで発表した最新機種と新製品など24機種を展示し、3日間で3,200名を超える集客があった。10月に開催されたMECTに出展されなかった新機種全てを展示し、来場者はそれぞれのニーズに合う最適な機種と最新のアプリケーションを見学した。

金型や医療分野で威力を発揮する「UD-400/5X」
金型や医療分野で威力を発揮する「UD-400/5X」
 特設コーナーでは「ここまで来たハイブリッド複合加工機による次世代加工」と「Mazak iSMART Factory™」におけるIoT自動化の活用事例をテーマとして専門担当者によるプレゼンテーションも開いた。

 今回の展示会で大注目したいのは、金型や医療機器分野で求められる微細・精密加工を高精度・高加工面品質で高速加工を可能にした「UD-400/5X」。俊敏な機械動作を支える高剛性機械構造は、完全左右対称の門形構造。機械重量も15000kgと同クラス機は最大の重量を誇る。軸芯冷却つき高剛性大径ボールねじを標準装備している。

技術者不足の解消にも有効な「QUICK TURN 250MSY+TA-12/200」
技術者不足の解消にも有効な「QUICK TURN 250MSY+TA-12/200」
 他にも多くの来場者が足を止めたのは、旋盤用自動化セル搭載 ミル付タレットCNC旋盤「QUICK TURN 250MSY+TA-12/200」。この登場で、多関節ロボットが安全、安心して簡単に導入、設置できるようになった。生産性を高めるだけでなく、技術者不足の解消に有効である。嬉しいことにロボットとストッカが一体化、ロボットに関する知識がなくても簡単に運用ができる。「SmoothG」に内蔵された専用アプリで、ティーチングレス・作業指示により簡単段取りも実現している。安全フェンスが不要で、コンパクトなフロアスペースと移設が簡単な自動化セルだ。

 製造業にとって厳しい競争を勝ち抜いていくための様々な解決策をたくさん用意した企画展示となっていた。

牧野フライス製作所が富士勝山オープンハウスを開催

セミナーの様子
セミナーの様子
 牧野フライス製作所が、11月28日(火)~29日(水)の両日、富士勝山事業所(山梨県南都留郡)で、最新マシニングセンタによる生産性向上を目的とした加工技術を紹介するオープンハウスを開催した。

 新製品の5軸制御横形マシニングセンタ「a500Z」ほか、5軸制御立形マシニングセンタ「DA300」、横形マシニングセンタ「a71nx」、横形マシニングセンタ「a81nx」、横形マシニングセンタ「a40」、立形マシニングセンタ「L2」が展示された。

 普段は見られない組立工場もオープンにした。工作機械を生産するための同社の設備も披露した。機外測定装置(ATOS+ロボット)は、材料の鋳肌面を3Dスキャナーでワークを旋回させ加工面を測定できる技術であり、スピーディに仕事をこなすことができる。また、同社では自社性の高品質焼入れの自動化技術を有しており、深さ・硬度が均一で高精度な焼入れを達成している。これにより同社のマシンは摺動面の長寿命化、高精度化を実現しており、来場者にマキノの生産技術がつまった設備を見せつけた。

 大型機をつくる工場内では天井高さ7.5m、空調±1℃に保たれていた。この空間にスパイラル状に空気が流れる仕組みだ。全長ストロークは20mの巨大マシンも見ることができた。

 開催中、1日2回実施されたセミナーのテーマは、「マキノの5軸加工機開発コンセプト及び最新技術による部品か高コスト削減のご提案」。多くの聴講者で賑わいをみせた。

今回の目玉である「a500Z」
今回の目玉である「a500Z」
 今回の目玉は、「a500Z」。このマシンは、俊敏な軸移動により、非切削時間を大幅に短縮していることに優位性がある。特に注目したいのは、ROIデザインの傾斜テーブル。C軸は傾斜構造を採用してイナーシャを小さくしている。DDモータと合わせて応答性の高い回転動作も実現した。

 横形マシニングセンタでイケールを使用した加工では情報位置で切削条件を落とす場合があったとのことだが、このマシンが高い切削条件での加工を可能にしている理由のひとつに、“傾斜テーブルとスラントベッドの組合せ”が挙げられる。パレットの周りは3方向がオープン。テーブルより上に干渉物はない。嬉しいことにプログラミングや取付具作成時の干渉把握が容易になる。

 工具交換時間の短縮にも注目したい。サーボ式ATCシャッタ、カム式ATC機構で、工具の長さに合わせてATCシャッタを最短幅で開閉するなど短時間で工具交換ができることも嬉しい。

 また、CCDカメラによる工具破損検出装置「Vision B.T.S(特許出願中)」を標準搭載。「Vision B.T.S」はATCマガジン内にあるため、サイクルタイムに影響を与えることなく、工具の状態を確認できる。非接触式なので、高価な工具を欠損させる心配もない。

 時は金なり――。「a500Z」は、無駄な時間を徹底排除し、生産性とともに経済効果を高めるためにつくられたマシンだ。

 なお、同社では、日刊工業新聞社主催の「2017年日本産業広告賞」において、雑誌部門で佳作、新聞部門でモノクローム広告賞 佳作を受賞している。

天田財団が創立30周年記念式典・平成29年度助成式典を開く ~助成件数94件、2億5000万円の助成~

 天田財団(理事長=岡本満夫氏)が、このほど平成29年度の前期助成テーマを決めた。助成総数は94件、助成金総額は2億4,179万円。昭和62年の設立以来、30年間で累計助成件数は1,553件、助成金総額は24億1,593万円となった。この財団は、金属等の塑性を利用した加工やエネルギー下での諸特性を利用した加工の研究に係る助成を通じて、金属等の加工に関する学術の振興と新科学技術の創出を図り、日本の産業と経済の発展に寄与することを目的とし、1987年に財団法人天田金属加工機械技術振興財団として設立。金属等の塑性加工分野における機械・加工システム技術に関する研究開発助成事業、並びにその普及啓発事業を開始したことからはじまる。また、1987年からは塑性加工分野へ助成を行い、2007年からはレーザプロセッシング分野へも枠を広げている。

 今回の研究開発助成の総額は82 件・2 億3,709 万円。内訳は「重点研究開発助成A(グループ研究)」が塑性加工 首都大学東京システムデザイン研究科 教授 楊 民 氏「デジタルプレス加工のプロセス見える化・知能化技術開発」1 件・計2,000 万円、レーザプロセッシング 理化学研究所 ユニットリーダー 杉岡 幸次 氏「複合超短パルスレーザ3 次元微細加工技術の開発と高機能デバイス作製への応用」1 件・計2,000 万円。

 「重点研究開発助成B(課題研究)」が塑性加工3 件・計2,980 万円、レーザプロセッシング3 件・計2,987 万円。「一般研究開発助成」が塑性加工33 件・計6,443 万円、レーザプロセッシング30 件・計5,400 万円。

「奨励研究助成A(若手研究者)」が塑性加工3 件・計599 万円、レーザプロセッシング5 件・計1,000 万円。奨励研究助成B(萌芽的研究)」が塑性加工3 件・計300 万円。

 国際交流促進助成の総額は12 件・470 万円。内訳は「国際会議等開催準備助成」が塑性加工2 件・計100 万円、レーザプロセッシング2 件・計100 万円。
 「国際会議等参加助成」が塑性加工3 件・計95万円、レーザプロセッシング5 件・計175 万円。

 

助成金額共に過去最高。テーマもレーザ関連を中心に広がる

あいさつする岡本理事長
あいさつする岡本理事長
 11月25日(土)、FORUM246(神奈川県伊勢原市)で創立30周年記念式典・平成29年度助成式典を開いた。

 あいさつに立った岡本理事長は、日頃のお礼を述べたあと、「当財団は1987年、現アマダホールディングスの創業者、天田勇の個人資産を基金として助成を通じてわが国の産業および経済の発展にいかに寄与できるかということを目的とし設立したもので、本日、創立30周年を迎えることができた。当初は塑性加工分野への助成だったが、その後時代の要請に応え、新たにレーザプロセッシング分野も加えて2011年に現在の公益財団法人天田財団へ移行した。本年度の助成件数は94件、金額が2億5,000万。ものづくりはわが国が最も得意とする分野であり、来るべきスマート社会においても、その唯一性を維持するためにも産学官スクラムを組んで、明確なるビジョンを掲げて行動することが肝要ではないかと思っている。」と述べ、産学官の連携による研究開発推進については、「規模の拡大と同時にステータスの研究の成果を掘り起こして、民間の企業を促進させることも重要なテーマではないか。その中のやっぱり一番大事なことは、産学官をいかにつなぐか。これも不在が指摘されている。創立30周年という節目の中で改めて財団の助成の在り方、世の中の動きにどう同調していくか。そこで天田財団がつなぎ役を積極的に引き受けていくことも大事ではないかと判断している。」とした。また、金属等の加工に関する優れた研究活動や国際交流への助成、その助成研究成果を産業界へ普及、啓発することについては、「当財団の社会的な使命であるといえる。本日の助成式典は、皆さまに天田財団の思いを受け止めていただき、この研究に対する、取り組んだ大事なスタートではないかと思っている。」とした。
 
 今回は、助成金額共に過去最高となった。テーマもレーザ関連を中心に広がりをみせており、岡本理事長は、「内容的にも医療用への応用など非常に注目されるものが多かったと聞いており、今後の成果報告が楽しみである。」期待を示したあと、「アマダは昨年創業70周年を迎え、そのアマダから誕生したこの天田財団が今年30周年を迎えることができた。財団の発展的な継続は、アマダグループの事業の発展、そして何といっても業績向上の利益を出していく必要性がある。昨年70周年を機に、変革と挑戦というテーマを掲げて、アマダグループは経営改革をしていく。」と意気込みを述べた。

 

来賓祝辞

経産省 岡本素形材産業室長
経産省 岡本素形材産業室長
 来賓を代表して、岡本繁樹 経済産業省素形材産業室長が、「本日、記念式典および助成式典が盛大に開催され、岡本理事長をはじめ助成をお受けになられる皆さまに心からお喜び申し上げる。また、岡本理事長は本年春、旭日中綬章を受章された。アマダホールディングスにおける社業での功績、貴財団において助成対象の拡大、産学交流、関係工業界との連携の強化などの功績によるものと存じている。あらゆる金属の素材に塑性加工の方法によって形状を付与し、川下の自動車、産業機械、電気通信機器などに部品として供給する素形材産業は、わが国ものづくりの優れた技術力と高い信頼性の基盤を支える重要なサポーティングインダストリーである。しかし、素形材産業は一般の人々からするとなかなか目に触れにくい産業であり、旧来型産業というイメージを持たれていることも事実であり、昨今では、素形材分野の研究者および研究室が減少してきているともいわれている。このような中、貴財団では昭和62年の設立以来、金属などの加工に係る優れた基礎技術の研究開発助成ならびに研究成果の普及啓発に取り組んでこられ、設立から30年の間に助成総額24億円以上を計上し、わが国ものづくり産業の発展に大いなる貢献を果たしてこられた。貴財団による取り組みに対し、改めて深く敬意を表する。」とあいさつをした。

日本塑性加工学会 古田会長
日本塑性加工学会 古田会長
 古田一也 日本塑性加工学会会長が学会を代表して「日本の経済、金属加工あるいは金属加工機の産業も少しずつ薄日が見えるようになったが、次の数年間は不確定の時代だともいわれている。このような面からものづくりは非常に大切である。日本は資源の少ない国であるから、資源を輸入していかに付加価値の高いメイドインジャパンの製品をつくる、ものづくりをするかということが課せられている。そのものづくりの中でキーとなるのは設計だとお答えのある方もいらっしゃると思うが、やはり加工技術、生産技術が非常に大切であろうと確信している。天田財団はその重要性を鑑み、大学ならびに公的研究機関の研究者に対して、研究支援あるいは国際人材を育てる意味での支援、国際交流にも積極的に助成をされた。支援された件数は1,600件を超え、金額ベースで24億円。改めて感謝する次第である。天田財団は金属加工の研究者を育て、金属加工の技術振興において大いに貢献をされた。」と感謝の意を表した。

日刊工業新聞社 井水社長
日刊工業新聞社 井水社長
 井水治博 日刊工業新聞社社長が、「天田財団の30周年にわたる業績は、多くの研究者らの研究推進、国際交流の支えとなり、またわが国の素形加工の発展に多大な貢献をされてきた。調べてみたところ、30年前、日刊工業新聞の1987年6月6日付に、今の天田財団である天田金属加工技術振興財団の発足、という記事が一面に掲載された。このとき、初代理事長の天田勇氏は、“素形加工機械に関する技術の向上を図り、わが国産業、経済の発展に寄与したい”という理念を語っていた。まさにこの30年間、この理念が脈々と受け継がれ、さらに創立20周年にはレーザプロセッシングの領域にまで助成の範囲を広げられるなど、事業の改革にも取り組まれて活発な研究支援活動が続けられてきたことに深く敬意を表したい。政治や産業界において人づくり改革が叫ばれる中、天田財団の支援活動は人材育成の面においても大きな功績を残されている。知性と経験、広い視野、そして人脈などを併せ持った研究者、あるいは技術者を金属加工業界に送り出してきた。そうした人材の活躍が日本の製造業の強さ、国際的な信用を高めているのは間違いないと思っている。」とあいさつをした。

アマダホールディングス 磯部社長
アマダホールディングス 磯部社長
 磯部 任 アマダホールディングス社長が、「天田財団は塑性加工とレーザプロセッシングという分野に特定して30年にわたり助成活動を続けており、このような特定分野に特化して助成を長く続けているのは世界的にも類を見ない非常に貴重な財団だと伺っている。これまで運営に当たってこられた理事長はじめ財団の皆さまのご努力と、選考委員の先生方に感謝申し上げるとともに、改めて敬意を表する次第である。わが国の産業界、特にものづくりの現場は、ただ今大変大きな変革を迎えている。まさしく激変の環境といっても過言ではない。IoT、インダストリー4.0に代表される情報化、AI主導化の進展は加速の一途をたどっている。また、金属加工の分野でも、軽量化、さらには環境に優しい新素材の多様等々、われわれとしても解決すべき課題は山積しているという状況である。加えて、昨今の働き方改革、労働時間の短縮というものへの対応は労働力不足へ拍車をかけており、自動化、省人化設備への対応は企業にとって必須の取り組みであると捉えている。このような中で、アマダグループの取り組として、主力のレーザ加工機は1980年から業界に先駆けて市場に投入している。現在、世界で約1,000台のレーザ加工機を納入しているが、従来のCO₂レーザからここ3~4年でファイバーレーザへと大きくシフトしており、現在、全体1,000台の中の63%がファイバーレーザへという構成比にまでになった。このCO₂からレーザへの変換というものは、当初のわれわれの想定をはるかに上回っているという状況である。この背景には、技術革新がもたらした圧倒的な消費電力の削減、さらには光品質の向上によってこれまで切断が難しかった材料、さらには板厚、厚い物を加工できるようになったことが要因であり、加えてさまざまな革新によって、コストの削減が図られてきたということが大きな要因ではないかと認識している。機械メーカーとしてやるべきことは、飽くなき技術革新の追求であり、その技術革新を市場に受け入れられる商品価値につくり上げて、お客さまにお届けすることがこの金属加工業界の発展と、ひいては日本の確固たるものづくりの地位向上に伝わる貢献ではないかと考えている。」と述べた。

アマダソリューションセンターを見学
アマダソリューションセンターを見学
 続いて、木内 学 東京大学名誉教授が「挑戦、そして限界突破への道」をテーマに記念講演が開かれたあと、平成29年度助成金目録贈呈式が行われた。その後、王 志剛 岐阜大学 副学長・教授が、平成26年度重点研究開発助成(塑性加工)成果報告「塑性加工における摩擦法則の確立」、門井浩太 大阪大学 接合科学研究所 准教授が、平成26年度一般研究開発女性(レーザプロセッシング)成果報告「レーザ溶機の凝固組織予測技術と凝固割れ発生防止法の開発」をそれぞれ講演とした。

 アマダソリューションセンターを見学したあと、懇親会が開かれた。宴もたけなわのころ、散会した。

三菱マテリアル 中部テクニカルセンターでオープンハウスを開催 

 三菱マテリアル 加工事業カンパニーが12月2日(土)~3日(日)の2日間、中部テクニカルセンター(岐阜県安八郡)で中部テクニカルセンター オープンハウスを開催した。
 次世代に向けた夢工具の展示や技術セミナー、同社最新工具によるデモ加工など、様々な催し物を行った。

 工作機械12台による加工実演、工作機械メーカー、パートナーとの協賛イベントや技術セミナー(航空機、最新切削技術)、技術相談会は大いに盛り上がりをみせた。また、景品多数のお楽しみ抽選会も来場者を楽しませた。

 OKKの「VM660R」を使用した「Qing NEO(切りくず吸引式工具)」加工実演では、被削ワーク上の切りくずを除去することでオペレータの切りくず接触の低減をアピール。これにより作業性向上と、切りくずの噛み込み防止で高品質な加工が実現することを披露した。

 他にもDMG MORIの「NLX2500Y/700」を使用し、S45C、SUS304を「JTバイトシリーズ」で加工し、三菱マテリアルならではの独創的なクーラント供給が生み出す加工時間短縮と工具寿命の延長を見せつけた。

 同社は切削工具の技術サポート拠点として国内2拠点のほか、アメリカ、スペイン、中国、タイにテクニカルセンターを配置している。東日本テクニカルセンター(埼玉県さいたま市大宮区)では、長年培ったノウハウや技術に基づき、最新の工作機械や各種分析評価機器およびCAM/CAEソフトフェアを駆使し、ソリューションを提供してきたが、本年、設立された中部テクニカルセンターではこれらの経験が活かされ、自動車や航空宇宙産業の一大集積地と発展する中部圏および西日本の顧客に最新の切削試験設備を活用し、各種ソリューションを提供している。

【小レポート】2017年国際ロボット展でコレを見た! ~不二越、デンソーウェーブ、ABB、安川電機、ファナック、KUKA~

 2017年国際ロボット展(主催:日本ロボット工業会、日刊工業新聞社)が、「ロボット革命がはじまった ~そして人に優しい社会へ」をテーマに、11月29日(水)~12月2日(土)までの4日間、東京ビッグサイトで開催した。この展示会は2年に1度開催する世界最大規模のロボットトレードショーで、今回で22回目を迎えた。

 今回の展示会は前回(2015年)を大きく上回り、612社・団体2775小間(前回446社・団体1882小間)の過去最大規模での開催となった。特に産業用ロボットメーカーによる大規模展示のほか、ロボットに関する要素技術は見所が満載。他にもトレンドの最新介護・福祉ロボット、災害対応ロボット、生活支援ロボットが一堂に揃った。

 産業用ロボットに関して小レポートする。

自動化は必至。時代はティーチングレス! アプリを動かすソフト関連の技術躍進が目立つ。

 ちょうどロボットの展示会の時に取材がたて込んでおり、会期中はほとんど東京にいなかった筆者。やっと見学に行けたのは12月1日。この日は金曜日ということもあって、ものすごい来場者数! いや、ほんと、カメラ撮影どころか、まともに歩くこともできません。パチンコ玉のように人の波にハジかれながら、フラフラと前に進みます。

 見学したいものはたくさんあった。初日から見学することが出来なかったこともあり、仲間や知人からは、「あそこのアレが面白かったよ」等々、いろいろ情報は聞いていた。これは短い時間でも確かめなければなるまい。

スマートグラスをかけてスタートボタンを押せば作業の指示が目の前に表示される。
スマートグラスをかけてスタートボタンを押せば作業の指示が目の前に表示される。
 まずは不二越のブースを見学。同社は総合機械メーカーというだけあって、強みの融合がさらなる強み。人と協働で作業をする技術を全面に押し出しています。新製品のロボット「CZ10」とスマートグラスを使用し、同一工程に、高速・精密なロボット作業と人の作業、例えば最終仕上げや検査などを行いましょう、というデモが展開されていました。スマートグラスをかければ作業内容を指示してくれるので楽ちんです。デモではスタートボタンを押すと、目の前には外部の風景と共に作業順列や確認作業が映し出され、指示される。これらは漏れや誤品を防止する、という狙いがあるようだ。電子基板組立の作業におけるデモを体験しましたが、指示通りに作業をすれば間違いがほとんどないので、様々な方が仕事に参加できるよう幅が広がるといった人と社会に優しいロボットでもあると感じた。
人が近づきすぎると自ら退避する。
人が近づきすぎると自ら退避する。
 他にも同社では驚く技術を披露していた。“人の接近を検出して退避させるロボットも先述の「CZ10」が大活躍。デモではミカンの箱詰め作業を披露していましたが、果物を視覚センサで認識し、取り出して箱詰めをする。人の接近を検知すると、即座に作業を停止。そこまでは、なんとなく他にもありそうですが、注目したいところは、その次! さらに人間が近づくと、干渉を避けるようにロボット自らが退避するのですから、これには驚いた。なんて優しいロボットなんだ! 近づくと止まるロボットはありますが、自らが避けてくれる、というロボットは聞いたことがありません。

複雑な指の動きは人間そのもの!
複雑な指の動きは人間そのもの!
 11月24日に、デンソーウェーブベッコフオートメーションエクサウィザーズがディープラーニングでロボットアームをリアルタイムで制御する双腕型マルチモーダルAIロボットを開発したとリリースし、今回の展示会でも大きな注目を集めました。デンソーウェーブはこのロボットを一目見ようとする来場者でいっぱい! このAIロボットの写真をよくご覧になっていただきたいのですが、人間の指そっくり! このように多指ハンドを装着した双腕型のロボットアームで、不定形物を扱う複数の作業をロボットに実行させるためには、膨大な量のプログラムを組む必要があったのですが、3社が開発したマルチーモーダルAIロボットには、ユーザーのプログラミングは存在せず、ディープラーニングとVR技術で、ロボットに作業を学習させることができるというから驚きました。
こちらはベッコフオートメーションのブースにて。複雑なプログラムを組む必要がないロボットに近未来を感じた。
こちらはベッコフオートメーションのブースにて。複雑なプログラムを組む必要がないロボットに近未来を感じた。
 この技術は、VR技術とロボット操作を連携させ、全天球カメラを利用した視覚と触覚に訴えるVRティーチングシステムによって、ロボットアームの軌道を直感的に教えられるようになり、記録された軌道とロボットアームやハンドから得られるセンサー情報をロボットに学習させることで複雑なプログラムを組む必要がなくなった、というもの。要するに人が人にものを教えるのと同様のことをロボットが出来るのですから、凄い時代になったものです。デモではサラダ美しく盛りつけることができました。


 続いて、ABBのブースに向かう。ABBとKAWASAKIの双腕ロボットのコラボ「ABB YuMuⓇ+Kawasaki duARoⓇ」が協働して基板上の微細な部品を組み立てています。従来、メーカーは人手による作業も必要でしたが、生産量の2倍~3倍の変動を強いられるメーカーにとって人手不足は悩みの種。こうした課題に対応するためのロボットは今後ますます必要になるでしょう。ちなみにKAWASAKIは、塗装ロボットを人が遠隔で教示し、スキルを覚えさせる実演をしていました。

 続いて向かったのは、安川電機。ミニカーの組立ライン(i³-Mechatronicsコンセプト)の人と協働デモンストレーションを行っていました。IoT・AIソリューションも分かりやすいと来場者の皆様にも評判。このi³-Mechatronicsコンセプトは、新たな産業自動化革命の自動化に向けた同社のソリューションで、ソフト面の進化が進んでいる印象を受けました。やはりロボットそのものの進化も重要ですが、アプリケーションの技術は今後さらに加速していくのでしょう。

 黄色といえばファナック。もう、人がすごくて、並ばないと見学できないほどの繁盛ぶりを見せてくれました。来場者にロボットがカップラーメンを手渡しています。この緑のロボットは、カバーも柔らかくできています。安全柵もありません。筆者もカップラーメンを貰い、お話しをお伺いしかったのですが、並ぶ時間がありませんでした。残念! 


 続いて拝見したのは、KUKA。ビールにつられました。ビールの栓をロボットが抜き、ビールを注ぎます。ちゃんとグラスを斜めにしているところもポイント。酔ったオジサマが乱暴にビールを注ぐのとはワケが違い親切丁寧です。最後に少し残ったビール瓶をシェイクして泡立て、今度はグラスを立てて注ぐ。泡だらけのビールや泡がないビールではなく、美味しいビールを注いでくれるのですから、なんてデリケートなロボットなんだ! と感動。ロボットはビンを戻して、注いだビールを持ち、外国なまりの日本語で「かんぱーい」と、見学者に手渡しします。ちなみにビールはドイツビールでした。来場者もロボットのオモテナシに心奪われた様子です。デザイン性もGOOD!

 あっという間に見学時間が終了してしまったのが残念でしたが、今回のロボット展では、自動化による取り組みが目立っていました。また、人に優しい協働ロボットも花盛りで、協働ロボットの場合は安全柵のないものがほとんど。人とロボットが安全に作業できるため、安全柵の必要がなくなれば、その分、工場内スペースの有効活用が期待できます。さらに、ロボット単体というよりもアプリケーションを動かすソフト関連の開発も今後ますます加速するだろうと感じました。

日本金型工業会が創立60周年記念式典並びに第44回「金型の日」記念式典を開催

 日本金型工業会(会長=牧野俊清 長津製作所会長)が、11月24日、東京都内のホテル インターコンチネンタル 東京ベイで創立60周年記念式典並びに第44回「金型の日」記念式典を開催した。

 第一部の記念式典は、橋本久義 政策研究大学院大学 名誉教授が「日本のものづくりを支えた金型産業」をテーマにした記念講演で開会した。開会の辞を60周年記念実行委員長の小出 悟 小出製作所社長が行い、続いて物故者へ黙祷が捧げられた。

日本金型工業会 牧野会長
日本金型工業会 牧野会長
 牧野会長が開会のあいさつをした。この中で牧野会長は、次のように述べた。
 「金型工業会が発足したのは機械工業振興臨時措置法という法律をあげることがきっかけとなった。機振法は機械工業をターゲットにしたらしく、機械産業のどれが伸びるかとしたところ、金型が入っていた。工作機械も工具も入っていた。精密金型合理化促進懇談会を立ち上げ、われわれの業界からは黒田精工が入られた。こうした中で金型が産業の中でどういう成長をするか。日本は金型を輸出しようと日本金型輸出株式会社をつくろう等の案も出されていたということもお聞きした。われわれにとっては、バブル景気やリーマンショック、また東日本大震災といった難しい問題もあったが、現在は乗り越え、順調に復興している状態ではないかと思っている。今年60周年記念事業として、金型マスター認定制度をスタートさせ、71名の金型マスターを認定することができた。今後の企業において業界のリーダーシップをとっていただくことも含め、単に技術だけではなくゼネラリストとして力を発揮して頂こうと期待をしている。」

経産省 岡本素形材室長
経産省 岡本素形材室長
 続いて60周年の足跡と成果の紹介を同工業会の中里 栄 専務理事が行ったあと、経済産業省製造産業局局長賞受賞者表彰、功労賞受賞者表彰、被表彰者の代表者謝辞が行われたあと、金型マスター認定者発表、金型の日優良従業員表彰、被表彰者代表者の謝辞、国家叙勲受賞者への記念品贈呈、会員増強協力者への感謝状・記念品贈呈、退任役員への感謝状授与が行われた。

 来賓を代表して、岡本繁樹 経済産業省製造産業局素形材産業室長が、「貴工業会は、金型製造業者の全国組織として昭和32年に設立され、以来60年にわたりあらゆる工業製品のマザーツールとして必要不可欠な金型を供給し、わが国の製造業全体の発展に多大に貢献をされた。これもひとえに歴代会長、役職員並びに会員企業の皆様も長年の努力の賜と深く敬意を表する次第である。」とあいさつをした。

山中 西部支部長
山中 西部支部長
 第二部の祝賀会に先立ち、山中雅仁 西部支部長(ヤマナカゴーキン社長)が、「諸先輩方がつくり上げたこの財産があり、今がある。」と感謝の意を表した。歴代名誉会長を代表して、上田勝弘名誉会長(大垣精工社長)があいさつをしたあと、牧野二郎 牧野フライス製作所前社長の乾杯の発声で開宴した。今回、アトラクションとして堀口莉絵さんのメゾソプラノ、神谷一帆さんの伴奏によってオペラが演奏された。カルメンより「ハバネラ」、イタリアナポリ民謡「私の太陽 オソーレミーオ」等の美しい歌声が会場内に響きわたった。

ユキワ精工が大径・長尺ワークに対応 ビッグボアタイプのCNC円テーブル 「BNC400」を発売

 ユキワ(社長=酒巻弘和氏)はこのほど、テーブル中心貫通穴径φ180で大径・長尺ワークにも対応可能なビッグボアタイプのCNC円テーブル「BNC400」を発売し、CNC円テーブルのラインナップを拡充した。

 CNC円テーブルは、専用コントローラや搭載機械のNC装置により、ワークの角度割出を行うための機器。新製品の「BNC400」は大径の中心貫通穴を設け、大径ワーク、長尺ワーク等、従来の円テーブルでは対応出来なかったようなワークに対応することが出来る。ワンチャックでの多面加工による工程集約、今まで出来なかった形状・寸法のワークへの対応で、ユーザー様の生産性向上に寄与する。

「BNC400」の特長

1.ビッグボア
 中心貫通穴がφ180と大きく、大径ワークや長尺ワーク等、多彩なワークに対応が可能。

2.多数ポートのロータリジョイントに対応
 大径の中心貫通穴により、多数ポートのロータリジョイントもコンパクトに納める事ができ、搭載スペースに制限がある専用機への搭載が可能。また多数ポートのロータリジョイントにより、多様な治具に対応可能となり、複雑な形状の部品加工にも対応可能。

3.強力クランプ・高剛性
 クラス最大 4,500N・mの高いクランプ力を誇る。(クランプ力 同社同サイズ製品比 約3倍)。また、特殊構造の採用で高い剛性を実現した。高クランプ力・高剛性により、重切削に対応可能、従来より条件を上げて加工を行う事が出来るため、サイクルタイムの短縮に寄与する。

4.油圧ユニット不要
 円テーブル本体にエアハイドロ機構を内蔵しており、エアを供給するだけで、円テーブルのクランプが可能。円テーブルのために、油圧ユニットを用意する必要がない。

5.抜群の防水性
 同社の特許であるオートエアパージを標準装備しているので、切削水に対しても抜群の防水性を誇る。クランプ用エアを接続するだけで円テーブル内部の圧力が上がり、且つ内圧を一定に保つことで外部からの切削液などの浸入を防ぐ。

仕様

問合せ先
本社営業グループ: TEL:0258-81-1111
東京営業所 : TEL:048-434-7101
名古屋営業所 : TEL:0561-64-0300
大阪営業所 : TEL:06-6748-2020
海外営業グループ: TEL:0561-61-1400

▼ホームページ
http://www.yukiwa.co.jp

三菱マテリアルが続々と新製品を発売 ~溝入れ突切りバイト「GWシリーズ」、低抵抗両面インサート式汎用正面削りフライス「WSX445」にアイテムを追加~

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=鶴巻二三男氏)が、このほど、溝入れ突切りバイト「GWシリーズ」、低抵抗両面インサート式汎用正面削りフライス「WSX445」にサーメット材種を追加し、販売を開始した。

溝入れ突切りバイト「GWシリーズ」

 溝入れ突切りバイト 「GWシリーズ」はシンプルでありながらも強固に取り付けられるクランプ機構を採用し、性能と操作性の両面で優れる、新しい溝入れ突切りバイト。このほど外部給油式に加え、すくい面と逃げ面に給油できる内部給油式の板バイトとツールブロック、クーラントホースキットも同時に発売した。

主な特長
 ① 抜けにくいテーパークランプやセーフティ・キー、凸面受けにより高信頼のインサートクランプを実現。
 ② レンチのワンアクションにより、容易にインサートの着脱が可能。
 ③ すくい面と逃げ面の両側から同時に給油する内部給油式板バイトは、効果的に切れ刃を冷却できるので、耐摩耗性が大幅に向上。
 ④ 内部給油式ツールブロックには6つのクーラント接続口と2つのクーラント出口を設置し、使用機械の取り付けに合わせたクーラントホースの取り付けが可能。
 ⑤ インサートには、優れた切りくず処理を実現するブレーカシステムを採用。

型番 :
・板バイト クーラント穴なし 8アイテム クーラント穴あり 8アイテム
・ツールブロック クーラント穴なし 4アイテム クーラント穴あり 4アイテム
・インサート 溝幅 2mmから5mm  52アイテム クーラントホースキット 12アイテム

標準価格(いずれも税抜価格)
・板バイト GWB26NA2-D36:14,400円
(代表型番) GWB32NA2-H60-C:25,500円
・ツールブロック GWTBN2020-B26:29,200円
GWTBN2525-B32-C:40,900円

・インサート GW1M0200D020N-GS  VP30RT:1,400円
GW1M0500H040L05-GM VP20RT:1,750円
・クーラントホースキット CS-1/8-200BS 30,300円

低抵抗両面インサート式汎用正面削りフライス「WSX445」にアイテムを追加

 三次元形状インサートの製造技術が向上しネガティブインサートによる正面フライスが市場に浸透している中、低抵抗両面インサート式汎用正面削りフライス「WSX445」は、ポジティブインサートとネガティブインサートの特長を融合。これにより、両面(4コーナ×2)使用できる経済性と従来成し得なかった低抵抗を実現させた。左勝手インサートとワイパーインサートのサーメット材種を追加し、使用用途をさらに拡大する。

主な特長
 ① サーメット材種は、仕上げ面に光沢が必要な加工や一般切削用として最適。
 ② サーメット材種「MX3020」は、耐摩耗性に優れ安定切削での寿命向上を実現し、「MX3030」は、耐欠損性に優れ断続切削加工に最適。
 ③ 「Lブレーカ」左勝手インサートは、切れ味重視の低抵抗タイプで、難削材の加工や機械・被削材の剛性が低い場合に最適。

型番
・ワイパーインサート「MX3020」材種 1アイテム
・「Lブレーカ」左勝手インサート「MX3030」材種 1アイテム

標準価格(いずれも標準価格)
・SNGU140812ANEL-L MX3030:1,380円
・WNGU1406ANEN8C-M MX3020:1,760円