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切削加工分野における新製品ラインアップを発売 ~旋削・穴あけ・転削・ホルダなどの新製品を一挙に展開~ 三菱マテリアル

 

 マテリアル プロダクト領域 超硬製品事業部が2026年4月1日より、新たに切削加工に関する製品ラインアップを拡充した。旋削・穴あけ・転削工具やホルダなどの新製品を一斉に発売し、さまざまな加工ニーズに対応する。

新製品ラインアップの概要

(1)転削加工用 PVDコーテッド超硬材種「MP1200シリーズ」
 ●新開発Gene‑Tenaxコーティングにより耐熱性・耐摩耗性・耐欠損性を大幅に強化。
 ●鋼・鋳鉄/ダクタイル鋳鉄・ステンレス鋼・チタン合金・耐熱合金に幅広く対応。
 ●工具選定をシンプルに、かつ安定加工・長寿命化に貢献。

(2)多機能肩削りカッタ「RS0112」(新カッタ+新インサート)
 ●新カッタ本体と新インサートを同時展開。
 ●切れ味・強度を最適化し自動化ラインに適応。
 ●寿命・加工面品位が従来比で大幅向上。

(3)スクリューオン式肩削りカッタ「ASX300」(新サイズ追加)
 多刃設計によりテーブル送りの向上を実現。
 ●連続的な切れ刃稜線により、底面・壁面の仕上げ面精度を向上。
 ●加工時間短縮と省エネに貢献。

(4)超硬ソリッドドリル“TRISTARドリルシリーズ”「DVAS」(アイテム追加)
 ●工具径φ3~φ20mmをカバーするラインアップにおいてシャンク径のレパートリーを拡充し、幅広い設備に対応。
 ●転造タップの下穴に対応した工具径をラインアップ。
 ●シャンク径のレパートリーを広げ、さらに幅広い設備に対応。

(5)高硬度鋼旋削加工用CBN材種「BC8200/MB8200 シリーズ」(BP ブレーカ追加)
 ●BP ブレーカが新たに追加され、3Dチップブレーカ(BP・BL・BR)がついにフルラインアップ。
 ●切込み量0.3 mm以下の条件において切りくず処理性向上を実現し高硬度材加工の安定性が向上。
 ●独自形状のすくい角・ブレーカ壁面により、びびり抑制と工具寿命延長を両立し、生産性向上に貢献。

(6)複合加工機・NC旋盤用「PSCホルダ」(GY・ISO・MMT 対応)
 ●既存の溝入れ用GY PSCホルダに加え、ISOおよびMMT(ねじ切り)用PSCホルダを追加。
 ●高剛性PSC仕様により高精度クランプと位置再現性を実現。
 ●溝入れ・旋削・ねじ切りをPSC規格で統一でき、段取り効率が向上。

(7)鋼旋削加工用 CVDコーテッド材種「MC6100シリーズ」(アイテム追加)
 ●耐摩耗性を高める“Super ナノテクスチャーテクノロジー”と密着強度を高める”Super TOUGH‑Grip“からなる「MC6100シリーズ」へのアイテム追加。
 ●大型片面インサートに、耐熱性に優れたMC6115/MC6125を拡充。重切削加工でさらなる長寿命を実現。

(8) 超耐熱合金旋削加工用コーテッド超硬材種「MV9005」(アイテム追加)
 ●ポジインサートなど36アイテムを新たに追加。
 ●超耐熱合金の高速加工に最適な材種MV9005において加工アプリケーションを拡大。
 ●加工時損傷主要因の酸化・摩耗・溶着に強く、加工能率の向上と長寿命を実現。

(9) 溝入れ突切り旋削工具GYインサート新材種「MY6125」
 ●CVDコーテッド超硬材種MY6125を追加。
 ●鋼加工に最適なコーティングにより耐摩耗性・刃先安定性が向上。
 ●溝入れ・横送りの高速加工で安定した長寿命を実現。
 

高硬度鋼用微細超深穴加工ドリル エポックマイクロステップボーラーHエボリューション「EMSBHE-ATH」にサイズを追加 MOLDINO

 

 MOLDINOがこのほど、高硬度鋼用微細超深穴加工ドリル エポックマイクロステップボーラーHエボリューション「EMSBHE-ATH」にサイズを追加し、販売を開始した。

 金型の製造コスト削減の一策として、熱処理後の鋼材(=高硬度鋼)を切削加工する“直彫り”がある。直彫りの中でも小径の深い穴あけは難易度が高く、金型製造の現場では細穴放電で加工するのが一般的であり、細穴放電は高アスペクト比の小径穴を加工できる反面、二次放電による加工品質の低下や、パイプ電極の寿命が短く頻繁な交換が必要となるため、常に人が機械についていなければならない等の課題があった。

 同社は高硬度鋼の小径深穴加工の直彫り化を狙い、それまでのドリル設計の常識を覆す独自の切りくず排出機構を持つ「エポックマイクロステップボーラーH EMSBH-ATH」の拡販を続けており、実際に採用したユーザーからは、「加工品質の向上や省人化を実現できた。」などの高い評価を得ている一方で、小径領域における60HRCクラスの焼入れ鋼での安定性の向上や、金型の各ピン穴加工をカバーする上でのサイズ拡大を望まれる声も寄せられていた。

 同社ではこれら課題解消のため、従来商品をポリッシュアップした新商品「エポックマイクロステップボーラーHエボリューション EMSBHE-ATH」を開発し2025年5月に発売に続き、注射針金型用ゲージピン穴規格に適合する118サイズを追加し発売した。

商品の特徴とメリット

(1)高硬度鋼の高精度微細深穴加工を実現するマイクロステップ加工専用の設計。
(2)独自の切りくず排出機構と刃形により、L/D=30の小径深穴の加工が可能。
(3)細穴放電に比べ、バリの抑制や穴精度・加工面が改善される。
(4)金型の各種ピン穴あけの切削加工化により、大幅な省人化・無人化が可能。
(5)表面処理の最適化により、60HRCクラスの高硬度鋼加工で安定性が向上。
(6)工具径のラインナップを大幅に拡大。ワイヤー放電やリーマに合わせた工具径の選択で後工程の取り代を調整できる。

■推奨できる加工用途
 注射針金型用ゲージピン穴を含む金型の各種ピン穴加工に代表される高硬度鋼の小径高精度深穴加工

■仕様(追加発売品)
 工具径:Φ0.1~2(242アイテム)

■価格
 6,900円~12,410円(消費税別)
 

テクノロジーサイクル「ギヤシェーピング」「ギヤブローチング」より多彩なギヤ加工を複合加工機NTXシリーズで実現 DMG森精機

 DMG森精機がこのほど、複合加工機でギヤ加工を実現する2種類のテクノロジーサイクル 「ギヤシェーピング」と「ギヤブローチング」をNTXシリーズ向けに開発したと発表した。 これにより複合加工機1台でさらなる工程集約が可能となり、同社が提唱するMX(マシニング・トランスフォーメーション)を推進する。

 近年、生産現場の人手不足への対応や、ワークの高精度化、リードタイム・仕掛在庫の削減などの要求に 伴い、従来は専用機を用いて工程分割していたギヤ加工も汎用的な工作機械1台に集約したいという要望が増えている。こうしたニーズに応えるべく、今回開発した「ギヤシェーピング」はギヤシェーパ加工、「ギヤブローチング」はブローチ加工を、汎用的な工作機械で実現。対話形式のガイダンスに従い、工具やワークの諸元、加工条件といった加工に必要な情報を入力することで、容易に加工プログラムの作成が可能となった。

 「ギヤシェーピング」では、ピニオンカッタを使用してギヤ加工を行う。そのため工具は従来使用していたギヤ専用機と兼用可能。同社独自の加工パスによるギヤシェーパ加工により、ギヤ精度等級はISO 8級を達成している。

 「ギヤブローチング」ではDMQPにも認定されているHORN社製の工具を用意しており、顧客のニーズに応じた最適な工具の提案も可能だ。

 Z軸の動きとワークのC軸割り出しを連動させた加工により、こちらもギヤ精度等級はISO 8級を達成している。

 「ギヤシェーピング」と「ギヤブローチング」によるギヤの加工方法が加わることで、複合加工機NTXシリーズにてさらに多彩なギヤ加工に対応するのは、ホブ加工やギヤスカイビング加工では難しかった小径、深穴、段付き形状への加工も可能となるため。

 これらのテクノロジーサイクルを活用することにより、複合加工機NTXシリーズ1台でターニング・ミーリング加工からギヤ加工までをワンチャッキングで実現できるため、工程間の手作業による段取り作業の削減や 高精度な加工を実現する。

 同社はこの他にも60種類以上の豊富なテクノロジーサイクルを用意しており、複雑な加工を容易かつ 短時間で実現するテクノロジーサイクルにより工程集約を促進し、顧客の生産性向上に貢献していくとしている。

▼動画はコチラ▼
ギヤシェーピング :https://www.dmgmori.co.jp/movie_library/movie/id=9065
ギヤブローチング :https://www.dmgmori.co.jp/movie_library/movie/id=9066

各テクノロジーサイクルの主な特長

(1)ギヤシェーパ加工を工程集約する「ギヤシェーピング」

・対話形式のガイダンスに従って容易にプログラムを作成
・ピニオンカッタを使用しての加工のため、ギヤ専用機と工具の兼用が可能
・深穴や段付き形状にもギヤ加工が可能


(2)ブローチ加工を工程集約する「ギヤブローチング」

・対話形式のガイダンスに従って容易にプログラムを作成
・DMQP認定のHORN社製工具をはじめ、最適な工具を同社が提案(1~4枚刃を選択可能)
・小径や深穴、段付き形状にもギヤ加工が可能
・ターニングセンタNLXシリーズでも新たに対応可能(FANUC製あるいは三菱電機製数値制御装置を搭載した製品のみ可能)

 

三洋化成工業がPPGとPOPを価格改定

三洋化成工業はポリウレタンなどの主原料である ポリプロピレングリコール(PPG)とポリマーポリオール(POP)の価格について、2026年4月納入分より、供給制限および1kgあたり150円引き上を実施する。現在、中東地域における情勢の緊迫化に伴い、石油化学製品のサプライチェーン全体で先行きが一層不透明になっている。同社においても、原料調達が困難な状況が続いており、一部原料については必要量の確保が難しいため、2026年4月以降のPPGおよびPOPの供給数量について、供給見合わせを含む制限を実施するとした。なお、今後の情勢によっては、5月以降に追加的な供給制限や価格改定等の措置を講じる場合がある。 

日本機械工具工業会 2026年2月分 会員統計生産額まとまる 

 日本機械工具工業会がこのほどまとめた2026年2月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。■生産額 切削工具 378.3億円(107%)、耐摩耗工具 33.4億円(109%)、総合計 418.8億円(107%)。■ドリル生産額 特殊鋼工具 13.2億円(118%)、超硬工具 45.2億円(121%)、ダイヤ・CBN 0.9億円(86%)、総合計 59.4億円(119%)。■エンドミル生産額 特殊鋼工具 4.4億円(92%)、超硬工具 39.8億円(105%)、ダイヤ・CBN 1.5億円(111%)、総合計 45.8億円(104%)。■カッタ生産額 特殊鋼工具 1.3億円(99%)、超硬工具 7.2億円(138%)、ダイヤ・CBN 0.4億円(115%)、総合計 9億円(129%)。■ギヤカッタ生産額 総合計 5.3億円(100%)。■ブローチ生産額 総合計 7.7億円(107%)。■ねじ加工工具生産額 特殊鋼工具 32.6億円(104%)、超硬工具 4.1億円(124%)、総合計 36.7億円(106%)。■バイト生産額 特殊鋼工具 0.1億円(85%)、超硬工具 8.7億円(111%)、総合計 8.8億円(111%)。■リーマ生産額 特殊鋼工具 1.1億円(106%)、超硬工具 2.6億円(107%)、総合計 3.7億円(106%)。■鋸刃カッタ生産額 特殊鋼工具 1.3億円(105%)、超硬工具 0.6億円(131%)、総合計 1.9億円(112%)。■インサート生産額 超硬工具 137.8億円(96%)、ダイヤ・CBN 20.3億円(104%)、総合計 158.1億円(97%)。■ボディ関係生産額 総合計 15.8億円(102%)。■超硬合金生産額 切削用 130.3億円(108%)、耐摩耐触用 17.6億円(119%)、総合計 150.3億円(110%)。  

MOLDINO アルファポリッシュミルVタイプ「ASPV」「ASPVmini」にサイズを追加 ~高精度インサートと多刃仕様ホルダの組み合わせで高能率仕上げ加工が可能に~

アルファポリッシュミルVタイプ「ASPV」「ASPVmini」

 

 MOLDINOがアルファポリッシュミルVタイプ「ASPV」「ASPVmini」にサイズを追加し、本年3月26日より販売を開始した。主に金型構造部の立壁・底面の高能率仕上げ加工に威力を発揮する。

 同社は2008年にアルファポリッシュミルVタイプ「ASPV」を発売し、主に金型構造部の仕上げ加工用途として顧客から長らく高い評価を頂いている。同商品は研削級の高精度なインサートと多刃仕様のボディを組み合わせることで、仕上げ加工におけるジレンマである加工精度と能率の両立を図る独創的な商品。2020年にはさらなる小径・多刃仕様で超硬エンドミルの置き換えも狙える「ASPVmini」を発売した。

 「これらASPVシリーズの標準在庫品の販売と平行して、欧州地域向け限定で開発したASPV高精度ボディの展開や個別ユーザーのニーズに応じた特殊品対応を進めた結果、これら地域限定品や個別対応商品の一部は世界市場でも拡販が見込めるという結論に至った」と同社。そこで、これら限定商品に加え、市場から要望が寄せられていたサイズやインサートを追加し、「ASPVシリーズ」ラインナップを大きく拡大して発売することになった。

特長とメリット

 (1)高精度インサートと多刃仕様ホルダの組み合わせにより高能率仕上げ加工が可能。
 (2)等高線による立壁・底面仕上げ加工の他、バーチカル加工にも対応。突き出しの長い立壁加工で有効に働く。
 (3)ソリッドエンドミルの置き換えが狙える小径品から大物ワークに有効な大径品、干渉回避に有効なサイズなど多様なバリエーション。
 (4)高精度ボディ(ASPV)は呼び径に近い刃径精度を持ち、加工後の削り残り量を低減。
 (5)豊富なインサート形状と材種ラインナップにより、鉄/非鉄を問わず幅広い被削材の高品位な加工を実現。

■仕様
 ホルダ:工具径Φ10~125
 インサート:11材種
 ※それぞれASPVシリーズ全体
 ラインナップ(ASPVmini)
 

DMG森精機 テクノロジーサイクル「グラインディング」研削加工を複合加工機NTXシリーズに集約

外径・内径・端面を高精度かつ高効率に研削加工


 

 DMG森精機は、このほど研削加工を汎用的な工作機械で実現するテクノロジーサイクル 「グラインディング」を複合加工機NTXシリーズ向けに開発したと発表した。これにより複合加工機1台でさらなる工程集約が可能となり、同社が提唱するMX(マシニング・トランスフォーメーション)を推進する。

 「近年、生産現場の人手不足への対応や、ワークの高精度化、リードタイム・仕掛在庫の削減などの要求に 伴い、従来は専用機を用いて工程分割していた研削加工も汎用的な工作機械1台に集約したいというご要望が増えている」と同社。

 研削加工を工程集約するテクノロジーサイクル「グラインディング」は、対話形式のガイダンスに従い、研削 条件などの加工に必要な情報を入力することで、プログラムの専門知識がなくても加工プログラムが作成できる。最大246本の工具収納に対応する大容量マガジンを搭載可能なNTXシリーズでは、オペレーターによる手作業での工具段取り替えを行うことなく、ツールチェンジャで外面・内面用研削といしといったさまざまな工具を入れ替えて研削加工が可能である。

 といしの研削能力の低下に繋がる、目つぶれ・目詰まりおよび外周振れを修正し、良好な切れ味を回復させるための加工(ドレッシング・ツルーイング)プログラム作成にも対応している。AEセンサを用いてといしとワークの接触検知を高精度に行うことが可能で、外径・内径・端面の研削加工を高効率かつ高精度に実現する。

 

従来工程との比較イメージ

 

 加工後の計測工程についても、ワークを機内にチャッキングしたまま行えるので、ワーク脱着の時間を削減し、加工精度の向上に貢献する。また、研削加工時に生じる微細な切りくず(スラッジ)への対策にも取り組んでいる。スラッジは工具寿命を縮め、クーラントの腐敗やワークの表面を傷つけて加工不良を招く要因となり、生産現場における大きな課題の一つ。同社では革新的な立型大容量クーラントタンクでスラッジと混入油を効率的に回収する「zero-sludge COOLANT pro」に、研削加工専用モデルを新たに開発した。ろ過精度 5μmのサイクロンフィルタを採用し、クーラントタンク内のスラッジを徹底的に除去することにより、スラッジに起因する加工不良の可能性を低減し、安定した面品位を実現する。

 テクノロジーサイクル「グラインディング」は、複合加工機1台で外径・内径・端面の研削加工を高精度・高効率に行うことができる。同社はこの他にも60種類以上の豊富なテクノロジーサイクルを用意しており、複雑な加工を容易かつ短時間で実現するテクノロジーサイクルにより工程集約を促進する。

動画はコチラ▼
https://www.dmgmori.co.jp/movie_library/movie/id=8585
 

主な特長

(1)対話形式のガイダンスに従って、ドレッシング・ツルーイング含めて容易にプログラムを作成
(2)NTXシリーズ等のマガジン・ATCを搭載した機種では多彩な研削工具をスムーズに交換して加工が可能
(3)AEセンサによる高精度な接触検知

 搭載可能機種は以下の通り。

 ■複合加工機:NTX シリーズ、CTX TCシリーズ
 ■5軸加工機:DMU / DMC duoBLOCK、DMU / DMC monoBLOCK、DMU / DMC Portal
 ■レーザ金属積層造形機:LASERTEC 3000 DED hybrid 2nd Generation

対象ワーク例

 

加工から変革へ! DMG森精機×東京大学「マシニング・トランスフォーメーション研究センター(MXセンター)」開設 ~MXを加速し、製造業の革新と持続可能な社会を実現~

東京大学 藤井総長(左)とDMG森精機 森社長(右)

 

MXセンターロゴ

 DMG森精機(社長=森 雅彦氏)と東京大学(総長=藤井輝夫氏)は、製造業の持続的発展と課題解決を目指し、2050年を見据えた高効率化、省エネルギー、人材不足解消に取り組むことで製造業の革新を推進するため、東京大学の大学院工学系研究科(研究科長=加藤泰浩氏)内に、「マシニング・トランスフォーメーション研究センター(以下、MXセンター)」を開設することに伴い、3月9日、東京大学本郷キャンパスの安田講堂にて共同記者会見を開催した。開設は2026年4月1日を予定している。

 同センターは、DMG森精機の寄付を原資として東京大学基金内に設置される「マシニング・トランスフォーメーション研究センター基金」を活用し、その運用益等を財源として長期にわたり安定的に運営する「エンダウメント型」研究組織として設計されている。これにより、中長期の視点で研究と人材育成を継続し、学術成果の創出と社会実装を同時に推進する。

 工作機械は、高精度かつ高効率に製品を製造することで、人々の日常生活と社会を支えている重要性の高いものだが、DMG森精機は工程集約、自動化によりGXを実現した上で、DXを通じて生産工程を改善する仕組みとして、MX(マシニング・トランスフォーメーション)を推進しており、現在世界中で稼働する約500万台の工作機械を、最先端の工程集約機に置き換えることによって2050年までに100万台程度に集約できるとしている。その実現にはMXを支える継続的な技術革新が不可欠と考えており、こうした産業界の要請に対し、東京大学は基本方針「UTokyo Compass」を掲げ、多様な対話を通じて社会課題を解決する知の開拓を進めている。持続可能な社会の実現に向けたGX(グリーン・トランスフォーメーション)や、デジタル技術による変革にも力を注いでおり、企業の寄付を活用した「エンダウメント型研究組織」の設置など、財務基盤と研究体制の双方を強化してきた。


 藤井総長は会見で次世代の研究者が独立し、自由な発想で個性的な研究に取り組める環境の整備について言及、そのための基盤として、大学が自らの裁量で長期的かつ安定的に活用できる基金「エンダウメント」の拡充に注力している現状を説明した。

 また、日本の製造業が直面する国際競争力の低下や環境負荷増大等の課題にも触れ、「製造業における技術革新は、単なる生産性向上や効率化にとどまらず、業界が抱える多様な課題の解決が求められている」と述べ、新設されるMXセンターは「技術革新を牽引する拠点になる。学内外の多様な機関と連携し、学術的知見の創出と社会実装を一体的に進めていく。先端的なマシニング技術を駆使し、〝製造業の革新〟を実現することで、製造現場の課題解決、ひいては持続可能な未来社会の構築に貢献していく」として期待を込めた。

 森社長は会見のなかで、「現在、我々のエンジニアが修理をしている工作機械は製造されてから25年から30年が経過している一方、現在納品している工作機械も今後25年から30年は確実に稼働し続ける。こうしてみると50年という長い時間軸で稼働している」としたうえで、「MXセンターでは、3〜5年という企業単独の開発サイクルでは難しい〝5年から20年先に使える技術〟を、東京大学とともにじっくり腰を落ち着けて開発していきたい」との思いを述べた。さらにAI研究との連携についても、「制御が複雑かつ精密になるほど、制御される対象にも極めて高い精密さが求められるため、進化し続けるAIの複雑な制御に応える工作機械の構築には一企業で制御しきれないほど膨大な変数が存在する。世界有数のAI研究を行う東京大学との共創により、技術的障壁を突破していきたい」とした。

 また、10億円の寄付の背景について、「売り上げが5,000億円規模の企業でも、機を捉えてコミットメントすることで、10年、20年先の研究基盤を担保できる。MXセンターにて優れた研究成果と人材を輩出することで、未来への投資が可能であるという前向きな事例を示したい」と、次世代へ向け、決意を示した。

「産学協創」が本格化 その狙いとは

 MXセンターでは学術知を社会に還元する「産学協創」の枠組みを深化させる中で、次世代の製造業を牽引する革新的な技術開発と、高度な専門人材の育成を目指す。

 MXセンターは、MXの考え方を基盤に、工作機械の価値を将来にわたり高める研究を行い、技術革新を生み出す拠点となる。工作機械および加工プロセスを核に、機械工学を中心として精密工学、材料工学、制御工学、数理科学、データサイエンス等を横断する研究体制により、学術成果の創出と社会実装を一体で進める。東京大学内の複数の部門との連携に加え、行政・自治体を含む社内外の多様な関係者と連携し、専門知識を横断する研究活動を推進。また、産業界と連携した研究活動や、国内外の大学・研究機関等との協働も進めていく方針。

 研究面では、切削・研削・積層造形(AM)等の加工プロセスを対象に、加工現象の可視化・モデル化を進めるとともに、工作機械・加工システム全体の高度化、デジタル技術を活用した設計・制御・運用の高度化に取り組む。さらに、金属加工を中心とする製造領域で得られる学術知見を、エネルギー・発電装置、航空、宇宙、医療、半導体等の成長分野にも展開し、高付加価値製品の供給や新たな産業創出に資する研究へと発展させていくことを目指す。国内外の大学・研究機関・産業界と連携し、研究成果の国際発信と社会実装を同時に進めることで、世界の製造業における標準化にも寄与し、日本の製造業の国際競争力強化に貢献していく。

 人材育成では、DMG森精機と東京大学で連携し、ORT(On the Research Training)やセミナー、インターンシップ等を通じて、高度な技術専門性に加え、技術を俯瞰できる力を備えた人材の裾野を広げ、現場で活躍できる高度人材を大規模に育成することで、産業全体を支える基盤形成につなげていく。

 DMG森精機と東京大学は、MXセンターを通じて、機械・材料・制御・数理・データ科学を融合した学術的知見の創出と、産学連携した社会実装を一体で推進する「学術と実装の融合」を強力に推進し、研究成果を研究室に留めることなく現場へつなげ、現場の課題を新たな学術の問いとして研究へ還流する循環をつくることで、工程集約・自動化・GXをDXで加速する次世代の製造業の実現に貢献する方針。

【東京大学・DMG森精機 MXセンターの概要】
名 称 :マシニング・トランスフォーメーション研究センター(MXセンター)
開設日 :2026年4月1日
センター長 :東京大学大学院工学系研究科 杉田 直彦 教授
所 属 :約11名
主な研究内容 :切削・研削・積層造形(AM)等の加工プロセスを対象とした加工現象の可視化・モデル化/工作機械・加工システム全体の高度化(精度向上・誤差補正・デジタルツイン等)/デジタル技術を活用した設計・制御・運用の高度化
人材育成 :ORT(On the Research Training)、セミナー、インターンシップ 等
Webサイト :http://www.mtrc.t.u-tokyo.ac.jp
 

ミネベアミツミ 大塚ローテック製腕時計「8号」に採用

「8号」(左)と、ミネベアミツミの世界最小ボールベアリングと極小ボールベアリング(右)

 

 ミネベアミツミが製造する世界最小ボールベアリングを含む極小ボールベアリングが、このほど国産時計ブランド 大塚ローテックの機械式腕時計「5号改」と「9号」に続き「8号」にも採用されたと発表した。

 大塚ローテック」は、「時計界のアカデミー賞」と呼ばれているジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)2024のチャレンジ部門(3,000スイスフラン以下の時計部門)でグランプリを受賞した、現代の名工2である片山 次朗氏の国産時計ブランド。

 今回、大塚ローテックが発表した機械式腕時計「8号」は、1時間に一度、ガラスの中で様々な動きが共演する独創的な表示機構を備えている。正時になると、アワーチャンネルによって時表示が瞬時に切り替わり、フライホイールと連動した分表示のフェーダーが60分から0分へ巻き戻る。側面はガラスになっており、2階建て構造の文字盤の間を、分を示すフェーダーレバーが通過する様子を見ることができる。また、文字盤上部には、90秒で1回転する秒ディスクが配置されている。

 この複雑な動きを実現するため、「8号」の駆動にはMIYOTA製ムーブメントの上に大塚ローテック製モジュールを搭載しており、このモジュールの部品数は62点に及びます。この精緻なモジュールの中に、ミネベアミツミ製の世界最小の外径1.5mmのボールベアリングが1個、外径2.5mmのボールベアリングが2個採用されています。これら計3個の極小ボールベアリングが、複雑な機構の円滑で滑らかな駆動を支えている。
 

集まれ! 進化形企業! 「第61回機械振興賞」受賞候補者募集 ~令和8年4月1日(水)~5月29日(金)まで~

 

 機械振興協会(会長:釡 和明氏)は、第61回機械振興賞の募集受付を4月1 日(水)から5 月29日(金)の期間で実施する。

 募集の概要は以下の通り。


1.表彰対象
 ① 独創性、革新性および経済性に優れた機械産業技術の開発と実用化を通じて、新製品の創出、製品の品質や性能の改善、生産の合理化等に顕著に寄与した企業等と開発担当者。
 ② 継続的に行われた支援活動が、中小企業の優れた技術開発に大きく寄与した場合に支援を担当した支援機関やその担当者等。

2.募集の方法
 受付期間は、令和8年4月1日(水)から5月29日(金)必着。(電子メールまたはネット便当で送付のこと。

「募集要領」および「応募書類の様式」は下記からダウンロード▼
https://www.jspmi.or.jp/tri/prize/boshu/

3.表彰の方法
 (1)表彰対象の①の特に優秀とみとめられるものについて経済産業大臣賞および中小企業長官賞の授与を申請するものとし、機械振興協会会長賞、小規模事業者(中小企業基本法における小規模企業者)を対象とした審査委員長特別賞および奨励賞に対し、会長名の賞状を贈呈する。
 (2)表彰対象②について、特に優秀と認められるものについて中小企業基盤整備機構理事長賞の授与を申請するモノとし、奨励賞に対し、会長名の賞状を贈呈する。
 (3)経済産業大臣賞、中小企業庁長官賞、中小企業基盤整備機構理事長賞、機械振興協会会長賞、審査委員長特別賞を受賞する企業等に対し、記念盾を贈呈する。
 (4)以下の受賞する研究開発担当者に対し、賞金を贈呈する。賞金の額は、経済産業大臣賞は80万円、中小企業庁長官賞は50万円、機械振興協会会長賞は30蔓延、審査委員特別賞は20万円(研究開発担当者が複数である場合も、これらと同額)、また、中小企業基盤整備機構理事長賞は30万円(支援担当者が複数である場合も、これらと同額)とする。

4.選考
 機械振興協会会長が委嘱する学識経験者からなる審査委員会により行う。

5.受賞者発表
 令和8年12月に発表の予定

6.問い合わせ先
 機械振興協会 技術研究所 賞事務局
 E-mail:prize@tri.jspmi.or.jp