碌々産業 牧野フライス精機の荒木氏に『Expert Machining Artist』を授与
碌々産業(社長=海藤 満氏)が、微細加工機をあやつるオペレータを「Machining Artist(マシニングアーティスト)」と呼び、普及活動を行っているが、さらに微細加工分野で卓越した技術をもって活躍している技術者を「Expert Machining Artist(エキスパート・マシニングアーティスト)として認定している。
このほど牧野フライス精機(社長=清水大介氏)の技術部に所属するシニアスペシャリストの荒木裕二氏が「Expert Machining Artist」に認定され、牧野フライス精機内で表彰式が行われた。
荒木氏は、「微細加工のイメージは、半導体に使用される金型のイメージが強くあり、われわれの関係している工具の世界でもこの業界に牽引されていると思っている。R寸法でいえば100分の1、製品の寸法公差は±1ミクロンだが、ここにきて中国をはじめR精度、寸法公差も追いつきを見せてきた。微細加工はニッチな世界。好調な半導体産業などで必要とされる工具も増えており、ますます努力していかなければならないと感じている。」と述べ、感謝の意を表した。
牧野フライス精機の清水社長はあいさつの中で荒木氏を推薦したことに触れ、「長年加工をやられ、新しいことにも果敢にチャレンジするとともに後輩の育成にも貢献して頂いた。Expert Machining Artistにふさわしいと思い推薦するに至った。おめでとうございます。」とコメント。同社の安西貞司常務も、「ここにいる皆様も荒木さんのようにExpert Machining Artistに認定してもらえるよう頑張ってください。」と社員に声援を送った。
今回で3期目を迎えたこの活動は、毎年30人ほどが認定されている。碌々産業の技術委員会が策定した「Expert Machining Artist」認定基準は下記の通り。
(1)ミクロン台の超精密加工でかつ美しく繊細(高品位)な微細加工を深く追求する人
(2)自分の仕事に強いこだわりを持ち、常人では真似のできない微細加工を行っている人
(3)微細加工に対し、常に向上心と進化を求める人
(4)加工技術を見えるか(数値化=デジタルデータ化)し、論理的に分析する人
(5)自分の得たスキルを公認へ伝承することにためらいのない人
なお、この「Expert Machining Artist」に認定された方々の登録証は、碌々産業のショールーム『MA―Lab』(Machining Artist’s Laboratoryの略)に飾られている。
碌々産業の海藤社長は、微細加工機を操るオペレータについて、「実際は恒温室でCAM等のデジタルデータを駆使し、アーティスティックな感性をフルに発揮できるかっこいい職業。マシニングアーティストという名称を認知して貰い、工業系若者の憧れの職業にしたい。」としている。