オークマが次世代ロボットシステム「STANDROID (スタンドロイド)」を開発 ~革新的ロボット操作系を世界に先駆けて実現。自動化・働き方改革を推進~
「STANDROID」は、システムインテグレータ(システム構築業者)を介さず容易に省スペース自動化システムの立上げを実現し、世界の中小規模の事業所を始めとした幅広い顧客のロボット活用による自動化・省力化の普及を促すに加え、働き方改革を強力にサポートし、スマートファクトリー化を加速させる。
この開発の背景について同社では、「労働力人口の減少に伴い、ものづくりの現場では、人材不足が大きな問題となっている。働き方改革により、労働時間短縮への取り組みが進む中で、大企業だけでなく、中小規模の事業所においても自動化・省力化への導入が急務である。従来、工作機械とロボットは、別々の制御システムで動作しており、ロボットによる自動化システムは、専門技術を有するシステムインテグレータにより構築されていた。」としている。ロボットにおける自動運転の現状については、「狭い加工室内への進入や回避動作時に機械と干渉しないように ロボットの姿勢を保ちながら最短の距離で動作をさせるプログラムが必要のため、数ポイントから数十ポイントの位置と姿勢の設定(ティーチング)が必要で、これには高いスキルが要求され、システムインテグレータなしでの導入は困難となっている。そのため中小規模の事業所は、ロボット採用のハードルが高く、これが普及を妨げている要因だと考えられる。したがって、現在、加工現場では、操作が簡単で、導入が容易な自動化システムが求められている。」と、今回の開発に至った経緯を述べている。
特長と優位性
(1)システムインテグレータ不要。導入が容易ですぐに使える簡単自動化システム
ティーチング作業を最小限とし、機械への接続もロボットとストッカが一体となった「省スペース自動化セル」を設置するだけで完了。システムインテグレータを介さずに簡単に自動化システムを立ち上げることができる。
(2)ティーチングレスを志向。容易に自動化できる革新ロボット操作
ロボット操作の専門知識がなくても工作機械の操作感覚で簡単ロボット操作。ワーク品種の変更に際し、ロボット言語を知らなくても作業者が容易にロボット動作を設定できる。準備・確認期間を大幅に削減し、多品種少量生産へのロボット活用を促進する。
(3) 設置面積半減!省スペース自動化セル
ロボットやストッカ等の装置一式をわずかパレット約2枚分のスペースに極小化。従来、安全柵で囲っていたロボット可動範囲分のスペースが不要になる。
●実演技術
① 簡単システム導入、生産性を革新するロボットパッケージ
・システム構築の装置一式をパッケージ化。出荷時にはロボットの信号確認も実施済。据付け時は、電源とネットワークケーブルをつなぐだけで接続完了。 システムインテグレータ不要で、3日間を要する据付動作確認作業もわずか一日で 終了。
・顧客のニーズを満足する機能拡張パッケージをラインナップ。 顧客の自動化要求に合わせて、加工物の品質チェックやエアブロー洗浄などの周辺装置を選択しやすい機能拡張パッケージとしてあらかじめ準備。仕様検討から 据付までの期間を短縮する。
② ロボット操作の革新。中間ティーチングポイント設定が不要
・専門スキルがなくても使いこなせる新感覚のロボット操作。ティーチングレスの革新。 NCの対話入力画面から、動作の始点と終点の位置等の必要情報を入力するだけで、干渉しない最短動作を自動作成する「干渉レス制御」。時間と経験を要する従来のティーチングから革新的な進化。
・加工物や取付け位置が変更されても、設定変更だけで変更プログラムを作成。
・工作機械のパルスハンドルやJOG送りボタンでの手動操作が可能。微小な位置あわせもらくらく実施。
③ 省スペース自動化セルを実現する「干渉レス制御」
・システム拡張領域 従来比55%減(*同社実績比:従来ロボット+ワークストッカのスペース(2.1m×2.5m = 5.25m2)との比較)。干渉レス制御により、狭い空間でも動作確認なしで干渉しない最短動作を実現。わずか2.4m2(1.2m×2.0m)のスペースに装置一式を収納し、ロボット可動範囲全体を囲う安全柵が不要でワークストッカもコンパクトに最小化した。
・「STANDROID」を機械の側面に設置。作業者の操作を阻害しないレイアウト。作業者が行う加工物の手着脱作業と、自動化対応を自由に切替え可能。
主な仕様