ヤマザキマザックが工作機械の設置・据付を効率化する据付部品キットをナベヤと共同開発
2018年12月02日
ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)はこのほど、工作機械の据付作業を効率化する据付部品キットをナベヤ(社長=岡本知彦氏)と共同開発したと発表した。
ヤマザキマザックは共同開発の背景を、「高精度な工作機械が設計通りの性能を安定して発揮するには、設置される工場のフロアに正確かつ強固に固定されている必要がある。一般的に産業機械を工場に設置する際は、機械レベル(水平)を調整する「レベリングブロック」、機械と基礎を締結する「アンカーボルト」とそのボルトを基礎に固定するためのコンクリートや樹脂「エポキシグラウト」が使用される。機械の設置に使われるこれらの部品や部材については、さまざまな産業機械を対象とする汎用品が多く、1/1000mm単位の精度が求められる工作機械の据付に特化したものは、これまでほとんどなかった。また、工作機械には恒久的な高精度が要求されるが故に、繊細かつ確実な作業が要求され、機械固定やレベル調整などの作業効率には改善の余地が残されていた。」としており、このような中で、マザックとナベヤは工作機械に特化した正確かつ強固な設置を効率的に行うことができる据付部品キットを開発したとしている。
ナベヤは工作機械用の精密治具ユニットや防振・機械要素部品の専門メーカであり、それらを通じて工作機械ユーザの生産性の向上と高品質化に貢献してきた。ナベヤが長年培った要素部品設計のノウハウと鋳造技術を生かし、より高精度化した工作機械の据付ニーズに対応すべく、今回のマザックとの共同開発に至った。
共同開発した据付部品キットは、機械と設置されるフロアとを強固に締結するのはもちろん、マザック製の工作機械に最適化した設計となっており、静的な剛性だけでなく、荷重が大きく変動する加工時の動的な剛性や安定性も高め、恒久的な精度維持に貢献する。また、工作機械の据付に必要な1/1000mm単位のレベル調整を正確かつ迅速に行えるほか、基礎に固定する為の樹脂の流動性を高めるなど、据付作業全体を効率化することで、作業者の負担を軽減すると同時に工期の短縮と早期の機械稼働を実現する。 今回開発した据付部品キットは、マザック製工作機械の推奨品として純正採用していく予定。マザックとナベヤは今後も、工作機械ユーザの生産性の向上と高品質化に貢献していく――としている。