ヤマザキマザックが高速・省エネ・高品位加工を実現する3次元レーザ加工機「FG-220 DDL」の国内販売を開始
ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)がこのほど、DDL(ダイレクトダイオードレーザ)を採用した3次元レーザ加工機「FG-220DDL」の日本販売を開始した。
FABRI GEARシリーズは、建設現場や産業機器の筐体などに使われる長尺鋼材の高効率加工を実現する3次元レーザ加工機。3Dレーザヘッド搭載により、鋼管(パイプ材)以外にもH形鋼・C形鋼など異形材の加工が可能であり、さらにはタッピングユニット(オプション機能)によるネジ穴加工の工程集約を実現するなど、長尺鋼材加工の分野における生産性向上に貢献している。
「FG-220 DDL」は、レーザ発振器にDDLを新たに採用、薄板・中板の切断速度を向上させるとともに高反射材の容易な切断を可能とした。また、DDLの特長である高いエネルギー変換効率による消費電力の削減など、優れた省エネ性を達成している。さらには、これらDDLのメリットを活かした高速・省エネ加工に加え、鋼材の裏焼けを防止する「パワーコントロール機能」やプログラムの入力時間を削減する「ダイレクトMDI機能」の搭載などにより、高品位かつ段取り時間を短縮した高効率加工を実現した。
同社は、10月にドイツで行われた国際板金加工見本市EuroBLECH 2018にFG-220 DDLを出展、既に海外での販売を開始している。それに続き、11月29日~12月1日に美濃加茂製作所ワールドテクノロジーセンタで開催した自社展示会「JIMTOF2018アンコールフェア」に同機を出展し、大きな注目を集め日本国内での販売を開始した。
FG-220 DDL の特長
(1)高速性
DDL は、CO2 レーザやファイバーレーザに比べて波長が短く、様々な材料での熱吸収率が高い(反射率が低い)のが特長。レーザ発振器にDDL を採用したことにより、薄板・中板の高速切断と、高反射材の容易な切断を可能としている。
<例>
薄板(板厚6mm)の加工速度は、CO2 レーザと比較して軟鋼で約20%向上、ステンレスで約70%向上。
(2)省エネ性
DDL は、エネルギー変換効率がCO2 レーザと比較して4~5 倍と高いため消費電力量を削減、さらには加工時のアシストガスが不要であるなど、ランニングコストの低減を実現する。
(3)高品位加工
①パワーコントロール機能
軸送りの低速領域で発生する「パイプ内部の溶け込み」や「裏焼け」を、レーザ出力の自動変更により防止し、高品位な加工を実現する。
②オートキャリブレーション機能
レーザヘッドのノズルと素材との距離を自動的に一定に保つことで、レーザ焦点のズレを防止、常に均一な切断面を得ることが可能となる。
(4)段取り時間の削減
①ダイレクトMDI機能
倣い調整などの規定動作プログラムを簡単に設定可能。手動による煩雑なプログラム入力が不要となり、プログラム作成にかかる段取り時間を削減する。
②チェーン式コンベア[オプション]
チェーン式コンベアの選択により、素材の積載本数増加が可能。一回の段取りで長時間の連続運転を実現する。
主な仕様