タンガロイが新製品ラッシュ! 平面フライスカッタ「DoQuad-Mill」、びびり抑制ダンパー付旋削ホルダ「BoreMeister」、「DrillMeister DMC」ヘッド拡充!

 タンガロイ(社長=木下 聡氏)の新製品ラッシュが続いている。このほど、平面加工用カッタ「DoQuad-Mill」(ドゥー・クアッド・ミル)、内径旋削加工において、最大工具突出しL/D=10を可能とした防振機構を搭載した深穴内径旋削加工用工具「BoreMeister(ボア・マイスター)」、ヘッド交換式ドリル「DrillMeister(ドリル・マイスター)」に新形状と新材種を組み合わせた新ヘッド「DMC」の3商品を同時発売した。

平面加工用カッタ「DoQuad-Mill(ドゥー・クアッド・ミル)」

 「DoQuad-Mill」は、干渉物への接近性を追求した平面加工用カッタ。一般的な平面加工用カッタは、45°の切込角のため、ワーク形状によっては、立壁やクランプ冶具といった障害物に干渉してしまう場合があったが、同製品は準直角の切込角を採用しており、障害物の近傍まで平面加工が可能である。

 インサートは8コーナの経済的なインサートを採用している。凹形のインクリネーションを有した切れ刃により、切りくず形状がコンパクトとなり、噛み込み等のトラブルを抑制することに成功した。切れ刃のすくい角は大きく、ポジインサートを採用したカッタと同等の切削抵抗を実現しているため、低剛性のワークや、低クランプ剛性のワークの加工にて効果を発揮する。

 カッタボディは工具径φ50~100 mmの設定で、標準刃、多刃仕様を在庫する。標準刃仕様はびびりの生じやすい加工に向き、多刃仕様は能率重視の加工に最適である。インサートはR2.0、R1.2、R0.8の3種類のコーナRを選択でき、多種多様な加工用途に対応する(R1.2、R0.8は2019年1月発売予定)。

■主な特長
●障害物の近傍まで平面加工が可能
●経済的な8コーナインサート
●低抵抗で、低剛性のワークや低クランプ剛性のワーク加工に最適

■主な型番と標準価格(いずれも税抜価格)
●カッタボディ
 ・THSN12M050B22.0R04:55,300円
 ・THSN12J100B31.7R08:85,200円
 カッタ:計20形番

●インサート
 ・SNMU120620EN-MM T1215:1,620円
 ・SNMU120608HNEN-MM AH3135:1,470円
 インサート:計8形番

防振機構を搭載した深穴内径旋削加工用工具「BoreMeister(ボア・マイスター)」

 航空機産業や建築機械産業をはじめとする多くの産業において製造される部品には、突出しが長い深穴内径旋削加工の要求がある。このような加工に対し、一般的な内径旋削加工で使用される鋼製や超硬製の工具を使用した場合、加工中に発生する振動により加工面品位の低下やインサートの異常損傷が発生するため、安定加工を行うことが困難だった。今回同社が発売する防振機構を搭載した深穴内径旋削加工用工具「BoreMeister」は、この加工中に発生する振動を抑制することにより、従来、安定して加工することが困難だった突き出しの長い深穴内径旋削加工を安定して加工することを可能とし、生産性を確実に向上させる革新的な工具シリーズである。

 一般的な内径旋削加工では、加工形態により鋼製や超硬製などの工具を使い分けることが一般的である。使い分けの基準として、鋼製はL/D=3まで、超硬製はL/D=5までを同社では推奨している。しかし、このような鋼製や超硬製では、L/D=5を超えるL/D=10のような深穴内径旋削加工での振動を抑制し安定した加工を行うことは非常に困難である。防振機構を搭載した同製品は、工具本体に内蔵された独自の振動抑制機構によって、最大工具突出しL/D=10の深穴内径旋削加工を安定して加工することが可能である。

 このメカニズムは、工具本体に内蔵されたウェイトが、振動を打ち消す方向に動作することで、加工により発生する振動とウェイトの動作に位相差が発生し、加工により発生する振動を減衰させる。これにより、深穴内径旋削加工における加工面品位低下やインサートの異常損傷の発生を抑制し、安定加工・長寿命を実現する。

 「BoreMeister」は、防振バー本体とボーリングヘッドを組み合わせて使用する工具であり、接合部には取付け精度を高めるためのセレーション構造を採用、これらをネジで接続することで、様々な加工形態に対応する多種多様なヘッドを選択可能である。

 防振バー本体は工具径φ16・20・25・32・40・50・60mm、また加工形態に応じてL/D=7・10の2種類を選択可能で、全14アイテムを設定している。ボーリングヘッドは、ポジインサートCCMT・DCMT・VCMT用と、ネガインサートDNMG・VNMG用の、全34アイテム。

■主な特長
●独自の振動抑制機構により、最大工具突出しL/D=10の深穴内径旋削加工が可能
●防振バー本体とヘッドの組み合わせにより、最小加工径φ20mmが可能
●様々な加工形態に対応する多種多様なヘッド

■主な型番と標準価格(いずれも税抜価格)
●防振バー本体
 ・D16-L156-7D-C:123,500円
 ・G20-L260-10D-E:270,600円
 ・D32-L320-7D-C:139,800円
 ・D60-L808-10D-C:610,300円

●ボーリングヘッド
 ・S16-SCLCR06-H:28,600円
 ・S25-SVUCL11-H:31,600円
 ・S40-DDUNR15T-H: 34,200円

先端交換式ドリル 「DrillMeister(ドリル・マイスター)」DMCヘッド拡充

 「DrillMeister」は独自の自己拘束型クランプシステムの採用により、簡単で迅速なヘッド交換を可能する製品で、工具交換は、ツールホルダからのドリルボディの脱着や突出し量の調整が不要、ヘッドを付け替えるのみになるため工具交換時間を大幅に短縮できるとして好評を博しているが、今回、この製品に新形状ヘッド「DMC」を拡充した。

 DMCヘッドは独自のチゼル形状を有し、このチゼル形状により12Dのドリルでも下穴無し加工が可能な程の抜群の食いつき性能を発揮する。この食いつき性能の向上により、優れた穴径精度や真円度を得ることが可能になった。またDMCヘッドではダブルマージンを採用している。ダブルマージンは、加工中のヘッド挙動を安定化し、加工面粗さの向上や真直度の向上に大きく寄与する。

 DMCヘッドは新材種AH9130を採用しており、AH9130はドリル用に開発された新材種で、3種類のNano積層膜を融合した「トリプルNanoテクノロジー」を盛り込んだコーティング膜種を適用。このコーティングにより、ドリル加工に必要な「耐摩耗性」「耐欠損性」「耐酸化性」「耐溶着性」「耐被膜剥離性」を高次元で共存させることで、様々な加工状況において長寿命を実現する。

 今回の拡充により、DrillMeisterは加工精度の向上・工具寿命を改善し、顧客の加工コスト低減に大きく貢献する。

■主な特長
●ヘッド径:φ10.0~φ19.9(0.1mm飛び)サイズを拡充
●クイックセンタリング形状を採用する事で抜群の食いつき性能を実現し、穴径精度・真円度を改善
●ダブルマージンの採用により、優れた加工面粗さと真直度
●優れた加工性能により12Dドリルも下穴無しでの加工が可能

■主な形番と標準価格(いずれも税抜価格)
●ヘッド
 ・DMC100 AH9130:8,680円
 ・DMP150 AH9130:10,080円
 ・DMP190 AH9130:14,040円
 全アイテム:100形番

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