「過去最高の業績」オーエスジーが第106回定時株主総会を開く

 オーエスジー(社長=石川則男氏)が、2月16日(土)に同社アカデミー グローバルテクノロジーセンター(豊川市一宮町)で第106回定時株主総会を開催した。

 石川社長はあいさつの中で、「2018年度は創業80周年の記念すべき1年で、大変好調な世界経済を背景に世界中で労働力が不足になった。IoT、半導体、自動化等への投資が世界中で旺盛になった。それに伴い工作機械、産業機械、半導体製造装置、ロボット等の生産が増加し、当社が製造している切削工具の需要も極めて旺盛な状況であった。2018年度はお陰様で過去最高の業績で終えることができたが、その一方、一部製品の供給が追いつかず、ご迷惑をおかけした1年でもあった。社員一同、顧客の信頼にお応えできるよう今後とも努力をしていく。」と振り返った。

説明する石川社長
説明する石川社長
 同社の2018年度は創立80周年を迎え、世界中で強い受注に恵まれた。主要ユーザーである自動車関連産業向けをはじめ、多くの業種で需要が好調に推移し、『Aブランド』をはじめとする標準品、特殊品ともに受注が強く、主力のタップや超硬製品の生産能力の増強や自動化につとめ、フル生産体制をとった結果、過去最高の業績を実現した。また、国内外で増加する受注に対応するため、72時間無人稼働を見据えたスマートラインを国内主力工場に導入し、全工場に展開する取り組みを開始した。

 この結果、売上高は、1,313億6,800万円(前期比9.3%増)、営業利益は225億2,000万円(前期比17.7%増)、当期純利益は147億1,000万円(同5.1%増)となった。
 
 欧米は、消費、生産、輸出に支えられ堅調に推移した。中国も個人消費、輸出に継続が見られたが、成長は持続。その他アジアの新興国は、以前の高い伸びと比べ鈍化したものの一定の成長を持続した。

 国内においては、生産と輸出に支えられ拡大を維持してきたが、自然災害などで個人消費が伸び悩み、期末にかけて減速基調となった。この結果、国内では、主要ユーザーである自動車関連産業をはじめ、幅広い業種から需要は堅調に推移し、主力のタップ、超硬ドリル、超硬エンドミル、ハイスドリルの売上が増加し、前期と比較して増収増益となった。

 米州は、主要市場の北米で航空機関連産業が好調で自動車関連産業向けをはじめとするその他業種の需要も堅調に推移した。メキシコでは自動車関連産業向けが引き続き堅調に推移した。ブラジルでは、国内需要は超硬ドリルの需要が堅調に推移し、輸出需要も好調で増益に貢献した。米州セグメント全体では主力のタップ、超硬ドリルおよび超硬エンドミルの売上げが増加したことにより、前期と比較して増収増益となった。
 
 欧州アフリカでは、自動車関連産業むけ需要を中心に業績は順調に推移した。なお、当連結会見年度期首よりフランスおよびドイツに所在する子会社2社を新たに連結子会社として加えている。

 中国では自動車関連産業向けを中心に多くの産業で市況は好調に推移した。韓国では、自動車関連産業向けは横ばい、IT関連産業向けは低調で、前期の売上は維持しながらも減益となった。台湾では主力のタップが増加し、大手ユーザー開拓により超硬ドリルが大きく伸び業績は順調に推移した。新興国、その他のアジア地域では各拠点総じて好調に推移し、着実にシェアを増加させた。アジアセグメント全体では、主力のタップおよび超硬ドリルの売上が増加したことにより前期と比較して増収増益となった。

 2019年度も、Aブランドの新製品発売を予定しており、M&Aで獲得した新販路を活用し、さらなる受注拡大を目指す。また、生産能力の増強と、国内工場の再編を目的に新城工場の敷地に新工場を建設し、今後世界展開のモデルとなるスマートラインの構築に努める。これら、生産体制刷新のために、全世界の生産工場を共通のデジタルデータで繋ぎ、小ロットの特殊品、大ロットのカタログ品にかかわらず、品質とコストと納期を高いレベルで実現するための新プロジェクト『OSG4.0』を2019年1月にスタートさせた。さらに、再研磨事業、コーティング事業をはじめとするサービス事業にも注力し、世界中の顧客の様々な需要に対応する。

 これらの取り組みにより、2019年度は売上高1,370億円、営業利益240億円を計画している。同社では2020年度、売上高1,500億円、営業利益300億円の達成に向け、今年度もさらなる飛躍を目指すとした。

 剰余金処分の件、取締役(監査等委員である取締役を除く。)2名選任の件、補欠の監査等委員である取締役1名選任の件、役員賞与支給の件、取締役(監査等委員である取締役を覗く。)に対する譲渡制限付株式の付与のための報酬額決定の件が上程され、それぞれ満場一致をもって承認可決し閉会となった。

 なお、総会に関連して恒例となったプレゼンテーションでは、総会開会前に新製品等の紹介、総会終了後には海外動向を中心に報告があった。

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