【レポート】オークマ東京支店で「東京マシンフェア」を開催 ~注目は次世代ロボットシステム「ARMROID」~
オークマ(社長=花木義麿氏)が、2月15日(金)~16日(土)の2日間、同社東京支店で「東京マシンフェア」を開催し、多くの来場者で賑わいを見せた。
今回の目玉は、昨年東京ビッグサイトで開催されたJIMTOF2018にて初披露した次世代ロボットシステム「ARMROID(アームロイド)」。実は、この時、同社のブースに展示されていた「ARMROID」に人が集まりすぎていて、筆者はこのマシンの写真が撮れなかった。それほど、このマシンは注目を浴びていたのだ。これは今回、じっくり見学しなければなるまい。
このマシン、ロボットが“機械の中に入った”点が大きなレイアウト上のメリットとなっている。通常、ロボットは外に置いているので、機械の全面側の作業スペースが取られてしまう。なにより驚いたのは、「ARMROID」のコンパクトさだった。技術本部ソリューション開発センターの大杉三郎 主務は、「オペレータが、一品もののワークをこなそうと思ってもロボットが邪魔になって危険であり、操作がしにくいなど悩ましい作業環境がありました。他にも、旋盤加工の場合、加工時間が2~3分という短いスパンでワークの交換が必要になります。オペレータの方が他の場所に行って作業をしていると機械が止まってしまうということがあるのです。ここでいかに機械を止めずに、工場の効率を上げるかが課題となりました。交換作業をロボットにさせることでオペレータが他の場所に行って他の機械で効率を上げ、工場全体の生産効率を向上させるのが、この機械の特長なのです。」と説明をしてくれた。
ロボット自動化セルを簡単に実現するための工夫も施されており、ワークストッカを取り付けるだけで、単体機からロボットセルへ簡単に切り換えられるのも嬉しい。ワークストッカは移動式。作業者による手着脱で小ロット部品を加工したり、自動化セルで量産加工ができたり、フレキシブルに対応できるところは頼もしい!
今回は加工をしたものの動きで見せているので、実際の加工はないが、ロボットでハンドリングをして機械の中で取り付け、加工したものをストッカーに戻すというデモを見学した。
ロボットの先が交換式のユニットを付けられるようになっている。機械の奥側にステーションがあるので、そこで交換を行う。3つまでのユニットが搭載可能だ。材料を取るため、ハンドユニットを取り付けたところで、機械の全面に準備させた素材をチャック側にとり付ける。
ロボット操作の革新
従来だと、機械は機械の操作を機械側でセットアップして、ロボットの動きはロボットの操作ペンダントでプログラムを組んでいたのが主流だったが、オークマは、ロボットの操作ペンダントを同社の制御装置の中ですべてセットアップできる画面・機能を作り上げたのだ。「機械操作の経験のある方であれば、従来の入力方法でロボットのプログラムを作成して頂けます。今まではロボットのシステムインテグレータ達がセットアップをしてティーチングをしていましたが、システムインテグレータ不要で簡単に導入できるように画面の開発をしました。」と大杉氏。
3Dシミュレーションで事前に干渉確認を行うので、複雑な動きもティーチングレス! 機械側がモデルを使って干渉しないように自分で動きを決めて行っている。
さらに加工中のサポートも「ARMROID」が実現。ロボットアーム先端からのミキシングブローで切くずの絡みつきを防止してくれるうえ、機内の堆積切くずも除去。安定加工を実現するため、加工時の嫌なびびりをロボットのサポートで抑制してくれるからありがたい!
また、オークマが設計・製造元なので、「機械はこっち、ロボットはあっち、のように、お客様が様々な方面でお問合せをしなければならないのは、ストレスの原因となります。全てオークマが対応いたします!」というから頼もしい!
やはりJIMTOF2018に続き、同社では今回もこの「ARMROID」は注目の的であり、最先端の製造現場に向けたオークマならではの取り組みを見ることができた。