三菱マテリアル 中部テクニカルセンターが「オープンハウス2019」を開く ~次世代の切削工具総合ソリューションを初公開~

セミナーの様子
セミナーの様子
 三菱マテリアルが6月7日(金)~8日(土)の2日間、同社中部テクニカルセンター(岐阜県安郡神戸町)で、「オープンハウス2019」を開き、次世代の切削工具総合ソリューションを初公開した。IoT化技術や最新の工法に加え、切削実演を通じて、来場者に加工の課題解決に向けた提案を行った。

 今回のイベントは、①ユーザー向けトータルソリューションの紹介、②技術相談コーナー、③外部講師によるセミナー(大学・研究機関、アーバ―メーカー、CAMメーカー)、④各種セミナー(切削アカデミー開催、航空宇宙、自動車分野)、⑤DIAEDGE新製品による切削実演、⑥産業別展示&市場別(自動車、航空宇宙、医療)取り組み紹介、⑦来場者参加型ワークショップ&体感コーナーなど、加工に役立つ情報が満載。筆者が取材を行った2日目は、「最新切削ソリューション」の取り組みをテーマに講演が行われ、内容も豊富だった。

 また、技術相談コーナーも盛況で期間中20件の相談が寄せられた。多くの来場者は、「来て良かった。」、「親身な技術意見交換ができた。」など満足した様子。特に昨今のトレンドでもあるデジタルソリューション、FAソリューション、IoT取り組みの紹介に興味を持ったようだ。来場者の中には「東日本テクニカルセンターでも開催して欲しい。」との要望もあがっていた。オープンハウス2019をレポートする。

BT50マシニングセンタによる模擬金型加工

 最初に高送り加工用両面インサート式ラジアスカッタ「WJX」による荒加工、高能率化紅葉多機能カッタ「VPX」による中仕上げ加工を見学。使用するマシンはOKK「VM660R」。
 「WJX」では、平面加工、円周外径荒加工、円周内径ヘリカル加工(彫り込み)、「VPX」では円周内径仕上げ加工、円周外径仕上げ加工を行った。「WJX」の特長は独自の複雑逃げ面形状により両面インサート式でありながらランピング加工に対応しているところ。インサート厚み増加で強度もアップした。一方「PVX」は屈強な加工に負けないあらゆる加工に対応する縦刃ショルダエンドミル。いずれも高い経済性をもたらすことがメリットだ。

小型自動旋盤による自動車部品加工

 「近年の自動旋盤はターニングのみならず、ミーリングも多用する複合加工機として進化している。」と同社。ここでは自動車部品加工のデモを行った。仕様マシンはCITIZEN「L20」だ。「DIAEDGE」では、ターニング工具やドリル、エンドミルといったミーリング工具も豊富に取り揃え、フルツーリングが可能だという。ここでは穴位置精度向上と、高品位面取加工を兼ね備えるリーディングドリル「DLE」、様々な加工形態に対応するフラットドリル「MFE」、難削材の難削材の切り屑処理性に優れた新ブレーカ「LS」による加工と新材種「MP9015」に注目。さらには注目の新製品、切り屑処理性に優れたモールデッドブレーカ「SMB」で後挽き加工を行った。

BT30マシニングセンタによるアルミ合金加工

 ここでは、かねてから好評を博していたアルミ合金超高能率加工用フライスカッタ「FMAX」に小型主軸機に最適化された軽量カッタが登場! 使用するマシンはFANUC「ROBODRILL」だ。「FMAX」の特長について説明員は超高能率切削を挙げた。φ125,Vf:20,000mm/min以上の高能率切削を実現するための超多刃設計でありながら、最大切り屑排出量5,000ml/minを実現した切り屑排出システムを装備している。ダブテイル拘束(逆テーパ溝形状)で、インサートの遠心力方向への飛び出しを防止し、ディンプル部のクランプでインサートと着座の安定性を保持しているから高速回転にも安心だ。特殊合金製スチールボディの採用し、また、アルミニウム合金との組合せで軽量化を実現している。セットも簡単なのが嬉しい。

航空機部品加工におけるチタン合金の加工トレンド

 5軸加工機によるブリスクの模擬ワーク加工を見学。マシンは、HERMLE「C42UMT」。注目の工具は1発溝加工が可能な高能率加工用ラジアスエンドミル「VQT5MVRB」を使って荒加工を行い、翼面仕上げ加工にはバレルエンドミル「VQT6UR」を使用して高能率加工を行った。この「VQT6UR」は、大Rを持つ外周刃形状によって、大ピックフィードで従来のボールエンドミルに比べて大幅な能率アップが可能だという。

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