三菱日立ツールが「東日本三菱日立ツール報告会」を開く
三菱日立ツール(社長=菊池 仁氏)が、去る6月14日、同社成田工場 グローバルソリューションセンター東部ステーションで「東日本三菱日立ツール報告会」を開いた。
2019年度の取り組みについては、「長期的な視点に立ち、設備投資については高水準なものを継続していく。また、その内容についても増産だけではなく、検査の自動化、品質管理への投資、あるいは昨今の労働力不足ということもあり、省人化の観点で設備投資も行っていく。また、機械設備のみならず、根源となっている製造、開発は言うまでもなく、営業サービス体制の充実のためにも人材への投資を計画的に行い、その上で皆さまのお役に立てるような人材を育成していく。」と意欲を示した。また、サービス面の強化のための設備投資として、「2018年度は、成田工場に併設する形でグローバルソリューションセンター東部ステーションを昨年11月から開設した。既に野洲で同様の設備があるので、これで野洲、成田の東西2拠点で金型加工についてソリューションを提供する拠点が整備されたことになる。」と説明をした。
菊池社長によると、グローバルソリューションセンター東部ステーションのコンセプトは、教育の実施であり、金型加工のソリューション発信基地、あるいは研修等の教育の場として活用することと、CAD/CAM、ホルダー等の周辺機器メーカーとのコラボレーションを活性化するという目的があるとのこと。組織面では、金型に特化するとの方針を打ち出し、金型向けの戦略を考え、実行に移すために本年4月に“金型戦略室”を東京に設置している。
製造面については、世界的な同時不況のリーマンショック後に工具需要が急減した理由から2009年に休止した魚津工場を再開・再稼働する。なお、魚津工場は1936年に魚津製作所として稼働した非常に歴史のある工場で、今回、生産能力を短期間に増強するため、再稼働することを決定している。再稼働の予定となる時期は2020年秋頃。これで同社の国内生産工場は、成田、野洲、魚津の3箇所となる。菊池社長は、「タイで一部、小規模に生産しているが、ほとんどの工具は日本でつくっているので、ものづくりの基盤を支える工具メーカーとして高性能かつ高品質なメード・イン・ジャパンにこだわりたい」と述べた。
営業本部概況
営業本部概況報告を十倉直樹 取締役営業本部長が説明した。それによると、「2018年は、上期までは右肩上がりで推移していたが、下期は海外、特に中国の落ち込みがあったものの、2018年度は2017年度に対して売上、受注でプラス5.3%の成長だった。海外比率も当初42%だったものが2018年には50%となった。引き続き国内、海外とバランスをとりながら邁進していきたい。」と意気込みを示した。19年度については、「国内金型市場を深耕していくということで、これは従来から会社の方針ということで掲げている。特に、経営資源を金型市場に集中配分していく。営業としては要員あるいは組織等、金型市場をにらんだ投入を図っていく。また、国内と海外の連携強化をしていく。特に日系メーカーが海外に進出しているため、国内との連携を取りつつ日系ユーザーとの強化、フォローを特に進めていく。さらに、新製品の早期の市場浸透についても注力する。残念ながら2018年度は既存品の生産、あるいは注残解消に追われ大型新製品が投入できなかったが、今年度は8品種の新製品の投入を予定している。」と説明をした。
小櫻一孝 国内営業部長が、「昨年は旺盛な注文を頂いた。今年度は既に発売済みの2商品を加え、合計8つの新製品を発売予定だ。皆様のお力を拝借し、速やかに市場への浸透を図りたい。」と協力を仰いだ。また、ソリューションセンターの活用について触れ、今年度は4月より2カ月間で成田工場東部ステーション14件71名、野洲工場内西部ステーション67名が来場したと説明をした。
井上稔朗 理事 製造本部 成田工場長が製造本部概況報告を行い、設備投資等について詳細を説明したあと、「最近の金型事情とMOLDINO的活動拠点東部ステーションの紹介」を日畑忠広 事業戦略本部 グローバルソリューションセンター長が説明をした。 続いて2018年度の販売表彰が行われた。販売実績は標準品と特殊品の累計実績によるもので、今回は特別優秀賞1社、優秀賞5社、敢闘賞8社、躍進賞2社の16社が表彰されたあと、工場見学や実演が行われたあと、場所を移して成田市内のホテル日航成田で懇親会が開かれた。坂井俊司 NaITO社長が乾杯の発声を行い、開宴した。宴もたけなわの頃、散会した。