DMG森精機 第2四半期決算 長時間無人化運転の実現へ

説明をする森社長
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 DMG森精機(社長:森 雅彦氏)は、第2四半期(2019年1月~6月)の連結決算を発表した。

 同社の第2四半期における業績は、売上収益2,386億46百万円、営業利益200億22百万円、税引前四半期利益170億30百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益106億73百万円となった。

 工作機械関連の受注金額は、2,234億円で前年同期比22%減となった。日本工作機械工業会の受注額は29%減で、業界平均より減少幅は軽微にとどまった。5軸加工機、複合加工機など工程集約機、テクノロジーサイクル、DMQP、自動化システムなど顧客への価値提案の向上により、1台当たりの受注単価は前年度に比べ5%上昇した。また、補修部品および機械復旧サービスの強化にも取り組み、この事業での受注は前年同期比11%増と貢献した。機械受注は、全地域とも調整局面に入り、受注全体の15%占める日本が前年同期比41%減、19%を占める米州が37%減、16%を占める中国を含むアジアが29%減、50%を占めるロシア、トルコを含むEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)が20%減となった。

 産業別では、引続き航空機部品、医療関連向けは堅調に推移するも、自動車関連、一般機械、SMEs(Small Medium Enterprises)、建設機械向けが調整局面を迎えている。半導体装置関連向けは昨年半ば以降低迷を続けている。このような環境のもとで同社は、9月にドイツで開催されるEMOを最大限活かし受注拡大に努めるという。

 同社の事業戦略としては、5軸加工機・複合加工機の活用と自動化システムの導入による顧客の工程集約を促進し、効率的な管理を可能にするデジタルサービスを強化している。自動化システムを拡充させ、オペレータとの接触を防ぐレーザセンサを搭載し、非接触給電で24時間連続稼働が可能な自律型ロボットAGVを新開発した。また、カメラ画像をもとに切屑の場所と堆積量をAIが推論し、クーランドの吐出角度を自動調整する技術も開発。このAIを活用した自動洗浄ソリューションで、従来頻繁に機内清掃を行っていたオペレータの負担が軽減され、長時間の無人化運転を可能とした。

 新製品開発では、ターニングセンタNLX6000/1000、立型マシニングセンタDMP70、アディティブマニュファクチュアリング機LASERTEC 12 SLMを開発し、伊賀イノベーションデーにて国内初出展。大型部品を安定して加工できるNLX6000/1000は、ベルトレス駆動のモータ一体型大径主軸やその主軸と完璧に同期する回転工具主軸が特徴で、建機、エネルギープラント業界で満足のいく新製品だという。DMP70では全軸に搭載したスケールフィードバックと高い剛性、冷却機能により、5µmという高い位置決め精度を実現した。また、LASERTEC 12 SLMには、全機械設定とプロセスパラメータが調整可能なオープンシステムを採用し、材料粉末の合金の構成要素と粒度分布を入力するだけで最適パラメータが自動算出されるINTECH社のソフトウエアOPTOMET搭載することが可能。そのほか、アディティブマニュファクチュアリングの発展とともに注目を集めているトポロジー最適化技術を活用し、切削能力は据え置きながらも大幅な剛性向上と軽量化を達成した工作機械を製作した。

 一方で、同社は働き方改革にも注力し、勤務時間の上限を12時間、退社から次の勤務開始まで12時間あけるインターバル制度を導入した。あわせて初任給の大幅な引き上げ(大卒の初任給が前年の218,400円から250,000円)を実施。これらの取組みは業務効率と生産性の向上に効果が表れ、引続き“よく遊び、よく学び、よく働く”をモットーに、あらゆる分野で優秀な人材を確保し、より安心して長く働き続けられる体制を整えていく。

 また、イメージ戦略として、海洋冒険家の白石康次郎氏を迎え入れDMG MORI SAILING TEAMを発足し、単独・無寄港・無補給の世界一周ヨットレースVendee Globe 2020への参戦を目指している。現在建設中の新艇「DMG MORI Global One」号には、同社の最新鋭の同時5軸加工機ならびに複合加工機で加工した部品が搭載されている。同社は、顧客に最先端の工作機械とソリューションを届けるとともに「DMG MORI SAILING TEAM」の活動を通じて、グローバルな製造業の発展に貢献していくという。

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