工作機械の進化の歴史が見学できる! 「ヤマザキマザック工作機械博物館」が開業!
ヤマザキマザック(社長=山崎高嗣氏)が、創業100周年記念事業として兼ねてから準備をしていた「ヤマザキマザック工作機械博物館」を11月2日(土)に開業した。開業に先立ち、前日の1日に開業式典並びに内覧会が開かれた。
この博物館は、18世紀から現代に至るまで、工作機械の進化の歴史を見ることができる世界的にも珍しい、工作機械に特化した博物館だ。多くの工作機械を実際に動く状態で動態展示され、蒸気機関車や自動車、航空機など工作機械によって作られた代表的な工業製品も展示している。その数はなんと200点! またARを用いた展示で、マザーマシンとしての役割を子どもから大人まで楽しく、分かりやすく理解できる空間となっていた。ヤマザキマザック工作機械博物館をレポートする。
工作機械に特化した世界的にも珍しい博物館


“工作機械とはなにか?”という、一般向けの疑問にも分かりやすく説明が書かれてあった。強力な機械をつくることで、作業が早く、精密かつ安定的にものをつくり出すという工作機械の特性や重要性のポイントを簡単に分かりやすく英語と日本語で示してある。また、日本語にはふりがながふってあり、子どもでも大人でも、歩きながら工作機械のノウハウがスッと頭に入る。

展示されていたのは、古代エジプト時代のものだ。紀元前から工作機械が使用されていたなんて! と思わず足を止めた。ピラミッドなど数多くの不思議な遺跡を残しているあの時代に使われていた道具が今も進化を遂げている! と、興奮して説明を読んだ。そこには、紀元前3世紀と推定されるエジプト王朝の墓のレリーフ彫刻に、2人が向き合って作業をしている旋盤のようなものが記されている――とあった。加工物に紐を巻き付けて回転させる方法が2000年以上も使用され続けているなんて! と仰天。

工作機械が活躍する産業分野といえば―――。機関車、飛行機、車などがドーンと展示されており、その迫力に圧倒される。ここは子ども大人もきっと大喜びの“映えスポット”になるだろう。
もうひとつ、珍しいものがあった。エジソンがつくった録音機「エディフォン」(米国・1930年製)だ。19世紀後半から1950年まで生産されていたという。このスペースでは、打った文字が見える最初のタイプライターも展示されていた。こちらは同1920年製。
IoTを活用した現代における自動化ラインの仕組みも見学!

この博物館は、IoTを活用した現代の工作機械で構成された自動加工ラインも併設し、実際の製品に使われる部品の生産を行っている。古代エジプトから現代の自動加工ラインを見学することで、工作機械の進化と先進性を体感できる施設となっており、非常に有意義な時間を過ごすことができた。
一通り、見学したあと、「ものづくり体験教室」という部屋を発見した。ここでは機械組立仕上げ作業の体験「文鎮の製作」ができるとあった。注目したいのは、ヤスリがけ作業とキサゲ摺り合わせ作業を体験することができること。道具もプロ用具がしっかり揃ってある。これは貴重な体験ができそうだ! また、販売しているお土産品の数々も子どもから大人まで楽しめるものが並んでおり、要チェックだ!
「工作機械の重要性を広めたい」先代との約束

また、博物館の特長にも触れ、「この博物館は2008年につくった地下工場を改装しているが、温度変化が年間を通じて少なく、環境に配慮した省エネ工場として当時は国土交通大臣省を受賞している建物。工作機械の博物館としてのユニークさだけではなく、建物の面でも環境に配慮した省エネ博物館としても注目されることと期待をしている。」と述べた。
