アマダ 超高速3軸リニアドライブ・ファイバーレーザマシン 「REGIUS-3015AJ」を発表 ~リニア駆動による異次元の超高速加工と多彩な支援機能を搭載~
アマダがこのほど3 軸リニアドライブを搭載し、高速・高精度加工を実現する新型ファイバーレーザマシン「REGIUS-3015AJ」(レジアス)を、11 月に米国シカゴで開催された「FABTECH 2019」で初めて発表し、2020 年夏に国内で販売を開始すると発表した。
昨今の板金加工の現場では、働き方改革の影響や人手不足の深刻化を背景に、高生産性や自動化へのニーズが非常に高まっているとともに、加工の高品位化が強く要求されていることを背景に、同社では、板金用のレーザ切断マシンである同機に、レーザ光の軸移動部に新開発のリニアモーターを搭載することで世界最速駆動340m/minを実現。これにより、従来のラック&ピニオン方式と比較し、1.4倍の高速加工が可能となった。また、段取りの自動化、安定加工を追求するため、最先端の支援技術「レーザ・インテグレーションシステム」を初めて搭載している。レーザ発振器には同社独自の光技術と制御技術を組み合わせた高出力ファイバーレーザの搭載により、さらなる高生産性、高精度、低ランニングコストの板金切断加工を実現する次世代ファイバーレーザマシンとなっている。
なお、日本での販売開始時期は、2020年夏を予定している。
REGIUS-3015AJ 主な特長
(1)世界最速のリニア駆動を実現
リニア駆動には新開発のリニアモーター、リニアスケールの採用と、最適設計による合理化を行うことで、従来機の1.4倍となる世界最速の送り速度340m/minを実現する。さらに、高剛性サポートブラケットによる高加減速に対応することで位置決め精度が向上し、これまでにない異次元の高速、高精度加工を両立した。
(2)アマダ独自の定評あるビーム制御技術を搭載
9kW高出力レーザ発振器に、レーザ光を最適なビーム形状にコントロールできる同社独自の定評あるビーム制御技術を搭載し、薄板から厚板まで全板厚領域において極めて優れた安定加工と加工品質を実現した。
(3) 最先端の支援機能「レーザ・インテグレーションシステム」を初搭載
さらなる安定加工を追求するための、最先端の支援機能を多数搭載。各種監視、検知、診断を行うことで、マシンの状態を最適に保ち、工数がかかる始業前点検の自動化や、加工不良による自動復旧を実現し、ダウンタイムゼロを目指す。これにより、生産性が大幅に向上し、作業練度によるバラツキの低減による究極の安定加工を実現した。
「レーザ・インテグレーションシステム」の主な機能
① 段取り・安定加工を支援する機能を搭載
ノズルや保護ガラスの状態を定期的に診断、監視し、問題を検知した場合はノズルの交換や焦点調整、芯出しを自動で行う。これらをマシン立ち上げ時に行うことで、始業前点検作業を自動化し、点検にかかっていた時間を80%削減する。
② 加工不良によるダウンタイムを削減
加工中に発生する光の状態を検知・分析し、万が一加工不良を検知した場合、一時停止することで不良状態の加工継続を防止する。また、自動でマシンの状態を確認、復旧後、再開可能な場合は次経路から加工を再開する。
③ 加工ヘッド干渉時の損傷回避動作および自動復旧が可能
加工中に加工ヘッド部が障害物との干渉を検知した場合、自動で回避動作を行い復旧する。さらに加工ヘッドの逃げストローク量を従来の2倍に増やし、損傷リスクを低減する。
④ イージーオペレーションを実現
端材を有効活用する端材加工支援機能を搭載。操作パネル上で、カメラで認識した端材画像を任意の位置に配置するドラッグ&ドロップ機能により、段取り時間を75%削減し、端材加工が誰でも簡単に行える。
マシン仕様