『「守り」ではなく「攻め」の姿勢で臨む一年に』 経済産業大臣 枝野幸男

「攻め」の一年に向けて

新しい年を皆様と迎えられることを嬉しく思います。本年が、皆様にとって実り多い年となるよう祈念申し上げます。

昨年は東日本大震災、秋の数度の台風、そしてタイの大洪水など、自然災害の恐さを思い知る一年となりました。さらに、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、福島県を始め広い地域に被害が及び、大変な御苦労をおかけしました。また、震災直後に計画停電を実施するなど、電力の需給も厳しい状態が続きました。私自身、内閣官房長官として、また、経済産業大臣としてこれらの事態に対処し、原子力発電所の安全確保の大切さ、エネルギーの安定的な供給の重要性を痛感いたしました。こうした中、世界経済は不確実さを増し、欧州の経済危機と米国経済の低迷を前に、急激な円高が続いています。ドーハ開発ラウンドが停滞する一方で、二国間や地域内の経済連携や自由貿易協定が拡大しています。さらに国内では、少子化・高齢化の影響がいよいよ顕在化しており、現状を放置したままでは社会保障の安定的な提供や財政の健全化が滞って活気ある社会を営むことが早晩困難になります。震災前から抱えていたこれらの課題の解決に向け、今年は「守り」ではなく「攻め」の姿勢で臨む一年にしたいと考えています。