【注目の技術】OKK 高速・高剛性・高精度を実現するHMシリーズがさらにパワーアップ!「HM6300/8000S」の強みとは
OKKの横形マシニングセンタには、HMシリーズとMCHシリーズ、及びHMCシリーズがある。MCHシリーズ機は、超重切削加工をメインターゲットとした超高剛性が特長であり、一方のHMCシリーズ機は、高速部品加工をメインターゲットとした高速性が特長だ。これらに対して、HMシリーズ機は、そのどちらの長所も併せもち、高剛性と高速性を両立させた適応範囲の広い横形マシニングセンタである。鉄系部品、鋳物部品、難削材からアルミ部品、金型部品など、幅広い加工要求に応えることができる。そんなHMシリーズだが、2019年のEMOショーでは「全方位進化」を開発コンセプトにした「HM6300/8000S」を発表し販売を開始し大きな注目を浴びた。
軽量化を実現しながらも十分な剛性を確保!
従来機である「HM630/800S」は2004年に開発・販売が開始され、2020年現在までに500台を超える納入実績を誇り、生産性と信頼性で高い評価を受けていることが分かるが、新機種の「HM6300/8000S」は主軸端面からパレット中心までの距離は、従来機の200mmからクラス最短の50mmまで接近可能となった。これにより突き出しの短い工具が使用できるため、工具の剛性もアップし、高能率加工と工具の長寿命化が実現している。また、最大工具長さは600mmまで対応でき、深穴のボーリング加工などではパレットを反転させることなく加工することができるため、切削時間の短縮と高精度な加工の両立に貢献した。
最大積載ワークは、径φ1,110mm、高さ1,300mm、重さ1,500kgまで対応可能で、これはクラス最大。また、高さに余裕を持たせたことで、上からの治具用油空圧供給装置を付属した場合でも十分なワーク高さを確保している。
早送り速度は75m/min(Y軸のみ54m/min)とクラス最速を実現し、サイクルタイムの大幅な短縮に貢献しているのも魅力だ。同社では、「高剛性と早送り速度の高速化を両立させるためには、移動体の剛性を維持したまま軽量化構造が必要となるため、コラムにおいてはFEM解析を駆使した最適形状や、前後のX軸ガイド部にスラント構造を採用し、ガイド間ピッチを従来機比で30%以上広くできた。これにより、軽量化を実現しながらも十分な剛性を確保することを可能にした。」としている。
標準の12,000回転MS主軸は、フロント側軸受に内径φ100mmの4列アンギュラベアリングを採用し、最大トルクは623N・m、最大出力は45kW。また、オプションで難削材などの重切削加工に対応する高トルク仕様の8,000回転MS主軸も用意しており、この主軸はフロント側軸受に内径φ120mmの4列アンギュラベアリングを採用し、最大トルクは1,202N・m、最大出力は55kWを実現している。