産学が連携した「未来ロボティクスエンジニア育成協議会(略称 CHERSI)」を設立
2019年5月に、内閣府、文部科学省、厚生労働省、経済産業省が合同で、「ロボットによる社会変革推進会議」を開催し、同年7月に「ロボットによる社会変革推進計画」が取りまとめられた。この中で、将来のロボット人材の育成に向けて、産学が連携した人材育成枠組の構築の必要性が打ち出されたことを踏まえ、経済産業省の音頭のもと産業界と教育機関が結集して、産学が連携した人材育成の体制構築について検討を重ねてきた結果、2019年 12月に、高等専門学校や工業高校の教育機関における産業界に対するニーズと、ロボットメーカー/ロボットシステムインテグレータ等が有するシーズとのマッチングを通じた人材育成を担う「未来ロボティクスエンジニア育成協議会〈英語名:The Consortium of Human Education for Future Robot System Integration、略称:CHERSI(チェルシー)〉」の設立に向けた準備を進めてきたが、6 月 24 日付けで、CHERSIが、「ロボット革命・産業 IoTイニシアティブ協議会」(「ロボット新戦略」(平成27年2月10日、日本経済再生本部決定)に基づき設立された協議会。通称、RRI。)の下に設立する運びとなった。
産業界からは、川崎重工業、デンソー、ファナック、不二越、三菱電機、安川電機に加え、新たに平田機工を含めたロボットメーカー7社と、FA・ロボットシステムインテグレータ協会が参画し、最新の技術動向、シーズ等を教育機関に提供していく。教育機関等からは国立高等専門学校機構、全国工業高等学校長協会に加えて、新たに高齢・障害・求職者雇用支援機構も参画する。
具体的な取組として、2020年度上期には、高等専門学校教員向け研修を実施することを予定している。例えば、高等専門学校の教員が、CHERSI会員企業を訪問し最新の技術動向や最新のロボット適用事例を俯瞰することで、産業界の知見を高等専門学校教育に取り入れていく。同年下期は、CHERSI会員企業から高等専門学校向けに講師を派遣し、授業を通して直接学生に最新の技術動向やロボット適用事例等を伝えるといった活動を行うことを予定している。
これらの活動結果については、来年度以降の高等専門学校のロボット関連カリキュラムや教材に反映すること等を通じて、全国の高等専門学校への水平展開を目指す。
全国工業高等学校長協会と高齢・障害・求職者雇用支援機構についても、高等専門学校の活動を参考にしつつ、産業界との連携を進めていく。具体的には、工業高校においては、2021年度に夏期講習として教員を対象としたロボットに係る研修を実施すべく、今年度検討を進めていくことを予定している。また、高齢・障害・求職者雇用支援機構においては、ロボット分野におけるセミナーコースの開発や講演会の開催に向けて具体化を進めていくことを予定している。
〈CHERSI の活動イメージ図〉