「スーパーG1チャック」にファンが多い理由 ~お客様から「ありがとう」と言ってもらえるツールホルダー~ ユキワ精工
工作機械と切削工具の狭間に位置するツールホルダーは、主軸と工具をつなぐ重要な機器だ。ホルダーの違いで切削スピードが変わるほど、縁の下の力持ち的な要素を含んでいる。ユキワ精工(社長=酒巻弘和氏、本社:新潟県小千谷市)の「スーパーG1チャック」は、「ツールの芯出しが簡単で、ダイヤルゲージで工具をあわせなくてもパシッと合う」、「切削工具のもちも精度も良い」、など、加工分野で高い評価と信頼を得ている。
支持される理由とは
ユーザーは、新しい加工をするため、または生産性の向上を図るため、工作機械と切削工具は良いもの、または最新のものを選択される傾向にある。「工作機械と切削工具の間に入るツールホルダーを重要視されるユーザー様は決して多くありません。」と酒巻社長。
某企画にて「マシニングセンタで加工に行き詰ったときに見直すものは?」という質問を投げたところ、“ツールホルダー”と回答した方はわずか10%しかいなかったという。
「しかし、ツールホルダーは、工作機械の主軸と切削工具をつなぐ重要な機器であり、良いツールホルダーを使うだけで、生産性に大きな違いが出るということは、意外と知られていません。」(酒巻社長)
そんな印象の薄いツールホルダーでありながら、同社の「G1チャック」にファンが多く、支持されている理由を尋ねると、「マシニングセンタ加工にて、他社製ツールホルダーから当社のツールホルダー・スーパーG1チャックに切り替えて実際に効果が得られたユーザーから〝成功事例〟としてその実際の効果の声を集めたところ、業態により〝量産加工〟と〝単品加工〟に分けて効果を集計してみると、ある傾向が見えてきたという。
〈量産加工ユーザーにての効果〉
1位 切削工具が長持ちするようになった
2位 送り速度を上げることができた
3位 工具交換時間が削減できた
〈単品加工ユーザーにての効果〉
1位 ワークの面粗度が向上した
2位 切削音が静かになった
3位 一発で精度が出るので、振れの調整時間が要らなくなった
これにより量産加工ユーザーはコストダウンに直結する効果が得られ、単品加工ユーザーは、品質向上に直結する効果が得られたことが分かる。酒巻社長は、「〝調整時間が要らなくなった〟、〝工具交換回数が削減できた〟という効果があることについては、作業時間の短縮にもつながっており、昨今の働き方改革にもつながる効果です。このような効果が得られる理由としては、スーパーG1チャックの製品特徴である、〝高い振れ精度〟、〝高い剛性〟、〝高い把握力〟が大きく影響しています。」と自信を見せる。
酒巻社長は、今から約4年前の「JIMTOF2016年」で、忘れられない嬉しい出来事があったという。ユーザーが同社のブースに来場した際、『良いツールホルダーを紹介してくれてありがとう。切削工具が長持ちしてコストダウンに繋がった。またBT40番の機械を買おうと思ったが、良いツールホルダーを使うことで、BT30で加工が出来た。』と酒巻社長の手を握り、お礼を言ったことだった。
この嬉しい出来事について酒巻社長は、「メーカーとしては、これ以上の喜びはありません。このことは今でも忘れませんし、今後のユキワ精工のミッションは、このように〝喜んでいただけるお客様を増やしていくことだ。〟と思う瞬間でもありました。今後とも弊社は、スーパーG1チャックを販売拡大することで、「ありがとう」と言っていただけるユーザー様を増やして行く所存です。」と、意欲を示している。
現在、新型コロナウイルスの影響が暗い影を落としているが、5Gを背景とする半導体産業等は期待値も高く、これに併せて微細加工分野に注目が注がれる。加工の時短につながるヒントはツールホルダーにアリ!