アマダウエルドテック 新型2kW ファイバーレーザ溶接機「MF C2000A」シリーズを発売
アマダウエルドテックは、このほど、新型2kWファイバーレーザ溶接機「MF-C2000A」シリーズを発売した。この製品は、近年加速する自動車の電動化に伴い、需要が高い車載用電池のアルミ溶接や、電装品の銅溶接、そして鉄系材料の溶接まで幅広い用途に最適なファイバーレーザ溶接機。
自動車で使われる電池の大容量化や電装化の加速を背景に、大電流の通電に対応するためにバスバーの面積が増加していることに伴い、アルミや銅を材料とするバスバーなどの電装品の製造に対して、生産タクトや溶接強度の向上、熱歪みの改善といった要求が高まっている。同社ではこれらのニーズに応えるため、レーザ発振器の最大出力を従来機の1kWから2kWへ2倍に拡大し、生産性が飛躍的に向上することに貢献した。
アルミや銅といった高反射材の溶接に最適なシングルモードモデル「MF-C2000A-S」は、熱交換効率の高いコンパクトタイプの2kWレーザ発振器を搭載したことで、従来機と同寸法でありながら2倍の高出力化を実現した。また、アマダウエルドテック独自のレーザ出力制御機能「アクティブヒートコントロール」に対応し、加工端の発熱量を基準としてレーザ出力を制御することで、パワーの過不足といった不具合を解消し、高品質、安定加工を実現する。また、鉄系材料の溶接に最適なマルチモードモデルの「MF-C2000A-M」もラインナップし、用途に応じて選択できる。
同シリーズのうち「MF-C2000A-SC/MC」は、ガルバノスキャナーのコントローラーを初めて本体に組み込み、レーザ出力とガルバノスキャナーの一体制御を可能とした。従来のように別置きのコントローラーが不要となり、シンプルな機器構成を実現したことで、複雑な配線や接続による不具合低減や工場レイアウトの改善に貢献する。さらに、別売のレーザウエルドモニター「MM-L300A」との組み合わせにより、レーザ溶接をリアルタイムに可視化することで良品と不良品を判定し、製造から品質管理までを一貫して行う溶接システムの構築が可能になった。
MF-C2000Aシリーズ主な特長
1. ハイパワーファイバーレーザ発振器による高出力化とコンパクト化
新型の2kWファイバーレーザ発振器は、用途に合わせて選択できるよう、シングルモードとマルチモードの両モデルをラインナップ。従来機比で出力を2倍にアップすることで、シングルモードモデルでは約3倍の高速溶接を実現した。さらに、従来の1kW発振器と同サイズのコンパクト設計により、筐体のダウンサイジングを実現し、工場レイアウトの改善に貢献する。
2. 定評ある「アクティブヒートコントロール」機能を搭載
アマダウエルドテック独自のレーザ出力制御技術。加工部の熱量をレーザと同軸で検出し、本体へフィードバックしながら溶接に最適な熱量にレーザ出力を可変させ、加工部への入熱を精密に制御することで、溶接安定度が飛躍的に向上する。
3. 新型専用ガルバノスキャナーの一体制御を実現
発振器と専用ガルバノスキャナーの一体制御をシンプルな機器構成で実現した。操作や維持管理の負荷だけでなく、複雑な配線による不具合発生のリスクを低減する。また、専用ガルバノスキャナーは従来機よりもコンパクト化し、最大許容パワーも1kWから2kWまで倍増した。レーザ光を走査し任意のポイントへ照射できるため、対象ワーク自体を移動させる必要がなくなり、より高速な溶接を実現する。
<新機能>※オプション
① Gridwork機能
スキャンエリア全体を指定した分割数(水平・垂直方向)で撮影して合成し、1枚の絵として保存することで、撮影した画像を下絵として使用可能になった。従来必要だった画像の登録や作図工程が不要になる。
② AutoPositionAlignment機能
Gridwork機能で取得した下絵から、パターンマッチングの要素を登録。登録した下絵を基準に、スキャナー時にパターンの位置ズレを検出し、レイアウトの補正量を計算、自動で補正する位置補正機能。ワークの配置が容易になり、作業性が向上する。