ナガセインテグレックスが業界初の研削加工支援アプリを開発
ナガセインテグレックスがこのほど、NAGASEの研削盤を対象としたタブレット端末・スマートフォン用の研削加工支援アプリを開発した。このアプリは、加工要求(材質、要求幾何精度、表面粗さ、加工時間など)を入力するとNAGASE が提唱する加工の十大要素に基づいて推奨加工システムを提示する。また、連動したマシンにて加工中に発生するアラームは適宜、スマホやタブレットに送信されるので、加工現場にいなくてもマシンの状態を把握することができる。
さらに、生産管理ソフトと連携し、機械の稼働状況や各ワークに対して、加工がどこまで進んでいるかを遠隔地からでも確認することができる特長を持つ。研削を全く経験したことの無い作業者でも、1 週間でマシンの操作習得から始めて、鏡面加工までできるNAGASEの精密マシンを前提に構築したアプリである。加工に関する様々な要素をまとめたデータベースを基に、独自に開発した数学的アルゴニズムによって推奨システムを提示している。
販売開始は来年度からを予定。
製品の特長と仕様
今回、「研削加工は、他の加工方法に比べて自動化、省人化、無人化、非熟練化が遅れており、単なるワークの自動供給を行っても根本的な解決にはならない。」と考えた同社は、絶対運動特性と高い再現性、高剛性で且つS/N 比の高いマシンを基に、研削加工者、生産管理者、設備管理者を支援するアプリを開発、熟練者の知見と経験を基に、加工要求に対して加工システム(工程と加工条件を含む)として「考える」道筋と推奨条件が表示されることが特長だ。推奨条件を基にシミュレーションして最終決定した加工条件はスマホやタブレットからマシンに転送することができる。また、一部の機種では、スマホ・タブレットから、直接マシンに条件入力ができるうえ、日常的にマシンが発するアラームがタイムリーに表示される。別売の生産管理ソフトとの連携により、加工の進捗状況を確認することもできる。
データベースは、予め同社が用意したデータベースに加えて、ユーザー独自のデータベースを作成することができるので、社内のノウハウの蓄積にも可能。シンプルなNAGASEならではのアルゴリズムによって計算がされているので、推奨条件と現実の乖離がある場合の原因を見つけることが容易である。研削加工の社内研修にも活用が期待されている。
また、バージョンアップを適宜図り、将来的には、ビフォアサービスやアフターサービス、砥石などのナノバック製品や消耗品の発注もできる機能を搭載予定である。
■仕様
製 品:Web アプリケーション
主な機能:アラーム通知・アラーム履歴表示・加工システム推奨選定・加工条件推奨選定・設備稼働状況表示・加工品進捗状況表示
接続可能な加工機:NAGASE 研削盤(Zero シリーズ・Neo シリーズ)