ヤマザキマザック 最新のCNC装置「MAZATROL SmoothAi」を搭載した同時5軸加工機「VARIAXIS i-800 NEO」販売開始
ヤマザキマザックが基本性能を強化した最新のCNC装置「MAZATROL SmoothAi」の搭載と幅広く自動化仕様に対応する同時5軸加工機「VARIAXIS i-800 NEO」を開発し、このほど販売を開始した。
同社の同時5軸加工機のベストセラーモデルであるVARIAXIS シリーズに、高い基本性能と最新のCNC装置、充実した自動化仕様を備える「VARIAXIS i-800 NEO」をラインアップすることで、5軸加工機における提案力を強化することが狙い。
「VARIAXIS i-800 NEO」は、テーブルに積載できる加工物のサイズと加工領域を拡大。イケール(治具)を利用した加工物の多数個取りなど柔軟な運用が可能。また主軸の移動速度を高速化し、加工サイクルの短縮を実現している。
最新のCNC装置「MAZATROL SmoothAi」を搭載し、AIを活用した熱変位補正や“びびり振動”の抑制、デジタルツインによるオフィスPC上での加工シミュレーションなどにより、生産性と加工精度の向上に貢献する。
また多種多様な自動化システムとの接続も可能としており、多段パレットストッカシステムや横形マシニングセンタとの混成ラインなど、顧客の生産形態にあわせた最適な自動化システムを構築することができる。
特長
(1)基本 仕様 を 強化 し、高い生産性を実現
a) 加工領域と最大積載寸法を拡大
X/Y/Z軸の移動量と、最大積載寸法を拡大した。イケール(治具の一種)に加工物を複数固定して連続で加工するなど、さまざまな運用が可能。
X軸移動量: 750mm A軸移動量:-120°~ +30°
Y軸移動量: 890mm C軸移動量:±360°
Z軸移動量: 600mm 最大積載ワーク 寸法:φ 1000mm × 415mm
b)加工サイクルの短縮
より高速な軸送りに対応する自社製の新型ボールねじを新たに採用。X/Y/Z軸の送り速度が48m/minに向上した。工具交換装置は制御方式の改良により、次回に使用する工具の呼出し時間を短縮。頻繁に工具交換を繰り返す加工においてもスムースな工具交換が可能となる。
(2)最新のCNC装置「MAZATROL SmoothAi」を搭載
a)生産性と加工精度を高めるAI機能
■Ai サーマルシールド
加工品の計測データ履歴をAIが深層学習することで、加工誤差の発生要因をパターン化。工誤差を自動で補正することで、加工精度を向上。
■Smooth Ai 主軸
AI適応制御により加工条件を自動変更し “びびり振動”を抑制、なめらかな加工面を実現。
b)デジタルツインによる生産改善
同社製CAMソフトウェア「Smooth CAM Ai」により、オフィスPC上に仮想のVARIAXIS i-800 NEOを構築。仮想マシン上で干渉チェックや加工時間予測、切削時の主軸負荷や切屑排出量をシミュレーションし、加工工程の改善に役立てることができる。
(3)充実の 自動化対応
a) 自動化システムの接続により、変種変量生産に対応
同社製の自動化システム「パレテックマニュファクチャリングセル」に接続することで、変種変量生産の自動化が実現する。本機導入後の後付けや既存システムへの接続、横形マシニングセンタとの混成システムの構築が可能。
b) 多段パレットストッカ「MPP」に対応
機械単体で多品種少量生産に最適な自動化システムを構築できる。システム導入後にストッカ数を拡張することもできる。
c) 多関節ロボットの運用を支援するソフトウェア「Smooth RCC」に対応
加工スケジュールから必要なプログラム・工具を精査し、不足があれば作業指示として通知する。また、CNC装置上で対話式プログラムによる多関節ロボットの段取りが可能。これらの機能により、スムースな自動化システムの運用を実現する。
主な仕様