オーエスジーが第108回株主総会を開く

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飛沫防止パネル越しに議事を進行するなど感染防止対策を徹底した中での総会となった。

 オーエスジーが2月20日(土)に同社アカデミー内グローバルテクノロジーセンター(豊川市一宮町)で「第108回定時株主総会」を開催した。今回は、愛知県に非常事態宣言が発令したこともあり、株主への安全と健康の配慮から、会場内では飛散防止パネル越しに議事を進行するなど、感染予防対策を徹底した中での開催となった。海外も含めて本社のある愛知県外に居住する役員はリモートでの参加とし、モニター上に姿を映す形で進められた。

 総会に先立ち、議長である石川則男社長があいさつをした。この中で石川社長は、同社を散りまく経営環境について、「2020年11月期は中期経営計画NEXT2017の最終年度だった。当社を取り巻く経営環境は大きく変化しており、特に地球規模で推進されているグリーンエネルギーまた地球温暖化ガスの排出抑制に関係の深い自動車産業、特に電動化が大きなテーマとなっている。自動車への電動化への移行は想定よりも少し早いペースで進行中だが、その中でもハイブリッド、EVまたそれに伴う安全技術、自動走行技術等の分野で様々な部品のモジュール化やそれらの部品において生産の効率化、生産拠点の集約化が思った以上のスピードで進んでいる。」と触れ、「環境の変化は オーエスジーが進めてきた地球規模での技術、営業のサービスそして地球規模での生産体制は大きなプラスに働くものと認識している。」と前向きな姿勢を示した。

 また、「今まではそれほど大きな取引をいただけなかった欧米のメーカー、大手メーカーからシェアアップが期待できる状況になりつつある。電動化部品に対応する新技術、新製品の分野においては、当社はコーティング技術を切り口として進化、拡大したい。」との考えを示し、「コーティング分野ではかなりの投資、M&Aをはじめとする投資を行ってきた。オーエスジーのコーティング技術のレベルはここに来てかなり強化されたと認識している。また現在グローバルに拡充しておりますコーティングセンターも今後の新ビジネスとして期待ができるものと考えている。」と期待感を滲ませた。

第108期事業報告

 第108期事業報告では、当期は新型コロナウイルスの影響で工具需要が激減したが、中国の自動車産業の回復が大きな力となり、5月を底に回復傾向となった。流通在庫の調整も、9月以降順調に進んだ。一方、欧州の販路の拡充および、欧米での航空機産業向けビジネス強化のためのM&Aなど、海外事業の強化にも注力した。また、将来性の高いコーティング事業への投資も行った。また、日本では、生産体制の刷新を目指し、超多品種小ロット生産でのリードタイムの短縮と、大きなロットの無人化生産を両立する、 NEO(ネオ)新城工場を2020年5月に立ち上げ、超硬タップ、超硬ドリルなどの高能率工具の生産を開始している。今後は、NEO(ネオ)新城工場での取り組み を全製造部門へ展開していくとした。

 この結果、この結果、連結売上高は1043億8800万円、連結営業利益は83億9600万円、(親会社株主に帰属する)連結当期純利益は56億3900万円となった。


 日本では、新型コロナウイルス感染症による経済活動の停滞により、主要ユーザーである 自動車関連産業向けをはじめ、多くの業種で深刻な影響を受け、輸出も主要な海外グループ向けが減少した。また、売上減少に伴う操業度低下による固定費率の上昇、為替レートの影響等により、営業利益も前期と比較して大きく減少した。

 北米では、新型コロナウイルス感染症の影響により多くの業種で生産活動が強制的に停止されるなど、景気が急速に悪化したが、期末に向けて景気は回復傾向を見せた。また、ブラジルでは受注の減少に対応するため、工場の操業停止などを一時的に行ったが、期末にかけて自動車関連産業を中心に回復傾向にあり、受注も上を向いてきている。

 欧州・アフリカでは、ロックダウンを中心とする封じ込め政策が導入され、ほとんどの国で一定期間経済活動が制限された。同社グループにおいては、期末にかけて一部の国及び航空機関連産業を除いて緩やかに回復に向かった。

 中国では2月中旬まで製造工場の稼働を停止したが、3月以降は切削工具の需要が戻り、第4四半期には前期水準まで回復した。韓国では自動車の生産が戻ってきており、同社グループの工場稼働状況は、前期と比較すると8割強程度まで回復している。その他のアジア諸国でも多くの国で回復してきている。

 第1号議案「剰余金処分の件」、第2号議案「取締役(監査等委員である取締役を除く。)2名選任の件」、第3号議案「役員賞与の支給の件が上程され、それぞれ可決されたあと、新たな執行体制と執行役員担当が紹介された。

就任にあたって

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豊富を述べる大沢氏

 代表取締役社長に就任予定の大沢伸朗専務が新任にあたり、「オーエスジーに入社してこの4月で勤続30年を迎える。16年間ヨーロッパを中心に海外の事業畑が非常に長かったが、その後日本で国内営業を担当させて頂いた。このほど社長就任予定となり、ご支援をよろしくお願い申し上げます。」とあいさつをしたあと、次のとおり抱負を述べた。

「VUCA(ブーカ)という言葉をご存知でしょうか。この言葉はちょうどイギリスの EU 離脱問題が出たその時分、そしてトランプ大統領の台頭といった世界情勢が非常に不安定な時期に使われだした言葉だと理解しているが、このVUCAというのは、V,U,C,Aこの4文字はその頭文字をとった言葉で、Volatility(ボラティリティ)、Uncertainly(アンサートゥンリー)、Complexity(コンプレキシティ)、Ambiguity(アンビギュイティ)、これを日本語にすると、 変動的で、不確実、そして複雑そして最後に曖昧、ぼやけているという感じでしょうか。非常に変化が激しくて先行きが見通しにくく、 より複雑化した状態の中で不透明性が増していることがコロナ禍で生じた。特に昨年、打撃が大きかったことは、航空機産業のこれからの長期にわたる低迷だった。まさに我々が一生懸命取り組んでいた部分が突如として方向転換を迫られる形で、従来は常識と思っていたことが突然、一変してしまうようなことを経験した年になった。

 加えて、自動車産業におけるEV化の波もあり、この方向性に進んで行くとはいえ、先ほどのVUCAと同様で、まだまだ予測が難しいと認識している。オーエスジーは今年、83周年を迎えるが、この80年以上にわたって歩み、培ってきたDNA、チャレンジ精神、不屈の精神、という我々の根っこにあるオーエスジーの商売原則における部分は不変だと思っている。そしてこの予測不能な時代の中で100周年を迎える、というのは、しばらく先のことではあるが、100周年を迎える時には今以上輝きを放っている会社になるため、その道筋をこの先短期の間に示していくことが私の使命だと認識している。」


 

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