牧野フライス製作所 中・大型金型加工向け2機種を発表

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説明をする髙山営業本部長

 牧野フライス製作所が2月24日、オンラインで中・金型加工向け2機種を発表し、会見を開いた。国内における金型は8割が自動車産業で占められていることを受け、同社の執行役員高山営業本部長は、今回の開発の経緯について、「現在、大きな変革期であると同時にものづくりが大きく変わり、金型も変わると実感している。」と金型産業と自動車関連産業の密接なつながりを強調した。特に自動車産業の環境規制については、「CO2削減においてヨーロッパはCO2削減がより厳しくなっており1kgあたり95g(日本は1kgあたり122g)と、さらにヨーロッパでは規制違反には罰金も科せられる。」と自動車産業にとっては厳しい時代の到来を示唆した。
 
 「また、自動車はEV化の流れもあり、パワートレインだけでなく、デザインも複雑で意匠性の高いデザインが見られるようになった。新たな自動車新興メーカーも出てくるともいわれ、こちらも注視していかなければならない。」と、述べ、今後、金型の価値は差別化要素を生み出す手段になることを強調した。

 今回、リリースした2機種は下記の通り。

5軸制御立形マシニングセンタ「V100S」

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 金型の主な消費産業である自動車業界が大きな転換期を迎えており、同社では「外装デザインなどで、従来とは異なる価値創造へのニーズが高まっている。」としている。内外装部品向けの中・大物金型の生産において大きな負担となっていた①長時間の中仕上げ・仕上げ加工、②精度調整のためのマニュアル作業――だか、今回リリースされた「V100S」は、〝生産性向上(スピード)〟の追求と同時に〝オペレータ負担の軽減(マニュアル作業の削減〟の両立を実現したマシン。

〈主な特長〉

(1)中大物金型向けの積載ワーク重量・ワークサイズ
 中・大物金型加工の問題点である中仕上げ・仕上げ加工時間の短縮を実現するために開発されたマシン。同社の5 軸制御立形マシニングセンタV90Sより約2倍、ワークサイズ3 倍のワーク重量の加工が可能となった。

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(2)特長的な主軸と回転・傾斜軸
 コンパクトな主軸と回転・傾斜軸の採用により、高速・高面品位を実現する。

(3)なめらかな同時5 軸動作
 スラント構造を有するV100Sは、特異点通過時に急激な回転動作が発生し辛いため、なめらかな動作が実現可能。

(4)操作性
 大きな金型でもクレーンを用い、容易にテーブル上へ設置できる設計。
 

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 出荷開始は2021年8月から。定価は国内販売価格89,000,000円(消費税別)。


NC放電加工機「EDNS22」

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 このマシンは、中・大物金型で、形彫り放電加工の作業は精度調整のためのマニュアル作業が大きな負担となっていたことを受け、①長時間連続運転での生産性向上、②オペレータ負担(精度調整作業)の軽減、を目的に開発されたもの。

〈主な特長〉

(1)トレンドに即したワークサイズ・移動領域
 既存EDNCシリーズと比較し、奥行方向を拡大し、大型・正方形の自動車金型に対応する。

 機械ストローク

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(2)生産性を大幅に向上させる 2つのヘッド
 2つのヘッドを用いて、従来機2 倍の生産性を実現する。重心移動を考慮し、リブを適切に配置した高剛性な本体構造と温度制御した加工液による機械本体温度管理にて、長時間での加工時も安定し、オペレータ負担を軽減する。

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(3)ジャンプ速度20m/min、加速度1G
 Z軸ボールねじ冷却構造により、「高速ジャンプの実現」と「発熱による機械影響の最小化」を両立させる。

 出荷開始時期は2021年10月より。販売価格は128,000,000円(消費税別)
 

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