日本工作機械工業会 新会長に稲葉善治 ファナック会長

 日本工作機械工業会(以下日工会)が5月28日、「第10回定時総会」を行い、新会長に稲葉善治 ファナック会長が就任した。なお、飯村幸生 前会長(芝浦機械会長)は、相談役に就任した。

 新体制によるオンライン会見では、4年間の任期を終えた飯村前会長が、「稲葉新会長へ無事にバトンをお渡しすることができました。技術革新、中小環境の変化、新型コロナウイルス感染拡大の影響による大幅な事業変動がありましたが、このような時期に重責を担う会長の大役を務めさせていただき任期を全うできたことは大変名誉なことであり光栄でした。工作機械産業ビジョンで示された、産学官連携、標準化戦略、JIMTOF求心力、人材の確保・周知策の強化を軸として、各委員会が中心となって地道に進化させ、日工会事業を進めさせていただいた。その中ではサービス員の共通教育講座、輸出管理の実務者向け研修会の開催、工作機械検定の創設など人材関連の事業で新たな取り組みを開始することができました。」と4年間を振り返り、お礼を述べた。

 続いて稲葉新会長が、「この変化の激しい不透明・不確実な時代に会長職を拝命し、身の引き締まる思いです。伝統ある会長職の責任の重さを痛感するとともに、大きな使命感を感じています。先人が築き上げてこられた長い歴史を受け継ぎ、わが国工作機械業界のさらなる飛躍を期して、将来に向けて盤石な礎を築くことが新会長としての私の大切な役目であると考えています。このタイミングを果たし業界全体の発展を図るために粉骨砕身努力する所存です。」とあいさつをした。

 工作機械業界を取り巻く現状認識についても触れ、「社会・経済が不確実性を内在している状況にあっても製造業のイノベーションが着実に進んでいると実感されます。製造業の人手不足の対応や生産性向上のため、ロボットや周辺機器との連携が進み、自動化技術が進化しています。5Gの普及に伴い高速大容量通信により多数の機器による同時接続が普及していくと見込まれ、また、コロナ化でデジタルトランスフォーメーションが加速し、カスタマートランスフォーメーションも起きていると考えられます。地球環境問題への対応から全世界的に2050年カーボンニュートラルに向けた取り組みが進められており、自動車産業では電動化に拍車がかかっている一方で環境に対する規制も強化されており、ライフサイクルアセスメントやカーボンフットプリントへの対応が求められております。」との認識を示した。

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