「お客様の課題に向き合い加工イノベーションを実現していく」 ~ MOLDINO 鶴巻社長に聞く~
MOLDINO品質でお客様の利益拡大に貢献
―昨年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響でインターネットを活用した新たなコンテンツが登場しています。貴社の『MOLDINO WEB EXPO』も新たな行動様式の変化に対応し、新コンテンツを構築してユーザーとのコミュニケーションに果敢にチャレンジしていく姿勢を示しました。
鶴巻 弊社はコロナ禍の数年前から既に海外を中心としてオンラインを活用したセミナーや技術セッションなどを活発に実施していましたが、コロナ禍の影響で、移動制限がかかったこともあり、国内でもオンラインでユーザーを対象とした技術相談や、販売店を対象とした講習会を開くなど、WEB会議システムを使ったコミュニケーションが非常に活発化しました。社内でも、現在、社内講習会を定期的に行う計画を立てています。加工について理解を深めるために、かなりニッチなところまで追求し、営業員と技術員の講習会を頻繁に実施しています。
―コロナ禍ということもあり、社内でもWEB会議システムを活用されていますが、新たな発見はありましたか。
鶴巻 技術サービス活動のレポートは日々あがってきます。案件によりけりですが、WEB会議システムを活用することによって滞りなく進める事が出来たり、むしろ以前より効率よく課題を解決する事が出来たというケースも聞いております。今後もお客様のニーズに合った活動をおこなっていきます。
―貴社は成田、野洲に工場を持ち、昨年は魚津工場を再稼働させました。国内生産にこだわりを見せているようにも感じます。
鶴巻 昔と違い、グローバル化は当たり前の世界になっている今こそ、メイドインジャパンにこだわっていきたいという思いがあります。今まで経験してきたことですが、海外で製造するとなると、品質の安定性など難しい部分があるのです。以前は海外製造において、コスト面にメリットがあった時代もありましたが、輸送や在庫ができる品番の数、そしてお客様から求められる高い品質を含めると、われわれは、国内で生産する〝MOLDINO品質〟を高めることに尽きます。
―やはり昔からのキャッチコピーである〝開発技術の~〟は踏襲しているということですね。
鶴巻 開発技術は弊社にとって偉大なものであり、営業としての姿勢も一貫しています。よく「ユーザー営業」という言葉を聞きますが、お客様のお困り事をただ聞いてくるだけではなくて、例えば「工具が折れた」と聞けば、なぜ折れたのか、そこにある根深い問題、顕在的なトラブルと潜在的な課題を営業担当者はキャッチアップして、お客様にソリューションを提案します。これができるのは開発技術があってこそ、なのです。
―開発技術といえば貴社では加工半減を意味する『PRODUCTION50』の提案もしております。性能やコストを時間で捉え、先ほど話しに出てきた『Hi-Pre²』を活用したコスト削減のためのノウハウがギュッと詰まっているように感じます。
鶴巻 このコンセプトは、高い生産効率を実現することによって製造コストを低減していくことです。全体で製造費が約70%、管理費が約25%、そして工具費は消耗品なので目立ちますが、製造にかかる費用の中では5%ほどしか占めておりません。最新工具の性能を活かして加工時間を半減すれば、製造費削減を実現でき、利益確保に貢献できるという考え方です。お客様の声にクイックレスポンスで取り組める風土と土壌が弊社にはありますから、さらに現場の対応力に磨きをかけて、お客様とともに互いに切磋琢磨しながら歩んでいく所存です。
―ありがとうございました。