オーエスジー エンジニアの今泉英明氏 初小説「海を渡ったうさぎ」を出版

210905書籍 オーエスジーのエンジニアとして活躍している今泉英明氏が、このほど自身の初小説「海を渡ったうさぎ」(南々社)を出版した。

 小説の舞台は瀬戸内海の大久野島。戦時中に毒ガス製造工場があった場所に男子学生が観光で訪れ、タイムスリップをするというストーリー。

 今泉氏は執筆に至ったきっかけを、「学生時代に広島出身の後輩から、〝地図から消された島〟の話を初めて聞きました。すぐに頭の隅に行ってしまいましたが、社会人となってから広島出張時に代理店の方より毒ガスの島の話を聞き学生時代の点であった記憶が線で繋がりました。そのことはまたすぐに忘れてしまい、日々の忙しさの中で、思い出すことも無く三十年余りが過ぎてしまいました。昨年1月くらいから新型肺炎コロナウィルス感染防止の自粛生活が始まり、旅行に行けないばかりか、飲み屋にも行けず連休も家で過ごすようになりました。周りはみんなマスクをしています。そんなマスク姿を見ていて、ふと大久野島の毒ガスの話を思い出しました。気になったのでインターネットで少し調べ始めると、被爆とは別の大きな戦争の爪痕が残ることを改めて知りました。当事者でなくても、こうした歴史を伝える力になれるのではないかと、長くなったお家時間を利用して執筆をすることにしました。また、旧海軍の軍人として呉で終戦を迎え、5年前に他界した父の影響を受けたことも事実です。」と話す。

 仕事と執筆の同時進行の中、苦労した点を尋ねると、「戦争の話ですが重い話にならないように気をつけました。小学校高学年、中学生から還暦を過ぎた我々の年代までの方々に読んでいただけるように心がけました。読まれた方々が、平和の大切さと戦争の悲惨さを考えるきっかけとしていただければ幸いと思っております。編集者の方は恋愛をもっと丁寧に表現ほしかったのかもしれませんが、私には経験値が無さ過ぎました。」とユーモアを交えて返答してくれた。

 60歳の節目で役職定年となった今泉氏。「子育ても終わっていますので、休日以外にも執筆の時間を作ることができました。しいて言えば孫の仮面ライダー攻撃に合うと大変でした。」と明かしてくれた。気になる次回作は、未定とのことだが、ぜひ期待したい。

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