日新ダイヤモンドが2点の新製品をリリース!
オーエスジーのグループ会社である日新ダイヤモンドが、このほど「スーパーヘール用バイト」と、「単結晶標準インサート」を同時リリースした。いずれも10月20日8水)から23日(土)までポートメッセなごやで開催されるメカトロテックジャパンのオーエスジーブースにて展示の予定だ。
スーパーヘール用バイト
同社は、牧野フライス製作所が開発した次世代加工ソリューション「SMART TOOL」のスーパーヘール加工で使用する「スーパーヘール用バイト」の供給事業を本格化する。
この製品は、加工機の性能を最大限に生かし、様々な加工において品質向上やコスト削減に寄与するエンジニアリングツール・機能の総称として牧野フライス製作所が策定した名称。
両社は昨年より技術開発を重ね、本年2月に正式に業務提携契約書を交わし、スーパーヘール加工に特化したヘールバイトの製造販売を「SMART TOOL」ブランドにて日新ダイヤモンドが行うことになった。
従来の真空装置などのシール面加工は、エンドミルなど回転工具で切削加工した後、その切削痕を職人が手磨きで直線方向のスジにし、気体の流出入を押さえる事で高真空、超高真空の状態を作り出しており、職人による手磨きは加工時間と技術の熟練度が必要なため真空装置の受注拡大に対して出荷数で対応できないネック工程でもあった。
次世代加工ソリューション「SMART TOOL」のスーパーヘール加工を使用すれば、コーナー部でも送り速度6,000mm/minの高速のまま、減速せずに加工ができるうえ、面粗度も高いレベル(Ra 0.8μm)をキープし、シール面の磨きレスなど、工程短縮により、総加工時間が最大80%短縮できた事例もあり、今後の真空装置生産現場に於いて効率的な生産方法を提供できることになる。
今後も同社では牧野フライス製作所における「SMART TOOL」事業の研究開発を支援し、被削材別に超硬・コーテッド超硬、PCD・CBN・単結晶ダイヤ等のソリューションを提案し世界市場へ提供する方針。
単結晶標準インサート
従来の単結晶ダイヤモンド工具は高価格なうえ、取り扱いが難しく、安易に使用するにはハードルが高いという問題があった。ダイヤモンドは地上で一番固い物質であり、刃物にすると切削摩耗が小さく、高速切削で鏡面が得られる工具であることは知られており、同社の樹脂~非鉄金属加工ユーザーより重宝されている。
一方で、PCD工具と比較すると高価であり納期を約30日程度要することから顧客のニーズに間に合わず鏡面切削加工を売りに出来るチャンスを逃すことが多くあったため、今回、同社では単結晶ダイヤモンドをインサートチップ上に特殊接着を行い、標準品として在庫を持ち、国内だけではなくアジア、ヨーロッパ、北米への市場投入を開始した。試験販売を8月よりスタートし、10月1日より正式に販売開始となった。
第一弾として旋盤加工用で最小の4品番のRサイズ違い8品目を標準在庫化ラインナップ。外径・端面から内径、倣い加工に対応でき、磨きレスや大幅時間短縮が可能となった。