DMG森精機 自律走行ロボットシステム「WH-AGV 5」をリリース

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WH-AGV 5外観

 

 DMG森精機がこのほど、加工ワークの搬送や着脱など工場内の物流搬送を自動化し、工場全体のデジタル化を実現する次世代搬送システム「WH-AGV 5」の販売を開始した。

 AGVとは“Automated Guided Vehicle”の略で無人搬送車を意味し、人が操作する従来のハンドリフタやフォークリフトに代わる新しい自動搬送手段として、自動化のニーズの高まりとともに活用が進んでいる。特に走行レールの敷設が不要な無軌道型AGVは、変種変量生産にも対応できるため、生産現場や物流現場でも需要が高まっている。

 一方で、無軌道型AGVが目的地に到着する停車位置決め精度は数十ミリ程度であり、高精度な位置決め精度が求められる工作機械へのワーク着脱には、導入が難しいという課題があった。

 同社が開発した「WH-AGV 5」は、自社開発の無軌道型AGVと人協働ロボットを組み合わせた自律走行が可能な次世代搬送システム。走行ルート用の磁気テープやマーカーがなくても工場内を自由に走行し、最大高さ35mmのケーブルダクトなど工場内の段差に対する走破性を有している。また、加工ワークの搬送だけでなく着脱までを自動化する。ロボットアームの先端に搭載したビジョンセンサによる位置/姿勢の補正技術により、±1mm以下の位置決め精度を実現しており、工作機械へのワークダイレクト着脱が可能である。

 レーザスキャナにより人や障害物を検知し回避して走行できるため、安全フェンスは不要で、工場内で人との協働環境を実現する。さらに、自社開発のAGVコントローラでは、工作機械だけでなく、洗浄装置や計測装置などの周辺機器への搬送も一括制御する。

 「WH-AGV 5」を用いた自動化システムは、これまでのロボットシステムとは異なり、工場内全体の生産設備を接続して有効活用できるため、生産数の変動予測が難しい場合でも、状況に応じて柔軟に工程変更が可能。「WH-AGV 5」単体でも購入可能で、既存機への後付けもできるため、変種変量生産が多い中小企業の顧客にも導入しやすい自動化システムとなっている。さらに、工作機械の自動化だけでなく、FA業界全体で活用できる。

  なお、「WH-AGV 5」は10月20日(水)~23日(土)の4日間、ポートメッセなごやにて開催される「メカトロテックジャパン2021」にて展示される。同社Webサイトにも動画を公開している。

■動画
https://www.dmgmori.co.jp/movie_library/movie/id=5926(CGのご紹介映像)
https://www.dmgmori.co.jp/movie_library/movie/id=5927(工場内の実機映像)

主な特長

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素材ストッカからのワークの搬出

 

 ・無軌道型AGVと人協働ロボットにより、ワークの搬送や着脱など、工場内の物流搬送を自動化
 ・作業台車と同等サイズのコンパクト設計
  + 全幅700 mm×全長1,030 mm×全高1,750 mm
 ・AGVの最大搬送質量200 kg、ロボットハンドの最大可搬質量 5 kg
 ・レーザ測域センサによるガイドレス走行により、レイアウト変更や生産工程の変更にも柔軟に対応
 ・レーザスキャナにより、人や障害物を検知して衝突を回避し、工場内を安全に自動運転
  + 安全フェンスは不要
 ・ロボットアームの先端に搭載したビジョンセンサによる6軸補正により位置決め精度±1 mm以下
  + 工作機械へのワークダイレクト着脱を実現
 ・四つの従動輪にはオムニホイールを採用し、車軸を天秤構造にすることで、従動輪が常に接地する構造を実現
  + 不整地での高い接地安定性
  + 最大高さ35 mmのケーブルダクトを乗り越える高い走破性
 ・非接触給電装置を搭載し24時間の連続稼働を実現
  + ロボットアームの作業中でも充電可能*3
 ・既存工場への導入や既存設備への後付けが可能
 ・物流現場など工作機械を使用しない工場でも使用可能
 ・自社開発のAGVコントローラにより、WH-AGV5と工作機械、周辺機器を一括制御

 

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