オーエスジーが植物由来の廃食用油を利用して、タップ生産工場で実証実験

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荒ねじ転造の様子

 オーエスジーの世界最大のタップ生産工場である八名工場(愛知県新城市富岡)が、今春より全国初の植物由来の廃食用油を利用した工作機械での各種加工の実証実験を開始している。タップの前工程での荒ねじ転造加工などにおいてテストし、今後、切削工程での検証を進める方針。

 同件は、愛知県豊橋市に本社を置く、「斎藤塗工店」(板橋正浩社長)のテスト依頼に応える形で、八名工場の一部を利用して実証実験を開始したことから始まる。八名工場の製造技術担当の乗松 顕太朗氏によれば、「各種改良を重ねながら、実証実験を進めるなかで現在のところ、結果は良好であり加工における工具品質にも特に問題はない。」と解析している。

 また、プロジェクトを推進するオーエスジー常務執行役員の大沢二朗氏は、「安価で大量に使用している鉱物油にすべて置き換わるということは難しいが、今後、鉱物油の使用を少しずつ減らし、廃食用油の再生利用を進めることで、環境にやさしい取り組みに挑戦したい。」と豊富を述べている。

 廃食用油から不純物を取り除き、複数の廃食用油などを混ぜ合わせて行くことで、日本産業規格(JIS)に適合する潤滑油として利用するメリットは、鉱物油に比べ、若干のコスト増となるが、鉱物油より油の引火点が高いため燃えにくく、火災発生リスクも低くなること。また、植物由来であるため、作業者にもやさしく、労働環境の改善にもつながる。

 日本政府も、2050年までに温室効果ガスを実質ゼロ(カーボンニュートラル)とする目標を打ち出しており、同社では、廃食用油のリサイクル活用で、鉱物油の使用量削減という形で、微力ながら貢献できるものと考えている。

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転造の前と後


 

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