DMG森精機 伊賀事業所で見た最新技術の数々!

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森社長によるプレゼンテーション

 去る9月30日にDMG森精機(社長=森 雅彦氏)が、同社伊賀事業所(三重県伊賀市)にてコロナウイルス感染症対策を万全に行った中で、メディアデーを開催した。森社長によるプレゼンテーションに加え、日本初公開となるレーザ金属積層造形機「LASERTEC 3000 DED hybrid」やグローバルソリューションセンタの最新製品・技術を紹介した。また、新設されたサービスエンジニア研修施設「修理復旧技能研修センタ」もお披露目されたほか、精密加工工場、組み立て工場、地域貢献の取り組みなども紹介した。

 プレゼンテーションで2030年の売上1兆円の達成に向け、AIを駆使したデジタル化や自動化による高能率化への取り組みを強調した森社長。この背景にについて、グローバル的観点から、「近年、梱包作業だけ、ものを並べるだけなどの単純作業がなくなり、自動化への取り組みが増えつつあるが、自動化を実行する前に、工程の集約が必要だ。」と述べた。

 また、マシンの5軸化、複合化技術を推進する理由について、段取り替えの削減や加工時間の短縮などを実行しながら高精度で効率良く加工することが実現できることを挙げ、マシンのみならず、周辺機器やソリューションにも注力している旨を説明した。

日本初公開! レーザ金属積層造形機「LASERTEC 3000 DED hybrid」

211105日本初公開

 日本初公開となるレーザ金属積層造形機「LASERTEC 3000 DED hybrid」について、AM開発部の廣野部長から説明があった。このマシンは、DMG MORIの複合加工機とAM(Additive Manufacturing)の機能を融合させた機械。この融合により、コーティング、一からのビルドアップ、異種金属を組み合わせることが可能となっている。例えばタービンブレードのリペアでは、破損箇所を切削し積層、同時5軸仕上げ加工までを1チャッキングで対応可能となる。この工程集約により80%の加工時間を削減できるとした。

211105加工サンプル

 AM方式について、同社ではDED(Directed Energy Deposition)方式とSLM(Selective Laser Melting)方式の2方式について取り組んでいる。DED方式は、ノズルからレーザが出てきてパウダーを溶かして造形を行っていくという溶接に近い方式で、大物部品や複合材に向いているといわれている。一方、3Dプリンタをイメージするパウダーベッド機のSLM方式は、パウダー状に粉を敷き詰めレーザを当てミルフィーユのように作っていく。今回、同社で発表した新製品「LASERTEC 3000 DED hybrid」は、DED方式を用いている。ノズルからレーザとパウダーを出し、レーザでパウダーを溶融させ、固まったものが積層造形するいわば肉盛り方式だ。

 廣野部長は、今回このマシンをリリースした理由について、「DEDは最も伸びる市場として捉えている。」とし、具体的にはAMの市場予測として、北米・アジア・ヨーロッパで20数%ほど平均成長率があることを挙げた。中でもDED方式は今後の伸びが期待できることから、今回の発表に至ったとした。

 

211105スクリューの積層
スクリューの積層

 「AMが航空宇宙産業、医療産業に挙げられるような高付加価値なものにしか使えない時代は終わった。」と廣野部長。DEDのターゲット市場として、オイルガス分野では、例えば石油を掘るときに硬い掘削機が必要であり、この硬い部品を全て硬い材料で作ろうとすると高価になってしまう。そこで鉄などで部品をつくり、AMでコーティングをする、盛っていく、という活用が期待できるという。また、スクリューなどを加工しようとすると、かなり材料の除去率が多く、廃棄される材料が多くなるので、カーボンニュートラルや環境問題の観点から必要なところだけを積層造形しようという考えが広がっているという。3Dプリンタが注目を浴びていたころは、時間をかけて複雑形状を作っていくイメージがあったが、最近のトレンドとしては、ちょっとコーティングしたい、硬い材料が必要なところのみ積層する、異種材の組み合わせがしたい、などの用途が増えているとのこと。

 なお、来年の2022年で同社のDED技術が10周年になる。 

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