日立金属 高温強度に優れたダイカスト金型用鋼「DAC®-X」を新開発

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「DAC®-X」イメージ

 日立金属は、このほど高温強度に優れたダイカスト金型用鋼「DAC®-X」(ディーエーシー エックス)を新たに開発し、本格量産を開始した。昨今のダイカスト鋳造工程におけるハイサイクル化が進む中で、「DAC®-X」は、特に熱負荷の高い用途において特性を発揮し、金型補修工数の低減、ダイカスト製品の生産性・品質の向上、および金型の寿命向上など、ダイカストにおけるトータルコストの低減をはじめとしたソリューションを提供する。

 同社では、ダイカスト金型用鋼をはじめとするさまざまな用途に応じた金型用工具鋼を製造・販売しており、長年の信頼のもと、多くの顧客から高い評価を博している。近年、自動車の低燃費化と低価格化の市場ニーズが高まる中、軽量化とリサイクル性に優れるアルミダイカスト製品の適用範囲が広がるとともに製品の高意匠化が進んでいるが、その一方で、金型形状の複雑化も進んでいるものの熱処理が難しく、靱性低下により金型が大割れするリスクが高まることに加え、生産性向上のため、成形サイクル時間が短縮傾向にあることからも鋳造時の加熱・冷却の温度差による金型への負荷が大きくなり、ひび(ヒートクラック)が発生しやすくなるという課題があった。

 こうした時流を背景に、同社では、安来工場(島根県安来市)に導入した1万トン級自由鍛造プレスを活用し、新たなダイカスト金型用鋼「DAC®-X」を開発した。「DAC®-X」は、高温強度を引き出す合金設計に鋼種独自の組織制御プロセスを組み合わせることで、高温強度と靭性の兼備を実現している。特に、熱負荷の高い用途において耐ヒートクラック性に優れていることからも、金型寿命を延伸することが可能であり、金型への補修工数の低減や、ダイカスト製品のハイサイクル化においても生産性および品質の向上に寄与し、ダイカスト鋳造工程におけるトータルコストの低減にもつながる。

高温強度 ・高靭性 に特長を持つ耐ヒートクラック性に優れた高性能鋼

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 従来の高温強度重視鋼の同社材「DAC®10」や、高人生鋼の同社材「DAC-MAGI®と比較しても最大のクラック深さ約半分となっており、耐ヒートクラック性に優れている。また、優れた高温強度により初期クラックの発生を抑制するとともに、従来の高温強度重視鋼以上に靱性を改善したことで、クラックの進展を抑制。

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