アマダプレスシステム EV 市場向け、順送プレス加工自動化システムを販売開始
アマダプレスシステムが、このほどEV市場向けに開発した高速・高精度加工用順送プレス加工自動化システム「SDEW8010iⅢ + ALFAS-03ARZ」の販売を開始した。
この製品は、「iⅢ」制御を搭載し、高剛性フレームGORIKIシリーズ初となるダブルクランク構造のデジタル電動サーボプレス「SDEW-8010iⅢ」と、高速NCロールフィーダと新発想のアップループタイプレベラ「ALFAS-03ARZ」を融合した新しいシステム。操作画面・制御の一体化は、9 月に販売を開始した「SDE-1515iⅢ + ALFAS-03KR」を継承し、オペレーターによる段取り操作の簡易化や作業負担の削減を実現する。加えて、安定した高速・高精度加工による生産性の向上をサポートする。このシステムは、電池ケース絞り、防爆弁・蓋(封口板)、制御ユニット、電池用銅端子関連のバスバー、EVリレーに欠かせない電装部品といった高速プレス加工分野での需要を見込んでいる。
「SDGs(持続可能な開発目標)への関心の高まりとともに、とりわけ環境問題に対する企業の対応を通じて、世界的にEV市場は急速に活発化しています。」と同社。こうした社会背景を踏まえ、今後もEV市場に向けた新商品を投入することで、社会に貢献していくとしている。
デジタル電動サーボプレス「SDEW-8010iⅢ」特長
(1)高剛性 GORIKI フレーム初のダブルクランクサーボプレス
加圧能力800 kNの「SDEW-8010iⅢ」は、好評を博している高剛性GORIKIシリーズ の新商品。EVの車載電装部品は、非対称品が多いため、加圧の際、左右・前後での偏心荷重に対する剛性を確保する必要がある。これに対応するため、今回GORIKIフレーム構造で初めて採用したスライド部の8面ギブガイドとダブルクランク構造により、高い耐偏心荷重特性を備え、高精度な加工をサポートする。さらに、独自の高速振り子モーションにより、安定した生産性の向上を実現する。
NCロールフィーダ「ALFAS-03ARZ」特長
(1)高速・高精度送りによる生産性と品質の向上
EV市場では、生産性の向上が求められているため、同社の従来ロールフィーダに比べトップスピードを約4倍にした高速NCロールフィーダとアップループタイプレベラを開発した。サーボモーターとフィードロールをカップリングで直結するバックラッシュレス構造を採用したことで、サーボモーターの速度と精度を直接フィードロールに伝達できる。ロールフィーダの高速・高精度送りとサーボプレスの高速振り子モーションにより、高生産性・高品質加工を実現する。さらにEV市場で使用が想定される銅、電磁鋼板、アルミなどの材料に考慮し、ロール清掃のしやすい新構造レベラにより、品質の向上に貢献する。
(2)環境に配慮した新サーボリリース機構(特許出願中)
ロールフィーダのリリース駆動を、エアシリンダ式からカムを使用したサーボリリース機構に変更した。フィードロールに加える圧力を材料の仕様に合わせ調圧可能なデジタル加圧を採用し、最小のリリース量と最適な加圧力を設定できるようになった。これにより、材料へのキズや騒音の低減、ロールフィーダの耐久性の向上、エア消費の削減を実現する。
(3)アップループタイプレベラによる省スペース化
簡易アナログループ制御とレベラを斜めに配置したアップループタイプにより、アンコイラ、レベラ、ロールフィーダ間のループ量が最適化され短縮化に成功したことにより、同社のダウンループタイプロールフィーダと比べて約40%の省スペース化が可能となった。さらに材料やその仕様によって、レベラの角度や材料ガイドの形状を調整(特許出願中)することができるため、適切なループ形状を形成し安定した送りを実現する。