オークマ 省エネシステム「ECO suite plus」をリリース
現在、脱炭素社会に向け、室温効果ガス排出量削減の取り組みが加速している事を受け、オークマがこのほど高生産、高精度と環境対応を両立させる省エネシステム「ECO suite plus」をリリースした。
企業において温室効果ガス(GHG)算定プロコトルで定められたサプライチェーン全体の炭素排出量のうち、Scope1(事業者による温室効果ガスの直接排出)とScope2(他社から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出)の合計を、2030年を目安に先行して実質0にする目標を達成するため、生産に伴う温室効果ガス排出量の算定と、削減に向けた具体的なアクションが求められている。
同社では、顧客の工場ではScope2に相当する工作機械を使用して部品加工する際の省エネ(CO2排出量の削減)と、高精度及び高生産性を両立するため、2001年より、工場や機械の過度な温度管理と、暖機運転や寸法修正工程を最小化する技術である「サーモフレンドリーコンセプト」を標準適用した工作機械を順次拡大し、累計56,000台以上供給している。また、「サーモフレンドリーコンセプト」の技術を応用し、高精度を維持したまま工作機械をアイドルストップする「ECOアイドルストップ」をはじめとする省エネルギーシステム「ECO suite」を2014年に商品化し、全世界で累計35,000台以上を市場投入しており、今回この「ECO Suite」をさらに強化し、「ECO suite plus」として進化させた。
〈特長〉
(1) 改善サイクルにつながるCO2排出量分析の実現「電力モニタ」にプラス
・「ECOアイドルストップ」「ECOオペレーション」を活用し、消費電力およびCO2排出量の削減につながる個々の機器の電力使用量を個別に確認・記録管理できる機能を追加。 工場の脱炭素化に向け、見える化を促進。
・ネットワークを利用した外部出力機能を強化し、PC上でCO2排出量を確認、分析可能。脱炭素化活動の支援となる見える化を実現。
・CO2排出量の実績を常時表示。日常のCO2排出量管理に活用可能。
(2)人が操作することなく機械が自律的に判断するアイドルストップ ~「ECOアイドルストップ」にプラス ~
・加工工程だけでなく、機械操作、保全作業中を含めた工作機械を使用の全てのシーンで、操作状況を自動で検知し、アイドルストップ、復帰動作を完全自動化 。
・オペレータが意識することなくCO2排出量削減効果を最大限に発揮(ボタン操作等は不要)
(3)生産性を維持しながら、最小限のエネルギーでの加工を実現 ~「ECOオペレーション」にプラス~
・電力使用量の大きいミストコレクタなどの機器に対し、更にきめ細やかな運転パターンのチューニングを可能とすることで、生産性を損なわないCO2排出量削減活動を徹底支援。
・「電力モニタ」機能で記録・分析した結果に基づき、各補機の運転をコントロールし、消費電力・CO2排出量を削減
(4)上記技術を活用し、当社工場設置の門形マシニングセンタのCO2排出量を30%削減。
・各加工における、それぞれの補機の消費電力の測定・分析。
・加工中のミストコレクタなどの運転パターンを見直し、消費電力を削減。