DMG森精機 高速主軸speedMASTERの新モデル「speedMASTER 30k」を新発売
DMG森精機がこのほど、高速主軸speedMASTERの最高回転速度が30,000min-1(回毎分)仕様である「speedMASTER 30k」の販売を開始した。
speedMASTERは、同社の横形マシニングセンタNHX 4000 / 5000 3rd Generationや立形マシニングセンタNVX 5000 2nd Generationなどに搭載している高速ミーリング加工用の主軸。主軸最高回転速度15,000min-1仕様と20,000min-1仕様があり、多くの顧客に活用されている。
一方で、高速回転による長時間加工が必要なワークを生産される顧客からは、既存の設備を活用してさらに生産性を上げたいとの声があがっていた。
今回開発した「speedMASTER 30k」は、主軸最高回転速度30,000min-1仕様で、さらなる高速加工により加工時間を大幅に短縮する。例えば、金型加工において高速回転で長時間連続加工をするユーザーや、半導体装置部品への多数の小径孔(あな)加工など、小型で複雑化するワークを小径工具で高速加工をするには最適な仕様となっている。取付インタフェースを既存の15,000min-1仕様と20,000 min-1仕様に共通化した設計により、使用中の工作機械の主軸をグレードアップして使用できる。
「speedMASTER 30k」は、同社が高精度ターニングセンタの製造開始以来培ってきた主軸内製の経験を活かして全て内製しており、「その品質には絶対の自信を持っている」としており、そのため、保証期間についても同社の工作機械本機より1年長い3年間の無償保証としており、より安心して使用できる。また、加工時間の短縮により、CO2排出量や消費電力を削減することで、環境に配慮した生産現場の実現に貢献する。
↓Webサイトに動画を公開している↓
https://www.dmgmori.co.jp/movie_library/movie/id=6027
主な特長
①高速・高出力
・加工時間を大幅に短縮する主軸最高回転速度30,000min-仕様の高速主軸
・高出力モータにより、30,000min-1でもクラス最高の高出力(22kW)を実現
-同社の20,000min-1主軸と同等に一般的な鋼材の荒~仕上げまで幅広い加工に対応
②高精度・高剛性構造
・主軸ラビリンス構造を強化することで、主軸内へのクーラントの浸入を防ぎ、高い耐久性を実現
・皿バネを長寿命化し、ツールクランプ力を長時間にわたり維持することで、安定した加工を実現
・高剛性なベアリングの採用により主軸回転時の振動を抑制
-高精度加工により面品位が向上し、金型加工後の手作業による磨き作業を低減
・ツールシャンク形式は2面拘束で剛性に優れ、高速回転に最適なHSK-A63を採用
・ベアリングは焼き付きを防止する特殊素材を使用し、高剛性で長寿命化を実現
③メンテナンス性
・カートリッジ構造の採用により、主軸交換作業を大幅に短縮
・高い信頼性を提供する 3 年間の無償保証付き
④省エネルギー
・加工時間の短縮により、CO2の排出量や消費電力を約24%削減