ヤマザキマザック いなべ製作所の金森氏 「黄綬褒章」受章
ヤマザキマザック いなべ製作所に勤務する金森仁司氏が、令和3年秋の褒章において「黄綬褒章」を受章した。
「黄綬褒章」は農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する個人に対して与えられる褒章。金森氏は1980年の入社以来、工作機械のユニット組立作業に30年以上にわたり従事してきた。
特に、工作機械の重要部品である主軸ヘッドやチルトテーブルの組立において高度な技能を有し、品質向上と量産化に貢献したほか、技術指導においても社内の技能レベル向上に貢献したことなどが評価され今回の受章となった。
ヤマザキマザックグループで「黄綬褒章」を受けた社員は、今回の受章で累計4名となった。同社では、高度な技能を有する人材の育成に努め、高性能な工作機械の提供を通して世界のものづくりの発展に貢献するとしている。
功績・貢献の概要
●主軸ヘッドの組立・修理作業における技能向上
主軸ヘッドは、被削材を削る刃物に回転運動を与える重要部品で、金森氏はこの主軸ヘッドの組立作業における第一人者。さまざまな専用組立治具を自ら考案して製作し、現場へ導入することで生産性と安全性の向上に貢献した。また、その技能をいかして、国内外の顧客の工場の修理対応にあたったほか、サービスエンジニアへの作業指導を通じて技能レベルの向上に貢献した。
●チルトテーブルの組立における品質向上
チルトテーブルの組立には、部品がガタつき無くスムーズな回転ができるよう緻密な調整作業が必要とされるが、試作段階から設計部門や生産技術部門に対して組立担当者からの視点で助言を行い、品質の向上とともに量産化に貢献した。
●若手技能者の指導育成に関する功績
若手社員への組立作業や、機械調整における教育を継続してきたことに加え、工作機械の伝承技能であるキサゲ作業について、熱心に後進育成を行ってきた。また、1993年に機械組立仕上げ作業の一級技能士資格を取得し、社内での仕上げ技能訓練を実施、1級技能士2名、2級技能士27名を誕生させた。