日本金型工業会 「第48回金型の日」を開催
日本金型工業会(会長=小出 悟 小出製作所社長)が、11月25日、メルパルク名古屋でコロナウイルス感染予防対策を実施したうえで「第48回金型の日」記念式典を開催した。
「金型の日」は昭和32年11月25日に日本金型工業会が設立したことから毎年11月25日を金型の日と定め記念式典を開催している。
同工業会副会長(中部支部長)である山田徹志 日章社長が開会の辞を述べたあと、小出会長が、「皆様のご尽力もあり、当工業会のビッグイベントである金型の日が開催できたことを感謝申し上げます。コロナウイルス感染者数が激減し、終息したようにも思えますが、気を緩めることはできません。今回はリアルで式典を開催できました。リモートも良い点はありますが、対面において表現をしなければ分からないこともたくさんあります。私どもの業界を支えてくださる優良従業員の方を表彰することや、ご尽力をいただきながら国家褒章を賜れた方たちを表彰し、祝意を述べさせていただくことは対面でなければ難しい。昨年は残念ながら開催できませんでしたが、今日を迎えることを嬉しく思います」旨、あいさつを述べた。
永年勤続優良従業員表彰のあと国家勲章受章者へ記念品が贈呈された。来賓を代表して、谷 浩 経済産業省製造産業局素形材産業室室長があいさつをした。
トヨタ自動車 張 富士雄 元社長、二之夕裕美 東海理化社長による基調講演が行われたあと、場所を移して懇親会が開かれた。
「金型の日」を迎えるにあたって
●日本金型工業会 会長 小出 悟
今年も「金型の日」式典を開催する時期隣、社会状況はここに来てやっと長きコロナ禍より抜け出せそうな状況になってまいりましたが、世界を見渡せばまだまだそのような環境になく、コロナ禍に苦戦している状況にあるといえるでしょう。
その影響は人間社会に計り知れない脅威と混乱を与え、とりわけ金型業界に一番影響のある自動車業界にも例外なく存在し、社会経済全体にも多大な影響を及ぼしている状況にあり、雄馬でもなく金型業界もその中にあって影響を受けているのが現状であると認識いたしますが、そんな環境下の「第48回金型の日」を迎えるに当たり、当会もそろそろ本腰を入れて正常化した経済活動をとるべきと考え、世の中的には慎重なご意見もあることは十分承知いたしながらも、最新の注意を払いリアルの金型の式典を挙行することといたしました。
この式典は当工業会にとって重要な式典のひとつであり、陰ひなたなく日々の仕事に邁進していただけている会員企業の優良従業員の皆様を表彰させていただくことと、日本金型工業会の同胞の方たちの中でめでたくも国家勲章・褒章並びに大臣表彰などの栄誉を受けられた皆様への祝意を表すこと、そしてそのことを会員の皆様とリアルにお酒を酌み交わしながら懇親を深めることは、2年近くもの歳月を耐えてきたからこそまして意味のあるものと考えます。
その間100年に一度の変革の時代と言われた変化の姿が、スケール的にも、質的にも全くといってよいほどの変化が見て取れることが、まさに変革の時代のスタートであると感じられ、SDGs、カーボンニュートラル、サイバーセキュリティーを含めたデジタル化社会の情報管理に関する概念は、リモートワークが定着し始めた時代になくてはならない概念であると感じており、金型工業会が一昨年取得することができた技術情報管理認証制度はまさに時代に即したものといえ、今その認証対象枠を広げモノづくり全体に適応可能になるよう手続きをしている最中です。
現状認識上のアフターコロナもすぐそこまで来ているでしょうが、コロナ的脅威が消えうせるわけではなく、より脅威に感ずる物へと進化していくはずであり、エンドレスの戦いとなるものと思えば、迎え撃つ私たちもそれに負けることの無きよう用意周到なる環境を、自ら作り出していかなければなりません。
そのためにも日本金型工業会が中心的存在とナリ、顧客団体と共にものづくり全体に関連する改革を共に推し進めるべく、会員企業の皆様はもとより関連団体、官公庁の皆様のさらなるご指導・ご鞭撻ご協力をお願い申し上げ、金型の日を迎えるにあたり私のご挨拶とさせていただきます。