「モノづくりからコトづくりへ提案力が求められる」日本工作機械販売協会 賀詞交歓会を開く

220204日工販依田会長
新年のあいさつをする依田会長

 去る1月7日、日本工作機械販売協会(会長=依田智樹 三菱商事テクノス社長)が第一ホテル東京で、賀詞交歓会を開催した。

 あいさつの中で依田会長は、昨年を振り返り、「さまざまな困難に対する対応に明け暮れた1年だったように思う。コロナとの戦いは今年もまだ続きそうだが、われわれのできることは、対策を講じて経済を回していくとだと思っている。われわれの働き方や生活様式も変わり、テレワーク等のデジタル技術による便利さを認識した。今後はデジタルとリアルをうまく使い分けていく社会になっていくと思う。」と感想を述べた。

 懸念材料についても触れ、「資源の価格の高騰、半導体の不足、あるいはサプライチェーンの混乱、米中の対立、中国の景気停滞、景気減退等の事象も顕在化してきた。」と述べた。時流であるSDGs経営についても、「これまでの経済成長第一主義から環境への配慮等の潮流を捉えてわれわれの業界も変わっていく必要がある思う。」とし、「産業構造が大きく変わっている中で、われわれ会員各社はものづくりのモノを売るだけじゃなくて、コトを売り、機運を高めて、お客さまのニーズに応えるという提案力が求められる。」とした。

220204日工販経産省安田課長
経済産業省 安田産業機械課長

 来賓を代表して経済産業省の安田 篤 産業機械課長が、あいさつをした。この中で安田産業機械課長は、「コロナが始まり2年が経過し、対応に対する知見や経験もある程度固まり、経済も回復の兆しが見えてきたのが先頃の状況だと思うが、足元ではオミクロン株の流行など、注視しなければならない状況が続いている。足元のオミクロン株への対応と平行して経済を回していくということにあたり、今年は3つのことが重要になってくると考えている。」と述べ、①脱炭素化(カーボンニュートラル)、②DX、③経済安全保障を含めた国際情勢の3つを挙げ、「官と日工販の皆さまとの一体となった取り組みが不可欠であると考えている。今年もぜひ皆さまと協力をしながら進めていきたい。」とした。

220204日工販稲葉会長
あいさつをする日本工作機械工業会 稲葉会長

 続いて日本工作機械工業会の稲葉善治会長(ファナック会長)が、工作機械メーカーを代表してあいさつをした。稲葉会長は、「昨年の我が国の工作機械業界は、部品・部材の不足、海上運賃の高騰、輸送期間の長期化およびサプライチェーン混乱の影響を大きく受ける中にあっても、受注がコロナ禍の落ち込みから力強く回復してきた1年だった。年前半は中国市場の旺盛な需要に支えられ、受注額は2月以降1,000億円を超えて推移した。年後半はワクチンの接種の進展とともに欧米市場が回復する中、9月以降1,400億円を超える高水準の受注が継続した。国内では事業再構築補助金などを追い風に年央以降一段と高い回復傾向が続いている。」と述べ、今年の市場動向については、「米中対立の先鋭化、インフレ懸念など、先行きにさまざまなリスクが散見される一方で、半導体製造装置や各種産業機械で活発な投資が続くと考えている。また、人手不足を補い生産性向上を図るための自動化、効率化、デジタル化のための投資も引き続き多くの潜在需要が見込まれる。新型コロナウイルスの感染拡大や米中対立の先鋭化などを受けて、生産拠点やサプライチェーンの多極化を図る動きも進んでおり、この動きに対応するために工作機械の納入先も分散し、工作機械の需要がさらに増加するものと思われる。」と力強くあいさつした。
 

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