日本工作機械工業会が創立70周年記念式典を開催

220415日工会

 日本工作機械工業会(会長=稲葉善治氏)が、3月18日、都内のホテル ニューオータニで「創立70周年記念式典」を開催した。稲葉会長のあいさつは次のとおり。

創立70周年を迎えて

 当工業会は、1951年12月に任意団体として創立されて以来、1978年の社団法人への改組、2012年の一般社団法人への改組を経て、昨年2021年12月1日をもって、創立70周年を迎えました。70年間を振り返りますと、日本工作機械工業会が設立された1951年はまさに戦後の復興期でした。先達たちは不自由を強いられながらも工作機械製造に邁進し、自動車や家電製品をはじめ多くの産業の発展に貢献致しました。

 1982年には日本は生産額世界一の工作機械供給国に躍進しましたが、通商摩擦やプラザ合意後の急激な円高も経験致しました。1990年代にはバブル経済とその崩壊、2000年代にはITバブルとその崩壊、アメリカ同時多発テロがあり、さらにはリーマンショックの影響を受け、2009年の日工会受注は4,118億円で1970年代の水準まで急激に低下しました。

 日工会60周年時以降の10年間につきましては、2011年に東日本大震災が起きた際「100年に一度の大不況の後、1000年に一度の災害に襲われた」といわれ、1ドル80円を割る円高、法人実効税率の高さ、自由貿易協定の遅れ、電力価格問題などを含め日本経済は「6重苦」に直面しました。さらに、製造業では日本を代表する企業による検査結果の不正が相次いだほか、外国資本へ事業や企業を売却する例もみられました。米中関係は通商摩擦問題に端を発し安全保障に関わるレベルへと対立が先鋭化しています。2020年には新型コロナウイルス感染拡大による世界経済停滞と、そこからの回復局面を経験しました。2022年に入っては、ウクライナ情勢の緊迫化で世界が大きく不安定化しております。

 我が国工作機械産業は、このように経済環境が急激に変化する局面、地政学的リスクや大規模な自然災害・疫病の脅威が高まる局面を経験し、決して平坦ではない道を切り開き、困難を乗り越え、今日という日を迎えられたと実感しております。

 世界の工作機械市場について目を向けますと、2000年代に入り製造業のグローバル化が一気に加速しました。日工会受注は、世界各地におけるインフラ・エネルギー関連投資や自動車・航空機需要等の増加により、2006年に1兆4,370億円を記録し、1990年に記録した史上最高額1兆4,121億円を16年ぶりに更新しました。2010年以降は自動車の電動化、半導体製造装置関連の投資も受注拡大を牽引した結果、日工会受注は2017年から2年連続で史上最高額を更新し2018年に1兆8,158億円を記録しました。

 日本の工作機械産業は、ユーザーニーズに向き合い、高速・高精度、5軸・複合加工、知能化、自動化・省人化技術を進化させ、金属積層造形やIoTといった新技術にも対応して参りました。この日工会受注額の拡大によって裏付けられるとおり、絶えず高付加価値製品を市場に供給して、世界の製造業の発展に貢献して参りました。

 当業界を取り巻く現下の情勢につきましては、新型コロナウイルス感染症、米中対立、ウクライナ情勢等世界各地域の地政学リスクは収束には至っておりません。また、部品不足、エネルギー・資源価格の高騰や海運輸送等ロジスティクスの手配難に見舞われております。
世界情勢は依然として不透明・不確実な状況にあり、2020年代は順風満帆には程遠い荒波の中での船出となり、現在に至っております。そのような状況にあっても、日本の工作機械に対する根強いニーズに支えられ、工作機械受注は活況を呈しております。2020年代においても、付加価値の高い最先端の工作機械・サービスの供給を通じて、世界の製造業の発展に貢献して参りたいと存じます。

 これからの時代、製造業のニューノーマルは、カーボンニュートラルに対応していくグリーン、IoT・AI等を活用して自動化生産システムを実現していくデジタル、サプライチェーンを強靭化していくレジリエンス、この3点を軸に展開されていきます。難しいかじ取りが迫られる経営環境が続きますが、会員各社におかれては、「需要はそこにあるものではなく、自らの努力で創り出していくもの」という気概を持って、未来に向かって邁進して頂きたいと存じます。

 日工会としても、日本の工作機械産業が環境変化に対応し、将来に亘って国際競争力を更に強化していくための取組みを、業界一丸となって進めて参ります。少子高齢化時代にあって、工作機械技術は高度化・多様化しております。工作機械業界の未来を担う人材を確保してくための周知活動、育成事業にも一層注力して参りたいと存じます。

主な表彰状・感謝状贈呈者

〈経済産業大臣表彰状並びに記念品贈呈〉
(役員歴順)

 ・樫藤 達郎 (株)カシフジ社長  
 ・森 雅彦 DMG 森精機(株)社長   
 ・山岡靖幸 (株)神崎高級工機製作所前社長

〈製造産業局長表彰状並びに記念品贈呈〉
(役員歴順)

 ・稲葉善治 ファナック(株)会長
 ・佐野泰治 ジェービーエムエンジニアリング(株)相談役
 ・北村彰浩 キタムラ機械(株)社長
 ・髙松喜与志 高松機械工業(株)会長

〈会長感謝状並びに記念品贈呈〉

(学識経験者・五十音順)
 ・青山英樹 慶應義塾大学教授
 ・国枝正典 東京大学教授
 ・厨川常元 東北大学教授
 ・小島輝一 元東京理科大学非常勤講師
 ・笹原弘之 東京農工大学教授
 ・白瀬敬一 神戸大学教授
 ・田中文基 北海道大学准教授
 ・広田紘一 元青山学院大学・千葉経済大学兼任講師
 ・松原 厚 京都大学教授
 ・松村 隆 東京電機大学教授
 ・割澤伸一 東京大学教授

(役員)
会長歴任者(就任順)
 ・横山元彥 (株)ジェイテクト元会長 
 ・花木義麿 オークマ(株)相談役    
 ・飯村幸生 芝浦機械(株)会長

永年役員(役員歴順)
 ・山崎智久 ヤマザキマザック(株)会長
 ・竹尾啓助 (株)唐津プレシジョン社長
 ・曽我信之 (株)FUJI 会長
 ・鴫谷憲和 (株)シギヤ精機製作所社長
 ・西嶋尚生 (株)ツガミ会長
 ・安田拓人 安田工業(株)社長
 

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