科学振興仁科財団 大型写真パネルをリニューアル ~臨場感溢れる超高解像度の火星表面写真~

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写真 左:安田工業 安田社長 右:科学振興仁科財団 加藤理事長

 

 科学振興仁科財団(理事長=加藤泰久氏)が安田工業(社長=安田拓人氏)の後援のもと、仁科会館(岡山県浅口郡里庄町浜中)で幅5m、高さ2.7mの大型写真パネルなどを設置し、4月11日に除幕式を開催した。

 仁科会館は、科学振興仁科財団が設置する仁科芳雄博士の顕彰展示施設。里庄西公民館との複合施設として平成元年に竣工し、除幕式当日で33周年を迎えた。

 仁科会館の研修室には、スペースシャトルの大型写真パネルと安田工業製の飛行機エンジン部品が、長い間展示されていたが、スペースシャトルはすでに退役し写真も退色が進 んだことから、安田工業が新しい写真パネルの設置を提案し、エンジン部品の刷新と説明パネルの追加、ならびに新しい展示品も寄贈した。

新しい写真パネルはNASAの火星探査機「キュリオシティ」が撮影した超高解像度の火星表面写真。臨場感を最大限生かすため幅5mとさらに大型化した写真パネルで、コンセプト考案、デザイン、製作、設置、これらのすべてを安田工業が手掛けてた。小惑星探査機「はやぶ2」の成功も記憶に新しいJAXAが、次の挑戦として有人月面探査や火星探査などを計画していることを念頭に置き、次代を担う子どもたちに科学への関心を高めてもらうことを狙った。

 今回の新デザインの狙いについて、デザインを担当した安田工業 経営管理部の川﨑哲生 氏は、「仁科芳雄博士を顕彰し、将来の日本を担う子供たちに向けても科学講演会、ロボットコンテスト、理科教室など諸事業を展開する施設にふさわしい展示内容を模索した。既存展示品がスペースシャトルパネル及びジェットエンジン部品であること、また今後10年程度の間に再度の有人月面探査、火星探査などが計画されていることを鑑みて引き続き『航空・宇宙開発』をテーマとし、展示企画性を高め来場者の興味を惹き、科学技術への関心を大いに高めること」としている。

 起案した安田工業 安田社長は、あいさつの中で、「科学技術の素晴らしい力と魅力、それにより人類が実現した夢を分かりやすく伝えたい。研修などでこの施設を訪れた子どもたちの中から将来、あのパネルを見て感動した、宇宙開発や科学技術分野へと自信が進むきっかけになった、と言って貰えるようになれば嬉しい」との思いを示した。

アポロ計画用船外活動宇宙服バブルヘルメットの実物も展示!

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実物の船外活動宇宙服バブルヘルメット

 

 今回のリニューアルに伴い、YASDA製の工作機械で加工されたエンジン部品の内容も適切に情報として掲載し、国内産業や地元企業としての存在感を示しているほか、安田社長から提供された貴重なアポロ計画用〝船外活動宇宙服バブルヘルメット〟の実物を展示している。

 この展示品は、1961年~1972年にかけて実施されたNASAのアポロ計画用に、アメリカ・エアロック社が開発した本物のバブルヘルメットの実物で、つなぎ目のないポリカーポネート素材で出来ており、宇宙空間でも空気を漏らさない密封性能と、高い透明度と頑丈さをもっている。この貴重な展示品は、1996年に安田工業も出展したアメリカで開催の「IMTS1996(国際製造技術展)」でエアロック社から交歓の品として送られたもの。 

 常設展示ではショーケースにてしっかりと保管し、科学イベントなどでは実際に子どもたちに被ってもらうこともできる。同社では、「学びの経験の一助として活用していただきたい」としており、科学技術をテーマとした展示の充実により先端技術企業ならではの立場で地域に貢献できる事業と位置づけている。
 

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