DMG森精機 加工現場のデジタルツインを実現する「CELOS DYNAMICpost」を開発

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 DMG森精機がこのほどポストプロセッサ、切削加工シミュレーション、切削力最適化機能を1本で使用できるソフトウェア「CELOS DYNAMICpost(セロスダイナミックポスト)」の販売を開始した。

 同社によると、近年、製品の多様化により加工ワークの複雑化が進み、複雑形状部品をワンチャッキングで加工できる5軸・複合加工機の需要が増加していることに伴い、加工プログラムの生成にCAMソフトウェアを活用している顧客が増加しているという。

 CAMで生成したツールパスはポストプロセッサにより、使用する工作機械の制御装置に適合したNCプログラムに変換する必要がある。工作機械やNC装置の詳細な仕様が十分に反映されていないポストプロセッサを実行すると、NCプログラムの多大な修正作業が発生する。また、修正を行わず、そのまま加工すると機械停止や主軸干渉につながる恐れがある。このため、同社の工作機械に適合するポストプロセッサの準備や、高精度な切削加工シミュレーションを効率良く行いたいという要望が多くあった。

 今回開発した「CELOS DYNAMICpost」は、従来、個別に購入が必要であったポストプロセッサ、切削加工シミュレーション、切削力最適化機能の3つの機能を1つに統合したPCソフトウェア。CAMで作成したツールパスをポストプロセッサでNCプログラムに変換後、切削加工シミュレーション機能により加工形状の評価、干渉チェック、加工時間の予測を行い、切削力最適化機能で切削負荷を評価して、加工条件を最適化したNCプログラムを自動で生成する。切削加工シミュレーションには同社のデジタルツイン技術を用いることで、機械構造や軸の加減速、工具交換時間など、同社の工作機械が持つ機能を忠実に再現しており、実際の切削時間や切削力を正確にシミュレーションする。

 同社が開発した「CELOS DYNAMICpost」は、同社製工作機械固有の機能を標準サポートしており、機械の性能を最大限に発揮させる信頼性の高いNCプログラムを生成できるため、NCプログラムの修正作業を低減し、プログラム作成から加工開始までの時間を大幅に短縮する。また、「DYNAMICpost」は、試加工をデジタルでシミュレーションすることにより、実機での試加工をゼロにできるため、消費エネルギーの削減にもつながり、持続可能な開発目標(SDGs)にも貢献する製品である。

主な特長

(1)ポストプロセッサ、切削加工シミュレーション、切削力最適化機能を1本のソフトウェアで使用可能
 ・統一したユーザーインタフェースにより、シームレスなデータ連携と操作を実現
 ・保守サポートをDMG森精機がワンストップで対応
 ・ソフトウェア毎の動作確認が不要のため機械納入後すぐに使用可能

(2)工作機械の能力を最大限に発揮する加工を実現
 ・同社製の工作機械に適合したNCプログラムを生成する専用ポストプロセッサ
  +専用機能(アプリケーションチューニングサイクル、クイックMコード)に標準対応
   → アプリケーションチューニングサイクル:荒加工時間を20 %短縮
   → クイックMコード:工具交換時間を20 %短縮
  +オペレーターの入力作業を低減する自動入力に対応

(3)正確な生産計画と干渉を回避する安心安全な加工を実現
 ・NCプログラムの正確な切削加工シミュレーション
  +正確なサイクルタイムを予測するタイムスタディ機能
  +加工時の干渉を未然に防止する干渉チェック機能
  +CAMで作成したプログラムだけでなく、MAPPS対話機能のシミュレーションにも対応
  +CADで設計した3Dモデルとシミュレーション切削形状との比較機能

(4)荒加工の切削時間20 %削減と工具破損を抑止
 ・加工条件を最適に制御する切削力最適化機能
  +切削力の制御で加工時間を短縮
  +工具への高負荷を抑制し、工具破損を抑止
  +切削力のシミュレーション結果をグラフで確認可能

仕様
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