日本ロボット工業会 新会長に山口賢治ファナック社長

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あいさつする山口新会長

 日本ロボット工業会が6月30日、都内の東京プリンスホテルで「2022年度通常総会」を開いた。今年は改選期にあたり、新会長に山口賢治ファナック社長が選任された。

 山口新会長は、懇親会の席で、「業界の飛躍と発展のため努力していく。」と意気込みを示したあと、「世界的に見てコロナ禍は依然として収束の気配は見えないものの、ポストコロナに向けた動きも着実に進んでいる。このパンデミックにあっても世界経済は回復の状況にある。その一方でロシアによるウクライナ侵攻によって甚大な被害が生じているとともに、エネルギー、原材料等の価格高騰やサプライチェーン等での新たなリスクが一層拡大しており、今後の世界経済は予断を許さないものがある。」と懸念を示したあと、昨年のロボット産業業界について、「わが国のロボット産業は、半導体を始めとする部品不足の影響が大きく見られたが、堅調な外需が輸出市場を牽引するとともに国内市場での回復基調も見られたことで、昨年の実績は受注額で対前年比25.6%増の約1兆800億円と、初めて一兆円を超えることができた。生産額でも22.5%増の約9,400億円と全体として対前年比2桁台の大きなプラス成長となった。」と述べた。

 今年のロボット市場については、「先の地政学的リスクからくる性秋経済の影響が大きな懸念材料ではあるものの、部品不足の問題や物流の混乱などが徐々に改善されることを期待するとともに引き続き高い自動化需要に支えられて受注額は対前年比3.6%増の1兆1,170億円、生産額は4.0%増の9,770億円となることが見込まれている。」とした。

 また、ロボット市場の拡大について、「システムインテグレーターの果たす役割は年々大きくなっている。2018年に工業会内に発足したFA・ロボットシステムインテグレータ協会は、この4年間、順調に発展をしてきた。」とし、より一層の協力を求めた。

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経済産業省 藤木 製造産業局長

 来賓を代表して、経済産業省の藤木俊光製造産業局長があいさつをした。この中で藤木製造産業局長は、「コロナに関しては引き続き警戒が必要な状況ではあるものの、徐々にノーマルに向けた動きが広がってきてるように思っている。ロボット業界はグローバルに活躍していただかなければならない業界であり、ビジネスの往来がこれからスムーズになるのではないか。世界を牽引する日本のロボット産業のチャンスがやっと現れ、大きく世界でビジネスを発展させられることを期待してやみません。私どもも皆様と一緒にロボットをより広い環境で使ってもらうため、ロボットフレンドリーな環境をつくり、施設管理や小売り、食品、物流倉庫などの分野で、よりロボットが活躍できる社会をつくっていこうという取り組みも進めている。将来に向けて皆様と一緒に議論しながら一緒に歩んで行けたらと思っている。」と声援を送った。

 
 

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