【レポート】ロボットテクノロジージャパンで見た注目企業の動向

 ロボットテクノロジ―ジャパン(主催:ニュースダイジェスト社、共催:愛知県機械工具商業協同組合)が6月30日~7月2日の3日間、Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で開催された。この展示会の出展対象は、製造現場や物流拠点で使用される「産業用ロボット」や産業用ロボットを組み込んだ装置や周辺機器、システムに特化していることが特長。


220731ロボットアマダ 賑わいを見せていたアマダのブース。写真を撮るのも一苦労だった。来場者の視線の先にあるのは、全自動板金曲げ加工システム『EG 6013 AR』。手作業では難しい小物製品の曲げ加工を自動化するマシン。今回は、金型段取りや、板金加工、角度補正の3つの自動化を推進。作業者の負担軽減や工程の効率化を実現するマシンとなっていた。


220731ロボットイワタツール 〝ヘリカルで穴加工専用工具『ヘリカルエンドミル』を展示していたイワタツール。この工具は開発中の製品だが、今回、トライエンジニアリングの薄板加工システムとタッグを組んで、アルミや樹脂、複合材といった自動車外装パネルなどを高品質に穴加工とトリミング加工を披露。しかも低コストを実現するという。この工具は、開発中ということもあって、現在、加工テストをしてくれる企業を募集している。

 

220731オーエスジー オーエスジーは、5軸加工機による工程集約を狙った『粉末ハイス製スカイビングカッタ』を展示。ワンチャックで歯車が加工できる工具である。同社はグループ企業にコーティングサービス会社があるので、多種多様なコーティングができるのも優位性のひとつ。ユーザーの条件や素材に合わせたカッタの提供など、加工現場の要望に合わせた提供ができるので、頼もしい。

 

220731岡本工作機械製作所 岡本工作機械製作所は、SNS精密平面研削盤『PSG 63CA3-SELF』にフルオート研削オプションを搭載し展示していた。同社ではグループ会社である技研で、ロボットを活用した研削盤に特化した自動化提案を行っているのも強み。センシング技術と見える化技術の組み合わせでサブミクロンの高精度加工の自動化を実現し、高精度の研削加工に対して様々な自動化提案を行っている。

 

220731ロボット北川鉄工所 自動化といえば自動でモノを掴む機器が必要不可欠。北川鉄工所が展示していた『NPGT_Sシリーズ』は、スケール内蔵タイプでワーク保持部の測定を可能にした製品。精密測定で不良品を判別し、測定誤差は±2μm以内。搬送と同時に寸法測定が可能なので、生産ラインの高効率に貢献する。また、測定データをPCなどで管理できることも嬉しい。加工と検査工程を集約することで省スペースも実現し、データ管理による品質の安定化なども図ることができるので、トータルコスト削減に貢献する製品だった。

 

220731ロボット黒田精工 黒田精工は、1台のアクチュエータで高精度な開閉把持を実現する直動システム『左右ねじアクチュエータ SE/SGシリーズ』を展示していた。右ねじと左ねじが1本の一体型は、一つのモータ、1本のボールねじで左右開閉ができる機構だ。繰り返し位置決め精度は、SEシリーズが±0.010mm以下、SGシリーズが±0.005mm以下。

 

220731ロボット芝浦機械 芝浦機械は、スカラ型層湾協働ロボットがワーク(バッテリセル、バッテリケース)の取上げと搬送のデモを行っていた。片手でワークを把持、最大過半質量は片手で6kgを搬送する。新しいユーザインターフェイスにも注目したい。市販タブレット端末を外部操作ペンダントとして採用。ペンダントはオフラインでも使用できオフィスのPCでもロボットプログラミングが可能だ。ロボットシミュレータも内蔵している。

220731ロボットBIG BIGでお馴染みの大昭和精機は、総合ツーリングメーカーの強みを生かした生産効率向上の画期的なシステム『Factory Manager®』を展示していた。このシステムは、既存の設備や工具で製造現場のIoTを実現するもので、各社ツールプリセッタとの連動ができる。工具の外段取りにより、機内測定時間を軽減し、機械稼働率の向上を実現するシステム。

 

220731ロボットDMG森精機 DMG森精機は多品種少量生産の自動化を短時間で実現する『MATRIS Light20』を展示していた。オペレータ不在時の自動化に貢献するシステムとあって注目度も抜群。手押し台車にロボット/ワークを搭載し、ブース内を自由に移動しているロボットシステムに来場者は興味津々。このシステムの優位性は自動化用のインターフェースを搭載した既存の工作機械に接続できるという後付け可能な点も魅力。

 

220731ロボットナガセインテグレックス 業界初の『研削加工支援アプリ』を展示していたナガセインテグレックス。このアプリは、材質、要求幾何精度、表面粗さ、加工時間などを入力すると推奨加工システムを提示する。また、連動したマシンにて加工中に発生するアラームは適宜、スマホやタブレットに送信されるので加工現場にいなくてもマシンの状態を把握することができる。また、生産管理ソフトと連携し、機械の稼働状況や各ワークに対して、加工がどこまで進んでいるかを遠隔地からでも確認することができる。

 

220731牧野フライス製作所 牧野フライス製作所は、製造支援モバイルロボット『iAssist』が工具をツールプリセッタから金型加工の高速5軸加工を実現する『D200Z』搬送するデモを行っていた。『iAssist』は、環境に合わせて最適経路を生成し移動する自律走行型搬送車。最小限の設備変更で工程を自動化することができる。機動性も抜群で、位置決め精度や可搬能力に優れている。

 

220731ロボット安田工業 安田工業は超小型精密加工分野に貢献するハイエンドマシン『Micro Center YMC430』に、自動化向けた取り組みについてパネルを用いて展示していた。同社では、何個でも高精度に安定したものづくりを提唱しており、20時間超えの自動運転でも±5μmの自動化を実現するとしている。プログラムによる追い込みと修正回数が少ないなどの優位性があるため自動化に向けた工程設計が簡単なのが魅力だった。

 

220731ロボットヤマザキマザック ヤマザキマザックは、多品種少量生産生産や自動化に向け、立形マシニングセンタ『VCN460』とコンパクトなと協働ロボット『Ez LOADER 10』のデモを展開していた。パレット上の素材を機内へ運び、加工完了後に計測器へ運ぶ。計測している間に2個目の加工を開始するという一連の動作を見せてくれた。『Ez LOADER 10』は、セットアップも簡単でケーブルを機械に接続するだけで接続機種を自動で判別する。
 

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